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19 転校生に忠告される。
「あっ、ごめん。つい……」
僕は慌ててシャルロッテの手を放した。ダメだ、甘いものを目の前にすると、見境無く行動してしまう。王子やコルネリウスからは当たり前のように見逃されていたが、普通は舐めないよな、と反省する。
そして、王子の言いつけを破ってしまったことに改めて気付き、青ざめる。
「……もう1個食う?」
シャルロッテは誤魔化すように『おはぎ』を差し出してきた。僕は泣きそうになりながら、首を横に振った。
「……ごめん。食べさせられるの、ダメって言われてたから……」
「は?何それ。どういう意味だ?」
シャルロッテは眉根を寄せた。
「えっと……」
僕は説明しようとして、言葉を詰まらせた。どこまで正直に伝えていいのか迷う。
「お前、まさか、変な約束させられてんのか?」
シャルロッテは心配そうな表情になった。僕は黙りこんでしまう。
「……誰に?」
「……」
「なあ、誰に言われたんだ?」
さっきまで笑顔だったのに、シャルロッテの表情が険しくなった。声も低い。僕は怯えて俯いた。
「……甘いもの、誰かに食べさせてもらうなって禁止された?」
シャルロッテが僕の顔を覗き込んで、先ほどより優しく訊ねた。僕は無言で首肯する。
シャルロッテが溜め息をついた。
「カミル。そいつ気を付けた方がいいよ」
シャルロッテが真剣な顔で忠告してくれた。僕は顔をあげ、探るようにシャルロッテを見つめた。
「……どういうこと?」
「この場所で……、その、学園の、薔薇の庭園で、カミルにお菓子を与えるっつか、食べさせる行為ってさ、ちゃんと目的があるんだ。それはさ…」
「カミルの好感度あげるためよ」
突然、後ろから聞こえたアリシアの声に僕は飛び上がりそうになった。
振り返ると、アリシアがいつもの腕組みポーズで僕たちを睨んでいた。
「あれ?カミルの姉さんじゃん。なんでここに?レオの断罪は終わったのか?」
シャルロッテが不思議そうな顔でアリシアを見る。
「あんた、不敬ね。レオンハルト殿下のこと、呼び捨てにすんじゃないわよ。身分考えなさいよ。それにいい加減カミルを解放しなさいよ」
僕はアリシアから言われて、慌ててシャルロッテの膝の上から降りようとしたが、彼はまだ僕を離してくれなかった。
「嫌で~す。せっかくどさくさに紛れて密着できたのに、離す訳ないじゃん。それに、本人から、呼び捨ての許可はもらってるよ。カミルの姉さん怖いなあ」
シャルロッテは僕を抱き締めたまま、耳元で苦笑しながら囁いた。
僕は真っ赤になって俯いた。
「ガタガタうっさいわね」
アリシアが眉間に皺を寄せて言い放つ。普段は背中に背負っている猫を今はぶん投げているらしい。
僕の前だけでみせる口の悪いアリシアのままだった。アリシアにとってシャルロッテは、猫を被る必要がない相手のようだ。
「あんた、カミルの好感度のあげ方知ってるってことは、『白薔薇学園』やってたんでしょ?しかもカミルを餌付けして、好感度上げるの実践しようとして。胡散臭いと思ってたのよ。すっかり騙されてたわ。何企んでんのよ」
「……は、マジ?」
シャルロッテが目を見開く。
「もしかして姉さんも転生者なの!?自分以外にも存在しているとは思ってたけど、こんな近くに!」
シャルロッテが叫ぶと、アリシアの眉間の皺がさらに深くなる。
「ま~バレたんなら白状するけど、一応俺、カミルのファンだったから、推しの好感度あげられるか試して、スチルを生で拝みたかったていうか……。
それより、姉さんも転生者だったら、事情分かってるんでしょ?俺がカミルのルート入った方が嬉しいんじゃないの。唯一の破滅回避ルートでしょ?」
シャルロッテは僕の背中を撫でながら、アリシアに向かってニヤニヤと微笑む。
「あんたが本物の『シャルロッテ』ならね。偽物のくせに何言ってんのよ」
アリシアは、シャルロッテを睨みつけながら、吐き捨てるように言った。
