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特別編3:異世界
聖女と呼ばれる勇者
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私達はネネさん達のいる街へと移動した。
ここはアルガアルガという、国の南部にある平原中央部の街。
周辺は肥沃な大地を活かした農耕が盛んで、流通の拠点にもなっているそう。
さらに街のすぐそばにダンジョンがある事で冒険者も沢山訪れるみたいで、大きな国の城下町くらい栄えていた。
「これはスゴいわね」
「この中から探すのかよ…」
「だから私達に応援を頼んだんじゃない?」
街の規模に驚く私達。ソラちゃんはどこかに行かないようにリオさんに捕まえられていた。
「取り敢えずネネさん達と合流ですね」
「ええ。待ち合わせの場所はもう少し先よ」
リオさんを先頭に人混みの中を歩いていく。
露店からは活気のあるおじさんの声、熱心に品物を眺める男の人と購入をしきりに勧める店員のお姉さん。冒険者らしき人達が言い争いをしていて、それを宥める衛兵の人。
活気があるっていうより、混沌としているってヤツかな。
「今から行く所はギルドよ。冒険者が集まる酒場ね」
私達の世界と同じなら、見慣れた感じの雰囲気なんだろうね。
「お決まりのイベントで絡まれるパターン?」
「マサキ達が先に入ってるんだから大丈夫でしょ。まあ、何かあってもどうって事ないわよ」
リオさんに捕獲されながら見上げるように聞くソラちゃんに答えるリオさん。
どうって事はないのには同意だよ。相手に大怪我させないか心配なくらいかな。
暫く歩くとそれっぽい建物が見えてくる。冒険者らしき人達が幾人も出入りしているのでここで間違いないだろう。
入り口に看板とか付いてないんだよね。
「建物の上に赤と白の旗が立っているでしょ?あれが冒険者ギルドの証なんだって」
見上げると半分上が赤、下が白の旗が翻っていた。
「看板だと読めない人がいるからなのかもな」
「あーなるほど」
あれなら分かりやすいね。
「国旗みたいだね。どこだっけ?」
「たしかインドネシアかしら?縦横比率的にはモナコに近いかも」
リオさん物知りだね。
ここが冒険者ギルドだというのは間違いないので私達は中に入っていく。
中は結構広く、左側は飲食スペースみたいで冒険者か山賊か見分けがつかない人達が酒盛りをしていて、右端には張り紙が沢山ある壁と、それを熱心に眺めている大勢の冒険者達。正面には受付があって左奥には登り階段、吹抜けでぐるりと囲むように2階があるみたい。
見慣れた光景だね。
「なんだぁ?ここは託児所じゃねえぞ?」
そう言って下品な笑い声をあげる酒盛り中の荒くれ冒険者達。
「ほら、言った通りじゃん」
「無視よ無視」
つまらなさそうに言ったソラちゃんにリオさんが答える。
「おい姉ちゃん、こっちに来て一緒に飲もうぜ?」
スキンヘッドの大男がリオさんに絡んで来た。
「おい、俺の連れだ。引っ込んでろ」
2階から声が聞こえたので見上げるとマサキさんだった。
「す、すみませんマサキさん。まさかアンタのお仲間だったとは…ささ、2階にどうぞ」
マサキさんの一声で背を丸めて笑顔を作る大男。
…マサキさん。
私達は2階に上がってマサキさんの所へと向かう。ネネさん、ハナちゃん、レアさんがテーブル囲んで座っていた。イスファリナさんは他のパーティに石を届ける為に移動したそう。
「マサキ、ひと暴れしたみたいね?」
「舐めた事を言うから教育してやっただけだぞ?」
胸を張って笑うマサキさん。
「ああいう方達には言葉より力を見せる方が効果的ですから。皆さん元気そうで良かったです」
レアさんまで微笑みながらそんな事を。
「初めてここに来た時にネネとレアに絡んだアイツらをボコボコにしてしまったからな。事態を収めるのに衛兵が出動してくるぐらいだ」
ため息を吐いて説明してくれたのはハナちゃん。冒険者ギルドに衛兵が来るとかよっぽどなんじゃない?
