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最終章 薔薇魔女のキセキ
〈204〉終末の獣10
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※とてもとても、残酷な表現があります。
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「ククク、なかなか心地良いな、絶望の味は」
バキバキバキバキ。
ヴリトラを握り壊しながら、ゲルルフが、にやにやと出てきたのだった……
右肩から先を失ったヒューゴーが、どさりと地面に倒れる。
びくびくと、体が波打っている。ショック状態だ。
「っ、ジョエル! はよ連れてこいやっ!」
「は!」
ナジャの叫び声で、ジョエルが放心状態からようやくハッとした。
急いで抱きかかえるが、
「無駄だ。即死だぞ? クックック」
ゲルルフの言に心が折れかけている。立ち上がれない。
「うそ、うそだ……」
テオが、ナジャの隣でぶるぶると震えている。
「信じない! 信じない!」
ダッと走り出した。
「テオ!」
「あかん!」
レオナとナジャの制止を振り切り、テオは全速力でヒューゴーの体をジョエルから奪い取るようにして抱き、また戻ろうと振り返る。
「クハハハ、死ね、ちびっこ」
ゲルルフが指を差すと、その背中から黒く太い針が、体を串刺しにした。
「が、ふ……」
「いやああああああああああああ!」
だがテオは、歩みを止めず、全速力で戻ってきた。
「レオナ……さん……なおし……」
「あああああああああああああああ」
レオナの絶望が、身から溢れ出る。
「アハアー! うまいなあ! 最高だなあ!」
それに呼応するかのように、ゲルルフがさらに力を増していく。
「ぐ、くそ……」
ゲルルフの間近にいるルスラーン、ジョエル、ラザールは、闇の威嚇で行動を縛られ、立て直すことができない。
「今度はそうだなあ、お前だなあ」
「いや! やめてええええ!」
「ゴハ」
ラザールが、串刺しになった。
「次はあ、お前ぇ」
「ギャッ」
じゅわあ、と肩から上を焼かれる、ジョエル。
ふたりとも、無残に倒れた。
「……そう来たか……」
ナジャは一人、唇を噛み締める。
薔薇魔女の闇堕ち。リヴァイアサンは、それを誘っている。
「どないせえっちゅうねん。こんなん、絶望やんか……」
隣で泣き叫ぶレオナに掛ける言葉が、思いつかない。
「最後はぁ、くくく、なーにが英雄の息子だ……いい気になりおって……」
「く、そ……」
「ハハハハハ! その首を、ヴァジームに届けてやろう!」
ゲルルフが、長い爪を振りかざした。レオナはもう狂気の一歩手前だ。叫んでイヤイヤと首を振るしかできない。
「……ええ加減にせえ」
その時、冷たく鳴り響いたのは。
「この、駄々っ子が」
いつの間にかジズが、三人を抱えて飛びながら、上空で羽ばたいていた。
「全部、見せろ」
「あ? やめ、やめろ」
「その脆弱な心、さらけ出せ」
「やめろおおおおおおおお!」
ばさり、ばさり、と羽であおられると、ゲルルフは悶絶した。
突然頭を抱えて苦しみだす。
「見るな! 見るなああああああ!」
顔の周りに、黒い霧があふれ出す。
ジズはそれを見下ろしてから、そのままナジャとレオナのそばまで飛んで来ると、ヒルバーアに戻った。
「間に合わんくてすまん……最強の精神汚染、かましたった。けど、最後の力、使い切ってもうた……なんとかこれで、こらえてくれ……」
三人を下ろしてナジャの肩をぽん、と叩くと、地面に倒れこみ、そのまま目を閉じた。――気絶している。
「レーちゃん」
「いや、いやよ」
ナジャが優しく呼ぶが、届かない。
唯一無事だったルスラーンが、ばっと立ち上がった。
「……レオナ!」
「うああああ! いやあ! みんな、みんなが!」
「俺の目を見ろ!」
ルスラーンが、レオナの肩を掴んで強引に引き寄せる。
「いやああああ!! 死んじゃった! 死んじゃったよおおおおお!!」
