転生少女、運の良さだけで生き抜きます!

足助右禄

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特別編3:異世界

勇者探し

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まずは王都方面に向かい近くの街や村を巡って行く事にする。

「ユキねーちゃん達の魂かどうかを見分ける方法って本当にアレしかないのかな?」
虚空の覇者ヴォイドマスターとジアストが他に方法がないか探してくれているわ。取り敢えず今ある情報だけで探すしかないわよ」

歩きながらテュケ君に答えるリオさん。
テュケ君の言っている『あの方法』と言うのはとてもシンプルだけど不確かなものだった。

『3人の魂が持つ力はとても大きく強いから付与された人間に影響が出ているはず。能力は勿論、身体、性格でも判別出来るかもしれない』

あくまで推測らしいんだけど。

「あとは魂を引き剥がす方法ね。これも今探してくれているから、それまでに確保してしまったら…」
「ん、生捕り」
「そうよ。死なせてしまうと復活地点に転送されてしまうから気を付けるのよ」

生捕りかぁ…。出発前にこの話をしていた時にヒサメさんが怖い事を言っていたなぁ。

『生きてさえいれば良いのだから両手足が無くても構わないな』

真顔でそんな事を言うからビックリしたよ。セラさんの事になると手段を選ばなくなるってシルヴァリオさんが笑いながら言っていたね。

「そろそろ良いかしらね」

しばらく歩いてから飛行魔法を使って次の村へ移動する。

「隣の村はどんなトコ?」
「えっとね…木工品や炭焼きで栄えてた村らしいよ」

ソラちゃんに聞かれて地図を確認してみたけど、商取引に有効な情報が書かれていないし輸送の中継点になってるだけの村みたい。あの兄弟に襲われて壊滅してたりしなければ良いんだけど…。

しばらく飛んでいると森の中に村が見えてくる。木で造られた塀に囲まれた小さな村、家もまばらで数十人程度が暮らしている感じだった。

「アイツらが街道をやって来たならここを通ってる筈だよな。見た感じ襲われた様子はないな」

辺りを見渡してテュケが言った。

確かに壊されたところもないね。あの人達の言動を見た感じこんな小さな村でも略奪とかしてそうなんだけど。

「とりあえず話を聞いてみましょう」

リオさんはそう言ってゆっくりと降りていく。私達も後について着地した。

「おんや?あんた達、空から来なすったのかい?てえ事は勇者様か?」

家の庭先で椅子に座って寛いでいたおじさんがこちらに近付きながら聞いてくる。

「ん、アストの公認勇者のソラだよ」
「おお!やっぱりそうだったかい!ようこそ勇者様、小さな村ですが歓迎するよ!おーい、みんなー勇者様が来られたぞー!!」

おじさんが大声を出すと家からゾロゾロと村の人達が出て来る。

「ようこそ勇者様!」
「なんにも無い所だけど歓迎しますよ」

出て来たのはお爺ちゃんお婆ちゃん。この村に若い人はいないみたい。

「ついこの間も二人組の勇者様が来たけど、こんな辺境に魔王の軍勢が攻めてくるんかい?」
「魔王軍?」
「なんだい違ったんか。ここいらが戦場にならなくて良かったなぁ」

魔王とかいるんだ?

「私達他の勇者を探しているのだけど、ここに勇者は居ないのね?」
「居ないなぁ。若いもんはみんな王都の方に出稼ぎに行っちまってるし儂らみたいな老いぼれが祝福を受ける事は無いだろうし…」

リオさんがお爺さんに聞いている。

「勇者になるのは若い人だけなの?」
「そうじゃないかねえ?魔王軍と戦うんだからこんな老いぼれより若者の方が良いに決まってるよ」

なるほど確かに…。でもそれって神様達が作ったシステムが自動で判断してるんだよね。元気なら若くなくても勇者に選ばれそう。

「魔王って何?」
「おやおや、勇者様は魔王の事を知らない?」
「うん。教えて」

私が気になっていた事をソラちゃんが別のお爺さんに聞いてくれた。

何でも魔王と言うのは2年前に襲来した星渡りの魔物が居なくなった後に現れた存在で、遥か北の大陸に棲み多くの魔物を従えて沢山の国を攻め滅ぼしている存在らしい。

星渡りの魔物というのはドゥームの事だね。

「魔王って奴が何なのか気になるな」
「勇者のシステムが作り出した自浄作用の可能性はあるけど、単純に考えたらアトレイアの仕業かも知れないわね」
「そうですね。魔王には会いに行くべきかな」

遥か北と言っても飛行魔法を使えばそんなに日にちも掛からないと思うし、行かない理由も無いよね。

あとは勇者の情報でも聞ければだね。

「この国で有名な勇者とか知りませんか?」
「そうさなぁ…儂らは噂くらいしか聞いた事がないからのう。王都公認勇者くらいしか知らんぞい」

そう言いながら国が認めている勇者の名前を5人教えてくれた。この人達は五聖と呼ばれていて冒険者や騎士団が倒すことの出来ない強力な魔物を討伐したり無法者の勇者を捕らえたりしているらしい。

「良い勇者には用事ない」
「いやいや、ユキさん達の魂が入ってるかもしれないよ?」
「むぅ、そうだった」

ソラちゃん、勇者を倒す事が楽しくなってない?

「じゃあこの村には用は無いわね。何か困ってる事があったらこの指輪で呼び掛けて。念じれば声が届くから」
「ありがとうございます」

リオさんは《ビジョン》の指輪を村の代表らしき人に渡していた。

まだお昼前だしこのまま次の街に向かってしまおう。

飛行魔法を掛けようとした時、リオさんの動きが止まる。

「どうした?」
「レフィから連絡が来たわ。ちょっと待ってて」

《フライト》の発動をキャンセルして《ビジョン》に切り替えるリオさん。

『こんにちは~そちらはどんな感じですか~?』

レフィさんが映し出される。いつも通りのニコニコ顔で安心する。

「順調よ。偶然見つけた勇者を討伐してソラが公認勇者になったわ」
『それは幸先が良いですね~。こっちはちょっと大変な事になってまして~』
「何かあったの?」
『私達のいる街に勇者が大量にいて手こずってるんですよ~』

レフィさんが言うには20人くらいいるらしい。

「応援に行きましょうか」
「そうね。レフィ、今何て街に居るの?」
『えーと、フレースという街ですね~』

ん?フレースって確か…。あった!地図に載ってるって事はかなり近いね。

「そっちに行くわ。待ってて」
『よろしくお願いします~』

急遽だけどレフィさん達のいるフレースの街に行く事になった。
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