「おかげでここの冒険者の実力がよく分かっただろう?」
「そうですね。随分とレベルが低い事は分かりました」
レアさん辛辣。
「さっきの話を詳しく聞かせてもらえるかしら?」
「ええ」
ネネさんが情報ついて説明してくれる。
「最近覚醒した勇者で、極めて高い治癒能力で人々の怪我や病気を治している少女がいると聞いたの。その子は貧民街出身で、覚醒してからはどんな人でも無償で治療をしていたわ。彼女を知っている人からは聖女なんて呼ばれてるみたい」
「おー。アニエスっぽい?」
「かもしれないね」
流石にそれだけじゃ判断は出来ないけど、確かめてみる価値はあるよね。
「石を使っての確認はこれからなのね」
「それで、少し厄介な事になっているみたいなのです」
レアさんが言うには、今その子はダンジョンのかなり深い所に行ってしまっているらしく、ここで待っているより私達で出向いた方が良さそうなのだそう。
「ダンジョン攻略の精鋭部隊が深部で遭難していて、その救助隊が組織されたけど壊滅して怪我人が大勢深部に取り残されているそうで、その救助隊に志願して行ってしまったそうなのよ」
「その子って冒険者なんですか?」
「いいえ、本人が志願したって聞いたけど実の所は違うみたいなのよ」
ふむ…。
「その子を取り込みたい勢力か、排除したい勢力が何か仕出かしそうなわけですね」
「ダンジョンで何をしようというのやら…」
ネネさんは呆れて溜め息をついている。
「死んだら勇者になった所で復活するんだし、そこで待ち伏せするとか?」
「非効率だな。それならわざわざダンジョンで殺す必要はないと思うぞ」
ソラちゃんの推測はマサキさんが否定する。
「本当に実力を買われたって線は?」
「ほぼ非戦闘員を深部まで連れていくのはかなり無理があると思うけどな。私達は誘拐目的だと思っている」
ハナちゃんがチームの総意を説明してくれる。
聖女と呼ばれた女の子を推挙したのがこの街の顔馴染みでは無かった事と、救助隊の中にかなりの人数他国の人間が入っていたらしい。
「あからさま過ぎない?」
「報酬が良かったから仕事にあぶれた人達が飛びついただけじゃないかと下の階の方達が話していましたけど、それにしては身なりの良い方も多かった様で」
リオさんとレアさんがそう話しているけど、お金に困ってそうじゃないなら単純な正義感からとか?
「ねーちゃんは良い方向に考えすぎじゃないか?」
テュケ君に思考を読まれて言われてしまった。
「だからよく拐われたんだね」
「昔の話だよ!」
ソラちゃんに言われて思わず反論する。
今はそんな事ないもんね。
ここはアルガアルガという、国の南部にある平原中央部の街。
周辺は肥沃な大地を活かした農耕が盛んで、流通の拠点にもなっているそう。
さらに街のすぐそばにダンジョンがある事で冒険者も沢山訪れるみたいで、大きな国の城下町くらい栄えていた。
「これはスゴいわね」
「この中から探すのかよ…」
「だから私達に応援を頼んだんじゃない?」
街の規模に驚く私達。ソラちゃんはどこかに行かないようにリオさんに捕まえられていた。
「取り敢えずネネさん達と合流ですね」
「ええ。待ち合わせの場所はもう少し先よ」
リオさんを先頭に人混みの中を歩いていく。
露店からは活気のあるおじさんの声、熱心に品物を眺める男の人と購入をしきりに勧める店員のお姉さん。冒険者らしき人達が言い争いをしていて、それを宥める衛兵の人。
活気があるっていうより、混沌としているってヤツかな。
「今から行く所はギルドよ。冒険者が集まる酒場ね」
私達の世界と同じなら、見慣れた感じの雰囲気なんだろうね。
「お決まりのイベントで絡まれるパターン?」
「マサキ達が先に入ってるんだから大丈夫でしょ。まあ、何かあってもどうって事ないわよ」
リオさんに捕獲されながら見上げるように聞くソラちゃんに答えるリオさん。
どうって事はないのには同意だよ。相手に大怪我させないか心配なくらいかな。
暫く歩くとそれっぽい建物が見えてくる。冒険者らしき人達が幾人も出入りしているのでここで間違いないだろう。
入り口に看板とか付いてないんだよね。
「建物の上に赤と白の旗が立っているでしょ?あれが冒険者ギルドの証なんだって」
見上げると半分上が赤、下が白の旗が翻っていた。
「看板だと読めない人がいるからなのかもな」
「あーなるほど」
あれなら分かりやすいね。
「国旗みたいだね。どこだっけ?」
