転生少女、運の良さだけで生き抜きます!

足助右禄

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特別編3:異世界

漂流者

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──〔human side〕──

待っている間にリオさん達がアニエスさん達に放射能の話をしておいてくれた。

「そんな恐ろしいものがあるのですか…」
「自然に在るものなんだけど、それが過剰になると猛毒になるのよ。酸素…空気も水も摂り過ぎれば毒になるのと同じと思っていいわ」
「水って毒になるんですか?」
「あ、水の場合は中毒ですね。希釈性低ナトリウム血症です」

ユキさんが捕捉説明をしているけどよく分からない…。
元地球人の私が分からないんだからアニエスさん達が分かる訳はないよね。

「つまり水も飲み過ぎは体に悪いって事ですね~」
「それだけ分かっていれば十分よ」

レフィさんは理解力が高いね。

空間が開いて川本さんが帰ってきた。

「話を付けてきた。どうせ破壊するのだから好きにして良いそうだ」
「今いる人達が気の毒ですね…」
「仕方がないわ。自業自得なのだから」
「戦争とは関係ない人達を自業自得で済ませるのは可哀想ですよ」
「そうだけど、だからといって私達が助けるのは駄目なのよ」
「はい…」

リオさんと話をしたけど、今いる人達を助ける事はしてはいけないと言われてしまった。

それについては諦めるしかない。許可も貰ったしドリフさんを捕まえる事を第一に考えないとね。

「う…」
「テュケ君が目を覚ましそうです」

回復してすぐに動けるのかな?無理そうならアスティアに帰してあげよう。

「ね、ねーちゃん…何やってるんだよ…」
「何ってそのまま寝かせておくのも可哀想かなって」
「恥ずかしいだろ…」
「ごめんね」

テュケ君はそう言いながらゆっくりと起き上がる。

「いい夢見れた?」
「何も見てねえよ!」
「気絶した甲斐があったなテュケ」
「揶揄うなよ!」

ソラちゃんとハナちゃんに言われて顔を赤くしているテュケ君。

「テュケ君動けそう?無理なら今回はアスティアに帰ってもいいよ」
「大丈夫。動けるよ」

立ち上がって体を動かして見せるテュケ君。確かに大丈夫そうだ。

「多少目立つけど《アドラステア》で行くわよ。ミナ、お願い」
「はい」

結局これが一番確かな防護方法だもんね。

《アドラステア》、《アルスアドラステア》を発動!

「では行くとしよう」

川本さんが空間を開いてくれたのでみんなで入っていく。

私達が降り立ったのは瓦礫しかない荒野だった。
何かが腐った様な酷い臭いが立ち込めていて地面が泥濘んでいて気持ち悪い。

「これは…生物の生きれる環境ではないですね」

アニエスさんは口元を手で覆いながら周囲を見渡して言った。

「エレメンタルが殆どいない。精霊は見当たらないよ」
「マナはありますね~。極大魔法を使ってもマナだけは枯渇しないなんて、さぞ魔法に特化した世界だったんでしょうね~」

アンネさんとレフィさんもこの世界の状況がどんなか確認している。

取り敢えずオーバーブーストを掛けた《鑑定》でドリフさんの位置を割り出して《ハイパークレアボイアンス》でその周囲を確認する。その様子はアウラさんを通して全員に見せる。

ここよりもかなり離れた所にドリフさんは居た。金髪をオールバックにした30歳位の男性。蒼い瞳は自信に満ち溢れ、部屋の中央に堂々と立っていた。

場所は地下の研究施設の様な所。研究者っぽい人達が大勢いて、何やら複雑な機械を操作している。

奥の方にはアレクスの研究所で見た物にソックリな装置。次元の門を開く為のものだ。

「この世界を救う為の手段として他の世界への門を開こうとしているのか」
「避難する為か資源を調達する為か、どの道放って置く訳にはいかないわね」

川本さんとリオさんが映像を見て呟いた。

部屋の奥には5、6歳位の男の子が鎖で拘束されて立たされていた。
よく見ると他にも子供が5人。歳は同じかもう少し上の男の子と女の子。いずれも鎖に繋がれていた。

「あの子達をどうするつもりなんだろう?」
「まさかゲートを開いたら放り込むとか?」

ソラちゃんの推測が合っているならやめさせないと。

「いや、あれは恐らくゲートを開く為の魔力供給元だ」

川本さんは冷淡に答える。

泣き叫んでもがいている子もいれば目に光が無くグッタリしている子もいた。

「酷い…」

ユキさんは声を震わせながら呟く。

「アレクスでは大量の電力がいると言っていたわね。この世界では電力の代わりに魔力を使うって事かしら」

リオさんは冷静に分析している。

「すぐに助けに行きましょう!」

こんな酷い事を見過ごせない。

「ミナ殿の転移直後、ドリフ以外を全員気絶させる。レフィ達で子供達を助けだせるか?」
「大丈夫ですよ~」

レフィさん、アニエスさん、アンネさん、ほのかさんで子供達の救出。

「ドリフはミナ殿達に任せる。私は逃亡阻止の為に結界を張ろう」
「分かりました!」

私とユキさん、リオさん、ソラちゃん、テュケ君でドリフさんを包囲。

「マサキ殿達は部屋の外からやってくるであろう警備兵の迎撃を頼む」
「了解だ!」

よし、川本さんの計画で突入だ!

《テレポート》で部屋の中央付近に転移する。

「なんだお前達は!?」

私達を見つけた研究者っぽい人が声を上げる。

川本さんが両手を掲げて魔法を発動させると研究者達は次々と倒れていく。
全員が倒れなかったけど、マサキさん、ネネさん、ハナちゃんが昏倒させてくれた。

その間にレフィさん達が子供達の救出に向かい、私達はドリフさんを包囲した。

「もう見つかってしまったか。早かったね」

落ち着いた様子で言うドリフさん。

「大人しく投降してください」
「私が神だと知って言っているのだね?」
「私も神です」
「なるほど。どうりで追跡が早い訳だ。その上虚空の覇者ヴォイドマスター自らやってくるとは」

川本さんを見て虚空の覇者ヴォイドマスターだと見抜いた。

何か只者じゃ無さそう。
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