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平穏
修正とランクアップ
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すぐにテュケ君のステータスの修正を行う。
私の偽装が強すぎてずっと12のままだったので事情を知っている人以外にはステータスを見せることができなかったそう。
リオさんの助言で少しずつバラつきを持たせて平均値を65くらいにしておいた。
「本当にごめんね…。うっかりしていたよ。」
「いいって。オレの強さが変わるわけじゃないからさ。」
「テュケ君の人生を狂わせておいてまたやっちゃったよ…一生責任を取るつもりだったのに。これからはテュケ君の事、ずっと見てるからね。」
テュケ君は何も言わずに、ちょっと照れくさそうに笑った。
「不器用な恋人同士にも見えなくはないけど、ミナにはそのつもりはないしテュケも踏み込んで話す事はできない。」
「なかなか良い分析ねソラ。」
ソラちゃんとリオさんが何か話している。
「私とリルちゃん、ミーちゃんの様な関係ですか?家族みたいな。」
そうそう、テュケ君とは家族だよ。弟だよね。
「私達だって家族みたいなものですよね?」
「勿論だよユキさん。」
「ん、ユキはお姉さん。ミナは…かろうじてお姉さん。テュケが末っ子。ね?お母さん?」
「かろうじてって…」
「オレ末っ子なのか?」
「誰がお母さんよ!」
3人からのツッコミにも全く動じないソラちゃん。
「じゃあ俺がお父さんをやろうか。」
ウェスターさんが地引き網漁を終えてこっちにやってきた。
「ムリ。」「嫌よ。」
ほぼ同時に拒絶の返事をするソラちゃんとリオさん。
項垂れるウェスターさん、ちょっとかわいそう。
「そんな事よりテュケのステータス表示も普通になったしランクアップをしたらどうだ?ハナもテュケに付き合ってランクを上げてないんだ。まとめて受けて来いよ。」
「そうだな。今の私達ならすぐにミナ達に追いつける。」
マサキさんの提案にハナちゃんも乗り気だ。勿論テュケ君も。
「それじゃ、エスペランサに行ってランクアップの試験を受けてみるか!」
竜人族の人達にお別れ言って、《テレポート》でエスペランサに移動した。
冒険者ギルドに入ると相変わらずの大盛況。私達の姿を見つけるなり冒険者達が集まってきた。
「ミナ様!僕達Aランクに昇格しました!」
真っ先に声を掛けてきたのは孤児院出身の冒険者の子達だ。みんなたくましくなって、もう一人前の冒険者だ。
「凄いね!おめでとう!私もみんなに追いつかなくっちゃ。」
今回Aランク冒険者になったのは12人。6人ずつの2パーティだ。因みにBランクは8人。Cランクは20人いるらしい。
スゴい勢いで成長しているけど、大丈夫かな?
「みんな、強くなったからといって過信しちゃダメだよ?個人の力、パーティの力でもどうにもならない事はあるんだから、いざとなったらすぐに逃げる事。命を大事にだからね。」
「「「はい!」」」
みんな素直で本当に良い子達だ。
見た目は私の方が年下に見られそうだけど…。
「マサキ!試合やろうぜ!」
「おう!」
「ハナ、テュケ、また訓練一緒にやろう。」
「ああ。」「勿論だ。」
「ウェスターさん、またご指導宜しくお願いします!」
「いつでも相手してやるよー。」
みんな大人気だね。
「ソラ殿とお見受けする。手合わせを願いたい。」
「めんどい。また今度。」
ソラちゃんには屈強な虎人族の半獣人が話しかけている。
「ソラは獣人族に人気があって、リリエンタでは獣王なんて呼ばれてるのよ。」
リオさんが教えてくれた。
何でも獅子人族の族長を軽々と倒したという話がリリエンタ中に広まって、それを聞きつけた旅に出ていた実力者が挑戦しにくる様になったらしい。当たり前かもしれないけど30戦全勝。獣人族の頂点にはティターニアの少女が君臨しているという噂まで広がっているそう。
なるほど。それで獣王。
「いらっしゃいませ。今日は何をなさいますか?」
受付のお兄さんが声を掛けてくれたのでその人に要件を伝えよう。
「こちらの、ハナちゃんとテュケ君のランクアップの申請をしたいのですが。」
「ついにランクアップされる決心をされましたか!ギルマスを呼んできます!」
お兄さんは奥へと走っていった。
ハナちゃんとテュケ君のランクアップと聞いて周りの人達が騒めきだす。
「いよいよか!」「うちのパーティにスカウトを…」「ハナちゃんはうちがもらう!」「テュケ君は私達のものよ!」
2人とも大人気だ。
「お待たせしました…凄い騒ぎですね。場所を変えましょう。」
ギルドマスターのユーシアさんが来たけど、周りの状況があまりにも酷かったので、結局ユーシアさんの部屋に行くことになった。
早速ランクアップの話をする。
「テュケさんとハナさんはGランクですが、既にお2人ともユニーククラスであり、その実力はウェスターよりも上と聞いています。ランクアップを出来なかったのは理由があるのだと推察しますけど、違いますか?」
「「はい。」」
え!?2人ともユニーククラス?