「レオナァッ! 戻ってこい! まだだ! まだやらねえとっ」
だがレオナの深紅の瞳は、焦点が合わない。半分黒ずんでいる。
「戻ってこい! 頼む――くそっ、愛しているんだ!」
「……!?」
「レオナ。聞いてくれ。俺はレオナを愛している! 頼む。一緒に生きたいんだ」
「愛? 生き、る……」
「レオナ。そうだ! 俺と一緒に生きて欲しい」
「ル……ス……?」
「そうだ、ルスラーンだ。レオナ。愛している。この世界の誰よりも」
「う、うそ! うそよっ! ……わた、し……わたし……こんな、おそろしい……!」
「誰よりも、愛していると言っただろう?」
ぎゅう、と抱きしめる。
「レオナがいいんだ」
耳元で、心から告げる。
「俺は、ずっとレオナだから、大好きなんだ」
また離れて、目を覗きこんで、微笑む。
「大好きだ。何もかも含めて、全部愛している。何回でも言う。愛している」
「ああ……ルス……」
「まだ足りないか?」
「……いいえ」
深紅の瞳が、瞬いた。
涙で濡れて、まるで朝露の中で咲きたての、美しい薔薇のような――
「わたしも……わたしも――愛しているわ!」
ぶわ、と大きな光がレオナを包んだ。
「ぐ」
眩しさにルスラーンが思わず目をつぶると、
「戦いが終わったら、ちゃんと言い直してね?」
いたずらっぽく、耳元で言われた。その後で。
「すべてを! いやせ!」
凛としたレオナの声が鳴り響く。
レオナを中心とした、巨大で力強い光の波動が、円状に広がっていった。
ドン! とレオナの頭上に光の円柱ができ、暗雲を突き刺したかと思うと、どんどん青空が見えていく。
「光――や」
いつぶりなのだろう?
ほんの一日の出来事のはずが、そう思わせた。
「ギャアアアアア! やめろ! 照らすな!」
ゲルルフの肌が光に当たると、焼けただれる。じゅわ、と音がして、のたうち回る。
ヒューゴー、テオ。
ラザール、ジョエル。
元の姿に戻って、ナジャの足元でスヤスヤと眠っている。
「みんな無事や。治っとる……失くした腕まで……まさに奇跡やな……」
「レオナ。ありがとう。――いってくる」
「ええ。ルス。貴方にイゾラの加護のあらんことを」
七色の光が、ルスラーンを包んだ。
「……ニーズヘッグ」
七色の竜騎士が、すらりと漆黒のクレイモアを構える。
「寄るな! 見るな! やめろおおおおお!」
※ ※ ※
「はあ、せめて見目さえよければなぁ……」
「あなた、言っても始まりませんよ……」
――おまえらが、こう産んだんだろうが!
「うわ、きもちわるい。目が合っちゃったわ」
「逃げましょう。こわいわ」
――見ただけだろう! 誰も襲おうとなんてしていない!
「うちはもうダメだ。商売もうまくいかないし」
「ごめんね。田舎で細々、畑でも耕すわ」
――俺はどうなるんだ! くそ、こうなったら体格を生かして騎士団に行くしかない……
「ごーりらー」
「よっわ!」
「さっさとやめれば?」
――やめても行く場所がないのだ。耐える。耐えるぞ。絶対にこいつらを見返してやる……
「英雄にしっぽ振ってるるだけじゃねえか」
「あいつが副団長だなんて、終わりだな」
――実力だ! 何が悪い!
「スタンピードのおかげで団長になったくせに」
「いやあの、過去のことはさ、ほら、水に流してさ」
「クビにだけはしないでくれ! 田舎の家族が!」
――ふはははは! 媚びへつらうがよい! だが、退団だ! ばかものども!
「げはは、団長~さすがっすね~」
「団長強い!」
「団長かっこいいすねー!」
――ほめろ! ほめろ!
「だ、だいじょうぶですよ、騎士団長なら女だって、寄ってきますって」
「どっかりしときゃいいんすよー」
「あー。娼館なら? ほら、えっと手軽っすよ?」
――くそう、なぜだ! 身分さえあれば良いのではないのか!
「ドラゴンスレイヤーでもないのに、いつまで団長なんだろ」
「ジョエル様が団長ならなあ」
「あれが団長って、恥ずかしいよな」
――どいつも、こいつも……殺す! 皆殺しにしてくれる!
