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特別編3:異世界
侵攻
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自国のものだった砦はゼレイアに占領されている。
攻め落とす時に与えた損傷は簡単に補修されていて機能を取り戻していた。
侵略者から奪われた地を解放すると皆息巻いている。
今私達は砦を前に軍議を行っていた。
「この砦を落とせばその先の山道で他地域と接続できる。救援に向かうこともできるし足並みが揃えば友軍の数が増えるぞ」
オーク族の隊長が鼻息を荒くして語っている。
「閉門された砦を攻略するのは時間がかかる。小鬼族が内部に侵入して門をあけよう」
小鬼族の隊長が提案する。
「この砦、壊してしまっても大丈夫ですか?」
「ある程度の損壊は仕方がないだろうな。あの力で突破できるのか?」
これまでの戦いで私の能力はここにいる全員が見てきている。
「はい。敵の攻撃が私に集まれば多分」
「ならば今回もルミが最前列で良いか?」
「はい。被害を抑えてここを突破しましょう」
私が門を破壊したら各部隊で砦に侵入、敵を殲滅する事になった。
「ルミ、勇者の能力で頑丈になっているとはいえ何があるか分からない。油断しない様にな」
「ありがとうございます」
肩に手を置いて話すレイアさん。
これまでの戦闘で、私が一人前に戦えると判断してくれたのだろう。信じてくれて嬉しい。
夜明けと共に進軍。砦の手前で部隊は停止し、私だけが門の近くに歩いていく。
「ここは我らの土地だ!不当な侵略行為はやめてここから立ち去れ!」
返ってきたのは返事ではなく矢の雨だった。私は直立したまま矢を受ける。どこに当たっても傷にはならない。
「無駄な抵抗はやめろ。お前達の貧弱な攻撃など無意味だ!」
挑発すればこの低脳共は反応する。
砦の上に杖を持った兵や大型の弓、バリスタを持ち出してきてこちらに向けてきた。
よし。
魔法とバリスタの連続攻撃が始まると《遮断》を使って防御。解除されると同時にケンドチョウライ改め《カウンターブラスト》を発動。凄まじい衝撃波が巻き起こり門どころか砦の前面の大部分を吹き飛ばした。
威力は十分。少しやり過ぎたかもしれない。
「今だ!突撃ー!」
後ろに控えていた部隊が一斉に動き出す。私は一足先に内部へ。敵兵がワラワラと集まって来て防御隊形を作る。
「邪魔だ!」
シールドチャージで敵を吹き飛ばす。後続が現れて槍や剣で攻撃してくるがその程度では私に傷は付かない。
短槍で反撃していると後ろから味方の部隊が追いついてきた。
「よくやった!あとは任せろ!」
オーク族の隊長が私を追い越して敵兵を薙ぎ倒していく。
他の部隊も次々と雪崩れ込んできて敵を圧倒していく。
「て、撤退、撤退ー!!」
砦を放棄して逃げ出していく。
追撃しようとしたらレイアさんに止められた。
「ここで少しでも数を減らしておけば…」
「いや、その必要はないよ。それに生存者が君の情報を広めてくれる。そうすれば敵軍の警戒心が上がってあちらの機動力を削ぐ事が出来るだろう」
「わかりました」
レイアさんは先々の事まで考えているんだ。言う事を聞いておくべきだ。
私達は最低限の補給をして、砦の修復は輜重隊に任せて更に先へと進む。山道の合流点、ここを取ってしまえば別方面の敵部隊は退路を失う事になる。
ここに陣取って暫くしたら敵兵が撤退してくるのを見つけた。
数は凡そ50。
奴らはこちらが敵だと分かると動きを止めて様子を見ていたが、数人がやって来て降伏を願い出た。
散々やってきておいて虫のいい話だが、降伏を拒否して皆殺しにする訳にはいかない。武装を解除して一人ずつ拘束していく。
「コイツらは同胞を大勢殺した!生かしておく訳にはいかない!」
「そうだ!今すぐ処刑しろ!」
一部の味方が騒ぎ出す。それを見て身を小さくして震える捕虜達。
