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地球
強制転移
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土の香りがする。
それから騒がしい音が聞こえてくる。
何だろう?懐かしい様なそうでもないような…。
そうだ、みんなは?
目を開けて起き上がる。周りは真っ暗、どうやら夜みたい。
ここはどこ?私は確か森の中にいたんだけど、見渡す限り平野…いや、これは畑?
遠くにはいくつもの光が見える。あれは松明や魔法の灯りじゃない…。
規則正しく並んだ真っ白な光。
大きな音を立てて走っているものが幾つも見える。自動車…トラック…?
まさかここって…!
「こんな所に居たのかよ。探すのに苦労したぜ」
声のした方を見ると剣を抜いたショウ君が立っていた。
「ここってまさか…」
「そう、地球の日本だよ。久し振りの日本の地面はどうだった?」
どうって言われても…それよりも剣を抜いているって事は戦うって事だよね。
私の装備はそのまま、周りに味方の姿はない。
相手もショウ君のみ。
彼なら詳しい事を知ってそう。
さっさと制圧して情報を聞き出そう。
遠慮なんかするつもりはない。《アドラステア》を起動…あれ?何も起こらない。
「気付いたかよ?こっちじゃ能力は使えないぜ!」
ショウ君はそう言いながら斬り込んでくる。凄い踏み込み、早い!
重オリハルコンショートソードを抜き放ち、後ろに下がりながらショウ君の攻撃を受け止める。
金属の激しくぶつかり合う音と火花を散らせて私は後ろに弾き飛ばされた。
つ、強い…!
物凄く遠くに飛ばされたけど、しっかりと着地できた。
2、30メートルは飛ばされたんじゃないだろうか、両手で剣を握っていたけどジンジンと手が痺れている。
「能力は無くてもステータスはそのままだからな。流石に簡単には殺せないか」
剣を右手に下げてゆっくりとこっちに歩きながら言うショウ君。彼は余裕の表情だ。
《鑑定》でショウ君のステータスを見ようとしたけど見る事は出来ない。自分も見ようとしたけどダメだった。
本当に能力が使えない…?少なくともギフトは発動しない。
「ショウ君は今までと変わらないみたいだね」
「ああ、俺達は神様に能力を保管されたままこっちに飛ばしてもらったからな。今なら俺はアンタに勝てるぜ!」
剣を構えると凄まじい勢いで斬り込んでくる。
私は大きく飛び退くと逃げる事にした。
私にはそれを確実に受け止めて反撃出来るだけのスキルがない。
いつも何気なくやっていたけど剣術LV40がどれ程強力なのかを理解した。
そして驚いた事に思い切り後ろに跳躍したら20メートル位は軽く跳んでいた。
ステータスはそのままって言っていたけど、アスティアと地球だと身体能力がこんなに違うの…?
いや、その検証は今はいい。
とにかくショウ君から逃げないと…!
全力で走って逃げる。近くに舗装された道路が見えてきた。
舗装路の方が走りやすいけど、車や歩行者がいたら巻き込んでしまうかも知れない。そのまま横断して更に走る。
振り返るとショウ君は一定の距離を保ちながら追いかけて来ていた。
遊んでいるのかな?いつでも私に追いつける余裕があるのだろう。
正面を向き直る。かなり遠くだけど、高層マンションが立ち並んでいるエリアがある。
あんな所に逃げ込んだら多くの人を巻き込んでしまう。
私は逃げる方向を少しずつ右へと進路変更していく。
気付いたのだけど、走る速度も格段に早い。
幹線道路を走っている車よりも早いくらいだ。
「おいおい、あのミナが逃げの一手かよ?もう少し抵抗しろよ!」
ショウ君が距離を詰めて来て長剣を振る。
私は半分振り返るようにして小剣で攻撃を弾く。
相変わらず攻撃が重たい。
逃げている内に住宅の密集地に入り込んでしまった。
「ショウ君、なんで私を殺そうとするの?」
振り返って迎え撃つ事にした。
「神様と契約したからな。俺達を地球に帰す代わりにアンタを殺すって!」
乱暴な左右の斬撃を何とか避けて距離をとる。
「それは本当なの?騙されてはいないの?」
「煩いなぁ…俺達はどの道アスティアじゃ自由に暮らせないだろ?だから帰るって決めたんだよ!そのついでにアンタに復讐出来るのなら願ったり叶ったりだ!」
突きからの4段攻撃が鎧を、右腕を掠める。カッと熱くなって血が滲んできた。
「命乞いでもしてみるか?」
「許してくれるの?」
「いいぜ。やってみろよ」
動きを止めてショウ君は言う。
「君達!何をやっているんだ!」
後ろから声がした。ヘッドライトに照らされてショウ君は眩しそうに手で目を覆う。
振り返ると赤い回転灯を付けた車が少し離れた所にいた。
備え付けられたスピーカーで呼びかけているのだろう。声は拡大されている。
それに反応して周りの家の電気が付く。
「ショウ君、場所を変えよう。ここだと迷惑が掛かるよ」
「煩い!俺はアスティアの力を持ったまま地球に帰って来たんだ!俺に逆らう奴は全員死ね!」
剣先に気が集まっていく。
まさか…!
