7 / 94
7
しおりを挟む
「レベル?」
「うん?知らんか?そうじゃな、魔物を倒す前と倒した後で何か変化を感じんか?」
変化……。
そういえば、身体強化の重ねがけ、5回までしかできなかったのが7回までできるようになってた。
「レベルが上がれば上がるほど強くなれるぞ」
アイシャさんがにこにこと笑いながらサイクロプスの角を渡してくれた。
「じゃ、そろそろ戻るかの。カードもできておるじゃろ」
アイシャさんに連れられてギルドに戻った。
「あ、アイシャ様、シャリアさん、お帰りなさい」
冒険者ギルドのカウンターに向かうと、受付の女性が声をかけてくれる。
「ほら、魔石を出しな」
言われて、ポケットに入れておいた魔石を取り出してカウンターの上に置く。
「こっちは買い取りで、これはギルドカードと一緒に首からぶら下げれるように加工してくれ」
受け受けのお姉さんが角を見てひゅっと息をのんだ。
「これは、サイクロプスの……?」
受付嬢の言葉に、他の職員の視線が集まる。
「なんだって?サイクロプスだと?流石アイシャ様」
「いや、弟子が倒したんじゃ」
ポンッと肩を叩かれて、皆の驚きの目が向けられた。
「いえ、私では倒せなくて……アイシャ様の……」
剣を借りてやっと。
慌てて首を横に振る。
「まぁ、冒険者に登録したてじゃ。分からないことばかりじゃ。E級冒険者からちゃんと育ててやってくれよ?分かっておるな?特別扱いは不要じゃ」
ギルドの職員たちがこくこくと頷いた。
そうだよね。ギルド長のおばあさんの弟子だからって、忖度されても困る。後々禍根をあちこちに残しそうだから。
「はい、査定が終わりました。こちらのサイクロプスの角も金具をつけてカードとともに紐に下げられるようにいたしましたが、査定額から加工費を差し引きさてていただき、金額がこちらです」
と、トレーにお金、その横にカードと角を革ひもでぶら下げられたものが置かれた。
アイシャさんは、カードを持ち上げると私の首にかけた。
「いいかい、二度と男に根こそぎ奪われないように、肌身離さず持っているんだよ?そして、お金に困った時にこの角は売るんじゃよ?一文無しになることはないからの?」
こくんと頷く。
そうか、なぜこれだけ売らなかったのかそういう理由なんだ。
「ありがとうございます。アイシャさん!」
「うん、これからも強い魔物を倒したらこうして紐が通せるように加工してもらうんじゃぞ?」
うんと頷く。
そうすれば現金をすられても、ギルドに売りにくればお金が手に入るってことだよね。
「この金具にお前の名前が記されとるからの、別のものが盗んで売りることはできんのじゃ」
「そうなんですね!」
言われてみれば、角に取り付けられた金具に名前が彫ってある。シャリアと。
カードの名前もシャリアだ。
そうか。私、もう伯爵令嬢のシャリアリーでも、クリスの恋人のアリーでもなくて、冒険者シャリアなんだ。
「さて、これで、稼ぎ方が分かったじゃろ?今日はギルドの宿でもかりてゆっくり休め。そうそう、ギルドの建物の中では、カードが見えるようにぶら下げるんじゃよ?じゃあ、わしは帰る」
アイシャさんがギルドを後にした。
「ありがとうございました、師匠!あの、稼いだらお礼に行きますっ!」
ぺこりと頭を下げる。
「うん?知らんか?そうじゃな、魔物を倒す前と倒した後で何か変化を感じんか?」
変化……。
そういえば、身体強化の重ねがけ、5回までしかできなかったのが7回までできるようになってた。
「レベルが上がれば上がるほど強くなれるぞ」
アイシャさんがにこにこと笑いながらサイクロプスの角を渡してくれた。
「じゃ、そろそろ戻るかの。カードもできておるじゃろ」
アイシャさんに連れられてギルドに戻った。
「あ、アイシャ様、シャリアさん、お帰りなさい」
冒険者ギルドのカウンターに向かうと、受付の女性が声をかけてくれる。
「ほら、魔石を出しな」
言われて、ポケットに入れておいた魔石を取り出してカウンターの上に置く。
「こっちは買い取りで、これはギルドカードと一緒に首からぶら下げれるように加工してくれ」
受け受けのお姉さんが角を見てひゅっと息をのんだ。
「これは、サイクロプスの……?」
受付嬢の言葉に、他の職員の視線が集まる。
「なんだって?サイクロプスだと?流石アイシャ様」
「いや、弟子が倒したんじゃ」
ポンッと肩を叩かれて、皆の驚きの目が向けられた。
「いえ、私では倒せなくて……アイシャ様の……」
剣を借りてやっと。
慌てて首を横に振る。
「まぁ、冒険者に登録したてじゃ。分からないことばかりじゃ。E級冒険者からちゃんと育ててやってくれよ?分かっておるな?特別扱いは不要じゃ」
ギルドの職員たちがこくこくと頷いた。
そうだよね。ギルド長のおばあさんの弟子だからって、忖度されても困る。後々禍根をあちこちに残しそうだから。
「はい、査定が終わりました。こちらのサイクロプスの角も金具をつけてカードとともに紐に下げられるようにいたしましたが、査定額から加工費を差し引きさてていただき、金額がこちらです」
と、トレーにお金、その横にカードと角を革ひもでぶら下げられたものが置かれた。
アイシャさんは、カードを持ち上げると私の首にかけた。
「いいかい、二度と男に根こそぎ奪われないように、肌身離さず持っているんだよ?そして、お金に困った時にこの角は売るんじゃよ?一文無しになることはないからの?」
こくんと頷く。
そうか、なぜこれだけ売らなかったのかそういう理由なんだ。
「ありがとうございます。アイシャさん!」
「うん、これからも強い魔物を倒したらこうして紐が通せるように加工してもらうんじゃぞ?」
うんと頷く。
そうすれば現金をすられても、ギルドに売りにくればお金が手に入るってことだよね。
「この金具にお前の名前が記されとるからの、別のものが盗んで売りることはできんのじゃ」
「そうなんですね!」
言われてみれば、角に取り付けられた金具に名前が彫ってある。シャリアと。
カードの名前もシャリアだ。
そうか。私、もう伯爵令嬢のシャリアリーでも、クリスの恋人のアリーでもなくて、冒険者シャリアなんだ。
「さて、これで、稼ぎ方が分かったじゃろ?今日はギルドの宿でもかりてゆっくり休め。そうそう、ギルドの建物の中では、カードが見えるようにぶら下げるんじゃよ?じゃあ、わしは帰る」
アイシャさんがギルドを後にした。
「ありがとうございました、師匠!あの、稼いだらお礼に行きますっ!」
ぺこりと頭を下げる。
105
あなたにおすすめの小説
王妃ですが都からの追放を言い渡されたので、田舎暮らしを楽しみます!
