転生少女、運の良さだけで生き抜きます!

足助右禄

文字の大きさ
117 / 826
リアード王国

変身と不明のギフト

しおりを挟む
「さてミナ、ミームスギフトで《変身》をコピーして使ってみて。」
「はい。」
「嬢ちゃんが変身?服を着たままで変身できるのか?」
「ウェスターさん、グーでいいですか?」
「冗談だって!」

拳を握りしめ睨みつけたら怯えられた。

偽物にミームスギフトを使用してみる。私の持っているギフト以外には《変身》しか持っていないみたい。取り敢えずソラちゃんに《変身》してみよう。

[いくつか条件を満たしていません。それから例のポーズが必要です。]

えぇ…。

「あー、無理に変身しなくていいわよ。その状態でヘルプに解析してもらいなさい。」

良かった…。なんかあの格好するのは恥ずかしいし。
ヘルプさんに調べてもらったけど、まず相手に自己紹介をさせなければいけないらしい。
次に1分間見つめ合うか、5秒以上見つめ合って相手から目を逸らすのどちらかをしなければならない。
最後にあの変身ポーズ…。

かなり面倒くさい手順があるけど変身してしまえばステータスどころか気配や匂い、契約までもコピーしてしまうトンデモない能力だ。

それで、解除方法は…。

[自らの意志で解除しなければ変身は解けません。ただし、変身元が死亡した場合は強制的に解除されます。]

それで王様を見つからない所に幽閉していたんだね。

「さて、これで能力解析は終了、と。後は尋問ね。」

その前に王様を休ませてあげないと。
メリルさんが後のことはやってくれるそうなので、彼女に行き先を伝えて私達は一度スラムへ転移する事にした。

「本当は樹海の迷宮にでも隔離して、じっくり色々聞きたいけど、メリルも立ち合わせたいからここでやりましょう。」

深夜なので宿も受け付けてもらえないので、スラムに野営する事になった。
まだ敵対する人達もいるだろうから、オーバーブースト建設ビルディングで建物を作って休む事にした。

ーーーー

次の日、お昼くらいにメリルさんがやって来た。
偽物は未だに目を覚さないので、回復魔法を掛けて無理矢理起こした。

「……取引きしないか?」

目を覚まして言ったのは取引きを持ちかけるセリフだった。

「あなた自分の立場分かってる?生かすも殺すも私達次第なのよ。取引きなんてできる立場じゃないわ。」
「帝国の情報を知っている限り全て話そう。……その代わりオレを保護してほしい。逃げたりはしない……奴隷紋で縛ってくれていい。」
「何を恐れているの?」
「リアードで処刑される事。帝国の連中に始末される事だ……。失敗したオレを奴等は必ず消しに来る……頼む!」

「どうします?」
「まず、やりにくいから元の姿に戻りなさい。」
「……分かった。」

リオさんに素直に従うシゲルさん。

「じゃあ何から聞こうかしら?メリル、聞きたいことは?」
「色々あるわ。」

メリルさんの質問に素直に答えていく。
彼が王に成り代わってから国内でアフターギフトの実験施設を建設。また、南部の貴族達がリリエンタに侵攻を開始した。
つまり本物の王様の時は表立った動きは何とか抑えていたけど、入れ替わった事によりブレーキが無くなって、それぞれが好き勝手に動き始めたという事らしい。

「オレは侵攻についてもアフターギフトについても命令はしていないんだ……。」
「止める役割だった国王にすり替わって何も言わなかったのなら、命令したのと変わらないわ。あなたのせいで国内外が混乱しているのよ。今更ムシのいい事を言って自分だけ助かろうなんて最低ね。」
「オレは命令されて国王役をやっていただけなんだ……。」
「だから…それが罪だって言ってるのよ。」

この人の所為でどれだけの人が苦しんだか。許される事ではないと思う。

「な、ならとっておきの情報がある……。これはアンタ達にとって重要な事だ……。」
「何?」
「約束してくれ……オレを保護すると。」
「なら聞かなくていいわ。」
「いや……!本当に価値のある情報なんだ……!ミナ、アンタについてだ!」

私のこと?

「どうするミナ?」
「一応聞いておきたい…かな。」
「じゃあ……約束してくれ!」
「罪を許す訳じゃないわよ。キッチリ償ってもらうから。」
「あ、ああ……!それでいい!」
「じゃあ話しなさい。」
『アンタのギフトによく分からない物があるだろう……?帝国の奴ら……今の帝国を操っている奴らが探しているのはそのギフトだ。』
『根拠は?』

シゲルさんが帝国を経つ時に言われたのだそうだ。探しているものは間違いなくエルジュにあって、それは一見すると何の役にもたたないギフトの形をしている。この世界に住まうものに先天的に備わっているが、転生者に引き継ぐ事ができると。

間違いない。アロンソさんが持っていた『憫然なる生命LV20』の事だ。

『その顔は……当たりだな?』
『…はい。』
『答えなくていいのよ。これで少なくともあなたを逃すわけにはいかなくなったわ。』

この情報が帝国の者にもたらされれば私は全力で狙われる。そしてシゲルさんも複製を作る事ができる貴重な人材だ。放って置くわけはないだろう。

『そういう訳だから……保護の件、宜しく……。』

「メリル、悪いんだけどさ…この男の身柄を私達に預けてくれないかな?」
「陛下はあなた方に任せると言われていました。強行な手段にまで及ぼうとしていたせめてものお詫びという事です。」
「この男をもらってもお詫びにはならないんだけど…。」
「オレの情報、役に立っただろう?」
「まあいいわ。帝国の事についてまだ詳しく聞かなくちゃいけないし。その前に奴隷紋を打ち込んでしまいましょう。」