※ ※ ※
「少なくとも親父は、あんたのこと、認めてた」
ルスラーンは、静かに構えて言う。
太陽光を浴びて、黒い皮膚がぐしゃぐしゃに爛れてきたゲルルフは、地団駄を踏んでいる。
仕草だけを見れば、ただ駄々をこねる子供のように思える。
「ゲルルフなら、実力もあるし、下の人間たちとうまくやるだろうって思ったって。真面目に修行してただろう?」
「嘘おぉ、つくなあああああああ!」
とびかかってきた爪を、剣で防ぎ、ルスラーンは凄んで言う。
「嘘じゃねえ!」
「ぐるああああ! 俺は! どうせ嫌われ者だ!」
「そうか。なら、好かれる努力は? 嫌われても、誇れるものはあったか? 愛する人は?」
脳裏に浮かぶのは――人形のような、冷たい目をした令嬢。
彼女も自分と同じように、自分を殺していると思ったから、手に入れたかった。
だが愛する? 愛ってなんだ?
「欲して、殴ってばかりじゃ、誰も近寄れねえよ!」
「うるさい! 拒絶したのは、おまえらだ!」
「てめえもだよ!」
ぎりぎりと、ルスラーンをその大剣を押し込めていく。
ゲルルフが、初めて後ずさりをした。
「気に食わないやつらなんてなあ、誰にでもいるんだよ! けどなあ、それでも譲れないもん、愛する人、大事に抱えて生きるのが人間だろうが!」
ルスラーンの闘気が膨れ上がる。
ニーズヘッグの真骨頂だ。ゲルルフが、じりじりと押されていく。
「ぐ」
「勝手に全員悪者にすんな! 滅ぼしたら終わりじゃねえだろ!」
「うるさい! 殺す!」
「……馬鹿野郎がっ」
ルスラーンは、剣を振り切って再び間合いを取る。ぼろり、とゲルルフの爪が落ちた。
「殺せば、満足なのかよ! その後何もない世界で、ひとりで! 生きていくのか!」
「うるさい! おまえに何がわかる!」
「わかんねえから、聞いてんじゃねえか!」
ゴン、バキ、ゴキャッ!
言葉と同様、激しい戦いが繰り広げられている。
鈍い戦闘音が、こだまする。
レオナとナジャはただ祈るように、二人を見ている。
「何をして欲しかったんだよ! 本音は!」
ルスラーンが、叫びながら剣を大きく振り下ろした。
ズガン! と剣先が土に埋まる。
ぱきい、とゲルルフの額が、割れる。
「!」
――サビ……シイ……
何かが、漏れ出た。
――ああ、そうだ……ただ……認めてほしかった……
「ふは、ふははは。なんとくだらん……くだらんな……そうか……だが、認めたくはない……」
ゲルルフは、グオン、と魔力を膨らませた。
「あかん!」
「ルスッ」
爆発した魔力が、ルスラーンを巻き込んだ。咄嗟に腕で顔を覆ったのは見えたが、無事かどうか、ここからは定かではない。
黒く大きな炎が燃え上がり、竜巻状になって空を貫いている。
おそらくゲルルフとルスラーンは、その中心にいる。
ナジャは目を見開いた。
その黒い炎は、リヴァイアサンが吸い上げた命たちの、怨念の声が渦巻いているものだと分かったからだ。
「……ちい、最後に余計な仕事残しよってからに……」
えっこらしょ、とナジャは立ち上がった。
「ナジャ君?」
「あんなん、冥界へ帰ってもらうしかないねん。急やけどお別れや、レーちゃん」
「ナジャ君、いやよ」
「ま、死んだ後か生きてるうちかの違いしかないやん? ちょっと早まっただけやって」
「いや。いや」
「黒ポンコツと、レーちゃん賭けた勝負できへんのが、残念やなあ」
「いや! いや! いやよ!」
ぎゅう、とレオナがナジャに抱き着く。
「わいもな、レーちゃんのこと愛してるんやで」
「うん。うん! だから、ずっとそばにいて!」
「……おるよ。心の近くに、ずっとおる」
「いやよ、離れたくない!」
ふ、とリンジーの体から力が抜けた。
「あ!? ナジャ!? まてや! 逝くな! わいも!」
――あほやなあ。幸せになれって、言うたやろ。
十分楽しかったで。おおきにリンジー。残りの人生、その子についてあげーや。な。
「まてえ! ナジャ!」
――ほんま優しいやっちゃなあ。ゼブブがな、還ってええて言うとるから、安心しい。せやから……そのうちまた会おな!
