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Chapter 1:まさか援交目的で誘った女子高生と、援助契約するとは思ってもいませんでした。
第29話 美愛ニヤァ― ACT 4
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「いやぁ―、一瞬違うのかなぁって思っちゃったよ。なんだか雰囲気大分変っちゃってるんだもん」
「そ、そうぉ?」
「うん、中学の時からしたら、綺麗になったよ」
「ええええ、変わってないよ。麻衣の方こそかなり変わっちゃったんじゃない?」
「なはは、やっぱそう見える? 高校デビューて言うやつでイメチェンしたんだけど、なんか失敗しちゃってさぁ。まいったよ」
「ううん、可愛いよ」
確かに私も中学の時からすれば変わったのかもしれない。でも麻衣の変わりようには正直驚いた。
三つ網眼鏡で、どことなくおとなしい感じのあの麻衣が、見違えるほど綺麗になっていた。これのどこが失敗なんだよ。
麻衣とは何となく気の合うクラスメイトだった。だけど、それほど仲のいい友達という訳でもなった。麻衣自身が、余りみんなと馴染もうとする性格の子じゃなったからだ。
どことなく影の薄い子。そんなイメージのある子だった。
そんな子が髪をバッサリと切り揃え、少し赤茶けた髪色が映える化粧を施し、あの顔の表情よりもインパクト感のある眼鏡が無い。
「そうかなぁ、コンタクトに変えて、髪切っただけなんだけど」
「ううん、ホント変わっちゃったねぇ」
「ま、高校行くと何かといろいろあるから……」ちょっと表情に陰りが見えたような気がした。
「それよりさ、美愛時間ある? どっか寄って行かない」
「……どっかって?」
「何よう、別に変な意味じゃないよ。お腹空かない? 私なんか食べたいとこなんだけど」
「あははは、そっかぁ。そいう事。……でも」
でも、でも、なのだ。正直今、私が自由に出来るお金はないんだ。
持っているこのお金は二人の食費。私と雄太さんの1週間分の食費なのだ。1円だって自分の事に使えないお金だ。それでなくたって、学校までの交通費も雄太さんは負担してくれている。いくら久しぶりにあった友達? ん? まぁそうなんだろうけど、気軽に行ける訳がない。
「どうしたの? あ、もしかして寄り道しちゃ駄目って言うの守ろって言う事かなぁ。なにせあのお嬢様学校の百合白なんだもんねぇ」
そ、そうじゃない。麻衣そうじゃないんだよ。確かに寄り道は何とかって言うの校則があるって聞いたことあるけど、そうじゃないんだよ……。
「い、今さ、持ち合わせがなくて。その……」
なんとも情けない気もするけど、実際そうなんだから。ここで私がこのお金を自分の事に使えば、困るのは自分自身だ。
……大した金額じゃ無いにいせよ。
「ぷはぁっ! なぁんだ。そんなこと気にしてたんだぁ。それくらい奢るよ」
「そ、そんな悪いし」
「大丈夫だって、私バイトもしてるから、そんなこと気にしなくたっていいよ」
バイト……その言葉に何か惹かれる思いもあったけど、今はそんなことをしている余裕は無いかもしれない。でも何とか自由になるお金も欲しい。そんなもどかしい思いを抱きながらも私は麻衣と共に町の中を歩き始めた。
しかし目に付くのは八百屋さんにお肉屋さん。お惣菜なんかも並べているお店も目に入ると、ゴクリと喉が鳴る。
麻衣はそんな私に関係なく話しかけてくる。
「ねぇ、美愛。もしかして私といるのめんどい?」
「えっ! そんなことないよ」
「だってさぁ、さっきから返事はあいまいだし、美愛の視線はお店の方ばかり行っちゃってる感じがするんだけど。まぁね、仕方がないかぁ。公立の高校に行っている私と美愛の様なお嬢様学校じゃそりゃね。住む世界が違うっていうかさ、話も合わないんだろうけどさ」
私は思いっきりぶるぶると顔を振った。
「ご、ごめんなさい。そうじゃなくて……その、私今晩の夕食の事考えていて」
「――――夕食? 美愛ん所なら、ちゃんと料理作ってくれる人なんかもいるんじゃないの?」
