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特別編3:異世界
深部
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作った料理は手のかけようがない様なものだったけど、《料理》技能が作動して味を劇的に変えてくれたみたい。
元々どんな味だったのか分からないからね。
「ミナは料理の天才なんじゃないか?」
「そんな事はないですよ」
技能のお陰だし。
「明日は危険地帯に入るからな。騎士様達もしっかり休んで今日の疲れをとっておいてくださいよ」
「ああ、もちろんだとも」
「ようやく俺達の本領発揮だな」
「ミナさんは僕達が護りますからね」
3人とも張り切っているね。
それぞれ野宿には慣れていないみたいだったけど鎧を外して布に包まって寝始める。
…って、夜の見張りはザクスさんとルルさんだけでやる気なの?
「ミナも寝ていいぞ」
「それだとザクスさんとルルさんの負担が大きいですよ。私も見張りをやります」
「俺達は案内だからこれくらいは何でもない。気にせずに寝てくれ」
「分かりました。何かあったらすぐに起こしてくださいね」
ザクスさんは二人で番をする事を譲りそうにないので私も休ませてもらう。
これからずっと2人で見張りじゃ大変だよ。明日はマークさん達も交えて交代で見張りをする事を提案しよう。
[ミナが寝ている間も私とレナトゥスが警戒しているので安心してください]
〈何かあれば直ぐに起こしますからね。お休みなさい〉
うん。よろしくね。
ーーーー
夜は何事もなく過ぎて次の日。
夜明け前にアウラさんに起こされる。
[寝たままで聞いてください]
うん?どうしたの…?
[昨晩、ザクスが不穏な事を言っていたので伝えておきます]
アウラさんはそう前置いてから昨日の会話の内容を教えてくれる。
ルルさんと話していたのは、深部には奴隷にならずに逃げ込んだ獣人族が多数いると言う事で、ザクスさんはその人達と面識があるらしい。
連邦の人間、特に騎士には強い恨みをもっている獣人族が多く、彼らに見つかったらただでは済まないという事。
行方不明になっても捜索隊が組織される可能性は低く、魔物に殺されたと判断されるだろうと。
…これってまさか、私達は深部で襲撃されるって事?
[明言はしていないので断定はできません。しかし警戒はしておくべきでしょう]
ザクスさん、良い人っぽいのに…。
〈ザクスは騎士達を憎んでいる節がありましたし、彼が例の村に関係があるとしたら獣人族と繋がっている可能性もありますよね〉
こんな状態で深部に入って大丈夫かな。
[この世界の人間や獣人族ならば大丈夫でしょう。軍で攻めて来てもミナの敵ではありません]
そういう問題じゃないと思うよ?
このまま寝たフリをしていても仕方ないので起きて朝食の準備をしてしまおう。
メニューは昨日の夕飯と同じだったので手早く料理してしまう。
匂いにつられて騎士さん達も起きてくる。
食事を取りながらザクスさんに今日の行程について聞いてみる事に。
「今日だけで深部を抜けれるんですか?」
「直進すれば抜けられるかも知れないがそのルートは危険すぎる。迂回ルートを通るから二泊はする事になるな」
「それなら尚の事、夜の見張りは全員で交代でやるべきですよ。ザクスさんとルルさんばかりに負担を掛けられないです」
私がそう言うと騎士さん達は嫌そうな顔をしていた。
「俺達が見張りをやらないといけないのか?」
「当たり前です。ザクスさんが疲れて判断を間違えたら全滅する可能性もあるんですよ?」
疑いたくはないけど、ザクスさんだけが起きているタイミングで獣人族を手引きする様な事があったら本当に全滅の可能性があるんだよ。
「確かに…彼だけに任せるのは良くないか」
「そう言う事なら僕達も見張りをやろうよ」
マークさんとニールさんはそう言って頷いた。それを見てゴードンさんも渋々了承してくれた。
逆にザクスさんは不満そうな顔をしていたけど、それは騎士さん達の能力を認めていないからだと信じたい。
食事を済ませて荷物を片付けた私達は、小川を渡って森の深部に入っていく。
隊列は昨日と同じ。案内は完全にザクスさん頼りだ。