「還るて……うそやろ……」
すっとリンジーから抜け出た何かが、黒炎の竜巻に向かって飛んでいく。
「ぐす、いいよ、だって」
リンジーに抱き着いたまま、レオナが泣きながら告げた。
「ゼブブが、もういいよって。魂休めもいらないから、還ればいいよって」
リンジーは、開かない右目からも温かい涙が流れてきたのを感じた。
「ほっか……ほなら、最後の仕上げだけ、一緒にしよか。レーちゃん」
「うん!」
二人並んで、手をつないだ。
すう、と息を大きく吸うと、リンジーが唱える。
「闇よ。我が真名を受け取れ。ナーガ・リンジー」
この時のためにずっと施してきていた名封じが、今、解かれた。
レオナは、ただただ、祈る。
「どうか、安らかに」
リンジーから溢れる魔力は、闇。だがどこか優しい。
柔らかく包み込むような、夜の静寂。母の胎内のように、安心する、暗さ。
「輪廻へ還れ。孵れ。帰れ」
それがリンジーとレオナの身体を取り巻いたかと思うと、竜巻の方へ向かっていった。
「「オーム」」」
パア、と竜巻の中心に光が現れたかと思うと、天空に向かって一筋の軌跡を描いて、駆け抜けていく。
彷徨える魂たちを引き連れていくかのように。
そして黒炎が、かき消えていく。――ルスラーンが、だらりと首をもたげたまま、宙に浮いているのだけが残った。
どさり。
やがて、その身体は無重力を失って、落ちてきた。
「ルスッ!」
叫んで飛び出そうとするレオナ。だがリンジーは、握っている手を離さずに止めた。
「待て、レーちゃん」
「行かせて、リンジー! お願い!」
リンジーは、躊躇したが、周りを見回すと……静かだ。
驚くほど音がない。
「……気を付けるんやで」
「ええ!」
リンジーにはもう、歩けるほどの気力がない。
どしゃり、と膝を地に突いた。
自身の影が、大きく伸びていく。
「夕方――夕焼け、か」
赤い太陽が、首筋を焼く。リンジーは、疲労感で立てなくなり、スヤスヤと寝ている全員の寝顔を眺めながら――自身も壁にもたれて、やがて目を閉じた。
「ルス! ルス!」
レオナは、ルスラーンの肩を揺すって声を掛ける。
ぴったりと閉じられているその瞼は、ぴくりともしない。
「嘘よ……やめて……いやよ……」
騎士服の胸元をつかんで、ぐらぐらと揺すってみる。
「起きて……ルス……」
ルスラーンの頬に、触れてみる。冷たい。
肌が、硬い。
動かない。
「ねえ、起きて? 一緒に生きよう? 私の夢、叶えてよ。どうか、私のもとに帰ってきて……」
固い胸元に覆いかぶさって、顔はルスラーンの方に向ける。
「ね。笑って? また一緒に本を読みましょう? おいしい紅茶を飲むの。それから、たくさん焼き菓子を焼くわ。そうだ、イチゴもね」
胸の音が、しない。上下も、しない。
「ねえ。ねえ。ちゃんと、言い直してって言ったじゃない……ちゃんと、聞かせてよ……」
レオナの両眼から涙があふれる。
――温かい雫が、ルスラーンの騎士服を濡らす。
と。
何かが光った気がした。
ルスラーンの懐に、何か固いものが入っている。
レオナは身を起こして、手で触れて、取り出してみる。
「あ……これ……」
レオナが渡した、復興祭交流試合優勝記念の贈り物。願いを込めて刺繍をした、黒い布巻きのナイフケースだ。
「持っててくれてたのね……うれしい……」
優しく手で撫でる。
すると、ダイモンの家紋が光を放った。
その光は、小さな光の玉となって浮き上がり、ルスラーンの胸に吸い込まれていく。
ぴくり、と体が動いて。
ゆっくりと瞼が開いて。
少しだけ上体を持ち上げたルスラーンは。
「ぐ、は。あー? え? おはよ?」
優しい紫の瞳で、笑った。
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お読み頂き、ありがとうございました。
多分あと二話で完結します。
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「ククク、なかなか心地良いな、絶望の味は」
バキバキバキバキ。
ヴリトラを握り壊しながら、ゲルルフが、にやにやと出てきたのだった……
右肩から先を失ったヒューゴーが、どさりと地面に倒れる。
びくびくと、体が波打っている。ショック状態だ。
「っ、ジョエル! はよ連れてこいやっ!」
「は!」
ナジャの叫び声で、ジョエルが放心状態からようやくハッとした。
急いで抱きかかえるが、
「無駄だ。即死だぞ? クックック」
ゲルルフの言に心が折れかけている。立ち上がれない。
「うそ、うそだ……」
テオが、ナジャの隣でぶるぶると震えている。
