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特別編3:異世界

転生

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──〔human side〕──

神界側の私達がアルディオス様を倒したみたい。お婆ちゃんに武装を強化してもらったけど使わなくて済んだ。

この一件でほのかさんのご両親は見つける事が出来たけど、地球から追放されてしまった。あのままイントルーダーになるよりは良かったと思うけど、アスティアで暮らす事になってしまって何だか申し訳ない。

「ミナちゃんの世界なら大丈夫だよ」

ほのかさんはそう言ってくれるんだけど。

「地球とは文明レベルが違い過ぎて大変だと思いますよ?」
「まあ、何とかなるだろう。3人で力を合わせて生きていくよ」
「これからはほのかと一緒だと思ったら嬉しくて。少しぐらい不便でも気にしないわ」

康介さんも真由美さんも問題ないと言ってくれる。

「あとは転生してもらうかよね。そのままの方がいいなら何もせずにアスティアに連れて行くけど」
「転生?」

リオさんの言った事に康介さんが反応する。

「はい。私達も転生者なんですが──」

転生について詳しく説明をしてくれた。

「それはいいね!折角異世界で暮らすのだから転生してみたいよ」
「私も!」

リオさんの説明を聞いて喜んでいる。
ほのかさんのご両親はかなり年配って聞いたけどそんな風にはとても見えないね。

「ほのかはどうするの?」
「私はこのままでいいかな。転生したあとの2人をお父さんお母さんって呼んでもいいの?」
「勿論だよ。ほのかは私達の大切な娘なのだから」
「ほのかは私達の姿が変わっても変わらずに接してくれる?」
「うん」

私も全力でサポートするからね!

「転生って神界でやるの?」
「ここでやる訳にもいかないよね」

ソラちゃんが聞いてきた通り、転生やその他諸々をやる為に一度アスティアの神界に移動する。折角だし神様側の私に転生をやってもらおう。

──〔god side〕──

神界に戻ってきて少ししたら人間側の私から連絡が。

ふむふむ。康介さんと真由美さんをアスティアに転生させる事になったと。
私が転生の手続きをすれば良いんだね。

よし、全力でやろう!

「張り切っている所悪いけど、全力で転生体を作ったら普通の人間じゃなくなるわよ」
「ハイスペック過ぎて逆に大変」

リオさんとソラちゃんに止められた。

うん分かった。程々にやるからね。

ーーーー

ほのかさん、康介さん、真由美さんを神界に連れてきてくれたので転生の準備をしていく。
と言っても私はやり方を知らないのでアウラさん任せなんだけど。

まずは身体の生成。
康介さんと真由美さんにはどんな感じが良いか聞きながら17、8歳の身体を創る。髪の色は康介さんがダークブラウンで真由美さんはプラチナブロンド。2人とも理想の外国人俳優の若い頃をイメージしたと言っていた。

2人とも完全に別人になっている。

「ミナさん、気になった事があるのだけど、質問いいかな?」

すっかりイケメンになった康介さんが聞いてくる。

「何でしょう?」
「アスティアの言語体系はどうなっているのかな?私は3カ国語が話せるが、まさか地球の言語と同じと言う事はないよね?」
「それについては大丈夫です。この世界にはギフトというものがあって、そのギフトの《翻訳機能》を付ければ言葉に困る事はありません」

うーん、私が初めてここにきた時も同じ様な事をアウレリア様に話したなぁ。

「私からも質問だけど、今の記憶はこのままで転生させてもらえるんだよね?その知識を使って暮らしを豊かにしたりお金儲けをしても良いの?」

今度は北欧系美少女になった真由美さんから質問。これは気を付けてもらわなければならない事だから詳しく話しておく。

「やってほしくない事は幾つかあります。まず機械系の技術発展はさせないでください。科学の分野も同様です。他の転生者がそれを行い戦争の規模を拡大した過去があります」
「不用意に兵器に転用できるものを広めなければいいのね?」
「そうです。お願いします」

その他の設定についても詰めていく。

ギフトについては《翻訳機能》に加えて《インベントリ》と《鑑定》は欲しいよね。

「はいストップ!」
「へ?」
「2人ともにあげなくていいわよ。片方ずつにしなさい」

リオさんに言われて康介さんに《インベントリ》、真由美さんに《鑑定》を付与した。

あとは何をつけようか?《ヘルプ機能》?じゃあ私の分身を…。

「難易度を上げるの?」
「ソラちゃんヒドイ」

そうですよ。私のアドバイスだと余計に迷っちゃうかもしれないですよー。

[同意します]

アウラさんまで…。

「アウラさんみたいな機能は無くても大丈夫ですよ。スタートをエリストにしてみんなでサポートすればいいです」
「なるほど」

ユキさんの言う通りだね。そうしよう。

あとは…ステータスを多めに振る?私達みたいに極振りしちゃおうか?それともマサキさんみたいに均等に一杯振っちゃう?

「2人に何をさせたいのよ…」
「勇者でも作るの?」
「普通で良いのでは…?」

リオさん、ソラちゃん、ユキさんに総ツッコミされた。

「でも折角転生するのだから少しでも強くしてあげたいじゃないですか」

そう言いながら私の時を思い出していた。

アウレリア様もこんな心境だったんだなぁ…。

「ミナさん、ここまでやってくれれば充分だよ。あとは自分達でやってみるから」
「ありがとうミナさん」
「そうですか…分かりました」

二人が満足しているみたいだし、もし何かあれば天啓という方法もあるからね。

「そうだ、アスティアで日本人の名前って不自然じゃないかい?」
「意外と転生者がいるので大丈夫かと。気になるなら変えますか?」
「そうだね。じゃあ──」

康介さんはコウと言う名前に変更した。
真由美さんはそのままで良いそう。

「突貫しそう」
「女の子みたいな名前のライバルがいそう」

リオさんとソラちゃんはまたよくわからない事を言って…。

あと2人は初めから夫婦ということで、ほのかさんも娘で通すらしい。
その見た目でほのかさんが娘は無理があるんじゃ…。

その他、エリストに来た理由とか色々と示し合わせておいた。

服や装備も一式インベントリに入れておいたし、お金も多めに入れておいた。

準備が整ったので地上に向かってもらおう。

「では最後に…ようこそアスティアへ。主神ミナ・アドラステアはお二人を歓迎します」

一度言ってみたかったんだよ。
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