「ショウ君ダメ!」
彼は剣を大振りに振り抜くと、剣の先にあった気の塊がパトカー目掛けて飛んでいく。
今のショウ君の力だと車くらい簡単に破壊してしまうだろう。
乗っている人が何人か分からないけど、ただでは済まない。
私は気の塊に小剣をぶつけて攻撃を防ぐ。
あまりの衝撃に私は吹き飛ばされた。
そのままパトカーのフロントガラスに叩きつけられてしまう。
ドアが開く音がして中の人が出てくる。
「君、大丈夫か?」
「おい、そこの少年、武器を捨てて両手を頭の上に乗せるんだ」
お巡りさんは2人。1人は私の方に来た若い警察官。もう1人は拳銃を構えてショウ君に警告しているおじさんだ。
「何だよ、日本の警官でも銃を撃つのかよ?いいぜ、やってみろよ。剣対銃、面白そうじゃん」
「逃げてください…彼は、まともじゃない…」
「我々は大丈夫だよ。それよりも君、怪我は無い?」
フロントガラスは割れてしまっているけど、破れてはいない。私がぶつかった事でグシャグシャになっただけだ。
お巡りさんは私を抱えると地面に降ろしてくれた。
「私は大丈夫…それよりも逃げて」
「いいから、ここは任せて君はじっとしているんだ」
相手が子供だから油断している訳ではないのだろうけど、普通の人が能力をそのまま持ち込んだアスティアの人間に勝てる訳がない。
パン、パン、と乾いた音が響く。
警察官のおじさんが発砲したんだ。
「ははっ…スゲェ…銃なんて目じゃないぜ」
ショウ君はその場に立ったまま笑っていた。
それから騒がしい音が聞こえてくる。
何だろう?懐かしい様なそうでもないような…。
そうだ、みんなは?
目を開けて起き上がる。周りは真っ暗、どうやら夜みたい。
ここはどこ?私は確か森の中にいたんだけど、見渡す限り平野…いや、これは畑?
遠くにはいくつもの光が見える。あれは松明や魔法の灯りじゃない…。
規則正しく並んだ真っ白な光。
大きな音を立てて走っているものが幾つも見える。自動車…トラック…?
まさかここって…!
「こんな所に居たのかよ。探すのに苦労したぜ」
声のした方を見ると剣を抜いたショウ君が立っていた。
「ここってまさか…」
「そう、地球の日本だよ。久し振りの日本の地面はどうだった?」
どうって言われても…それよりも剣を抜いているって事は戦うって事だよね。
私の装備はそのまま、周りに味方の姿はない。
相手もショウ君のみ。
彼なら詳しい事を知ってそう。
さっさと制圧して情報を聞き出そう。
遠慮なんかするつもりはない。《アドラステア》を起動…あれ?何も起こらない。
「気付いたかよ?こっちじゃ能力は使えないぜ!」
ショウ君はそう言いながら斬り込んでくる。凄い踏み込み、早い!
重オリハルコンショートソードを抜き放ち、後ろに下がりながらショウ君の攻撃を受け止める。
金属の激しくぶつかり合う音と火花を散らせて私は後ろに弾き飛ばされた。
つ、強い…!
