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Chapter 1:まさか援交目的で誘った女子高生と、援助契約するとは思ってもいませんでした。
第25話 嘘でしょ ACT 5
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「ゴクリ」思わずつばを飲み込んだ。
「知っているってな、何を……」
「別に私はいいんだけど。……正直、本当はあんまりよろしくないんだけど」
グイッとコップ酒を煽る香。
「あ、お兄さんぁん。お酒もう一杯ちょうだぁい!!」
「もうやめとけって」
「何よぉ、私が飲むんだからいじゃない。雄太は日本酒あんまり好きくないんだからビールでも飲んでなよ。全然減ってないよぉぉぉ」
キャハハハ。と笑いながら香は俺にそれとなく挑発をかけている様な感じだ。
いや絶対にこれは探りを入れている。
「あのさぁ、雄太はねぇ。大それた事なんか出来ない人。だけど、たまぁに思いもしない事やるからねぇ」
「思いもしない事って……」
「ほうら、自分の手を胸にあてて考えてごらん」
ニマぁ―とした香の顔が俺を威嚇する。
「お待たせいたしましたぁ」香の前に2杯目の日本酒が置かれた。グラスに並々と注がれた日本酒に、自分の瞳を映し出すように見つめ一言呟く。
「私、見ちゃったんだぁ」
「……えっ?」
見ちゃったって何を……ま、まさか。
「この前の日曜日、ホームセンターで偶然。雄太と可愛らしい女の子が仲睦まじくお買い物している姿。うフフフ」
ああああああああ! アウトだぁ!!
見られちまっていたんだ。美愛と買い物しているところ。それも寄りによって香に見られていたとは。やばいぞ。マジやばいかもしれない。
「た・し・か……雄太には妹なんていなかったわよねぇ。だとしても妹にしてもちょっと、歳離れているんじゃない? ……女子大生? もしかして女子高生? ねぇ」
香の視線が鋭く俺を刺す。
「ちゃんと話してもらおうじゃないの!」
「ちょっと待て香、これには事情があるんだ」
たらりと汗が流れ出す。その汗を軽くぬぐい。
「確かに俺んところに今一人の女の子が居る……居ると言ってもそんな如何わしい関係じゃない、これは本当だ。その、何だルームシェアしてるんだ。個人的に」
「ルームシェア? 雄太そんな広いところに越したんだ。部屋を貸せるくらい広いなんて、凄いねぇ……でもさぁ何で、そんなに広いところに越しちゃったの?」
それを訊くのか? 突っ込むところは別にあるだろ。
俺と美愛の関係とか、どうしてあんなにも若い女の子と一緒にいるんだとか……あ、別に一緒に暮らしていることなんか、ルームシェアているなんて言わなくても、もっと別な言い方というか、この際ごまかすんだったら、もっといいごまかし方があったんじゃねぇのか。
それにだ、何でそんなに広いところに越したのかって言う事も、言わねぇといけなくなっちまったじゃねぇか。
まったくドジ踏んじまった。
「あはははは、雄太。またまた物凄い顔になってるよ。そうか、言えない事情があるんだぁぁ!! ふぅ――ん。ま、いいかぁ」
「ま、いいかぁって、訊かないのか?」
香はニマぁ―としながら「今はいいよ。事情があるって言う事は訳ありなんでしょ。雄太がそう決めたんならそれでいいじゃない。あなたの事はこれでも良く分かってるつもり。ただ単に一緒に暮らしているとは思えないんだぁ。ま、仮に元カレ……あ、今は『ふり彼』だけど、信じてあげよう。間違いがないことを」
「……す、すまん」
