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特別編3:異世界
2人の救出
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レアさんのお祖父さんは政治家だそうで、アレクスと繋がりのある人物になっていた。
「お祖父様が…何故こんな事を…」
「それってもしかしてレアの為だったりして?」
「どういう事ですか?」
ほのかさんに言われてさらに困惑するレアさん。
「つまりね、レアが何処かで生きているかもって思ったらアレクスみたいな胡散臭い機関にも協力しちゃうかもって事だよ」
ほのかさんのご両親がそうだったもんね。
「でも私は、地球で死んでアスティアに転生したのです」
あぁ、それだとほのかさんとは条件が違うのか…。
「レア、あなたリヴェルティアに無理矢理転生させられたと言っていたけど、覚えてる?」
「はい。忘れる筈がありません」
リオさんに聞かれて即答するレアさん。
「死因は何だったの?」
「死因…私は…」
ソラちゃんに聞かれて言葉に詰まるレアさん。
「自分の死因が分からないって事は余程酷い死に方をしたのかも知れないわね」
リオさんは腕を組みながら考える。
「私も自分がどうやって死んじゃったのかよく覚えていないですよ」
アウレリア様が気を遣ってくださったんだよね。
「ミナを転生させたアウレリアならまだしも、リヴェルティアがレアに対して気を使う様な真似はしないのではないかしら?」
「確かにな」
リオさんの考えに理解を示したのはマサキさん。
「死因の検索ってできるのかしら?」
「やってみます」
ネネさんに聞かれたので実行してみる。
…レアさんは、名前がない。
「レアって日本人名は何だったの?」
「九条静音です」
リオさんが確認してくれた。
そういえばレアさんの転生は生まれたところからだったから名前は皇帝陛下が付けられたんだね。
という訳で九条静音さんは…っと、【行方不明】。
「そんな…私は死んだのだと…」
「その記憶自体リヴェルティアの作ったものかも知れないわ。ミナとアウラの検索能力で調べたのだからこちらが真実よ」
「私は…死んでいなかった?」
リオさんに言われてますます混乱するレアさん。
考えたくはないけど、リヴェルティアが攫った挙句に静音さんを殺害して魂にしたという可能性もある。
「今はこの話に時間を使っている場合じゃないだろ。レアの事は後で調べるとして、まずは拐われた2人の救出を優先しないか?」
「そうですね。テュケさんの言う通りです。救出に急ぎましょう」
レアさんはかぶりを振ってからそう言った。
急いで武装を出して全員に渡す。こちらに来る前に武器も鎧も私が預かっていた。
位置は確認出来ているので《ハイパークレアボイアンス》で建物の中を調べてみる。
大きな屋敷、洋風の建築物だ。お金持ちの別荘…にしては大き過ぎるかな。中も外観通りの内装だけど、廊下やあちこちの部屋にいるのは白衣を着た研究者っぽい人達。アレクスの施設で見た格好だ。
位置情報を頼りに2人を探すと簡単に見つける事が出来た。
坂口香帆さんと京子さんは隣同士の部屋に軟禁状態だった。服は白いシャツに簡素な貫頭衣を着せられている。2人とも落ち着いている様に見えた。
「正確な位置が分かりました。転移します」
「おう!」
準備万端で頷くみんな。
《テレポート》で移動したのは京子さんのいる部屋。
「京子!」
「莉緒!?」
抱き合う2人。
「遅くなってごめん。助けに来たわ」
「ありがとう。隣の部屋にもう1人、女の子がいるの」
「うん、知ってる。すぐに助けるから」
リオさんが話している間に私は隣の部屋を隔てている壁をディエスエグゼクリシオンで斬り裂いて道を作る。
「なっ…なに…!?京子さん!?」
「大丈夫、助けに来たよ。私はミナ」
「坂口…香帆です。京子さんが言っていた人達?」
「うん、多分そう。さあ、一緒にここを出よう」
「はい!」
香帆ちゃんは私の事を信用してくれたみたいだ。
「莉緒、ここにはヤバいのがいるのよ。私達は実験台兼囮だったみたい」
「囮?つまり…」
実験って何をされていたんだろう?思い出させたくないので聞かないでおくけど、誘拐して実験台なんて許せないよ!
けたたましくサイレンが鳴り出す。
大勢の足音が聞こえてきて廊下への扉が乱暴に開かれると、マシンガンを持った人達が大勢入って来た。
「構っていられないわね。ミナ、転移を!」
「はい!」
《テレポート》を使って元の場所に…ってあれ?作動しない!
「どうしたの?」
「《テレポート》が発動しない…」
聞いてきたソラちゃんに答えて再度試すけど…ダメだ。転移できない!
「ようこそ異世界の方々。歓迎しましょう」
廊下から声が聞こえた。
現れたのは10代後半と思しきの女の人。黒い長い髪の外国人っぽい美人さん。話しているのは日本語だった。
「人を誘拐する様な輩と話す事は無いわよ」
「そうですね。こちらもあなた方と仲良く話すつもりはありません」
周りにいるのはマシンガンで武装した兵士風の人達。
黒髪の女性はアスティアにもありそうなローブ姿で60センチ位の金属製の棒を一本持っているだけ。
《鑑定》を仕掛けてみたけど見れなかった。
何かで阻害されているみたい。
「仕方ないな、コイツらを倒してサッサと脱出するぞ!」
マサキさんはそう言うと前に出る。
制圧してここから出よう!
