転生少女、運の良さだけで生き抜きます!

足助右禄

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特別編3:異世界

追跡

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ほのかさんは確かに助けを求めていた。
つまり彼女には自我があると言う事だ。

虚空の覇者ヴォイドマスターさん、今の聞きましたか?」
「ああ。ほのか…まだ意識があったのだな」

虚空の覇者ヴォイドマスターさんはほのかさんの居た場所を見ながら悔しそうに歯噛みする。

この場にいても何もできないのでみんなの所へと戻る。

「どうだった?」

転移で戻ってくるとリオさんが聞いてきた。

「逃げられちゃいました。でも意識はあるみたいなので何とか助けられないかと思います」

ほのかさんが転移するまでの詳しい状況を説明する。

「状況からするに、彼女は意図せず転移をしてしまっているみたいですね」

レアさんが考察する。

「何か転移のきっかけはなかったのか?兆候は?」
「そうですね…考えられるのは虚空の覇者ヴォイドマスターさんの攻撃か、ほのかさん自身が身体を動かした時のどちらかでしょうか」

クロウさんに聞かれて思い起こしてみる。

「ラベンダーの香りがしなかったか?」
「古いしタイムトラベルじゃないから」
「私も知ってますけど今は冗談を言っている場合ではありませんよ」

マサキさんの質問にはリオさんがツッコミを入れてユキさんが嗜めていた。

んー?ユキさんが分かると言う事は小説かな?ソラちゃんは分からないっぽいけど。

まあいいや。とにかくほのかさんを探さないと。神様側の私はオーバーブーストを幸運に付与して探したみたいだからこちらでもそれをやってみよう。

…いた!

幸運に任せた当てずっぽうだけど、1発で見つける事ができた。

「見つけました!」
「もう見つけたのか!よし、次こそは…」

虚空の覇者ヴォイドマスターさんはほのかさんを助けようとしていない気がする。

「待ってください。虚空の覇者ヴォイドマスターさんはほのかさんを殺すつもりなんですか?」
「…仕方がないのだ」
「初めから諦めていたら何も助けられませんよ!」
「ほのかは多くの生命を犠牲にして来た。このまま助かったとしても罪の意識に苛まれ続ける事になる」
「そんな事は虚空の覇者ヴォイドマスターさんが決める事じゃありません。助け出してからほのかさん自身がどうしたいか決めればいいんです!」

彼女の事を思っての決断なのは分かる。
でも、ほのかさんは『たすけて』って言ったんだよ。私は手を差し伸べてあげたい。

「マスター、私もミナ様に賛成です。これだけの戦力がいるのですからやれるだけやってみては如何でしょうか?」

ユートさんが私の考えに賛同してくれる。部下の人が虚空の覇者ヴォイドマスターさんに逆らうのは珍しいんじゃないかな?

「むぅ……わかった。すまないが我が友を救うのに力を貸してはくれないか?」
「ミナがやると言ってるならやるわよ」
「殺すより助ける方が絶対いい」

虚空の覇者ヴォイドマスターさんが呼びかけるとリオさんとソラちゃんが答える。他のみんなも協力してくれる。

「私達もご一緒します。虚空の覇者ヴォイドマスターさんにはお世話になりましたし」
「何かお礼がもらえたら嬉しいですね~」
「美味しいご飯で手を打とう」

アニエスさん達も手伝ってくれる。
アンネさんはソラちゃんみたいな事を言っていた。

装備を整えてほのかさんの所へ向かう。

今回は虚空ではなく何処かの世界だ。
虚空の覇者ヴォイドマスターさんは長居しない方がいいので私達でほのかさんを包囲、その世界の知的生命体との接触を防ぎつつほのかさんの保護を行う。

転移で移動すると、そこはアスティアの森の様な所。全員にほのかさんの位置を知らせて包囲を開始する。

「ねえミナ、この世界の人間が接触してない?」
「え?」

リオさんに言われて《ハイパークレアボイアンス》を使って様子を見ると、確かに人と接触していた。

冒険者…いや、風貌からして山賊かも知れない。数は10人程度。武器を片手にほのかさんを捕らえようとしている様に見える。ほのかさんは直立したままボンヤリと男達を見ていた。

ほのかさんの能力なら危害を加えられても容易に跳ね返す事が出来るだろう。
むしろ危険なのはイントルーダー化してしまった時だ。一度に10体のイントルーダーを相手にするのは大変かも知れない。

「急ぎましょう!」

ほのかさんを刺激しない様に少し離れた所に転移したのが裏目に出てしまった。

全力で走り一気に距離を詰める。

少し開けた所にほのかさんは居た。
武器を手にした男の人が至近距離に居て顎を持ち上げて下卑た笑みを浮かべていた。

「助けます!」
「どっちを?」

ソラちゃんが聞いてくる。シュチュエーション的には襲われてるのはほのかさんの方だけど、命の危険があるのは男の人達の方だ。

「ほのかの方に決まってるでしょ!相手は女の子1人に武器を抜いているし碌な者じゃないわ!」
「りょーかい」

全員で男の人達の排除をする。

「な、なんだ!?」
「一体何処から現れた!?」

驚き剣を向けてくる男達。今更普通の人達に遅れをとる様な人は居ない。
あっという間に10人を倒してほのかさんに駆け寄る。

良かった。まだ何も起こっていない。

「ほのかさん、助けに来ました!」

私の方を見るほのかさん。動きはゆっくりで、表情は少しだけ驚いた様子だった。

「駄目…逃げて…」

ほのかさんの周囲でヴォイドエネルギーが増幅していく。また転移してしまうみたいだ。

「抑えてみます!」「手伝う」

アニエスさんとアンネさんがほのかさんを挟み込むように立って両手を広げる。

アニエスさん達は私よりこのエネルギーの制御に詳しいみたいだから任せよう。私はほのかさんを落ち着かせる為に声を掛ける。

「大丈夫です!今度は助けますから!」

[杉浦ほのかの暴走したエネルギーに干渉して抑え込みます]

アウラさんがサポートしてくれる。

私達を中心に膨大なエネルギーが放出されて地面を大きく抉り取っていく。

みんなは倒した男の人達を引きずって退避してくれた。

次の瞬間大爆発が起こり、辺りは真っ白になった。
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