「いいのいいの、誰しも人には言えない隠し事って、持っているもんだからね。それに何となく引かれるのよねぇ、ちょっと影を感じる男の人って」
そんなカッコいいもんじゃねぇけどな。
香は目の前の酒をまたごくごくと一気に飲み干した。
「ぷはぁ―」此奴酔いが深まると一気にあの妖艶さが、おやじ感丸出しになっちまうところがあぶねぇ。
「さぁて、そろそろ行きますかぁ」
「あ、そうだな、ここは俺が……」
「何言ってんの。私が呼んだんだから、ここは私が払います!」
よいしょッと、香が立ち上がりテーブルから離れると、グラっと俺の体に倒れ込んできた。
「おい、大丈夫か?」
「なははは、結構酔ってるみたい」
「だから言ったじゃねぇか、一気に飲みすぎなんだよ。歩けるか?」
「歩けなぁ――――い! って言ったら雄太抱っこしてくれる?」
「……その、ここじゃ無理だ」何言ってんだ香の奴。
結局会計は酔っぱらって自分のカバンを持つのもままならない香の代わりに、俺が支払った。ま、それはいいとして、ここまで酔うと此奴自分の家までたどりつけねぇんじゃねぇのか。仕方ねぇ、タクシー拾って家まで送るか。
「ありがとうございましたぁ!」店員の声を耳にして、店を出た。すぐ目の前に客待ちのタクシーが停車しているのを見つけ、香と共に乗車した。
「わははぁ、雄太送ってくれるんだぁ」と、香ははしゃいでいたが、いきなり「……雄太、なんだか気持ち悪くなってきたぁ」
「おいおい大丈夫か?」
「うん、今はまだ大丈夫そう。でも私の所まではもたないかなぁ」
「お客さんどうします?」タクシーの運転手が迷惑そうな声を投げかける。
まいったな、タクシーなら俺んとこまで、ここからならそんなにかからねぇ。仕方ねぇな。
「すみません……」俺のマンションまでの住所を言い、車は動き出した。
タクシーの運転手が「もし我慢できなそうなら早めに言ってくださいよ。停車しますから」と車内を汚されるのを毛嫌いするかの様に言う。
「すぐ近くだから、我慢できそうか?」
「うん、まだ大丈夫」
何とか車を止めることなくマンションの前まで付いた。エントランスを抜けエレベータに乗り、香の顔を見ると真っ青な顔をしていた。
部屋のドアの前でインターフォンを押すと「はぁ―い」と返事が返って来た。
ドアロックが解除され、ドアが開く。
香を抱きかかるようにして立っている、俺たちを美愛はその目にして、一言。
「げっ! 誰、その人」
何故か鋭い視線が、俺の方に注がれた。
「知っているってな、何を……」
「別に私はいいんだけど。……正直、本当はあんまりよろしくないんだけど」
グイッとコップ酒を煽る香。
「あ、お兄さんぁん。お酒もう一杯ちょうだぁい!!」
「もうやめとけって」
「何よぉ、私が飲むんだからいじゃない。雄太は日本酒あんまり好きくないんだからビールでも飲んでなよ。全然減ってないよぉぉぉ」
キャハハハ。と笑いながら香は俺にそれとなく挑発をかけている様な感じだ。
いや絶対にこれは探りを入れている。
「あのさぁ、雄太はねぇ。大それた事なんか出来ない人。だけど、たまぁに思いもしない事やるからねぇ」
「思いもしない事って……」
「ほうら、自分の手を胸にあてて考えてごらん」
ニマぁ―とした香の顔が俺を威嚇する。
「お待たせいたしましたぁ」香の前に2杯目の日本酒が置かれた。グラスに並々と注がれた日本酒に、自分の瞳を映し出すように見つめ一言呟く。
「私、見ちゃったんだぁ」
「……えっ?」
見ちゃったって何を……ま、まさか。
「この前の日曜日、ホームセンターで偶然。雄太と可愛らしい女の子が仲睦まじくお買い物している姿。うフフフ」
ああああああああ! アウトだぁ!!