「危険な魔物ってどんなのがいるんですか?」
「人喰い植物が数種類、人を絡め取って絞め殺す木や一飲みにしてくるデカい花を見た事があるぞ。あとは恐ろしく獰猛ですばしっこいリスみたいな魔物が厄介だった。大群で襲ってくるからあっという間に何十箇所と噛み付かれて死ぬ事になる」
森の最深部にはザクスさんも数回しか行った事がないらしいけど、特にリスの魔物に襲われた時は仲間を3人失ったそう。
「だ、大丈夫。私達が護るから」
「騎士さん達みたいな取り回し難い鎧なんか着ているとヤバいですぜ。隙間から入り込んで喰い荒らされちまう」
ひぇ…それは怖い。見つけたら近寄らせない様にしないとだね。
マークさんとゴードンさんは顔を青くしていた。
ザクスさんが遭った事がないだけで、その他に凶暴な熊みたいな魔物や背中に無数の触手を生やした狼がいるらしい。
《索敵》をしっかりやった方が良さそうだね。
全員が緊張しながら周囲を警戒している。
私は《索敵》の技能とアウラさんのサポートで警戒。
森は鬱蒼としていて日中なのにかなり暗い。ザクスさんはランタンを持って足元を照らしながら歩く。
この辺りは獣道みたいな道しか無いみたいで、ザクスさんも時折立ち止まって注意深く道を確認しながら進んでいた。
結構な距離歩いたけど、今のところ魔物は現れていない。
朝方アウラさんが教えてくれた事、もしもザクスさんが深部に住んでいる獣人族に私達を引き渡すつもりなら、そろそろ誰かが様子を見に来てもおかしくない。
[《索敵》に感あり。遠距離に獣人族が4人]
来た。
[こちらに気付いていない様です]
おや…?
[範囲から外れました]
待ち伏せではないって事?気になるからオーバーブーストを掛けてもう一度《索敵》。
さっきの4人よりもずっと向こう側、深部中央付近に獣人族が沢山いる。ここが集落だね。それよりも西側、小川に近い方に10人ほどの一団が居る。
集落への道を見張っているだけにしては人数が多いね。
うーんこれはもしかして、ザクスさんは獣人族を避けながら森を歩いてくれているんじゃないかな?
〈獣人族に襲撃位置への誘導を依頼されたけど、引き受けたフリをして位置を教えてもらい避けて歩いている可能性もありますね〉
だとしたらザクスさんは私達を裏切るつもりは無いって事だよね。
元々どんな味だったのか分からないからね。
「ミナは料理の天才なんじゃないか?」
「そんな事はないですよ」
技能のお陰だし。
「明日は危険地帯に入るからな。騎士様達もしっかり休んで今日の疲れをとっておいてくださいよ」
「ああ、もちろんだとも」
「ようやく俺達の本領発揮だな」
「ミナさんは僕達が護りますからね」
3人とも張り切っているね。
それぞれ野宿には慣れていないみたいだったけど鎧を外して布に包まって寝始める。
…って、夜の見張りはザクスさんとルルさんだけでやる気なの?
「ミナも寝ていいぞ」
「それだとザクスさんとルルさんの負担が大きいですよ。私も見張りをやります」
「俺達は案内だからこれくらいは何でもない。気にせずに寝てくれ」
「分かりました。何かあったらすぐに起こしてくださいね」
ザクスさんは二人で番をする事を譲りそうにないので私も休ませてもらう。
これからずっと2人で見張りじゃ大変だよ。明日はマークさん達も交えて交代で見張りをする事を提案しよう。
[ミナが寝ている間も私とレナトゥスが警戒しているので安心してください]
〈何かあれば直ぐに起こしますからね。お休みなさい〉
うん。よろしくね。
ーーーー
夜は何事もなく過ぎて次の日。
夜明け前にアウラさんに起こされる。
[寝たままで聞いてください]
うん?どうしたの…?
[昨晩、ザクスが不穏な事を言っていたので伝えておきます]
アウラさんはそう前置いてから昨日の会話の内容を教えてくれる。
ルルさんと話していたのは、深部には奴隷にならずに逃げ込んだ獣人族が多数いると言う事で、ザクスさんはその人達と面識があるらしい。
連邦の人間、特に騎士には強い恨みをもっている獣人族が多く、彼らに見つかったらただでは済まないという事。
行方不明になっても捜索隊が組織される可能性は低く、魔物に殺されたと判断されるだろうと。
…これってまさか、私達は深部で襲撃されるって事?