シゲルさんにはギフト禁止、許可なく1キロ以上移動禁止、人に危害を加えるのも禁止で奴隷紋の強度は最強に設定しておいた。
ついでにリオさんが《カース》の魔法で奴隷紋の禁止事項と同じものを対象にした呪いも与えておいた。

「ここまで厳重にやらなくても……。」
「念には念を入れておかないとね。」

取り敢えず完全隔離された空間をダンジョン内に構築してそこに住んでもらおう。
既に隔離施設はあるけど、ワンルームだと快適過ぎてダメだという事で独居房の様な質素な部屋を作っておいた。
しおりを挟む
感想 1,520

あなたにおすすめの小説

【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。

BBやっこ
ファンタジー
死因の毒殺は、意外とは言い切れない。だって貴族の後継者扱いだったから。けど、私はこの家の子ではないかもしれない。そこをつけいられて、親族と名乗る人達に好き勝手されていた。 辺境の地で魔物からの脅威に領地を守りながら、過ごした12年間。その生が終わった筈だったけど…雨。その日に辺境伯が連れて来た赤ん坊。「セリュートとでも名付けておけ」暫定後継者になった瞬間にいた、私は赤ちゃん?? 私が、もう一度自分の人生を歩み始める物語。給水係と呼ばれる水魔法でお悩み解決?

転生令嬢は庶民の味に飢えている

柚木原みやこ(みやこ)
ファンタジー
ある日、自分が異世界に転生した元日本人だと気付いた公爵令嬢のクリステア・エリスフィード。転生…?公爵令嬢…?魔法のある世界…?ラノベか!?!?混乱しつつも現実を受け入れた私。けれど…これには不満です!どこか物足りないゴッテゴテのフルコース!甘いだけのスイーツ!! もう飽き飽きですわ!!庶民の味、プリーズ! ファンタジーな異世界に転生した、前世は元OLの公爵令嬢が、周りを巻き込んで庶民の味を楽しむお話。 まったりのんびり、行き当たりばったり更新の予定です。ゆるりとお付き合いいただければ幸いです。

『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』

夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」 教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。 ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。 王命による“形式結婚”。 夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。 だから、はい、離婚。勝手に。 白い結婚だったので、勝手に離婚しました。 何か問題あります?

王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません

きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」 「正直なところ、不安を感じている」 久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー 激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。 アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。 第2幕、連載開始しました! お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。 以下、1章のあらすじです。 アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。 表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。 常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。 それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。 サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。 しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。 盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。 アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

転生皇女セラフィナ

秋月真鳥
恋愛
公爵家のメイド・クラリッサは、幼い主君アルベルトを庇って十五歳で命を落とした。 目覚めたとき、彼女は皇女セラフィナとして生まれ変わっていた——死の、わずか翌日に。 赤ん坊の身体に十五歳の記憶を持ったまま、セラフィナは新しい人生を歩み始める。 皇帝に溺愛され、優しい母に抱かれ、兄に慈しまれる日々。 前世で冷遇されていた彼女にとって、家族の愛は眩しすぎるほどだった。 しかし、セラフィナの心は前世の主・アルベルトへの想いに揺れ続ける。 一歳のお披露目で再会した彼は、痩せ細り、クラリッサの死を今も引きずっていた。 「わたしは生涯結婚もしなければ子どもを持つこともない。わたしにはそんな幸福は許されない」 そう語るアルベルトの姿に、セラフィナは決意する。 言葉も満足に話せない。自由に動くこともできない。前世の記憶を明かすこともできない。 それでも、彼を救いたい。彼に幸せになってほしい。 転生した皇女が、小さな身体で挑む、長い長い物語が始まる。 ※ノベルアップ+、小説家になろうでも掲載しています。

【完結】これをもちまして、終了とさせていただきます

楽歩
恋愛
異世界から王宮に現れたという“女神の使徒”サラ。公爵令嬢のルシアーナの婚約者である王太子は、簡単に心奪われた。 伝承に語られる“女神の使徒”は時代ごとに現れ、国に奇跡をもたらす存在と言われている。婚約解消を告げる王、口々にルシアーナの処遇を言い合う重臣。 そんな混乱の中、ルシアーナは冷静に状況を見据えていた。 「王妃教育には、国の内部機密が含まれている。君がそれを知ったまま他家に嫁ぐことは……困難だ。女神アウレリア様を祀る神殿にて、王家の監視のもと、一生を女神に仕えて過ごすことになる」 神殿に閉じ込められて一生を過ごす? 冗談じゃないわ。 「お話はもうよろしいかしら?」 王族や重臣たち、誰もが自分の思惑通りに動くと考えている中で、ルシアーナは静かに、己の存在感を突きつける。 ※39話、約9万字で完結予定です。最後までお付き合いいただけると嬉しいですm(__)m

積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!

ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。 悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。