藤野ひま
ファンタジー
わたくし王妃の身でありながら、夫から婚姻破棄と王都から出て行く事を言い渡されました。
初めての田舎暮らしは……楽しいのですが?!
夫や、かの女性は王城でお元気かしら?
わたくしは元気にしておりますので、ご心配御無用です!
〔『仮面の王と風吹く国の姫君』の続編となります。できるだけこちらだけでわかるようにしています。が、気になったら前作にも立ち寄っていただけると嬉しいです〕〔ただ、ネタバレ的要素がありますのでご了承ください〕
私は貴方を許さない
白湯子
恋愛
甘やかされて育ってきたエリザベータは皇太子殿下を見た瞬間、前世の記憶を思い出す。無実の罪を着させられ、最期には断頭台で処刑されたことを。
前世の記憶に酷く混乱するも、優しい義弟に支えられ今世では自分のために生きようとするが…。
【完結】男装して会いに行ったら婚約破棄されていたので、近衛として地味に復讐したいと思います。
銀杏鹿
恋愛
次期皇后のアイリスは、婚約者である王に会うついでに驚かせようと、男に変装し近衛として近づく。
しかし、王が自分以外の者と結婚しようとしていると知り、怒りに震えた彼女は、男装を解かないまま、復讐しようと考える。
しかし、男装が完璧過ぎたのか、王の意中の相手やら、王弟殿下やら、その従者に目をつけられてしまい……
私を幽閉した王子がこちらを気にしているのはなぜですか?
水谷繭
恋愛
婚約者である王太子リュシアンから日々疎まれながら過ごしてきたジスレーヌ。ある日のお茶会で、リュシアンが何者かに毒を盛られ倒れてしまう。
日ごろからジスレーヌをよく思っていなかった令嬢たちは、揃ってジスレーヌが毒を入れるところを見たと証言。令嬢たちの嘘を信じたリュシアンは、ジスレーヌを「裁きの家」というお屋敷に幽閉するよう指示する。
そこは二十年前に魔女と呼ばれた女が幽閉されて死んだ、いわくつきの屋敷だった。何とか幽閉期間を耐えようと怯えながら過ごすジスレーヌ。
一方、ジスレーヌを閉じ込めた張本人の王子はジスレーヌを気にしているようで……。
◇小説家になろう、ベリーズカフェにも掲載中です!
◆表紙はGilry Drop様からお借りした画像を加工して使用しています
悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます
綾月百花
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。
牢で死ぬはずだった公爵令嬢
鈴元 香奈
恋愛
婚約していた王子に裏切られ無実の罪で牢に入れられてしまった公爵令嬢リーゼは、牢番に助け出されて見知らぬ男に託された。
表紙女性イラストはしろ様(SKIMA)、背景はくらうど職人様(イラストAC)、馬上の人物はシルエットACさんよりお借りしています。
小説家になろうさんにも投稿しています。
【完結】私が愛されるのを見ていなさい
芹澤紗凪
恋愛
虐げられた少女の、最も残酷で最も華麗な復讐劇。(全6話の予定)
公爵家で、天使の仮面を被った義理の妹、ララフィーナに全てを奪われたディディアラ。
絶望の淵で、彼女は一族に伝わる「血縁者の姿と入れ替わる」という特殊能力に目覚める。
ディディアラは、憎き義妹と入れ替わることを決意。
完璧な令嬢として振る舞いながら、自分を陥れた者たちを内側から崩壊させていく。
立場と顔が入れ替わった二人の少女が織りなす、壮絶なダークファンタジー。
欠席魔の公爵令嬢、冤罪断罪も欠席す 〜メイリーン戦記〜
水戸直樹
ファンタジー
王太子との婚約――それは、彼に恋したからでも、権力のためでもなかった。
魔王乱立の時代。
王も公爵も外征に出ている王都で、公爵令嬢メイリーンは“地味な婚約者”として王城に現れる。
だが、王太子は初顔合わせに現れなかった。
にもかかわらず、記録に残ったのは「公爵令嬢の欠席」。
抗議はしない。
訂正もしない。
ただ一つ、欠席という事実だけを積み上げていく。
――それが、誰にとっての不合格なのか。
まだ、誰も気づいていない。
欠席から始まる、静かなるファンタジー戦記。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる