転生少女、運の良さだけで生き抜きます!

足助右禄

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リアード王国

情報収集

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町の様子は至って普通。
エリストの様に活気があって住みやすそう。

「美味しそうな匂いがする。」
「あ、ソラ!待ちなさい!」

匂いに誘われて露店の方へ行くソラちゃん。それを追うリオさん。

「まあ買い食いくらいいいんじゃねぇの?」
「構いませんよ。迷子にならなければ。」

私達も露店の方へ行ってみる。

「串焼き3本。」
「あいよ!」
「1本足らなくない?いや、5本、7本か…。」
「全部私の分。」
「食いしんぼうか!」

結局、私達も一本ずつ買って食べた。
ワイルドボアの串焼き、一本300レクス。
エリストのフォレストボアの串焼きと比べてサイズは少し小さめ、味はほぼ同じ、味付けは薄めかな。値段が高いのは貴重なお肉なのかな?

「やけに物価が上がってるな。前は串焼き一本100レクスだったんだが。」
「大規模な軍事行動があると物資の流れが変わるからね。」

他にも露店を見たり、市場を覗いたりしてみたけど、どこも品薄で値段が高騰していた。

「おじさん、一気に高くなったね。」
「仕方ないさ。軍がみんな買い上げて行ってしまったからね。」
「それじゃ儲かったんじゃないの?」
「いやいや、買い叩かれてどの店も泣いていたよ。」
「そうなの…。はやく元に戻るといいわね。」
「そうだな。今更エルジュと敵対する意図も分からんし、早く終わってほしいもんだよ。」

リオさんが市場のおじさんと話をして情報を集める。
町の人はエルジュと戦争することをよく思っていないみたい。

「情報を集めるなら冒険者ギルドもいいぜ。」
「そうですね。行ってみましょう。」

この町の冒険者ギルドはそこそこの大きさで、中は冒険者でいっぱいだった。

「よお、景気はどうだい?」
「なんだ、流れ者か?軍隊の移動のせいで魔物が住処を変えたり凶暴化したりで大忙しだぜ。アンタも今のうちに稼いでおけよ。」
「おう。そうしたいのは山々なんだが、討伐以外の仕事でもっと稼げるのはないか?」
「楽して稼ぎたいって事か?いや…連れの事を気遣ってるのか、大変だなアンタも。残念だが今一番稼げるのは討伐だ。護衛もなかなかいいがそれならやっぱり討伐の方が効率がいい。」

ウェスターさんが話をしている時に近くの冒険者から声を掛けられる。

「お嬢さん達、あんなおっさんとパーティ組むより俺達と組まないか?いい思いさせてやるぜ?」
「いえ、結構です。」

側のテーブルについていた男達も私達をジロジロと見ながらニヤついている。
ユキさんの顔から表情が抜け落ちていく。

「そう邪険にするなよ。」
「ちょっと、うちの妹達に手を出さないでもらえる?」
「あ?ババアは引っ込んでろよ。」
「私はまだ22よ!」

言うが早いか男の顔面にメリルさんの踵がめり込む。そのまま大の字に倒れた。

「何しやがる!」

近くにいた男達が一斉に立ち上がりメリルさんに殺到する。

「まあまあまあ!ちょっと待ってくれ!」

メリルさんに殴り掛かろうとした男の前に割り込み手を押さえながら捻り上げる。

「こっちも悪かったがその男も大概だぜ?レディにババアはいけねぇよ。」

そうだそうだと少なからず居た女性冒険者からも声が上がる。

「ここは穏便に済まそうじゃないか。ここでのケンカは互いにマズいだろ?……コイツで仲間達と一杯やってくれ。」

腕を取っていた男を離して無理やり肩を組むと懐に何かを忍ばせた。

「お、おう…。そこまで言われちゃしょうがねぇな。他所もんがあんまり目立つんじゃねぇぞ。」
「流石ベテランは違うねぇ!そういう訳だから俺たちは帰らせてもらうぜ。騒がせて悪かった。」

ウェスターさんがそういうのでペコリとお辞儀をしてから後を追う。

「ったく、アンタが騒ぎの元になってどうするんだ?」
「ゴメン。」
「なかなかいい手際だったわ。あなたの評価を改めないと。」
「それって惚れたって事かい?」
「そういうところが無ければ信頼できるんだけど?」
「冗談だよ冗談。悪かった。」

「それで、情報は何かありましたか?」
「ギルド内じゃあ大した情報も無かったが…そろそろか?」

ウェスターさんが急に行き先を変える。
人気の無い路地に向かっていた。

「ちょっと、そっちはマズいんじゃないの?」
「いや、こっちの方が都合がいい。」

ある程度歩いてから立ち止まり、振り返る。
物陰から6人、冒険者が出てきた。

「人気の無いところに入ってくれて助かったぜ。誘い込む手間が省けた。」
「兄さん達、俺達に何か用かい?」
「おっさんに用はねぇな。」

「……すまん。あてが外れた。」
「はぁ?」
「いや、あそこで金回りがいい仕事を探してる余所者がウロついてたら声を掛けてくる奴が来ると思ったんだが。」
「そんな適当な方法で情報を得ようとしたんですか?」
「だからスマンて。」

「何ゴチャゴチャ言ってやがる?おっさんは殺せ。女はなるべく傷付けんなよ。」
「ティターニアが2匹いるぜ?」
「死んでなきゃソッチの趣味の奴に売れるだろ。」

え、2人?
ソラちゃんと……?
みんなが私を見ている。

……ムカ。

「私は…!」

先頭の男に詰め寄ると鳩尾に肘を突き入れる。くの字に折れて倒れた。

「ティターニアじゃあ…!」

倒れる男の影から近くの男の足元に滑り込むと足を払って片腕を掴んで地面に倒す。

「ありません!!」

すぐ側の男が短剣を抜いて斬りかかってくる。攻撃を確実に躱すとその手を掴んで関節を極める。足払いをしてその場に落とすと腕が変な方向に曲がって嫌な音がした。

悲鳴をあげる男。残りの3人は何が起こったのか分からないのか、唖然としている。

「な、なんだコイツ…!?」
「なんだコイツとは失礼ですね。私は人間です。悪いですか?」

ゆっくりと男に向かっていく。

「く、くるな!!」

後ずさる男達。しかしもう遅い。
私の横をすり抜けてオル君とウルちゃんが男達に飛び掛かる。

オル君は体当たりで1人を、ウルちゃんはネコパンチで2人を壁に叩きつけて昏倒させた。

「まったく!誰がティターニアですか!ソラちゃんよりも身長だってあるんだから!」

「…流石格闘カンスト。」
「ミナをからかうのはやめておく。」
「ミナさん…やり過ぎじゃ…?」

振り返るとみんながドン引きしてこちらを見ていた。
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