「信じない! 信じない!」
ダッと走り出した。
「テオ!」
「あかん!」
レオナとナジャの制止を振り切り、テオは全速力でヒューゴーの体をジョエルから奪い取るようにして抱き、また戻ろうと振り返る。
「クハハハ、死ね、ちびっこ」
ゲルルフが指を差すと、その背中から黒く太い針が、体を串刺しにした。
「が、ふ……」
「いやああああああああああああ!」
だがテオは、歩みを止めず、全速力で戻ってきた。
「レオナ……さん……なおし……」
「あああああああああああああああ」
レオナの絶望が、身から溢れ出る。
「アハアー! うまいなあ! 最高だなあ!」
それに呼応するかのように、ゲルルフがさらに力を増していく。
「ぐ、くそ……」
ゲルルフの間近にいるルスラーン、ジョエル、ラザールは、闇の威嚇で行動を縛られ、立て直すことができない。
「今度はそうだなあ、お前だなあ」
「いや! やめてええええ!」
「ゴハ」
ラザールが、串刺しになった。
「次はあ、お前ぇ」
「ギャッ」
じゅわあ、と肩から上を焼かれる、ジョエル。
ふたりとも、無残に倒れた。
「……そう来たか……」
ナジャは一人、唇を噛み締める。
薔薇魔女の闇堕ち。リヴァイアサンは、それを誘っている。
「どないせえっちゅうねん。こんなん、絶望やんか……」
隣で泣き叫ぶレオナに掛ける言葉が、思いつかない。
「最後はぁ、くくく、なーにが英雄の息子だ……いい気になりおって……」
「く、そ……」
「ハハハハハ! その首を、ヴァジームに届けてやろう!」
ゲルルフが、長い爪を振りかざした。レオナはもう狂気の一歩手前だ。叫んでイヤイヤと首を振るしかできない。
「……ええ加減にせえ」
その時、冷たく鳴り響いたのは。
「この、駄々っ子が」
いつの間にかジズが、三人を抱えて飛びながら、上空で羽ばたいていた。
「全部、見せろ」
「あ? やめ、やめろ」
「その脆弱な心、さらけ出せ」
「やめろおおおおおおおお!」
ばさり、ばさり、と羽であおられると、ゲルルフは悶絶した。
突然頭を抱えて苦しみだす。
「見るな! 見るなああああああ!」
顔の周りに、黒い霧があふれ出す。
ジズはそれを見下ろしてから、そのままナジャとレオナのそばまで飛んで来ると、ヒルバーアに戻った。
「間に合わんくてすまん……最強の精神汚染、かましたった。けど、最後の力、使い切ってもうた……なんとかこれで、こらえてくれ……」
三人を下ろしてナジャの肩をぽん、と叩くと、地面に倒れこみ、そのまま目を閉じた。――気絶している。
「レーちゃん」
「いや、いやよ」
ナジャが優しく呼ぶが、届かない。
唯一無事だったルスラーンが、ばっと立ち上がった。
「……レオナ!」
「うああああ! いやあ! みんな、みんなが!」
「俺の目を見ろ!」
ルスラーンが、レオナの肩を掴んで強引に引き寄せる。
「いやああああ!! 死んじゃった! 死んじゃったよおおおおお!!」
「レオナァッ! 戻ってこい! まだだ! まだやらねえとっ」
だがレオナの深紅の瞳は、焦点が合わない。半分黒ずんでいる。
「戻ってこい! 頼む――くそっ、愛しているんだ!」
「……!?」
「レオナ。聞いてくれ。俺はレオナを愛している! 頼む。一緒に生きたいんだ」
「愛? 生き、る……」
「レオナ。そうだ! 俺と一緒に生きて欲しい」
「ル……ス……?」
「そうだ、ルスラーンだ。レオナ。愛している。この世界の誰よりも」
「う、うそ! うそよっ! ……わた、し……わたし……こんな、おそろしい……!」
「誰よりも、愛していると言っただろう?」
ぎゅう、と抱きしめる。
「レオナがいいんだ」
耳元で、心から告げる。
「俺は、ずっとレオナだから、大好きなんだ」
また離れて、目を覗きこんで、微笑む。
「大好きだ。何もかも含めて、全部愛している。何回でも言う。愛している」
「ああ……ルス……」
「まだ足りないか?」
「……いいえ」
深紅の瞳が、瞬いた。
涙で濡れて、まるで朝露の中で咲きたての、美しい薔薇のような――
「わたしも……わたしも――愛しているわ!」
ぶわ、と大きな光がレオナを包んだ。
「ぐ」
眩しさにルスラーンが思わず目をつぶると、
「戦いが終わったら、ちゃんと言い直してね?」
いたずらっぽく、耳元で言われた。その後で。
「すべてを! いやせ!」
凛としたレオナの声が鳴り響く。
レオナを中心とした、巨大で力強い光の波動が、円状に広がっていった。
ドン! とレオナの頭上に光の円柱ができ、暗雲を突き刺したかと思うと、どんどん青空が見えていく。
「光――や」
いつぶりなのだろう?
