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特別編3:異世界
神々の考察
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訓練場の皆さんと合流して保養施設へと向かう。
そこは芝生の広がる平原の様な場所だった。
空には太陽と疎らな雲。そよ風が吹いていて気持ちいい。
…ここ島の中だよね?
「景色は全て疑似投影です。神々は長期間外に出る事ができない場合はここで身体を癒していました」
なるほど、それで保養施設。
かなり向こうの方に緩やかな丘があって、みんなはその辺りで寛いでいた。
風に乗って歌声が聞こえてくる。レーナさんが丘の上で歌っていた。みんなはそれを聴きながら芝に寝転がったり、敷物の上に座ってお茶を飲んだりしている。
私達が近くに行くとレーナさんが気が付いて、歌いながら軽く手を振ってくれた。
レーナさんのキレイな歌声を聴きながら私も寝転んでしまいたい。
「別に時間はあるのだからゆっくりするといいさね」
「はい。みんなに戻った事を伝えてから休ませてもらいます」
隣を歩くルーティアさんも風を感じて気持ちよさそうに伸びをしていた。
レーナさんの近くで静かに歌を聴いていたユキさんが私に気付いてこちらにやって来る。
「ミナさんおかえりなさい」
「ただいまユキさん。ここ良いトコだね」
「はい。とても落ち着きます」
それじゃ、私も少し休ませてもらおうかな。
──〔god side〕──
神界でアスティアの様子を見ていたら人間側の私が興味深い知識を手に入れていた。
何人かに相談してみようかな。
来てもらったのはユキさん、リオさん、レアさん、ルーティアさん。もっと多くの人に聞いてみたいけど、まずはこの4人から。
オラクルに入って得た記憶を全て話す。
「先代主神が知らせたかった事ねぇ」
「単純に考えるならヌスクァムとの関連性を教えたかったのではないでしょうか?」
「まあそれは間違いないでしょうね」
そう話しているのはリオさんとユキさん。
「どこまで真似たかによるんじゃないか?根幹の部分が同じならヌスクァムで起こった神絡みの事件が起こる事を示唆している様に思えるが」
「そうですね。ヌスクァムで起こった事といえば悪神化でしょうか」
「私達のうちの誰かが世界を作り直す為に暴れ出すのかい?現実的じゃないねえ」
ルーティアさんとレアさんが話している通り、私達の中でリヴェルティア様みたいな考えで世界を壊そうとする神が現れる事は有り得ないと思う。それでも何らかの出来事が起こってそうなると言うなら…
「外的要因があって変異するのなら可能性はゼロじゃないわね」
リオさんの言う通りだ。
「そう思います。先代の神様達と私達の違いは、仲違いしていないところでしょうか。先代の神様達は秘密主義で、自分の思っている事をあまり他の神に話さなかったみたいなので」
だから行き違いがあって変な事になってたんだと思う。
「私達は何かあればすぐに相談していますから問題は無いと思います」
「今のところは、ですけどね」
ユキさんの言った事にレアさんが付け足す。
これから長い間一緒にアスティアを見守っていく仲間だけど、長大な時間の経過で心の変化もあるかも知れない。レアさんはそう言いたいんだと思う。
「それこそどうにもならないねえ。定期的に意見交換する事を徹底するかい?」
「正直それくらいしか出来る事は無さそうですね」
ルーティアさんの提案に全員が頷く。
「あとは懇親会でも開くかよね」
「酒が出るなら大歓迎さね」
「私達が消費する物についてはリソースを使っても微々たるものですから問題ないですよ」
「じゃあ早速やろうかね?」
「ルーティアさん気が早いですよ」
でも確かに神格化したみんなは娯楽もなく神様の仕事をやってくれている。
働き詰めじゃ体に悪いし、自由な時間も多く取れる様にしてのびのびと暮らしてもらいたいかな。
[個々に別空間を作ってみるのは如何でしょう?]
あ、それいいかも。
今は何か用事がある時は別空間を用意してそこに集まる様にしているけど、常設型に変えて、自室も作っちゃおう。
という訳でみんなに自分の空間を構築してもらう事にした。
私も含めて均等にリソースを配って好きな様にアレンジしてもらう。
「どんなのを作ってもいいの?」
「うん。でも維持するのにリソースが要るものは報告をお願いね」
聞いてきたのはソラちゃん。多分アイさんの所みたいに地球のアニメとかゲームに触れられる様にしたいんだろうなぁ。
「俺達3人で1つの空間を共有したいんだが構わないよな?」
「勿論です」
そう聞いてきたのはマサキさん。家族3人一緒がいいよね。
「心変わりがあって途中で空間を分ける事になったら出来るのかしら?」
「マジか」
「ふふ、違うわよ。ハナが一人部屋が良いって言った時の事を聞いたのよ」
ネネさんの質問にショックを受けるマサキさん。ハナちゃんの為に聞いたのだと知って胸を撫で下ろしていた。
「勿論大丈夫です。逆に空間を共有したい人ができたらくっ付けてもらって良いですよ」
そう言ったらみんなそれぞれ話し合いを始めてしまった。空間の共有について誰とするのかを話し合ってるみたい。
「ま、別々の空間にしておいて遊びに行くのも一つの楽しみなんじゃない?あとはどれだけアレンジが出来るかよね」
リオさんは自室を作るのが楽しみみたい。
「ミナ、作りに行ってもいい?」
「うん。いいよ」
ソラちゃんは今すぐにでも作りたいらしく、早速移動して行った。
私はどんな空間を作ろうかな?