「たしかインドネシアかしら?縦横比率的にはモナコに近いかも」
リオさん物知りだね。
ここが冒険者ギルドだというのは間違いないので私達は中に入っていく。
中は結構広く、左側は飲食スペースみたいで冒険者か山賊か見分けがつかない人達が酒盛りをしていて、右端には張り紙が沢山ある壁と、それを熱心に眺めている大勢の冒険者達。正面には受付があって左奥には登り階段、吹抜けでぐるりと囲むように2階があるみたい。
見慣れた光景だね。
「なんだぁ?ここは託児所じゃねえぞ?」
そう言って下品な笑い声をあげる酒盛り中の荒くれ冒険者達。
「ほら、言った通りじゃん」
「無視よ無視」
つまらなさそうに言ったソラちゃんにリオさんが答える。
「おい姉ちゃん、こっちに来て一緒に飲もうぜ?」
スキンヘッドの大男がリオさんに絡んで来た。
「おい、俺の連れだ。引っ込んでろ」
2階から声が聞こえたので見上げるとマサキさんだった。
「す、すみませんマサキさん。まさかアンタのお仲間だったとは…ささ、2階にどうぞ」
マサキさんの一声で背を丸めて笑顔を作る大男。
…マサキさん。
私達は2階に上がってマサキさんの所へと向かう。ネネさん、ハナちゃん、レアさんがテーブル囲んで座っていた。イスファリナさんは他のパーティに石を届ける為に移動したそう。
「マサキ、ひと暴れしたみたいね?」
「舐めた事を言うから教育してやっただけだぞ?」
胸を張って笑うマサキさん。
「ああいう方達には言葉より力を見せる方が効果的ですから。皆さん元気そうで良かったです」
レアさんまで微笑みながらそんな事を。
「初めてここに来た時にネネとレアに絡んだアイツらをボコボコにしてしまったからな。事態を収めるのに衛兵が出動してくるぐらいだ」
ため息を吐いて説明してくれたのはハナちゃん。冒険者ギルドに衛兵が来るとかよっぽどなんじゃない?
「おかげでここの冒険者の実力がよく分かっただろう?」
「そうですね。随分とレベルが低い事は分かりました」
レアさん辛辣。
「さっきの話を詳しく聞かせてもらえるかしら?」
「ええ」
ネネさんが情報ついて説明してくれる。
「最近覚醒した勇者で、極めて高い治癒能力で人々の怪我や病気を治している少女がいると聞いたの。その子は貧民街出身で、覚醒してからはどんな人でも無償で治療をしていたわ。彼女を知っている人からは聖女なんて呼ばれてるみたい」
「おー。アニエスっぽい?」
「かもしれないね」
流石にそれだけじゃ判断は出来ないけど、確かめてみる価値はあるよね。
「石を使っての確認はこれからなのね」
「それで、少し厄介な事になっているみたいなのです」
レアさんが言うには、今その子はダンジョンのかなり深い所に行ってしまっているらしく、ここで待っているより私達で出向いた方が良さそうなのだそう。
「ダンジョン攻略の精鋭部隊が深部で遭難していて、その救助隊が組織されたけど壊滅して怪我人が大勢深部に取り残されているそうで、その救助隊に志願して行ってしまったそうなのよ」
「その子って冒険者なんですか?」
「いいえ、本人が志願したって聞いたけど実の所は違うみたいなのよ」
ふむ…。
「その子を取り込みたい勢力か、排除したい勢力が何か仕出かしそうなわけですね」
「ダンジョンで何をしようというのやら…」
ネネさんは呆れて溜め息をついている。
「死んだら勇者になった所で復活するんだし、そこで待ち伏せするとか?」
「非効率だな。それならわざわざダンジョンで殺す必要はないと思うぞ」
ソラちゃんの推測はマサキさんが否定する。
「本当に実力を買われたって線は?」
「ほぼ非戦闘員を深部まで連れていくのはかなり無理があると思うけどな。私達は誘拐目的だと思っている」
ハナちゃんがチームの総意を説明してくれる。
聖女と呼ばれた女の子を推挙したのがこの街の顔馴染みでは無かった事と、救助隊の中にかなりの人数他国の人間が入っていたらしい。
「あからさま過ぎない?」
「報酬が良かったから仕事にあぶれた人達が飛びついただけじゃないかと下の階の方達が話していましたけど、それにしては身なりの良い方も多かった様で」
リオさんとレアさんがそう話しているけど、お金に困ってそうじゃないなら単純な正義感からとか?
「ねーちゃんは良い方向に考えすぎじゃないか?」
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