ほんの一日の出来事のはずが、そう思わせた。
「ギャアアアアア! やめろ! 照らすな!」
ゲルルフの肌が光に当たると、焼けただれる。じゅわ、と音がして、のたうち回る。
ヒューゴー、テオ。
ラザール、ジョエル。
元の姿に戻って、ナジャの足元でスヤスヤと眠っている。
「みんな無事や。治っとる……失くした腕まで……まさに奇跡やな……」
「レオナ。ありがとう。――いってくる」
「ええ。ルス。貴方にイゾラの加護のあらんことを」
七色の光が、ルスラーンを包んだ。
「……ニーズヘッグ」
七色の竜騎士が、すらりと漆黒のクレイモアを構える。
「寄るな! 見るな! やめろおおおおお!」
※ ※ ※
「はあ、せめて見目さえよければなぁ……」
「あなた、言っても始まりませんよ……」
――おまえらが、こう産んだんだろうが!
「うわ、きもちわるい。目が合っちゃったわ」
「逃げましょう。こわいわ」
――見ただけだろう! 誰も襲おうとなんてしていない!
「うちはもうダメだ。商売もうまくいかないし」
「ごめんね。田舎で細々、畑でも耕すわ」
――俺はどうなるんだ! くそ、こうなったら体格を生かして騎士団に行くしかない……
「ごーりらー」
「よっわ!」
「さっさとやめれば?」
――やめても行く場所がないのだ。耐える。耐えるぞ。絶対にこいつらを見返してやる……
「英雄にしっぽ振ってるるだけじゃねえか」
「あいつが副団長だなんて、終わりだな」
――実力だ! 何が悪い!
「スタンピードのおかげで団長になったくせに」
「いやあの、過去のことはさ、ほら、水に流してさ」
「クビにだけはしないでくれ! 田舎の家族が!」
――ふはははは! 媚びへつらうがよい! だが、退団だ! ばかものども!
「げはは、団長~さすがっすね~」
「団長強い!」
「団長かっこいいすねー!」
――ほめろ! ほめろ!
「だ、だいじょうぶですよ、騎士団長なら女だって、寄ってきますって」
「どっかりしときゃいいんすよー」
「あー。娼館なら? ほら、えっと手軽っすよ?」
――くそう、なぜだ! 身分さえあれば良いのではないのか!
「ドラゴンスレイヤーでもないのに、いつまで団長なんだろ」
「ジョエル様が団長ならなあ」
「あれが団長って、恥ずかしいよな」
――どいつも、こいつも……殺す! 皆殺しにしてくれる!
※ ※ ※
「少なくとも親父は、あんたのこと、認めてた」
ルスラーンは、静かに構えて言う。
太陽光を浴びて、黒い皮膚がぐしゃぐしゃに爛れてきたゲルルフは、地団駄を踏んでいる。
仕草だけを見れば、ただ駄々をこねる子供のように思える。
「ゲルルフなら、実力もあるし、下の人間たちとうまくやるだろうって思ったって。真面目に修行してただろう?」
「嘘おぉ、つくなあああああああ!」
とびかかってきた爪を、剣で防ぎ、ルスラーンは凄んで言う。
「嘘じゃねえ!」
「ぐるああああ! 俺は! どうせ嫌われ者だ!」
「そうか。なら、好かれる努力は? 嫌われても、誇れるものはあったか? 愛する人は?」
脳裏に浮かぶのは――人形のような、冷たい目をした令嬢。
彼女も自分と同じように、自分を殺していると思ったから、手に入れたかった。
だが愛する? 愛ってなんだ?
