転生少女、運の良さだけで生き抜きます!

足助右禄

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武具大会

決勝一回戦第6試合

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第7試合の対戦待ちのドワーフのおじさんに言われてドキッとした。

愛って…そんなつもりじゃなかったんだけど…。でも側から見ればそう見えちゃうんだ。
うわー…何だか恥ずかしい…。

何だか気まずいので観戦に集中しよう。

入場と紹介を終えて試合が開始される。

対戦相手は人間の人。装備は軽鎧と両手足の防具、武器はソードランスという槍の先が長剣になっている様な武器だ。フェザーフォルクのエリーゼさんが使っていた武器と一緒だね。

間合いはテュケ君が不利だけど、どう立ち回るかな?

開始はゆっくりと互いに相手の出方を伺っている。

ソードランスの人が自分の得意な間合いで攻撃を始める。テュケ君は両手の剣で防戦一方になっている。
相手も相当の使い手だ。鋭い連撃を繰り出してテュケ君を追い詰めていく。ダメージ覚悟で前に出ると間合いをとりながら再び連撃。
確実にテュケ君にダメージを与えている。このままだとジリ貧だよ。何とかしないと…。

私なら…機動力を使って撹乱する。アクセラレーションを使って攻撃が届くギリギリを旋回して…あの人は右利きみたいだから左旋回がいいだろう。
リーチを最大限に生かして槍の様に突き主体で攻撃しているけど、近づけば斬りも使ってくる筈だ。それでも接近戦の方が絶対有利だ。
見る限りあの武器は柄の部分もミスリル製。中は空洞でも木よりは重い。それに槍よりも先端に重心が寄っているから大振りすればバランスが崩れる。
隙を作れば相手も勝負に出てくる筈だ。
その時に最大火力をぶつけて勝負に出るのもいいし、幸運を活かして武具破壊を狙うのもアリだ。

と、テュケ君が動いた。
アクセラレーションを使って左旋回…攻撃の範囲ギリギリを動いて反撃の隙を伺っている。

そうそう!その調子だよテュケ君!

攻撃を躱して一気に踏み込む。
柄を短く持って斬り払いに来た!でもそれはテュケ君も読んでいる。後ろに下がると斬撃のコンビネーションを浴びせてくる。堪らず後ろに下がるテュケ君だけど、攻撃が足元をかすめてバランスを崩した。更に脚に向けての攻撃が来る!

危ない!

テュケ君はギリギリの所で転倒を避けて、逆に長剣を振り下ろしてソードランスを地面に叩き付けた。地面に剣先が埋まり込んで次の動作が遅れる。

今だよ!

テュケはそのままソードランスを持つ右手に向かって攻撃を放つ。

「これでどうだ!《硬蓋徹衝》!!」

長剣の重たい一撃で右腕のガントレットが弾け飛んだ。右手を離し慌ててソードランスを引き抜いて間合いを取ろうとするけど一歩遅い。

「まだまだ!《双牙連撃》!!」

続けて両手の剣からの鋭い連撃を繰り出して男性に斬り付けていく。
これには堪らずテュケ君の左手側に逃れて行くけどそれを見てすかさずソードランスを持つ左手を攻撃する。

驚いた男性は左手もソードランスから手を離してしまった。

「左腕防具破壊、武器の脱落により失格!勝者、テュケ!」
「やった!勝った!」

スゴい!やったねテュケ君!
思わず飛び跳ねて喜んでしまう。

「勝ったか。良かったのう。」

ドワーフのおじさんもニコりと笑ってくれた。

「はい!頑張って修行していましたから、実力を出しきれて良かったです!」

ついつい自慢げに話してしまう。

「次はワシの番だな。勝ったら次はお嬢さんと戦うことになるかもしれん。もし当たっても手加減はしてやれないが、応援しておくれ。」
「はい!頑張ってください!」

テュケ君の勝利を喜んでくれたんだから応援しちゃうよ!

第7試合、おじさんに勝ってもらいたかったけど結果は敗退だった。
対戦相手は予選前夜のパーティで会ったドワーフの人。圧倒的な勝利だった。

武装は全身鎧にフルフェイスの兜。勝った時に兜を脱いでいたから分かったんだけど。
武器は長剣よりも太くて大きな剣を柄の所で繋ぎ合わせた様な変わった武器だった。対するおじさんは重鎧に両手の防具に両刃の大斧。
開始から力と力のぶつかり合いだったけど、直ぐに均衡が崩れた。対戦相手の方がパワーもスピードも上で、ものの1、2分でノックアウトして決着した。

あの変わった武器は取り回しが難しそうだけど、間合いが広いから戦うのは大変そう。
でもそれを考えるのは次の試合に勝ってからだね。

いよいよ第8試合、私の番だ。

装備を確認して入場する。
割れんばかりの歓声。これまで7回も白熱する対戦が繰り広げられてきたので観客も盛り上がっている。

反対側の入場門からアルバートさんが入ってくる。歓声が一層大きくなる。女性の声が多くなった気がする。
アルバートさんイケメンだからね。ファンとかいるのかな?
もし私が勝っちゃったら恨まれるかも…。

「やあ、緊張はしてないかい?」
「はい。大丈夫です。」
「そう…。自信はどうかな?」
「分かりませんけど、精一杯やってみます。」
「うん、頑張ろうね。ところで一つ賭けをしないかい?」
「賭け…ですか?」
「うん。勝った方が負けた方に何でも一つ命令できるっていうのはどうだい?」
「え…それって…。」
「大丈夫、出来ない命令はしないよ。お互い冗談で済む様な事にしよう。」
「それは、例えばどんな事まででしょうか…?」
「そうだね…僕が勝ったらキスをさせてもらおうかな?」
「えぇ…まぁでもそれくらいなら…いやでも…。」

それはちょっと恥ずかしいし、ファンとかいたら帰り道で襲われそう…。

「そうだね。このままだと勝負は目に見えているだろうから、ハンデをあげようか。」
「あ、いえ…大丈夫です。…キスじゃなきゃダメですか?」
「君からしてくれるなら何でもいいよ。それで困るのなら僕がリクエストしてもいい。」

それだと結局ファンの人に何かされそう…。

「分かりました。それでお願いします。」
「うん。じゃあ宜しくね。」

何か変な事になっちゃったけど勝てば良いんだよね。

選手と武具の紹介、製作者と武具屋の紹介が始まったけど私は個人参加なので自作の武器で所属は無しと紹介された。
驚きの声と「頑張れよ!」と応援ももらうことができた。

対するアルバートさんは最大手の武具屋さんのトップの鍛治師の人の武具を使っているらしい。
装備は軽鎧に両手足の防具、長剣に盾というオーソドックスなスタイルだ。

攻守バランスの取れた動きで相手を追い詰めて行くタイプだったと思う。

さて、私の戦闘技術がどこまで通用するか…。

銅羅が打ち鳴らされていよいよ試合が開始された。
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