「いないよそんな人! 食事は私が作らないといけないから」
「うっそだぁ。美愛は本当のお嬢様って言うのがトレードだったじゃない」
「そっかぁ、あの頃はそうかもしれない。うん、否定はしないよ。でもさぁ、今はそんな生活なんかしてないんだよ。私さぁ……」
「ちょっとまったぁ! 今そんな話こんなところでするもんじゃないでしょ。何か事情があるんじゃん。絶対にそうだよね」
――――こくんと頷いた。
「まずはさぁ分かった。お買い物しちゃおよ。やらないといけないことがあるんだったらまずそれが最優先! 私も付き合うからさぁ。あ、もしお金足りなそうだったら立て替えておくよ」
「お、お金は大丈夫。その分はあるから……私が使う分だけが無いだけなんだ」
「自由に使えるお金がないんだ」
「ないというか、今はいらないから」
「――――そっかぁ、まっいいか」
麻衣と一緒に夕食食材を買うため、お店を数軒廻った。一人であれこれ考えて買う買い物にもようやく慣れて来て、何となく楽しくなってきたところに、もう一人、私と一緒に買い物に付き合ってくれる人がいる。思いのほか楽しい気分になれた。不思議なもんだなぁ。誰かといるって言うのがこんなに心地いいなんて。ついこの間まで、私は自分の傍に誰かが居ること自体稀なことだと思っていた。私の傍に居る人は私を求め、私はその求めに応じ、屋根のある所で身を置く事が許されるという、取引みたいな関係の人としか関わっていなかった。
最も叔父さんの所にいた時は、その取引の様な関係と言うよりも、私自身を消し去ることに専念しいていたようにも今は思える。
「結構買ったねぇ。でもさぁ、これ美愛一人分じゃないよね。どう見たって多いよ」
「うん、一緒に住んでいる人の分とだから」
「ええ、一緒に住んでいる人って、美愛親とは別に暮らしているの? も、もしかして同棲とか?」
「―――――ど、同棲ていうかなんていうか」言葉に詰まった。でもすぐに「ルームシェアしているんだ。一緒に住んでいる人の分も……」
「ルームシェア? 誰かと一緒に住んでるんだ」
麻衣はニマぁ―とした顔つきで
「男でしょ」と言った。
その言葉に私は否定出来なかった。
「そ、そうぉ?」
「うん、中学の時からしたら、綺麗になったよ」
「ええええ、変わってないよ。麻衣の方こそかなり変わっちゃったんじゃない?」
「なはは、やっぱそう見える? 高校デビューて言うやつでイメチェンしたんだけど、なんか失敗しちゃってさぁ。まいったよ」
「ううん、可愛いよ」
確かに私も中学の時からすれば変わったのかもしれない。でも麻衣の変わりようには正直驚いた。
三つ網眼鏡で、どことなくおとなしい感じのあの麻衣が、見違えるほど綺麗になっていた。これのどこが失敗なんだよ。
麻衣とは何となく気の合うクラスメイトだった。だけど、それほど仲のいい友達という訳でもなった。麻衣自身が、余りみんなと馴染もうとする性格の子じゃなったからだ。
どことなく影の薄い子。そんなイメージのある子だった。
そんな子が髪をバッサリと切り揃え、少し赤茶けた髪色が映える化粧を施し、あの顔の表情よりもインパクト感のある眼鏡が無い。
「そうかなぁ、コンタクトに変えて、髪切っただけなんだけど」
「ううん、ホント変わっちゃったねぇ」
「ま、高校行くと何かといろいろあるから……」ちょっと表情に陰りが見えたような気がした。
「それよりさ、美愛時間ある? どっか寄って行かない」
「……どっかって?」
「何よう、別に変な意味じゃないよ。お腹空かない? 私なんか食べたいとこなんだけど」
「あははは、そっかぁ。そいう事。……でも」
でも、でも、なのだ。正直今、私が自由に出来るお金はないんだ。
持っているこのお金は二人の食費。私と雄太さんの1週間分の食費なのだ。1円だって自分の事に使えないお金だ。それでなくたって、学校までの交通費も雄太さんは負担してくれている。いくら久しぶりにあった友達? ん? まぁそうなんだろうけど、気軽に行ける訳がない。