「お祖父様が…何故こんな事を…」
「それってもしかしてレアの為だったりして?」
「どういう事ですか?」
ほのかさんに言われてさらに困惑するレアさん。
「つまりね、レアが何処かで生きているかもって思ったらアレクスみたいな胡散臭い機関にも協力しちゃうかもって事だよ」
ほのかさんのご両親がそうだったもんね。
「でも私は、地球で死んでアスティアに転生したのです」
あぁ、それだとほのかさんとは条件が違うのか…。
「レア、あなたリヴェルティアに無理矢理転生させられたと言っていたけど、覚えてる?」
「はい。忘れる筈がありません」
リオさんに聞かれて即答するレアさん。
「死因は何だったの?」
「死因…私は…」
ソラちゃんに聞かれて言葉に詰まるレアさん。
「自分の死因が分からないって事は余程酷い死に方をしたのかも知れないわね」
リオさんは腕を組みながら考える。
「私も自分がどうやって死んじゃったのかよく覚えていないですよ」
アウレリア様が気を遣ってくださったんだよね。
「ミナを転生させたアウレリアならまだしも、リヴェルティアがレアに対して気を使う様な真似はしないのではないかしら?」
「確かにな」
リオさんの考えに理解を示したのはマサキさん。
「死因の検索ってできるのかしら?」
「やってみます」
ネネさんに聞かれたので実行してみる。
…レアさんは、名前がない。
「レアって日本人名は何だったの?」
「九条静音です」
リオさんが確認してくれた。
そういえばレアさんの転生は生まれたところからだったから名前は皇帝陛下が付けられたんだね。
という訳で九条静音さんは…っと、【行方不明】。
「そんな…私は死んだのだと…」
「その記憶自体リヴェルティアの作ったものかも知れないわ。ミナとアウラの検索能力で調べたのだからこちらが真実よ」
「私は…死んでいなかった?」
リオさんに言われてますます混乱するレアさん。
考えたくはないけど、リヴェルティアが攫った挙句に静音さんを殺害して魂にしたという可能性もある。
「今はこの話に時間を使っている場合じゃないだろ。レアの事は後で調べるとして、まずは拐われた2人の救出を優先しないか?」
「そうですね。テュケさんの言う通りです。救出に急ぎましょう」
レアさんはかぶりを振ってからそう言った。
急いで武装を出して全員に渡す。こちらに来る前に武器も鎧も私が預かっていた。
位置は確認出来ているので《ハイパークレアボイアンス》で建物の中を調べてみる。
大きな屋敷、洋風の建築物だ。お金持ちの別荘…にしては大き過ぎるかな。中も外観通りの内装だけど、廊下やあちこちの部屋にいるのは白衣を着た研究者っぽい人達。アレクスの施設で見た格好だ。
位置情報を頼りに2人を探すと簡単に見つける事が出来た。
坂口香帆さんと京子さんは隣同士の部屋に軟禁状態だった。服は白いシャツに簡素な貫頭衣を着せられている。2人とも落ち着いている様に見えた。
「正確な位置が分かりました。転移します」
「おう!」
準備万端で頷くみんな。
《テレポート》で移動したのは京子さんのいる部屋。
「京子!」
「莉緒!?」
抱き合う2人。
「遅くなってごめん。助けに来たわ」
「ありがとう。隣の部屋にもう1人、女の子がいるの」
「うん、知ってる。すぐに助けるから」
リオさんが話している間に私は隣の部屋を隔てている壁をディエスエグゼクリシオンで斬り裂いて道を作る。
「なっ…なに…!?京子さん!?」
「大丈夫、助けに来たよ。私はミナ」
「坂口…香帆です。京子さんが言っていた人達?」
「うん、多分そう。さあ、一緒にここを出よう」
「はい!」
香帆ちゃんは私の事を信用してくれたみたいだ。
「莉緒、ここにはヤバいのがいるのよ。私達は実験台兼囮だったみたい」
「囮?つまり…」
実験って何をされていたんだろう?思い出させたくないので聞かないでおくけど、誘拐して実験台なんて許せないよ!
けたたましくサイレンが鳴り出す。
大勢の足音が聞こえてきて廊下への扉が乱暴に開かれると、マシンガンを持った人達が大勢入って来た。
「構っていられないわね。ミナ、転移を!」
「はい!」
《テレポート》を使って元の場所に…ってあれ?作動しない!
「どうしたの?」
「《テレポート》が発動しない…」
聞いてきたソラちゃんに答えて再度試すけど…ダメだ。転移できない!
「ようこそ異世界の方々。歓迎しましょう」
廊下から声が聞こえた。
現れたのは10代後半と思しきの女の人。黒い長い髪の外国人っぽい美人さん。話しているのは日本語だった。
「人を誘拐する様な輩と話す事は無いわよ」
「そうですね。こちらもあなた方と仲良く話すつもりはありません」
周りにいるのはマシンガンで武装した兵士風の人達。
黒髪の女性はアスティアにもありそうなローブ姿で60センチ位の金属製の棒を一本持っているだけ。
《鑑定》を仕掛けてみたけど見れなかった。
何かで阻害されているみたい。
「仕方ないな、コイツらを倒してサッサと脱出するぞ!」
マサキさんはそう言うと前に出る。
制圧してここから出よう!
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