「彼らにも使い道がある。ここは抑えてくれ」
怒り狂う味方の兵達はレイアさんが宥めてくれた。
捕虜達は砦に連れて行って管理する事に。
そうこうしていたら別方面の味方部隊がやって来た。
彼方はジャイアントやノール、トロールなどの混成部隊。
隊長同士が話し合い、足並みを揃えて進軍する事になった。
砦の奪還を繰り返し、とうとう国境線まで敵軍を押し戻す事に成功した。
各方面から合流して来た部隊も多くなり、軍議の席も賑やかになった。
今話し合っているのはこのまま敵国に侵攻するかどうかだ。
意見は半々、今度はこちらがニンゲンの街を脅かすのだと息巻く者。全ての村と砦を取り戻したのだから防御を固めるべきだと主張する者。どちらも譲る事はなく平行線だ。
結局この日だけでは話がまとまらず、一度魔皇王陛下に指示を仰ぐ事になった。
その日の夜、私はレイアさんと侵攻について話し合った。
「私は攻めるべきだと思います。敵軍は消極的だし、私の噂も広がっているみたいですし、一気に国境線を向こう側へ押し込んで安全を確保するべきかと」
「そうするとゼレイアの民を襲う事になる。これ以上血を流す必要は無いのではないか」
「レイアさんは何故ニンゲンに肩入れするんですか?私は奴らのした事を許す事は出来ません」
そうだ。苦しんだ人の分まで同じ思いをさせてやりたい。今の私ならどんな敵でも打ち倒す事が出来るだろう。
「君は同胞を守る為に戦うのだろう?これ以上は守るの範疇を外れてしまうではないか」
「私、勇者に覚醒したのは意味があると思うんです。敵を討ち倒して味方を守るんだって神様が言ってるんじゃないかと」
私がそう言うとレイアさんは悲しそうな顔をする。
「ルミ、近々勇者は消滅するだろう」
「それってどういう…」
「君が消えてなくなる訳じゃないよ。勇者の能力はいずれ失われると言う事だ」
確信に満ちた口調で語るレイアさん。
「だから勇者になった事を戦う理由にしてはいけない」
レイアさんにそう言われて頷くことしかできなかった。
攻め落とす時に与えた損傷は簡単に補修されていて機能を取り戻していた。
侵略者から奪われた地を解放すると皆息巻いている。
今私達は砦を前に軍議を行っていた。
「この砦を落とせばその先の山道で他地域と接続できる。救援に向かうこともできるし足並みが揃えば友軍の数が増えるぞ」
オーク族の隊長が鼻息を荒くして語っている。
「閉門された砦を攻略するのは時間がかかる。小鬼族が内部に侵入して門をあけよう」
小鬼族の隊長が提案する。
「この砦、壊してしまっても大丈夫ですか?」
「ある程度の損壊は仕方がないだろうな。あの力で突破できるのか?」
これまでの戦いで私の能力はここにいる全員が見てきている。
「はい。敵の攻撃が私に集まれば多分」
「ならば今回もルミが最前列で良いか?」
「はい。被害を抑えてここを突破しましょう」
私が門を破壊したら各部隊で砦に侵入、敵を殲滅する事になった。
「ルミ、勇者の能力で頑丈になっているとはいえ何があるか分からない。油断しない様にな」
「ありがとうございます」
肩に手を置いて話すレイアさん。
これまでの戦闘で、私が一人前に戦えると判断してくれたのだろう。信じてくれて嬉しい。
夜明けと共に進軍。砦の手前で部隊は停止し、私だけが門の近くに歩いていく。
「ここは我らの土地だ!不当な侵略行為はやめてここから立ち去れ!」
返ってきたのは返事ではなく矢の雨だった。私は直立したまま矢を受ける。どこに当たっても傷にはならない。
「無駄な抵抗はやめろ。お前達の貧弱な攻撃など無意味だ!」
挑発すればこの低脳共は反応する。
砦の上に杖を持った兵や大型の弓、バリスタを持ち出してきてこちらに向けてきた。
よし。
魔法とバリスタの連続攻撃が始まると《遮断》を使って防御。解除されると同時にケンドチョウライ改め《カウンターブラスト》を発動。凄まじい衝撃波が巻き起こり門どころか砦の前面の大部分を吹き飛ばした。
