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13 魔術師団長の息子に餌付けされる。
アロイスの『お願い』を最初に聞いて、僕は首を捻った。彼は僕を膝の上に乗せて、お菓子を食べさせたいと懇願したのだ。
いつも王子から、同じ状況でお菓子を与えられているが、なぜ知っているのだろう。
「……なんで?」
「いや、先日殿下に拘束されて弄られてたカミル先輩がエロすぎ…あ、いや、小動物みたいで可愛らしくて、僕も同じように癒されたいというか……まあ、そんな感じです」
「君、今、僕に対して不敬なこと言わなかった?」
「気のせいですよ。で、どうしますか?これ、食べたいんですよね?」
菓子箱を持ったアロイスから、笑顔で取引を持ちかけられた。
レオンハルト王子といい、コルネリウスといい、何故みんな僕に餌付けしたがるのだ。最近お菓子を食べさせてもらうのに慣れてしまっているが、僕はこのままで大丈夫なのか不安になる。
一瞬だけ悩んだが、僕は目の前の白雪姫の誘惑にアッサリ負けてしまった。別に減るものじゃないし、レオンハルト殿下からされるのと同じで、ペット扱いなのだろう。
膝の上は恥ずかしいと伝えると、「じゃあ、ここに座ってください」とアロイスの脚の間に座らされ、後ろから抱っこされながらお菓子をあーんされている状況である。この体勢もちょっと恥ずかしい気がする。
「はい、もう一口いきますよ~」
「むぐっ……」
僕はまた大きく口を開けてケーキを口に含んだ。そのまま食べさせられるので、必然的にアロイスとの距離が近くなる。
間近で見る彼はとても整った顔立ちをしていると思った。肌は白く滑らかで、長いまつ毛に縁取られた灰色の瞳は僕を見つめながら輝いている。
「はあ~、カミル先輩可愛い。癒やされます。あ、また口に生クリームついてますよ」
アロイスは僕の顎を掴むと、その端正な顔を寄せてくる。そして、僕の口の端についていた生クリームを舌で舐めはじめた。
「んっ……」
「じっとして、ほらこっちにもついてますよ」
アロイスは優しく囁くと、今度は僕の首筋をゆっくり舐めた。僕は身動き出来なかった。
「カミル先輩、ガチガチですね。もっと力抜いてくださいよ」
「だっ……て、ひゃう!?」
アロイスの手が僕の太腿の内側に触れてきた。僕はびっくりして思わず変な声が出てしまう。
「あ、ごめんなさい。リラックスしてもらおうと思って。先輩のここ柔らかいですね」
アロイスは楽しげに笑いながら、僕の内腿を撫で回してきた。
「もう、止めろって!どこ触ってんだよ!こんな風に誂うなら帰るっ。離して……」
僕はアロイスから離れて立ち上がろうとしたが、すぐに彼の両腕に囚われる。
「ごめんなさいっ。調子に乗りすぎました。そのお菓子、先輩のために頑張って手に入れたんです。全部食べてください。嫌わないで……お願い」
アロイスは切なげに眉根を寄せると、僕をウルウルした大きな瞳で見つめながら、ぎゅっと抱きしめてきた。仔犬みたいな表情で、僕は言葉に詰まる。
「うっ……。わ、分かったよ、んんっ」
口では謝罪しながらも、アロイスは僕の身体から離れようとしない。それどころか、執拗にあちこち撫で回してくるので、僕はだんだんおかしな気分になってきてしまった。
でも離してって言って、またしょんぼりさせても可哀想だし……。
「カミル先輩、どうぞ。あーん……」
「はむっ……」
口の前にお菓子を出されると、条件反射で口を開けてしまう自分を何とかしたい。
「美味しいですか?」
「うん……美味しい」
「クリーム舐めますね」
「え、あ、だめっ」
アロイスは止める間もなく、僕の口の周りを舐めとっていく。僕は身を捩って抵抗したが、アロイスは腕の中から逃してくれない。本当にクリームなんてついているのだろうか?