そこは芝生の広がる平原の様な場所だった。
空には太陽と疎らな雲。そよ風が吹いていて気持ちいい。
…ここ島の中だよね?
「景色は全て疑似投影です。神々は長期間外に出る事ができない場合はここで身体を癒していました」
なるほど、それで保養施設。
かなり向こうの方に緩やかな丘があって、みんなはその辺りで寛いでいた。
風に乗って歌声が聞こえてくる。レーナさんが丘の上で歌っていた。みんなはそれを聴きながら芝に寝転がったり、敷物の上に座ってお茶を飲んだりしている。
私達が近くに行くとレーナさんが気が付いて、歌いながら軽く手を振ってくれた。
レーナさんのキレイな歌声を聴きながら私も寝転んでしまいたい。
「別に時間はあるのだからゆっくりするといいさね」
「はい。みんなに戻った事を伝えてから休ませてもらいます」
隣を歩くルーティアさんも風を感じて気持ちよさそうに伸びをしていた。
レーナさんの近くで静かに歌を聴いていたユキさんが私に気付いてこちらにやって来る。
「ミナさんおかえりなさい」
「ただいまユキさん。ここ良いトコだね」
「はい。とても落ち着きます」
それじゃ、私も少し休ませてもらおうかな。
──〔god side〕──
神界でアスティアの様子を見ていたら人間側の私が興味深い知識を手に入れていた。
何人かに相談してみようかな。
来てもらったのはユキさん、リオさん、レアさん、ルーティアさん。もっと多くの人に聞いてみたいけど、まずはこの4人から。
オラクルに入って得た記憶を全て話す。
「先代主神が知らせたかった事ねぇ」
「単純に考えるならヌスクァムとの関連性を教えたかったのではないでしょうか?」
「まあそれは間違いないでしょうね」
そう話しているのはリオさんとユキさん。
「どこまで真似たかによるんじゃないか?根幹の部分が同じならヌスクァムで起こった神絡みの事件が起こる事を示唆している様に思えるが」
「そうですね。ヌスクァムで起こった事といえば悪神化でしょうか」
「私達のうちの誰かが世界を作り直す為に暴れ出すのかい?現実的じゃないねえ」
ルーティアさんとレアさんが話している通り、私達の中でリヴェルティア様みたいな考えで世界を壊そうとする神が現れる事は有り得ないと思う。それでも何らかの出来事が起こってそうなると言うなら…
「外的要因があって変異するのなら可能性はゼロじゃないわね」
リオさんの言う通りだ。
「そう思います。先代の神様達と私達の違いは、仲違いしていないところでしょうか。先代の神様達は秘密主義で、自分の思っている事をあまり他の神に話さなかったみたいなので」
だから行き違いがあって変な事になってたんだと思う。
「私達は何かあればすぐに相談していますから問題は無いと思います」
「今のところは、ですけどね」
ユキさんの言った事にレアさんが付け足す。
これから長い間一緒にアスティアを見守っていく仲間だけど、長大な時間の経過で心の変化もあるかも知れない。レアさんはそう言いたいんだと思う。
「それこそどうにもならないねえ。定期的に意見交換する事を徹底するかい?」
「正直それくらいしか出来る事は無さそうですね」
ルーティアさんの提案に全員が頷く。
「あとは懇親会でも開くかよね」
「酒が出るなら大歓迎さね」
「私達が消費する物についてはリソースを使っても微々たるものですから問題ないですよ」
「じゃあ早速やろうかね?」
「ルーティアさん気が早いですよ」
でも確かに神格化したみんなは娯楽もなく神様の仕事をやってくれている。
働き詰めじゃ体に悪いし、自由な時間も多く取れる様にしてのびのびと暮らしてもらいたいかな。
[個々に別空間を作ってみるのは如何でしょう?]
あ、それいいかも。
今は何か用事がある時は別空間を用意してそこに集まる様にしているけど、常設型に変えて、自室も作っちゃおう。
という訳でみんなに自分の空間を構築してもらう事にした。
私も含めて均等にリソースを配って好きな様にアレンジしてもらう。
「どんなのを作ってもいいの?」
「うん。でも維持するのにリソースが要るものは報告をお願いね」
聞いてきたのはソラちゃん。多分アイさんの所みたいに地球のアニメとかゲームに触れられる様にしたいんだろうなぁ。
「俺達3人で1つの空間を共有したいんだが構わないよな?」
「勿論です」
そう聞いてきたのはマサキさん。家族3人一緒がいいよね。
「心変わりがあって途中で空間を分ける事になったら出来るのかしら?」
「マジか」
「ふふ、違うわよ。ハナが一人部屋が良いって言った時の事を聞いたのよ」
ネネさんの質問にショックを受けるマサキさん。ハナちゃんの為に聞いたのだと知って胸を撫で下ろしていた。
「勿論大丈夫です。逆に空間を共有したい人ができたらくっ付けてもらって良いですよ」
そう言ったらみんなそれぞれ話し合いを始めてしまった。空間の共有について誰とするのかを話し合ってるみたい。
「ま、別々の空間にしておいて遊びに行くのも一つの楽しみなんじゃない?あとはどれだけアレンジが出来るかよね」
リオさんは自室を作るのが楽しみみたい。
「ミナ、作りに行ってもいい?」
「うん。いいよ」
ソラちゃんは今すぐにでも作りたいらしく、早速移動して行った。
私はどんな空間を作ろうかな?
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