転生少女、運の良さだけで生き抜きます!

足助右禄

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ディルロード帝国

締結

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私はヒートアップしている帝国の宰相とオレアス王太子を諫めて話を始める。

「まず、被宣戦国の皆様が要求している賠償金ですが、帝国が支払うのはほぼ不可能な金額です。こちらについての譲歩をお願いします。そして、帝国の領地割譲については無理です。彼の地はサデーラ大陸でも有数の穀倉地帯。ここを失えば帝国の民は飢える事になります。他国との貿易を封鎖されていて、食料を輸入できない状態が長く続いていました。その地を奪う事は死の宣告に等しいのです。」

全員が黙って私の話を聞いていた。その表情は険しい。

「ならば帝国は何を出せるのですかな?」

沈黙を破ったのはオレアス王太子。

「帝国が出せるのは地下資源と工業技術だ。賠償金については4分の1までなら何とかしましょう。」

レア皇女が答える。
4分の1でも帝国が傾く額だとアウラさんが捕捉してくれる。
帝国の内情を分かっているレア皇女が言うのだから大丈夫なのだろう。

「リアード国は賠償金については取り下げても構いません。提示額の10分の1の地下資源か技術の供与を要求致します。」
「む…ならばセロムザードも同様に致そう。」

リアード国王の賠償請求の変更にオレアス王太子も態度を変えてきた。

「エルジュも賠償金は10分の1としよう。飛空艇技術の供与と、貴国との貿易を希望する。」
「なんだ、それならうちは賠償金はいらんぞ。地下資源の優先貿易権を要求する。」

エルジュ国王もゼルグラン国王のグレードンさんも要求を変えてくれた。

法外な額を要求されていたのが一気に10分の1以下に、そして貿易権については関税が掛けられるかもしれないけど、帝国としては損は少ない。

「リリエンタの被害は街の一部が損壊されただけなので特には要求するものはありません。アフターギフトに関する研究者の処罰を厳に行っていただきたい。」

エルさんレミさんのお父さんがリリエンタの要求を伝える。

賠償については何とかなりそうだね。

「この場をお借りして帝国の使っていた兵器についてのお話をさせてください。」

機械と魔法の融合、魔工学の危険性を話す事にした。
この世界の人達は知らないだろうから、機械動力になっているエンジン、内燃機関は環境破壊を起こすという事。
魔法と機械の融合した武器、例えば魔導銃の様な物は手軽に扱う事ができて高い殺傷力があるから人を簡単に殺めることが出来てしまう。それがどれだけ危険な事かを丁寧に話していった。

「なるほど…人の手には余る物というわけか。」
「兵器転用はせぬ様にしなければならんのか。」
「それについては具体的に取り決めを作るべきだろうな。」

リアード国王、グレードンさん、エルジュ国王が意見を交わしている。
話はしないもののオレアス王太子も頷いていた。

色々話し合った結果、戦車、魔導銃は製造禁止で現存するものは投棄する事で決まった。
具体的な内容は日を改めて関係者を集めて調整する事になった。

「それでは今回のやり取りで決まった内容を整理して、日を改めて調印式をとり行います。」

リオさんが説明をして会談は終了になった。

アッサリまとまってしまった。

いや、良かったんだけど…もっと拗れるものだと思っていたから拍子抜けしたというか。全部私が言った通りになってしまった気がする。

「我らは今回大した事はしていない。全てはミナ殿やそのお仲間が戦ってくれたから被害は最小限に済んだのだ。本来ならば要求を出す立場にないのだよ。」

穏やかな表情でエルジュ国王は言っている。

「結局のところ、今回の戦争は開戦から1日でほぼ決着。被害も軽微だった事が大きかったかと。そしてそれを為し得たのはミナ様が侵略から全ての国を守ろうと立ち上がられたからなのです。」

ちょっ…クラリシアさん、そういう事は言わなくていいです!

「私達だけではあれだけの事は決して出来ませんでした。神国の皆さんが力を貸してくださったから。」
「私達がミナ様に従うのは当然です。本来ならば神国の王になっていただいて「クラリシアさん!」

「やはりそうであったか…」
「もしやと思っていたが…」

納得が言った様な顔でこちらを見ている王様達。

「ち、違いますよ!確かにウルちゃんやオル君、属性竜王の皆さんとは契約していますけどそれはユキさん、リオさん、ソラちゃんも同じですから。協力をしていただいただけなんです。」
「まあ、そういう事にしておこうではないか。」

オレアス王太子は気を遣って言ってくれている…訳じゃないよね。

「ミナ、私達の事まで話さなくても良かったんじゃない?」
「あ…ごめんなさい…。」

つい勢いで言ってしまった。

「まあ、遅かれ早かれ知られる事だったと思うし別にいいわよ。ここにいる皆さん、さっきの話は全部本当の事よ。帝国の魔工学兵器とやりあえるだけの戦力を用意できるのよ。今度戦争したら喧嘩両成敗って事でどちらも制圧するからね。馬鹿な考えは起こさない様に。」
「勿論だ。」
「肝に銘じよう。」

リオさんの言うことに引きつりながら答えている各国要人の皆さん。

あとは連れてきた時と逆で送って帰すだけ。
何はともあれ無事に終わって良かったよ。

2日後に調印式を同会場で行う事になった。

無事に会談を乗り越えたので今度は帝国に対して捕虜の返還をしていこう。

私のダンジョンに閉じ込めていた人達は大丈夫かな?様子を見にいこう。

《シャイターン》(通常)の部屋に入れていたユウキちゃんとマイケルさんはどうだろう?

「ふえぇ……もうやだよぉ……」
「…………。」

ユウキちゃんは幼児退行してしまった…元から幼児か。
マイケルさんもぐったりと項垂れて動かなかった。

やりすぎた。

「精神治療を施します。」

アウラさんが現れて2人を連れて行く。
暫く別室で様子をみるらしい。

あともう1組、同じ部屋に収容されていら人達かいた。レーヴェ男爵とその側近の騎士達だ。
こっちも散々な状態だ。こちらは単純に罰としてここに入れておいたのだから別にいいかな。

「ミナ、性格が逞しくなってきたわね。」
「慣れた?」
「慣れたというわけではないですけど、こういう事は必要なんだって割り切れる様になったんだと思います。」

こちらはエルジュ国王様に引き渡すのであとはお任せ。

そうそう、警備に当たってくれていた孤児院出身の子達にもお礼を言いつつ報酬として装備一式をミスリルで作って渡しておいた。
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