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秘密を公開してもいい
「辺境伯婦人がな、王都の舞踏会で田舎者だと馬鹿にされる事件が起きてな」
「え?田舎者?どうしてそんな話が?辺境伯の領地といえば第二の王都と言われるほど発展していると聞いておりますけれど。むしろ、王都の周りの領地のほうがよほど田舎では?」
首をかしげるとお父様が苦笑いする。
「辺境にあるから田舎だと勘違いしておる者もいないではないんだ」
それは流石に勉強不足過ぎる。いや、むしろ自分の領地より発達していることをひがんで言っているならまだしも……。いや、それでも、辺境伯といえば、公爵家に次ぐ上位貴族なわけだから、馬鹿にするなんて罰せられても仕方がないことをするなんて愚かとしか。いや、愚かなことをするくらいだから、勉強不足の一択?
「まぁ、それで激怒した辺境伯婦人が、王家とのつながりを持とうと息まいてな。流石に王家につらなる家を田舎者だとは言えないだろうと……そこで、ローレル嬢を皇太子妃にしようと動き始めて……」
ああ、そうだったんですね。
辺境伯はむしろ王家とのつながりをめんどくさがっているのに。いつでも独立できるだけの力があるし、むしろ王家とつながることで干渉されることを良しとしなかったはずなのにと思っていたら……そんな事情が。
「そんなタイミングだったこともあり、ロバートとの婚約はスパッと断られた」
「お兄様が嫌われていたわけではないのですね」
とうっかり口に出してしまうと、お父様がはぁと小さくため息を漏らした。
「ロバートはその当時からエカテリーゼが気になっていたようだからな……他の女性に気があるようじゃ……ローレル嬢に気に入られることもなかっただろう」
その口ぶりだと、お父様はエカテリーゼ様よりも、ローレル様と婚約してほしかったっていうことかな?
ふふふ、お父様と私、人の好みは似てるみたいです。
「公爵令嬢だと教えても、内緒でと頼めば内緒にしてくれるだろう?」
こくりと頷く。
「……その、男性アレルギーのことをもし知られたら……」
エミリーにはすでに知られている。
「お前の友達は、そのことを知って、周りに言いふらしたり、馬鹿にしたりするような人間だと思うかい?それとも、それをネタに脅されるとでも疑っているのかい?」
「彼女は、そんなこと、絶対しませんっ!」
大丈夫と心配してくれたり、他の人にバレそうになったら庇ってくれたりすると思う。
ローレル様はそういう方だ。もちろんエミリーだって。
「だったら、話をしてもいいんじゃないか?」
「ありがとう、お父様!」
エミリーに話そう。そして、ロイホール公爵邸で舞踏会が行われなくなったら、うちで舞踏会を開こう。迷路の奥にはあづまやはないけれど……。ああ、今からお父様にお願いして作ってもらおうかしら。
男性が入って来られない、友達とだけおしゃべるできる場所が欲しいみたいな言い方をすれば大丈夫かしら?
まって、ダメ。それだと、エミリーとお話しているときに、お父様なら「どれどれリリーの友達に挨拶をしに行くか」とかいって、来る。
絶対に、来る。
むしろ、友達とどんな感じで交流しているのか気になってそわそわして、近くに様子をうかがえる場所さえ作りそうだ。
……うちに、招くのもかなり危険……?
どうしよう。うーん。
==================
そうよね、そうなのよ。
リリーの家で舞踏会開いても、絶対に、密会はできないよね。
お父様やお兄様が見に来る。
……間違いないから。一番秘密にできない場所だから。
同じ理由で、王宮でも無理なんじゃないかねぇ……苦笑
誰か協力者を作るしかないですわよ……
ってうか、もう、さっさと結婚しちゃいなよ(定期)
「え?田舎者?どうしてそんな話が?辺境伯の領地といえば第二の王都と言われるほど発展していると聞いておりますけれど。むしろ、王都の周りの領地のほうがよほど田舎では?」
首をかしげるとお父様が苦笑いする。
「辺境にあるから田舎だと勘違いしておる者もいないではないんだ」
それは流石に勉強不足過ぎる。いや、むしろ自分の領地より発達していることをひがんで言っているならまだしも……。いや、それでも、辺境伯といえば、公爵家に次ぐ上位貴族なわけだから、馬鹿にするなんて罰せられても仕方がないことをするなんて愚かとしか。いや、愚かなことをするくらいだから、勉強不足の一択?
「まぁ、それで激怒した辺境伯婦人が、王家とのつながりを持とうと息まいてな。流石に王家につらなる家を田舎者だとは言えないだろうと……そこで、ローレル嬢を皇太子妃にしようと動き始めて……」
ああ、そうだったんですね。
辺境伯はむしろ王家とのつながりをめんどくさがっているのに。いつでも独立できるだけの力があるし、むしろ王家とつながることで干渉されることを良しとしなかったはずなのにと思っていたら……そんな事情が。
「そんなタイミングだったこともあり、ロバートとの婚約はスパッと断られた」
「お兄様が嫌われていたわけではないのですね」
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「ロバートはその当時からエカテリーゼが気になっていたようだからな……他の女性に気があるようじゃ……ローレル嬢に気に入られることもなかっただろう」
その口ぶりだと、お父様はエカテリーゼ様よりも、ローレル様と婚約してほしかったっていうことかな?
ふふふ、お父様と私、人の好みは似てるみたいです。
「公爵令嬢だと教えても、内緒でと頼めば内緒にしてくれるだろう?」
こくりと頷く。
「……その、男性アレルギーのことをもし知られたら……」
エミリーにはすでに知られている。
「お前の友達は、そのことを知って、周りに言いふらしたり、馬鹿にしたりするような人間だと思うかい?それとも、それをネタに脅されるとでも疑っているのかい?」
「彼女は、そんなこと、絶対しませんっ!」
大丈夫と心配してくれたり、他の人にバレそうになったら庇ってくれたりすると思う。
ローレル様はそういう方だ。もちろんエミリーだって。
「だったら、話をしてもいいんじゃないか?」
「ありがとう、お父様!」
エミリーに話そう。そして、ロイホール公爵邸で舞踏会が行われなくなったら、うちで舞踏会を開こう。迷路の奥にはあづまやはないけれど……。ああ、今からお父様にお願いして作ってもらおうかしら。
男性が入って来られない、友達とだけおしゃべるできる場所が欲しいみたいな言い方をすれば大丈夫かしら?
まって、ダメ。それだと、エミリーとお話しているときに、お父様なら「どれどれリリーの友達に挨拶をしに行くか」とかいって、来る。
絶対に、来る。
むしろ、友達とどんな感じで交流しているのか気になってそわそわして、近くに様子をうかがえる場所さえ作りそうだ。
……うちに、招くのもかなり危険……?
どうしよう。うーん。
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そうよね、そうなのよ。
リリーの家で舞踏会開いても、絶対に、密会はできないよね。
お父様やお兄様が見に来る。
……間違いないから。一番秘密にできない場所だから。
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