威力は十分。少しやり過ぎたかもしれない。
「今だ!突撃ー!」
後ろに控えていた部隊が一斉に動き出す。私は一足先に内部へ。敵兵がワラワラと集まって来て防御隊形を作る。
「邪魔だ!」
シールドチャージで敵を吹き飛ばす。後続が現れて槍や剣で攻撃してくるがその程度では私に傷は付かない。
短槍で反撃していると後ろから味方の部隊が追いついてきた。
「よくやった!あとは任せろ!」
オーク族の隊長が私を追い越して敵兵を薙ぎ倒していく。
他の部隊も次々と雪崩れ込んできて敵を圧倒していく。
「て、撤退、撤退ー!!」
砦を放棄して逃げ出していく。
追撃しようとしたらレイアさんに止められた。
「ここで少しでも数を減らしておけば…」
「いや、その必要はないよ。それに生存者が君の情報を広めてくれる。そうすれば敵軍の警戒心が上がってあちらの機動力を削ぐ事が出来るだろう」
「わかりました」
レイアさんは先々の事まで考えているんだ。言う事を聞いておくべきだ。
私達は最低限の補給をして、砦の修復は輜重隊に任せて更に先へと進む。山道の合流点、ここを取ってしまえば別方面の敵部隊は退路を失う事になる。
ここに陣取って暫くしたら敵兵が撤退してくるのを見つけた。
数は凡そ50。
奴らはこちらが敵だと分かると動きを止めて様子を見ていたが、数人がやって来て降伏を願い出た。
散々やってきておいて虫のいい話だが、降伏を拒否して皆殺しにする訳にはいかない。武装を解除して一人ずつ拘束していく。
「コイツらは同胞を大勢殺した!生かしておく訳にはいかない!」
「そうだ!今すぐ処刑しろ!」
一部の味方が騒ぎ出す。それを見て身を小さくして震える捕虜達。
「彼らにも使い道がある。ここは抑えてくれ」
怒り狂う味方の兵達はレイアさんが宥めてくれた。
捕虜達は砦に連れて行って管理する事に。
そうこうしていたら別方面の味方部隊がやって来た。
彼方はジャイアントやノール、トロールなどの混成部隊。
隊長同士が話し合い、足並みを揃えて進軍する事になった。
砦の奪還を繰り返し、とうとう国境線まで敵軍を押し戻す事に成功した。
各方面から合流して来た部隊も多くなり、軍議の席も賑やかになった。
今話し合っているのはこのまま敵国に侵攻するかどうかだ。
意見は半々、今度はこちらがニンゲンの街を脅かすのだと息巻く者。全ての村と砦を取り戻したのだから防御を固めるべきだと主張する者。どちらも譲る事はなく平行線だ。
結局この日だけでは話がまとまらず、一度魔皇王陛下に指示を仰ぐ事になった。
その日の夜、私はレイアさんと侵攻について話し合った。
「私は攻めるべきだと思います。敵軍は消極的だし、私の噂も広がっているみたいですし、一気に国境線を向こう側へ押し込んで安全を確保するべきかと」
「そうするとゼレイアの民を襲う事になる。これ以上血を流す必要は無いのではないか」
「レイアさんは何故ニンゲンに肩入れするんですか?私は奴らのした事を許す事は出来ません」
そうだ。苦しんだ人の分まで同じ思いをさせてやりたい。今の私ならどんな敵でも打ち倒す事が出来るだろう。
「君は同胞を守る為に戦うのだろう?これ以上は守るの範疇を外れてしまうではないか」
「私、勇者に覚醒したのは意味があると思うんです。敵を討ち倒して味方を守るんだって神様が言ってるんじゃないかと」
私がそう言うとレイアさんは悲しそうな顔をする。
「ルミ、近々勇者は消滅するだろう」
「それってどういう…」
「君が消えてなくなる訳じゃないよ。勇者の能力はいずれ失われると言う事だ」
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レイアさんにそう言われて頷くことしかできなかった。
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