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特別編3:異世界

アスティア強襲

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──〔human side〕──

私達がさっきまで立っていた大地は割れ砕けてマグマを噴き出している。

地上にはイントルーダーどころか生き物は何もいない。

「これ、星が滅ぶ感じ?」
「流石にやり過ぎではないでしょうか」

ソラちゃんとユキさんはズールマイヤーで起こっている光景を見ながら心配していた。

『あのー虚空の覇者ヴォイドマスター様。見ておられますか?』

さっきの声…マリアフラウ様だ。こんな所まで声が届けられるんだ?

「どうした?」
『実はその…ちょっとやり過ぎちゃったみたいで…助けて欲しいのですが…』

えぇ…。

「すまないが私は壊す専門なのだ。助けてやれない」

川本さんは即答だった。本当に何もしてあげられないみたいだね。

「ん、ミナと同じ。壊す専門」
「私は壊す専門じゃないよ!」

失礼だなぁソラちゃんは…。

「じゃあ助けられる?」
「それは…どうなんだろう?」

アウラさんはどう思うかな?

[神側のミナがリソースを使えば救助可能です]

リソースかぁ…。
勝手に使っちゃいけないものだ。
どれくらい使うの?

[全体の0.05パーセントです]

意外と少ない。
助けてあげたいけど…神界側で相談してもらおう。

──〔god side〕──

神様のお仕事の合間にアイさんの所に行く事が多くなった。
目的はイヴちゃんだ。
アウラさんに解析をしてもらいながら私も様子を見る。

うん。至って普通。
魂の浄化が進んでいる証拠なのかな。

今は私とソラちゃん、リオさん、レアさんが一緒だ。

「アイおねーちゃん、アニメみよー?」
「いいよー」

アイさんはイヴちゃんに言われるままに地球を覗き見てアニメを目の前に映し出す。

「わー!」

アイさんの膝の上に座って大喜びのイヴちゃん。

仲の良い姉妹に見えて微笑ましい。
アイさん自身も魂を壊しているけど、2人で健全になってもらいたいと思う。

イヴちゃんがアイさんの趣向に似ていくのはちょっと心配だけど…。

と、人間側の私から応援要請だ。

ええと、ズールマイヤーっていう世界の星の崩壊を止めて欲しいと。

リソースを使うんだね。一応みんなに許可を取ろう。

念話でみんなにリソースを使っていいか確認したら全員OKだったので早速救援に向かおう。

「私もご一緒します」
「ありがとうございます」
「レアがいれば安心だろうけど、一応私達も行くわよ」
「あい」

今いる4人で行く事に。

座標は人間側の私の記憶から辿れば大丈夫。

地上には生き物はいないそうで、あちらの主神には話を通してくれてあるみたい。

なので直接地上に降りる事にした。

降りて見ると地上は既に人の住める環境ではなくなっていた。
マグマが噴き出し地面は揺れ、とてつもなく熱い。

「これは…もう崩壊寸前ですね」
「早く直した方が良さそうよ」
「はい。やってみます」

[ジールディアスレイヤーを触媒として干渉します。制御は私が行います]

うん。お願い。

剣を地面に突き立てると噴き出していたマグマの勢いがなくなり振動も少しずつ弱まってきた。

「ここまで壊れたら初めから作り直した方が早い?」
「いえ、色々調べてみて分かったのですが、惑星を一つ作るのにはかなりの労力がいります。崩壊寸前でも再生した方が総合的には良いかと」

私の隣でソラちゃんとレアさんが話をしている。

「何とかなったみたいね。まったく、人騒がせな神様ね」
「あはは…」

リオさんが呆れ顔で言っているけど、私は同意し辛い。

私もよくやらかすからなぁ。

『ミナ!イントルーダーが大量にやって来ている!』

念話で緊急事態を告げてきたのはルーティアさん。

『大丈夫ですか?』
『第一波は何とか凌いだ。修復と管理から応援を貰うぞ』
『はい。私達もすぐに戻ります』

何でイントルーダーが突然襲撃を?
私が離れたのを見計らったのかも。

『ミナさん、何かに防御を突破されました』

今度は修復をやっていたユキさんからだ。

『怪我をした人はいない?』
『はい、それは大丈夫ですが…』

ユキさん達が防衛体制に入った時には防御壁を破壊されてしまっていたそう。

「良くないですね。後手に回っています」
「ミナ、私とレアは先に戻るわ」
「はい。リオさん、レアさん宜しくお願いします」

2人は転移で帰って行った。

私もここを早く何とかして急いで帰らないと。

「罠っぽい?」
「かも知れない。でもみんながいるから大丈夫だよ」

主神であるマリアフラウ様がこの事態を引き起こしたらしいけど、どう見てもわざとじゃない。
偶然を利用されたというのが正しそう。

[間もなく修復が完了します]

「ミナ様、救援感謝致します。私はマリアフラウ、ズールマイヤーの主神です」

現れたのはプラチナブロンドの女性。アウレリア様みたいな美人さんだった。

「間に合ったみたいです。もうすぐ修復が終わります。ただ、私の世界にイントルーダーが大量にやってきているみたいなんです」
「それは…もしかしたらここに来た事で辿られたのかも知れません。本当に申し訳ありませんでした」

深々と頭を下げるマリアフラウ様。

「いえ、私もちょっと迂闊でした」
[修復が完了しました]
「という訳なのでこれで帰りますね」
「はい。また後日お詫びに伺いたいと思います」

挨拶もそこそこにソラちゃんとアスティアに戻る。

イントルーダーはルーティアさん達に任せておけば大丈夫。
私は防御を突破した何かを追い掛ける。

『ミナさん…助けて…!』
『アイさん?』

苦しそうな声で呼び掛けてきたのはアイさんだ。

『知らない人…神様がやって来てイヴちゃんを…』
『すぐに行きます!』

何でイヴちゃんを…?
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