僕は慌ててシャルロッテの手を放した。ダメだ、甘いものを目の前にすると、見境無く行動してしまう。王子やコルネリウスからは当たり前のように見逃されていたが、普通は舐めないよな、と反省する。
そして、王子の言いつけを破ってしまったことに改めて気付き、青ざめる。
「……もう1個食う?」
シャルロッテは誤魔化すように『おはぎ』を差し出してきた。僕は泣きそうになりながら、首を横に振った。
「……ごめん。食べさせられるの、ダメって言われてたから……」
「は?何それ。どういう意味だ?」
シャルロッテは眉根を寄せた。
「えっと……」
僕は説明しようとして、言葉を詰まらせた。どこまで正直に伝えていいのか迷う。
「お前、まさか、変な約束させられてんのか?」
シャルロッテは心配そうな表情になった。僕は黙りこんでしまう。
「……誰に?」
「……」
「なあ、誰に言われたんだ?」
さっきまで笑顔だったのに、シャルロッテの表情が険しくなった。声も低い。僕は怯えて俯いた。
「……甘いもの、誰かに食べさせてもらうなって禁止された?」
シャルロッテが僕の顔を覗き込んで、先ほどより優しく訊ねた。僕は無言で首肯する。
シャルロッテが溜め息をついた。
「カミル。そいつ気を付けた方がいいよ」
シャルロッテが真剣な顔で忠告してくれた。僕は顔をあげ、探るようにシャルロッテを見つめた。
「……どういうこと?」
「この場所で……、その、学園の、薔薇の庭園で、カミルにお菓子を与えるっつか、食べさせる行為ってさ、ちゃんと目的があるんだ。それはさ…」
「カミルの好感度あげるためよ」
突然、後ろから聞こえたアリシアの声に僕は飛び上がりそうになった。
振り返ると、アリシアがいつもの腕組みポーズで僕たちを睨んでいた。
「あれ?カミルの姉さんじゃん。なんでここに?レオの断罪は終わったのか?」
シャルロッテが不思議そうな顔でアリシアを見る。
「あんた、不敬ね。レオンハルト殿下のこと、呼び捨てにすんじゃないわよ。身分考えなさいよ。それにいい加減カミルを解放しなさいよ」
僕はアリシアから言われて、慌ててシャルロッテの膝の上から降りようとしたが、彼はまだ僕を離してくれなかった。
「嫌で~す。せっかくどさくさに紛れて密着できたのに、離す訳ないじゃん。それに、本人から、呼び捨ての許可はもらってるよ。カミルの姉さん怖いなあ」
シャルロッテは僕を抱き締めたまま、耳元で苦笑しながら囁いた。
僕は真っ赤になって俯いた。
「ガタガタうっさいわね」
アリシアが眉間に皺を寄せて言い放つ。普段は背中に背負っている猫を今はぶん投げているらしい。
僕の前だけでみせる口の悪いアリシアのままだった。アリシアにとってシャルロッテは、猫を被る必要がない相手のようだ。
「あんた、カミルの好感度のあげ方知ってるってことは、『白薔薇学園』やってたんでしょ?しかもカミルを餌付けして、好感度上げるの実践しようとして。胡散臭いと思ってたのよ。すっかり騙されてたわ。何企んでんのよ」
「……は、マジ?」
シャルロッテが目を見開く。
「もしかして姉さんも転生者なの!?自分以外にも存在しているとは思ってたけど、こんな近くに!」
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「ま~バレたんなら白状するけど、一応俺、カミルのファンだったから、推しの好感度あげられるか試して、スチルを生で拝みたかったていうか……。
それより、姉さんも転生者だったら、事情分かってるんでしょ?俺がカミルのルート入った方が嬉しいんじゃないの。唯一の破滅回避ルートでしょ?」
シャルロッテは僕の背中を撫でながら、アリシアに向かってニヤニヤと微笑む。
「あんたが本物の『シャルロッテ』ならね。偽物のくせに何言ってんのよ」
アリシアは、シャルロッテを睨みつけながら、吐き捨てるように言った。
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