「欲して、殴ってばかりじゃ、誰も近寄れねえよ!」
「うるさい! 拒絶したのは、おまえらだ!」
「てめえもだよ!」
ぎりぎりと、ルスラーンをその大剣を押し込めていく。
ゲルルフが、初めて後ずさりをした。
「気に食わないやつらなんてなあ、誰にでもいるんだよ! けどなあ、それでも譲れないもん、愛する人、大事に抱えて生きるのが人間だろうが!」
ルスラーンの闘気が膨れ上がる。
ニーズヘッグの真骨頂だ。ゲルルフが、じりじりと押されていく。
「ぐ」
「勝手に全員悪者にすんな! 滅ぼしたら終わりじゃねえだろ!」
「うるさい! 殺す!」
「……馬鹿野郎がっ」
ルスラーンは、剣を振り切って再び間合いを取る。ぼろり、とゲルルフの爪が落ちた。
「殺せば、満足なのかよ! その後何もない世界で、ひとりで! 生きていくのか!」
「うるさい! おまえに何がわかる!」
「わかんねえから、聞いてんじゃねえか!」
ゴン、バキ、ゴキャッ!
言葉と同様、激しい戦いが繰り広げられている。
鈍い戦闘音が、こだまする。
レオナとナジャはただ祈るように、二人を見ている。
「何をして欲しかったんだよ! 本音は!」
ルスラーンが、叫びながら剣を大きく振り下ろした。
ズガン! と剣先が土に埋まる。
ぱきい、とゲルルフの額が、割れる。
「!」
――サビ……シイ……
何かが、漏れ出た。
――ああ、そうだ……ただ……認めてほしかった……
「ふは、ふははは。なんとくだらん……くだらんな……そうか……だが、認めたくはない……」
ゲルルフは、グオン、と魔力を膨らませた。
「あかん!」
「ルスッ」
爆発した魔力が、ルスラーンを巻き込んだ。咄嗟に腕で顔を覆ったのは見えたが、無事かどうか、ここからは定かではない。
黒く大きな炎が燃え上がり、竜巻状になって空を貫いている。
おそらくゲルルフとルスラーンは、その中心にいる。
ナジャは目を見開いた。
その黒い炎は、リヴァイアサンが吸い上げた命たちの、怨念の声が渦巻いているものだと分かったからだ。
「……ちい、最後に余計な仕事残しよってからに……」
えっこらしょ、とナジャは立ち上がった。
「ナジャ君?」
「あんなん、冥界へ帰ってもらうしかないねん。急やけどお別れや、レーちゃん」
「ナジャ君、いやよ」
「ま、死んだ後か生きてるうちかの違いしかないやん? ちょっと早まっただけやって」
「いや。いや」
「黒ポンコツと、レーちゃん賭けた勝負できへんのが、残念やなあ」
「いや! いや! いやよ!」
ぎゅう、とレオナがナジャに抱き着く。
「わいもな、レーちゃんのこと愛してるんやで」
「うん。うん! だから、ずっとそばにいて!」
「……おるよ。心の近くに、ずっとおる」
「いやよ、離れたくない!」
ふ、とリンジーの体から力が抜けた。
「あ!? ナジャ!? まてや! 逝くな! わいも!」
――あほやなあ。幸せになれって、言うたやろ。
十分楽しかったで。おおきにリンジー。残りの人生、その子についてあげーや。な。
「まてえ! ナジャ!」
――ほんま優しいやっちゃなあ。ゼブブがな、還ってええて言うとるから、安心しい。せやから……そのうちまた会おな!