その後もずっとケーキを口に入れるたびにアチコチ舐められた。
舐められるたびに無意識に身構えて、身体に力が入ってしまい、食べ終わった頃には僕はぐったりしてアロイスに寄りかかっていた。
レオンハルト王子が食べさせてくれるときは、いつも、当たり前のように、僕の一口になるよう切り分けてくれていたのに。
僕は王子のことを思い出して、泣きそうになった。
別に僕と王子は、婚約者でも、恋人同志でもない。裏切っている訳じゃない。せいぜい単なる浮気相手だ。必死に自分に言い聞かせる。
でも、せっかく美味しいお菓子が食べれたのに、なんだか心が晴れなかった。
アロイスは僕を抱き寄せたまま、しばらく髪を撫でたり頬擦りしたりしていた。
「カミル先輩…予想はしてたけどチョロすぎますね。学園の庭じゃなくて僕の部屋に呼び出したから、かなり抵抗されるかと思いましたが……ほとんど抵抗ないし、心配になるレベルですよ。ヤバいですね。僕のこと信用し過ぎです。このままだと、簡単に騙されて襲われますよ」
アロイスが僕の耳元で囁くと、熱い吐息がかかり身体が震える。
「さすがの僕も罪悪感が湧いてきたので、そろそろ真面目な話をしましょうか?お菓子も食べ終わったし」
「え、な、何の話?」
僕は動揺しながら聞き返した。
「そもそも、先輩、何か用があって僕のところに来たんでしょう?」
「あっ!」
そうだ。白雪姫に囚われてすっかり忘れていたが、僕はアロイスに訊きたいことがあったのだ。
「あの、こないだ、殿下に報告してたことなんだけど……」
「ああ、ローズハート公爵令嬢の悪事のことですね?」
「うん。その、でもその前にちゃんと話したいから、いい加減離してくれる?この体勢疲れたから……」
僕はアロイスの腕の中でもじもじした。ずっと後ろから抱き締められたまま、あちこち触られっぱなしなのだ。正直、落ち着かない。
「分かりました。僕もそろそろ限界なので、このままベッドに横になりましょう」
「ちょっ!な、なんでそうなるの!?」
いつも王子から、同じ状況でお菓子を与えられているが、なぜ知っているのだろう。
「……なんで?」
「いや、先日殿下に拘束されて弄られてたカミル先輩がエロすぎ…あ、いや、小動物みたいで可愛らしくて、僕も同じように癒されたいというか……まあ、そんな感じです」
「君、今、僕に対して不敬なこと言わなかった?」
「気のせいですよ。で、どうしますか?これ、食べたいんですよね?」
菓子箱を持ったアロイスから、笑顔で取引を持ちかけられた。
レオンハルト王子といい、コルネリウスといい、何故みんな僕に餌付けしたがるのだ。最近お菓子を食べさせてもらうのに慣れてしまっているが、僕はこのままで大丈夫なのか不安になる。
一瞬だけ悩んだが、僕は目の前の白雪姫の誘惑にアッサリ負けてしまった。別に減るものじゃないし、レオンハルト殿下からされるのと同じで、ペット扱いなのだろう。
膝の上は恥ずかしいと伝えると、「じゃあ、ここに座ってください」とアロイスの脚の間に座らされ、後ろから抱っこされながらお菓子をあーんされている状況である。この体勢もちょっと恥ずかしい気がする。
「はい、もう一口いきますよ~」
「むぐっ……」
僕はまた大きく口を開けてケーキを口に含んだ。そのまま食べさせられるので、必然的にアロイスとの距離が近くなる。
間近で見る彼はとても整った顔立ちをしていると思った。肌は白く滑らかで、長いまつ毛に縁取られた灰色の瞳は僕を見つめながら輝いている。
「はあ~、カミル先輩可愛い。癒やされます。あ、また口に生クリームついてますよ」
アロイスは僕の顎を掴むと、その端正な顔を寄せてくる。そして、僕の口の端についていた生クリームを舌で舐めはじめた。
「んっ……」