[明言はしていないので断定はできません。しかし警戒はしておくべきでしょう]
ザクスさん、良い人っぽいのに…。
〈ザクスは騎士達を憎んでいる節がありましたし、彼が例の村に関係があるとしたら獣人族と繋がっている可能性もありますよね〉
こんな状態で深部に入って大丈夫かな。
[この世界の人間や獣人族ならば大丈夫でしょう。軍で攻めて来てもミナの敵ではありません]
そういう問題じゃないと思うよ?
このまま寝たフリをしていても仕方ないので起きて朝食の準備をしてしまおう。
メニューは昨日の夕飯と同じだったので手早く料理してしまう。
匂いにつられて騎士さん達も起きてくる。
食事を取りながらザクスさんに今日の行程について聞いてみる事に。
「今日だけで深部を抜けれるんですか?」
「直進すれば抜けられるかも知れないがそのルートは危険すぎる。迂回ルートを通るから二泊はする事になるな」
「それなら尚の事、夜の見張りは全員で交代でやるべきですよ。ザクスさんとルルさんばかりに負担を掛けられないです」
私がそう言うと騎士さん達は嫌そうな顔をしていた。
「俺達が見張りをやらないといけないのか?」
「当たり前です。ザクスさんが疲れて判断を間違えたら全滅する可能性もあるんですよ?」
疑いたくはないけど、ザクスさんだけが起きているタイミングで獣人族を手引きする様な事があったら本当に全滅の可能性があるんだよ。
「確かに…彼だけに任せるのは良くないか」
「そう言う事なら僕達も見張りをやろうよ」
マークさんとニールさんはそう言って頷いた。それを見てゴードンさんも渋々了承してくれた。
逆にザクスさんは不満そうな顔をしていたけど、それは騎士さん達の能力を認めていないからだと信じたい。
食事を済ませて荷物を片付けた私達は、小川を渡って森の深部に入っていく。
隊列は昨日と同じ。案内は完全にザクスさん頼りだ。
「危険な魔物ってどんなのがいるんですか?」
「人喰い植物が数種類、人を絡め取って絞め殺す木や一飲みにしてくるデカい花を見た事があるぞ。あとは恐ろしく獰猛ですばしっこいリスみたいな魔物が厄介だった。大群で襲ってくるからあっという間に何十箇所と噛み付かれて死ぬ事になる」
森の最深部にはザクスさんも数回しか行った事がないらしいけど、特にリスの魔物に襲われた時は仲間を3人失ったそう。
「だ、大丈夫。私達が護るから」
「騎士さん達みたいな取り回し難い鎧なんか着ているとヤバいですぜ。隙間から入り込んで喰い荒らされちまう」
ひぇ…それは怖い。見つけたら近寄らせない様にしないとだね。
マークさんとゴードンさんは顔を青くしていた。
ザクスさんが遭った事がないだけで、その他に凶暴な熊みたいな魔物や背中に無数の触手を生やした狼がいるらしい。
《索敵》をしっかりやった方が良さそうだね。
全員が緊張しながら周囲を警戒している。
私は《索敵》の技能とアウラさんのサポートで警戒。
森は鬱蒼としていて日中なのにかなり暗い。ザクスさんはランタンを持って足元を照らしながら歩く。
この辺りは獣道みたいな道しか無いみたいで、ザクスさんも時折立ち止まって注意深く道を確認しながら進んでいた。
結構な距離歩いたけど、今のところ魔物は現れていない。
朝方アウラさんが教えてくれた事、もしもザクスさんが深部に住んでいる獣人族に私達を引き渡すつもりなら、そろそろ誰かが様子を見に来てもおかしくない。
[《索敵》に感あり。遠距離に獣人族が4人]
来た。
[こちらに気付いていない様です]
おや…?
[範囲から外れました]
待ち伏せではないって事?気になるからオーバーブーストを掛けてもう一度《索敵》。
さっきの4人よりもずっと向こう側、深部中央付近に獣人族が沢山いる。ここが集落だね。それよりも西側、小川に近い方に10人ほどの一団が居る。
集落への道を見張っているだけにしては人数が多いね。
うーんこれはもしかして、ザクスさんは獣人族を避けながら森を歩いてくれているんじゃないかな?
〈獣人族に襲撃位置への誘導を依頼されたけど、引き受けたフリをして位置を教えてもらい避けて歩いている可能性もありますね〉
だとしたらザクスさんは私達を裏切るつもりは無いって事だよね。
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