「どうしたの? あ、もしかして寄り道しちゃ駄目って言うの守ろって言う事かなぁ。なにせあのお嬢様学校の百合白なんだもんねぇ」
そ、そうじゃない。麻衣そうじゃないんだよ。確かに寄り道は何とかって言うの校則があるって聞いたことあるけど、そうじゃないんだよ……。
「い、今さ、持ち合わせがなくて。その……」
なんとも情けない気もするけど、実際そうなんだから。ここで私がこのお金を自分の事に使えば、困るのは自分自身だ。
……大した金額じゃ無いにいせよ。
「ぷはぁっ! なぁんだ。そんなこと気にしてたんだぁ。それくらい奢るよ」
「そ、そんな悪いし」
「大丈夫だって、私バイトもしてるから、そんなこと気にしなくたっていいよ」
バイト……その言葉に何か惹かれる思いもあったけど、今はそんなことをしている余裕は無いかもしれない。でも何とか自由になるお金も欲しい。そんなもどかしい思いを抱きながらも私は麻衣と共に町の中を歩き始めた。
しかし目に付くのは八百屋さんにお肉屋さん。お惣菜なんかも並べているお店も目に入ると、ゴクリと喉が鳴る。
麻衣はそんな私に関係なく話しかけてくる。
「ねぇ、美愛。もしかして私といるのめんどい?」
「えっ! そんなことないよ」
「だってさぁ、さっきから返事はあいまいだし、美愛の視線はお店の方ばかり行っちゃってる感じがするんだけど。まぁね、仕方がないかぁ。公立の高校に行っている私と美愛の様なお嬢様学校じゃそりゃね。住む世界が違うっていうかさ、話も合わないんだろうけどさ」
私は思いっきりぶるぶると顔を振った。
「ご、ごめんなさい。そうじゃなくて……その、私今晩の夕食の事考えていて」
「――――夕食? 美愛ん所なら、ちゃんと料理作ってくれる人なんかもいるんじゃないの?」
「いないよそんな人! 食事は私が作らないといけないから」
「うっそだぁ。美愛は本当のお嬢様って言うのがトレードだったじゃない」
「そっかぁ、あの頃はそうかもしれない。うん、否定はしないよ。でもさぁ、今はそんな生活なんかしてないんだよ。私さぁ……」
「ちょっとまったぁ! 今そんな話こんなところでするもんじゃないでしょ。何か事情があるんじゃん。絶対にそうだよね」
――――こくんと頷いた。
「まずはさぁ分かった。お買い物しちゃおよ。やらないといけないことがあるんだったらまずそれが最優先! 私も付き合うからさぁ。あ、もしお金足りなそうだったら立て替えておくよ」
「お、お金は大丈夫。その分はあるから……私が使う分だけが無いだけなんだ」
「自由に使えるお金がないんだ」
「ないというか、今はいらないから」
「――――そっかぁ、まっいいか」
麻衣と一緒に夕食食材を買うため、お店を数軒廻った。一人であれこれ考えて買う買い物にもようやく慣れて来て、何となく楽しくなってきたところに、もう一人、私と一緒に買い物に付き合ってくれる人がいる。思いのほか楽しい気分になれた。不思議なもんだなぁ。誰かといるって言うのがこんなに心地いいなんて。ついこの間まで、私は自分の傍に誰かが居ること自体稀なことだと思っていた。私の傍に居る人は私を求め、私はその求めに応じ、屋根のある所で身を置く事が許されるという、取引みたいな関係の人としか関わっていなかった。
最も叔父さんの所にいた時は、その取引の様な関係と言うよりも、私自身を消し去ることに専念しいていたようにも今は思える。
「結構買ったねぇ。でもさぁ、これ美愛一人分じゃないよね。どう見たって多いよ」
「うん、一緒に住んでいる人の分とだから」
「ええ、一緒に住んでいる人って、美愛親とは別に暮らしているの? も、もしかして同棲とか?」
「―――――ど、同棲ていうかなんていうか」言葉に詰まった。でもすぐに「ルームシェアしているんだ。一緒に住んでいる人の分も……」
「ルームシェア? 誰かと一緒に住んでるんだ」
麻衣はニマぁ―とした顔つきで
「男でしょ」と言った。
その言葉に私は否定出来なかった。
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