物凄く遠くに飛ばされたけど、しっかりと着地できた。
2、30メートルは飛ばされたんじゃないだろうか、両手で剣を握っていたけどジンジンと手が痺れている。
「能力は無くてもステータスはそのままだからな。流石に簡単には殺せないか」
剣を右手に下げてゆっくりとこっちに歩きながら言うショウ君。彼は余裕の表情だ。
《鑑定》でショウ君のステータスを見ようとしたけど見る事は出来ない。自分も見ようとしたけどダメだった。
本当に能力が使えない…?少なくともギフトは発動しない。
「ショウ君は今までと変わらないみたいだね」
「ああ、俺達は神様に能力を保管されたままこっちに飛ばしてもらったからな。今なら俺はアンタに勝てるぜ!」
剣を構えると凄まじい勢いで斬り込んでくる。
私は大きく飛び退くと逃げる事にした。
私にはそれを確実に受け止めて反撃出来るだけのスキルがない。
いつも何気なくやっていたけど剣術LV40がどれ程強力なのかを理解した。
そして驚いた事に思い切り後ろに跳躍したら20メートル位は軽く跳んでいた。
ステータスはそのままって言っていたけど、アスティアと地球だと身体能力がこんなに違うの…?
いや、その検証は今はいい。
とにかくショウ君から逃げないと…!
全力で走って逃げる。近くに舗装された道路が見えてきた。
舗装路の方が走りやすいけど、車や歩行者がいたら巻き込んでしまうかも知れない。そのまま横断して更に走る。
振り返るとショウ君は一定の距離を保ちながら追いかけて来ていた。
遊んでいるのかな?いつでも私に追いつける余裕があるのだろう。
正面を向き直る。かなり遠くだけど、高層マンションが立ち並んでいるエリアがある。
あんな所に逃げ込んだら多くの人を巻き込んでしまう。
私は逃げる方向を少しずつ右へと進路変更していく。
気付いたのだけど、走る速度も格段に早い。
幹線道路を走っている車よりも早いくらいだ。
「おいおい、あのミナが逃げの一手かよ?もう少し抵抗しろよ!」
ショウ君が距離を詰めて来て長剣を振る。
私は半分振り返るようにして小剣で攻撃を弾く。
相変わらず攻撃が重たい。
逃げている内に住宅の密集地に入り込んでしまった。
「ショウ君、なんで私を殺そうとするの?」
振り返って迎え撃つ事にした。
「神様と契約したからな。俺達を地球に帰す代わりにアンタを殺すって!」
乱暴な左右の斬撃を何とか避けて距離をとる。
「それは本当なの?騙されてはいないの?」
「煩いなぁ…俺達はどの道アスティアじゃ自由に暮らせないだろ?だから帰るって決めたんだよ!そのついでにアンタに復讐出来るのなら願ったり叶ったりだ!」
突きからの4段攻撃が鎧を、右腕を掠める。カッと熱くなって血が滲んできた。
「命乞いでもしてみるか?」
「許してくれるの?」
「いいぜ。やってみろよ」
動きを止めてショウ君は言う。
「君達!何をやっているんだ!」
後ろから声がした。ヘッドライトに照らされてショウ君は眩しそうに手で目を覆う。
振り返ると赤い回転灯を付けた車が少し離れた所にいた。
備え付けられたスピーカーで呼びかけているのだろう。声は拡大されている。
それに反応して周りの家の電気が付く。
「ショウ君、場所を変えよう。ここだと迷惑が掛かるよ」
「煩い!俺はアスティアの力を持ったまま地球に帰って来たんだ!俺に逆らう奴は全員死ね!」
剣先に気が集まっていく。
まさか…!
「ショウ君ダメ!」
彼は剣を大振りに振り抜くと、剣の先にあった気の塊がパトカー目掛けて飛んでいく。
今のショウ君の力だと車くらい簡単に破壊してしまうだろう。
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あまりの衝撃に私は吹き飛ばされた。
そのままパトカーのフロントガラスに叩きつけられてしまう。
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「君、大丈夫か?」
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お巡りさんは2人。1人は私の方に来た若い警察官。もう1人は拳銃を構えてショウ君に警告しているおじさんだ。
「何だよ、日本の警官でも銃を撃つのかよ?いいぜ、やってみろよ。剣対銃、面白そうじゃん」
「逃げてください…彼は、まともじゃない…」
「我々は大丈夫だよ。それよりも君、怪我は無い?」
フロントガラスは割れてしまっているけど、破れてはいない。私がぶつかった事でグシャグシャになっただけだ。
お巡りさんは私を抱えると地面に降ろしてくれた。
「私は大丈夫…それよりも逃げて」
「いいから、ここは任せて君はじっとしているんだ」
相手が子供だから油断している訳ではないのだろうけど、普通の人が能力をそのまま持ち込んだアスティアの人間に勝てる訳がない。
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