鑑定してみたらハナちゃんはラエルディザークというクラスで、テュケ君はアルマエスペルトというクラスだった。
[ラエルディザークは魔操剣を得意とするユニーククラスでアルマエスペルトはあらゆる武器を使いこなすユニーククラスです。]
2人ともいつの間に…。
「わかりました。これまでのギルドへの貢献度を鑑みて、特例的に無条件でランクCに昇格します。」
いきなりCランクまであがるの?スゴい!
「そして、このままBランク昇格の試験を行います。試験内容は…Aランク冒険者のチームと模擬戦をしてもらいます。」
まさかそのAランクチームって…。
「先日昇格したばかりですが実力は間違いありません。6対2です、やりますか?」
「勿論だ!」「いいだろう。」
2人ともやる気だ。大丈夫かな…?
早速訓練場に行って始めるみたい。
ギャラリーも大勢ついてきた。
「テュケ、仲間だからって手加減しないからな?」
「当たり前だ。俺も全力でやるぞ。」
「私の事も忘れるなよ。テュケ、君に合わせるから好きに動いていい。」
テュケ君は金属鎧に長剣と小剣の二刀流。
ハナちゃんは白いローブ姿で武器は何も持っていない。
ハナちゃんってネネさんと同じ魔法使いだったよね。ユニーククラスでも戦闘スタイルは一緒なのかな?
これはちょっと面白そう。
私の偽装が強すぎてずっと12のままだったので事情を知っている人以外にはステータスを見せることができなかったそう。
リオさんの助言で少しずつバラつきを持たせて平均値を65くらいにしておいた。
「本当にごめんね…。うっかりしていたよ。」
「いいって。オレの強さが変わるわけじゃないからさ。」
「テュケ君の人生を狂わせておいてまたやっちゃったよ…一生責任を取るつもりだったのに。これからはテュケ君の事、ずっと見てるからね。」
テュケ君は何も言わずに、ちょっと照れくさそうに笑った。
「不器用な恋人同士にも見えなくはないけど、ミナにはそのつもりはないしテュケも踏み込んで話す事はできない。」
「なかなか良い分析ねソラ。」
ソラちゃんとリオさんが何か話している。
「私とリルちゃん、ミーちゃんの様な関係ですか?家族みたいな。」
そうそう、テュケ君とは家族だよ。弟だよね。
「私達だって家族みたいなものですよね?」
「勿論だよユキさん。」
「ん、ユキはお姉さん。ミナは…かろうじてお姉さん。テュケが末っ子。ね?お母さん?」
「かろうじてって…」
「オレ末っ子なのか?」
「誰がお母さんよ!」
3人からのツッコミにも全く動じないソラちゃん。
「じゃあ俺がお父さんをやろうか。」
ウェスターさんが地引き網漁を終えてこっちにやってきた。
「ムリ。」「嫌よ。」
ほぼ同時に拒絶の返事をするソラちゃんとリオさん。
項垂れるウェスターさん、ちょっとかわいそう。
「そんな事よりテュケのステータス表示も普通になったしランクアップをしたらどうだ?ハナもテュケに付き合ってランクを上げてないんだ。まとめて受けて来いよ。」
「そうだな。今の私達ならすぐにミナ達に追いつける。」
マサキさんの提案にハナちゃんも乗り気だ。勿論テュケ君も。
「それじゃ、エスペランサに行ってランクアップの試験を受けてみるか!」
竜人族の人達にお別れ言って、《テレポート》でエスペランサに移動した。
冒険者ギルドに入ると相変わらずの大盛況。私達の姿を見つけるなり冒険者達が集まってきた。
「ミナ様!僕達Aランクに昇格しました!」
真っ先に声を掛けてきたのは孤児院出身の冒険者の子達だ。みんなたくましくなって、もう一人前の冒険者だ。
「凄いね!おめでとう!私もみんなに追いつかなくっちゃ。」
今回Aランク冒険者になったのは12人。6人ずつの2パーティだ。因みにBランクは8人。Cランクは20人いるらしい。
スゴい勢いで成長しているけど、大丈夫かな?