見られちまっていたんだ。美愛と買い物しているところ。それも寄りによって香に見られていたとは。やばいぞ。マジやばいかもしれない。
「た・し・か……雄太には妹なんていなかったわよねぇ。だとしても妹にしてもちょっと、歳離れているんじゃない? ……女子大生? もしかして女子高生? ねぇ」
香の視線が鋭く俺を刺す。
「ちゃんと話してもらおうじゃないの!」
「ちょっと待て香、これには事情があるんだ」
たらりと汗が流れ出す。その汗を軽くぬぐい。
「確かに俺んところに今一人の女の子が居る……居ると言ってもそんな如何わしい関係じゃない、これは本当だ。その、何だルームシェアしてるんだ。個人的に」
「ルームシェア? 雄太そんな広いところに越したんだ。部屋を貸せるくらい広いなんて、凄いねぇ……でもさぁ何で、そんなに広いところに越しちゃったの?」
それを訊くのか? 突っ込むところは別にあるだろ。
俺と美愛の関係とか、どうしてあんなにも若い女の子と一緒にいるんだとか……あ、別に一緒に暮らしていることなんか、ルームシェアているなんて言わなくても、もっと別な言い方というか、この際ごまかすんだったら、もっといいごまかし方があったんじゃねぇのか。
それにだ、何でそんなに広いところに越したのかって言う事も、言わねぇといけなくなっちまったじゃねぇか。
まったくドジ踏んじまった。
「あはははは、雄太。またまた物凄い顔になってるよ。そうか、言えない事情があるんだぁぁ!! ふぅ――ん。ま、いいかぁ」
「ま、いいかぁって、訊かないのか?」
香はニマぁ―としながら「今はいいよ。事情があるって言う事は訳ありなんでしょ。雄太がそう決めたんならそれでいいじゃない。あなたの事はこれでも良く分かってるつもり。ただ単に一緒に暮らしているとは思えないんだぁ。ま、仮に元カレ……あ、今は『ふり彼』だけど、信じてあげよう。間違いがないことを」
「……す、すまん」
「いいのいいの、誰しも人には言えない隠し事って、持っているもんだからね。それに何となく引かれるのよねぇ、ちょっと影を感じる男の人って」
そんなカッコいいもんじゃねぇけどな。
香は目の前の酒をまたごくごくと一気に飲み干した。
「ぷはぁ―」此奴酔いが深まると一気にあの妖艶さが、おやじ感丸出しになっちまうところがあぶねぇ。
「さぁて、そろそろ行きますかぁ」
「あ、そうだな、ここは俺が……」
「何言ってんの。私が呼んだんだから、ここは私が払います!」
よいしょッと、香が立ち上がりテーブルから離れると、グラっと俺の体に倒れ込んできた。
「おい、大丈夫か?」
「なははは、結構酔ってるみたい」
「だから言ったじゃねぇか、一気に飲みすぎなんだよ。歩けるか?」
「歩けなぁ――――い! って言ったら雄太抱っこしてくれる?」
「……その、ここじゃ無理だ」何言ってんだ香の奴。
結局会計は酔っぱらって自分のカバンを持つのもままならない香の代わりに、俺が支払った。ま、それはいいとして、ここまで酔うと此奴自分の家までたどりつけねぇんじゃねぇのか。仕方ねぇ、タクシー拾って家まで送るか。
「ありがとうございましたぁ!」店員の声を耳にして、店を出た。すぐ目の前に客待ちのタクシーが停車しているのを見つけ、香と共に乗車した。
「わははぁ、雄太送ってくれるんだぁ」と、香ははしゃいでいたが、いきなり「……雄太、なんだか気持ち悪くなってきたぁ」
「おいおい大丈夫か?」
「うん、今はまだ大丈夫そう。でも私の所まではもたないかなぁ」
「お客さんどうします?」タクシーの運転手が迷惑そうな声を投げかける。
まいったな、タクシーなら俺んとこまで、ここからならそんなにかからねぇ。仕方ねぇな。
「すみません……」俺のマンションまでの住所を言い、車は動き出した。
タクシーの運転手が「もし我慢できなそうなら早めに言ってくださいよ。停車しますから」と車内を汚されるのを毛嫌いするかの様に言う。
「すぐ近くだから、我慢できそうか?」
「うん、まだ大丈夫」
何とか車を止めることなくマンションの前まで付いた。エントランスを抜けエレベータに乗り、香の顔を見ると真っ青な顔をしていた。
部屋のドアの前でインターフォンを押すと「はぁ―い」と返事が返って来た。
ドアロックが解除され、ドアが開く。
香を抱きかかるようにして立っている、俺たちを美愛はその目にして、一言。
「げっ! 誰、その人」
何故か鋭い視線が、俺の方に注がれた。
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