転生少女、運の良さだけで生き抜きます!

足助右禄

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孤児

孤児院

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蝙蝠羽根の青年がドミニオンさんで虎人がティグリスさんらしい。

「2人はあたしやルサルカみたいにミナ達と契約したくて来たんだよ。いつ帰ってくるか分からないって言ったら孤児院を手伝って待ってるって。」
「そうだったんですね。ありがとうございました。」
「いえ、俺達が好きでやった事なので。」
「オレ達と契約してもらえるか?」

どうしよう…正直フィオレさんとノスフェランさんで手一杯。ウルちゃんとオル君もいるし…。

「人間と契約したいだけなら私が契約してあげようか?」

そう言ったのはリオさんだった。

「ただの人種では話にならない。ミナ様やユキ様のように強くなければな。」
「それなら大丈夫よ。何なら試してみる?」

リオさんは手の中に炎を灯して上に放つ。炎は凄まじい勢いで広がっていく。

「凄まじい火炎魔法だ……!」
「ふふっ、今のはクリムゾンフレアじゃない、ファイアよ。」
「なんと…!」

リオさんはチラリとソラちゃんを見る。ソラちゃんは満足気に頷きながら親指を立てている。

何か打ち合わせていたのかな?
…じゃなくて、

「森で火は使わないでください。火事になりますよ。」

ユキさんが注意してくれた。

「ごめんごめん。ついやってみたくなって。」

笑いながら謝るリオさん。

「先程は大変失礼しました。貴女のお力、充分に理解しました。私めを是非従者にお加えください。」

跪くドミニオンさん。

「ええ。私はリオ。こちらこそ宜しく。」
「それでは私めに名前をお与えください。」
「んーそうねぇ…。キュリオでどう?」
「キュリオ…素晴らしい名前です。ありがとうございます。」

「オレは?」
「トラさん、私じゃダメ?」
「む…この子もあなた方同様…?」
「ええ、でも手合わせはしない方がいいわよ。加減が出来なくて殺してしまうかも。」
「それ位が丁度いい!力試しだ。かかって来い!」
「…いいの?」
「来ないのならこちらからいくぞ!」

ティグリスさんが両手から鋭い爪を出してソラちゃんに襲いかかる。
ソラちゃんは足元にあった石を掴んで投げる。

「…………!?」
「外れた。」

ティグリスさんの右頬に切り裂かれた様な傷ができる。
うわ…投げた石、見えなかったよ…。

「ソラ、顔はやめときなさい。」
「顔面セーフ?」
「アウトよ!頭が無くなったら普通死ぬから!」
「ん。分かった。」

「投げさせなきゃいいんだろ!」

一気に間合いを詰めるティグリスさん。
ソラちゃんはインベントリからハルバードを取り出して横に薙ぎにフルスイング。ティグリスさんはそれを何とかスライディングで躱す。
そのままソラちゃんに爪を…繰り出せなかった。
次の瞬間、ティグリスさんは頭を地面に押さえつけられていた。
地面が陥没してる…。

「トラさんが石頭で良かった。」
「ま、参った…!」

ソラちゃんってあんなに動けるんだ…。

「俺と互角のティグリスをあれ程簡単に制するとは…。」

キュリオさんも驚いている。

「本当に強いのだな。オレはお前に従おう。名前をもらえるか?」
「えー……困った。」

いきなり言われても困るよね。

「じゃあティグルで。」
「うむ。オレはティグルだな!よろしく!…名前は?」
「ソラ。」
「よろしくな!ソラ。」
「あい。」

ダンジョンマスター2人の主人も無事決まって、孤児院の中を見る事に。
二階建ての屋敷中はスゴくシンプルで、一階の半分が食堂兼多目的スペースで、あとは子供達の部屋だった。
子供達の部屋は二段ベッドが4組、8人部屋で、一階に6部屋、二階に10部屋、128人収容できる。

詰め込み過ぎな気もするけど、なるべく分散させない様にしたのだとか。
年齢別に分けて孤児院を3つ作る予定だったけどリオさんが反対した。

「縦割りの方が集団生活に責任が出来ていいと思うわ。」

という訳で、今ある孤児院の近くにあと2棟建てて、共用出来る設備は1カ所に集中させる事にした。

それから竜達に教育をお願いしたけど、それは近いうちに人間に変えていきたい。そこは後日ギュンター伯爵にお願いしてみよう。

教育については基礎教育から簡単な職業訓練までを行なって、町で働き口を探す。冒険者を目指す子は要相談。安易な考えで冒険者になろうとしているなら説得する事もあり。
とにかく最終目的は子供達が自立できるようにする事。
長い目でみなければならない事だけど、一度始めてしまった事なので最後までやろうと思う。

あと一つ大事な事があった。

「おかえり、ねーちゃん。」

私達はテュケ君の所に来ていた。

「ただいま。テュケ君変わりはない?」
「うん。ここにずっといるだけだから退屈だったよ。」

テュケ君はアフターギフトの影響で変異してしまっているので、経過を見るためにまだ隔離していた。

フィオレさんがいうには特に問題なし。との事。

テュケ君には種族とかステータスの変化を正直に伝えなくちゃいけない。

「……そういうわけなの。私が掛けたラッキーシュートの所為だと思う。ごめんなさい。」
「なんだ、そんな事か!オレは気にしてないよ。むしろ強くなったんなら嬉しいくらいだよ。」
「でも、もう普通の暮らしが出来ないかもしれないんだよ?」
「普通って言われてもよく分からないよ。毎日食べ物探して町の中を歩いたり、大人に殴られたりだったから。」

テュケ君の日常は私が想像していたものよりもずっと悪かった。

「テュケ君は能力的には周りの大人よりもずっと強くなっちゃったけど、その力を悪い事に使っちゃ駄目だよ?」
「そんな事しないよ!ミナねーちゃんとユキねーちゃんに助けてもらったんだ。オレはこの力をねーちゃん達の恩返しに使いたい!…あと出来ればオレみたいな子供が増えないようにしたいんだ。」

…テュケ君。

「初めまして、私はリオ。それならまず基礎訓練をしようか。多分君は突然の変化で色々困っているでしょう?今の君ならそこらの冒険者よりずっと強いから。その力をコントロールできるようになろう。それがミナとユキの為になるはずだよ。」
「うん!オレ、頑張るよ!」

太陽のように笑うテュケ君を見て、私は自分のやった事が全て間違っていた訳じゃないと安堵して、これからもこの子達を守っていこうと決意した。
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