「みんな、強くなったからといって過信しちゃダメだよ?個人の力、パーティの力でもどうにもならない事はあるんだから、いざとなったらすぐに逃げる事。命を大事にだからね。」
「「「はい!」」」
みんな素直で本当に良い子達だ。
見た目は私の方が年下に見られそうだけど…。
「マサキ!試合やろうぜ!」
「おう!」
「ハナ、テュケ、また訓練一緒にやろう。」
「ああ。」「勿論だ。」
「ウェスターさん、またご指導宜しくお願いします!」
「いつでも相手してやるよー。」
みんな大人気だね。
「ソラ殿とお見受けする。手合わせを願いたい。」
「めんどい。また今度。」
ソラちゃんには屈強な虎人族の半獣人が話しかけている。
「ソラは獣人族に人気があって、リリエンタでは獣王なんて呼ばれてるのよ。」
リオさんが教えてくれた。
何でも獅子人族の族長を軽々と倒したという話がリリエンタ中に広まって、それを聞きつけた旅に出ていた実力者が挑戦しにくる様になったらしい。当たり前かもしれないけど30戦全勝。獣人族の頂点にはティターニアの少女が君臨しているという噂まで広がっているそう。
なるほど。それで獣王。
「いらっしゃいませ。今日は何をなさいますか?」
受付のお兄さんが声を掛けてくれたのでその人に要件を伝えよう。
「こちらの、ハナちゃんとテュケ君のランクアップの申請をしたいのですが。」
「ついにランクアップされる決心をされましたか!ギルマスを呼んできます!」
お兄さんは奥へと走っていった。
ハナちゃんとテュケ君のランクアップと聞いて周りの人達が騒めきだす。
「いよいよか!」「うちのパーティにスカウトを…」「ハナちゃんはうちがもらう!」「テュケ君は私達のものよ!」
2人とも大人気だ。
「お待たせしました…凄い騒ぎですね。場所を変えましょう。」
ギルドマスターのユーシアさんが来たけど、周りの状況があまりにも酷かったので、結局ユーシアさんの部屋に行くことになった。
早速ランクアップの話をする。
「テュケさんとハナさんはGランクですが、既にお2人ともユニーククラスであり、その実力はウェスターよりも上と聞いています。ランクアップを出来なかったのは理由があるのだと推察しますけど、違いますか?」
「「はい。」」
え!?2人ともユニーククラス?
鑑定してみたらハナちゃんはラエルディザークというクラスで、テュケ君はアルマエスペルトというクラスだった。
[ラエルディザークは魔操剣を得意とするユニーククラスでアルマエスペルトはあらゆる武器を使いこなすユニーククラスです。]
2人ともいつの間に…。
「わかりました。これまでのギルドへの貢献度を鑑みて、特例的に無条件でランクCに昇格します。」
いきなりCランクまであがるの?スゴい!
「そして、このままBランク昇格の試験を行います。試験内容は…Aランク冒険者のチームと模擬戦をしてもらいます。」
まさかそのAランクチームって…。
「先日昇格したばかりですが実力は間違いありません。6対2です、やりますか?」
「勿論だ!」「いいだろう。」
2人ともやる気だ。大丈夫かな…?
早速訓練場に行って始めるみたい。
ギャラリーも大勢ついてきた。
「テュケ、仲間だからって手加減しないからな?」
「当たり前だ。俺も全力でやるぞ。」
「私の事も忘れるなよ。テュケ、君に合わせるから好きに動いていい。」
テュケ君は金属鎧に長剣と小剣の二刀流。
ハナちゃんは白いローブ姿で武器は何も持っていない。
ハナちゃんってネネさんと同じ魔法使いだったよね。ユニーククラスでも戦闘スタイルは一緒なのかな?
これはちょっと面白そう。
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