転生少女、運の良さだけで生き抜きます!

足助右禄

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特別編3:異世界

攻略完了

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ポータルを潜ると私達はダンジョンの入り口に出て来た。

「攻略隊じゃないか!無事だったんだな!」
「随分やられてしまったけどね」

入り口に立つ衛兵に声を掛けられて返事をするスーリャさん。

先に撤退してもらった救助隊の人達はまだ来てないのかな。それとも反対側の入り口に出たのかもしれないね。

そんな事を考えていたら扉の向こうのポータルから大勢が転移してきた。

「おお!無事だったか!」

そう言って駆け寄って来たのはゲルドさん。他の皆さんも元気そうだ。

「最下層のボスを倒したら帰還用のポータルが出たので帰ってこれました」
「そうかそうか!無事で何よりだ!」

そう言って笑顔で頷くゲルドさん。

「ここで話しているよりギルドに報告に行った方がいいわね」
「その通りね。全員合流できたのだから話もしやすいわ」

リオさんとネネさんはそう言って全員をギルドへと促す。

私達が救助隊に合流して攻略隊を助け出した話をするんだよね。説明はリオさんにお任せしちゃっていいのかな?

そういえばフィノーラさんとレネさんってダンジョンに突然やって来たから勝手に侵入した事になるんじゃ…?

気になって小声でリオさんに聞いてみたら「入場メダルのシステムなら問題ないと思うわよ」と言われた。確かに入ってしまえば出てくる時に確認する方法はないもんね。…セキュリティ甘くない?

そんな事を考えていたらギルドに着いていた。

攻略隊の救助依頼の達成報告に救助隊の中で起こっていた誘拐未遂。当事者達の聴取に最下層で起こった事についての説明。話す事が沢山あって大変だ。
私達はギルドの会議場に連れて行かれ、ギルドマスターに順を追って説明を始める。

救助依頼については私達は関係ないから特に話す事は無かったけど、誘拐未遂については話す必要があった。

エリーゼさんとディルクさんの証言と私達の説明を聞いて事態の深刻さを理解したギルドマスターは衛兵隊に連絡。隊の偉い人とこの街の領主の側近が同席して説明を再開。

意外な事に捕らえたエルノさん達は正直に犯行を認めて経緯を説明した。

「これは由々しき事態ですな。ただちに領主様にご報告せねば…」

側近の人は慌てた様子で調書をまとめている。

「さて、お上の沙汰が下るまではここの牢屋に入ってもらうぞ。勇者殿」
「承知している」

ギルドマスターの言う事に素直に従うらしい。

リオさんは81層から離脱させる時に解除していた《カース》を掛け直して、この国の法律によって裁かれる又はこの国の者に指示された事を守るようにした。
守らなければ全身が痛み呼吸が出来なくなるそう。

「それから81階層について詳しく聞かせてもらおうか」
「はい」

攻略隊の代表がギルドマスターに説明をしていく。これには私達からも説明しないとだね。

「──なるほど。それでダンジョンマスターは倒してしまって大丈夫なのかね?」
「それについては断言できないけど大丈夫なんじゃないかしら?ダンジョンが無くなっていないのだし。暫く調査は必要だろうけど」

リオさんはしれっと嘘をついていた。
まあ、こう言うしかないんだけどね。

「ところで、君達はどうしてエリーゼの誘拐について分かったのかね?」
「偶然ですね。私達はエリーゼさんに力を借りたくて追いかけていただけです。そこで誘拐の現場に居合わせたのですよ」

レアさんも穏やかな表情のまま説明している。

「…まあいい。未然に防げたのだから、こちらとしては感謝しかない。君達に褒賞を与えなければならないな」
「それでしたらご相談が。エリーゼさんを探していたのは私で──」

レネさんが話に加わる。レネさんは重い病に冒されていて、それを治してもらう為にエリーゼさんを探していた。…という設定らしい。

「それならば本人と交渉してもらおう。エリーゼ、彼女を診てやってくれるか?」
「も、もちろんです!」

不意に話を振られて声が上擦っているエリーゼさん。

「良かった~。それじゃあなたのお家に暫く滞在させてもらうね~」
「はい!よろしくお願いします!」

フィノーラさんに言われて変な返事をしているけど、それについて誰も不審に思わないのかな?

「それから81階層でダンジョンマスターと交戦した君達には、戦闘の詳細を説明してもらいたい。専門家を交えて今回の事を分析したいのでな」
「それって時間掛かりますか?」
「そんなに時間はとらせないよ。2、3日ってところだな」

それくらいならいいかな。

「俺達は他にやる事があって、ここに全員が拘束されるのは困るんだ。俺達が残って説明するからミナ達は解放してやってくれないか?」

そう言い出したのはマサキさん。腕を組んで少し不機嫌そうにギルドマスターに問いかける。

「…マサキ殿が言うならそうしよう。その代わり説明はしっかりしてもらうぞ」

少し気圧されながらギルドマスターが了承してくれた。

これで私達はすぐに動けるね。

それにしてもみんな演技が上手いなぁ。

説明についてひと段落したので私達はエリーゼさんを家に送って行く事にする。トレードは解除でテュケ君が合流。フィノーラさんとレネさんも一緒だ。
あとゲルドさんもついて来た。

「テキトーな事言ってごめんねー。本当に滞在させてもらって良かったのかな?」
「はい。数人なら何とか」
「私の病気を治すという形をとっているけど、暫くあなたには私達の技術を教えるから」
「ありがとうございます!」

エリーゼさんは嬉しそうにフィノーラさんとレネさんに受け答えしていた。

「君達に聞きたい事があるのだが…」

ゲルドさんが立ち止まって話し出す。

「どうしたんですか?」
「エギル・エギラ殿は俺が貰い受けても良かったのか?」

おずおずと話すゲルドさん。

「ん、いらないし。私にはお気にのハルバードがある」

ソラちゃんが即答する。

「本当に良いのか?」
「良いのよ。本当はゲルドが真の所有者だったみたいだし。でもその武器を悪用するなら…」

リオさんは左手を腰に手を当て右手の人差し指をゲルドさんの首に突き付ける。

「絶対にしない事を誓おう。命にかけて良き事にのみ使う」
「それで良いわ」

リオさんも軽く言って歩き出す。

まあ、ゲルドさんなら大丈夫でしょ。
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