「還るて……うそやろ……」
すっとリンジーから抜け出た何かが、黒炎の竜巻に向かって飛んでいく。
「ぐす、いいよ、だって」
リンジーに抱き着いたまま、レオナが泣きながら告げた。
「ゼブブが、もういいよって。魂休めもいらないから、還ればいいよって」
リンジーは、開かない右目からも温かい涙が流れてきたのを感じた。
「ほっか……ほなら、最後の仕上げだけ、一緒にしよか。レーちゃん」
「うん!」
二人並んで、手をつないだ。
すう、と息を大きく吸うと、リンジーが唱える。
「闇よ。我が真名を受け取れ。ナーガ・リンジー」
この時のためにずっと施してきていた名封じが、今、解かれた。
レオナは、ただただ、祈る。
「どうか、安らかに」
リンジーから溢れる魔力は、闇。だがどこか優しい。
柔らかく包み込むような、夜の静寂。母の胎内のように、安心する、暗さ。
「輪廻へ還れ。孵れ。帰れ」
それがリンジーとレオナの身体を取り巻いたかと思うと、竜巻の方へ向かっていった。
「「オーム」」」
パア、と竜巻の中心に光が現れたかと思うと、天空に向かって一筋の軌跡を描いて、駆け抜けていく。
彷徨える魂たちを引き連れていくかのように。
そして黒炎が、かき消えていく。――ルスラーンが、だらりと首をもたげたまま、宙に浮いているのだけが残った。
どさり。
やがて、その身体は無重力を失って、落ちてきた。
「ルスッ!」
叫んで飛び出そうとするレオナ。だがリンジーは、握っている手を離さずに止めた。
「待て、レーちゃん」
「行かせて、リンジー! お願い!」
リンジーは、躊躇したが、周りを見回すと……静かだ。
驚くほど音がない。
「……気を付けるんやで」
「ええ!」
リンジーにはもう、歩けるほどの気力がない。
どしゃり、と膝を地に突いた。
自身の影が、大きく伸びていく。
「夕方――夕焼け、か」
赤い太陽が、首筋を焼く。リンジーは、疲労感で立てなくなり、スヤスヤと寝ている全員の寝顔を眺めながら――自身も壁にもたれて、やがて目を閉じた。
「ルス! ルス!」
レオナは、ルスラーンの肩を揺すって声を掛ける。
ぴったりと閉じられているその瞼は、ぴくりともしない。
「嘘よ……やめて……いやよ……」
騎士服の胸元をつかんで、ぐらぐらと揺すってみる。
「起きて……ルス……」
ルスラーンの頬に、触れてみる。冷たい。
肌が、硬い。
動かない。
「ねえ、起きて? 一緒に生きよう? 私の夢、叶えてよ。どうか、私のもとに帰ってきて……」
固い胸元に覆いかぶさって、顔はルスラーンの方に向ける。
「ね。笑って? また一緒に本を読みましょう? おいしい紅茶を飲むの。それから、たくさん焼き菓子を焼くわ。そうだ、イチゴもね」
胸の音が、しない。上下も、しない。
「ねえ。ねえ。ちゃんと、言い直してって言ったじゃない……ちゃんと、聞かせてよ……」
レオナの両眼から涙があふれる。
――温かい雫が、ルスラーンの騎士服を濡らす。
と。
何かが光った気がした。
ルスラーンの懐に、何か固いものが入っている。
レオナは身を起こして、手で触れて、取り出してみる。
「あ……これ……」
レオナが渡した、復興祭交流試合優勝記念の贈り物。願いを込めて刺繍をした、黒い布巻きのナイフケースだ。
「持っててくれてたのね……うれしい……」
優しく手で撫でる。
すると、ダイモンの家紋が光を放った。
その光は、小さな光の玉となって浮き上がり、ルスラーンの胸に吸い込まれていく。
ぴくり、と体が動いて。
ゆっくりと瞼が開いて。
少しだけ上体を持ち上げたルスラーンは。
「ぐ、は。あー? え? おはよ?」
優しい紫の瞳で、笑った。
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お読み頂き、ありがとうございました。
多分あと二話で完結します。
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∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽
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※作者創作の世界観です。史実等とは合致しない部分、異なる部分が多数あります。
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※実際に用いられる事のない表現や造語が出てきますが、御容赦ください。
※リアル都合等により不定期、且つまったり進行となっております。
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※御都合主義がそこかしに顔出しします。設定が掌ドリルにならないように気を付けていますが、もし大ボケしてたらお許しください。
※誤字脱字等々、標準てんこ盛り搭載となっている作者です。気づけば適宜修正等していきます…御迷惑おかけしますが、お許しください。
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