「じっとして、ほらこっちにもついてますよ」
アロイスは優しく囁くと、今度は僕の首筋をゆっくり舐めた。僕は身動き出来なかった。
「カミル先輩、ガチガチですね。もっと力抜いてくださいよ」
「だっ……て、ひゃう!?」
アロイスの手が僕の太腿の内側に触れてきた。僕はびっくりして思わず変な声が出てしまう。
「あ、ごめんなさい。リラックスしてもらおうと思って。先輩のここ柔らかいですね」
アロイスは楽しげに笑いながら、僕の内腿を撫で回してきた。
「もう、止めろって!どこ触ってんだよ!こんな風に誂うなら帰るっ。離して……」
僕はアロイスから離れて立ち上がろうとしたが、すぐに彼の両腕に囚われる。
「ごめんなさいっ。調子に乗りすぎました。そのお菓子、先輩のために頑張って手に入れたんです。全部食べてください。嫌わないで……お願い」
アロイスは切なげに眉根を寄せると、僕をウルウルした大きな瞳で見つめながら、ぎゅっと抱きしめてきた。仔犬みたいな表情で、僕は言葉に詰まる。
「うっ……。わ、分かったよ、んんっ」
口では謝罪しながらも、アロイスは僕の身体から離れようとしない。それどころか、執拗にあちこち撫で回してくるので、僕はだんだんおかしな気分になってきてしまった。
でも離してって言って、またしょんぼりさせても可哀想だし……。
「カミル先輩、どうぞ。あーん……」
「はむっ……」
口の前にお菓子を出されると、条件反射で口を開けてしまう自分を何とかしたい。
「美味しいですか?」
「うん……美味しい」
「クリーム舐めますね」
「え、あ、だめっ」
アロイスは止める間もなく、僕の口の周りを舐めとっていく。僕は身を捩って抵抗したが、アロイスは腕の中から逃してくれない。本当にクリームなんてついているのだろうか?
その後もずっとケーキを口に入れるたびにアチコチ舐められた。
舐められるたびに無意識に身構えて、身体に力が入ってしまい、食べ終わった頃には僕はぐったりしてアロイスに寄りかかっていた。
レオンハルト王子が食べさせてくれるときは、いつも、当たり前のように、僕の一口になるよう切り分けてくれていたのに。
僕は王子のことを思い出して、泣きそうになった。
別に僕と王子は、婚約者でも、恋人同志でもない。裏切っている訳じゃない。せいぜい単なる浮気相手だ。必死に自分に言い聞かせる。
でも、せっかく美味しいお菓子が食べれたのに、なんだか心が晴れなかった。
アロイスは僕を抱き寄せたまま、しばらく髪を撫でたり頬擦りしたりしていた。
「カミル先輩…予想はしてたけどチョロすぎますね。学園の庭じゃなくて僕の部屋に呼び出したから、かなり抵抗されるかと思いましたが……ほとんど抵抗ないし、心配になるレベルですよ。ヤバいですね。僕のこと信用し過ぎです。このままだと、簡単に騙されて襲われますよ」
アロイスが僕の耳元で囁くと、熱い吐息がかかり身体が震える。
「さすがの僕も罪悪感が湧いてきたので、そろそろ真面目な話をしましょうか?お菓子も食べ終わったし」
「え、な、何の話?」
僕は動揺しながら聞き返した。
「そもそも、先輩、何か用があって僕のところに来たんでしょう?」
「あっ!」
そうだ。白雪姫に囚われてすっかり忘れていたが、僕はアロイスに訊きたいことがあったのだ。
「あの、こないだ、殿下に報告してたことなんだけど……」
「ああ、ローズハート公爵令嬢の悪事のことですね?」
「うん。その、でもその前にちゃんと話したいから、いい加減離してくれる?この体勢疲れたから……」
僕はアロイスの腕の中でもじもじした。ずっと後ろから抱き締められたまま、あちこち触られっぱなしなのだ。正直、落ち着かない。
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