婚約者に売られ子供ができたけど、訳あり元騎士様が代理パパになってくれたので幸せです

富士とまと

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「レベル?」
「うん?知らんか?そうじゃな、魔物を倒す前と倒した後で何か変化を感じんか?」
 変化……。
 そういえば、身体強化の重ねがけ、5回までしかできなかったのが7回までできるようになってた。
「レベルが上がれば上がるほど強くなれるぞ」
 アイシャさんがにこにこと笑いながらサイクロプスの角を渡してくれた。
「じゃ、そろそろ戻るかの。カードもできておるじゃろ」
 アイシャさんに連れられてギルドに戻った。

「あ、アイシャ様、シャリアさん、お帰りなさい」
 冒険者ギルドのカウンターに向かうと、受付の女性が声をかけてくれる。
「ほら、魔石を出しな」
 言われて、ポケットに入れておいた魔石を取り出してカウンターの上に置く。
「こっちは買い取りで、これはギルドカードと一緒に首からぶら下げれるように加工してくれ」
 受け受けのお姉さんが角を見てひゅっと息をのんだ。
「これは、サイクロプスの……?」
 受付嬢の言葉に、他の職員の視線が集まる。
「なんだって?サイクロプスだと?流石アイシャ様」
「いや、弟子が倒したんじゃ」
 ポンッと肩を叩かれて、皆の驚きの目が向けられた。
「いえ、私では倒せなくて……アイシャ様の……」
 剣を借りてやっと。
 慌てて首を横に振る。
「まぁ、冒険者に登録したてじゃ。分からないことばかりじゃ。E級冒険者からちゃんと育ててやってくれよ?分かっておるな?特別扱いは不要じゃ」
 ギルドの職員たちがこくこくと頷いた。
 そうだよね。ギルド長のおばあさんの弟子だからって、忖度されても困る。後々禍根をあちこちに残しそうだから。
「はい、査定が終わりました。こちらのサイクロプスの角も金具をつけてカードとともに紐に下げられるようにいたしましたが、査定額から加工費を差し引きさてていただき、金額がこちらです」
 と、トレーにお金、その横にカードと角を革ひもでぶら下げられたものが置かれた。
 アイシャさんは、カードを持ち上げると私の首にかけた。
「いいかい、二度と男に根こそぎ奪われないように、肌身離さず持っているんだよ?そして、お金に困った時にこの角は売るんじゃよ?一文無しになることはないからの?」
 こくんと頷く。
 そうか、なぜこれだけ売らなかったのかそういう理由なんだ。
「ありがとうございます。アイシャさん!」
「うん、これからも強い魔物を倒したらこうして紐が通せるように加工してもらうんじゃぞ?」
 うんと頷く。
 そうすれば現金をすられても、ギルドに売りにくればお金が手に入るってことだよね。
「この金具にお前の名前が記されとるからの、別のものが盗んで売りることはできんのじゃ」
「そうなんですね!」
 言われてみれば、角に取り付けられた金具に名前が彫ってある。シャリアと。
 カードの名前もシャリアだ。
 そうか。私、もう伯爵令嬢のシャリアリーでも、クリスの恋人のアリーでもなくて、冒険者シャリアなんだ。
「さて、これで、稼ぎ方が分かったじゃろ?今日はギルドの宿でもかりてゆっくり休め。そうそう、ギルドの建物の中では、カードが見えるようにぶら下げるんじゃよ?じゃあ、わしは帰る」
 アイシャさんがギルドを後にした。
「ありがとうございました、師匠!あの、稼いだらお礼に行きますっ!」
 ぺこりと頭を下げる。

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