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エディさんは無言だ。
「依頼中に冒険者が亡くなることはゼロではないの。……だから、3か月ごとの連絡がない場合は、依頼中に何かあったと判断するんです。生きているのか死んでいるのか分からないままずっと依頼主を待たせることはギルドではできない」
エディさんは何を考えているのか分からないけれど、たぶん戦地でも似たようなことはあったんじゃないかな。
「もちろん、生きて帰ってくることを諦めるということではないけれど、期限を設けることで新しく物事を始めることができるようにと……」
ぎゅっと拳を握り締める。
「だから、エディさんも……期間を決めて、その期間の間に会えなかったら振られたってことにしたらどうでしょうか?」
「は?」
いや、私もだんだん何を言っているのかって話なんだけど。
だけど、私はそうした。
戦争が終わって次々と兵が引き挙げてきて。
もしかしたらアイシャさんの宿に一夜の花嫁を探してヒガナカさん……彼が来るかもしれないとアイシャさんに確認していた。
ジャンのことも伝えなければいけないかと。
ジャンだって、父親に会いたがる日が来るかもしれないし……と。
だけど、戦争が終わって、兵が引き挙げてきたと聞いて1か月たっても、2か月たっても、3か月たっても、一夜の花嫁を探す人は現れなかった。
もしかしたら、怪我の治療ですぐには来られないかのかもしれないと思ったりもした。
もしかしたら、今日こそ現れるかもしれない。もしかしたら、もしかしたら……と。
一生、死ぬまでもしかしたらを繰り返すの?とある時思った。ジャンに、父親がもしかしたら現れるかもしれないって期待して、期待が外れてを繰り返させるの?
そう考えたら、なんて残酷なんだろうって。
「……私は、息子の父親のことは……待つのを辞めました」
エディさんがひゅっと息をのむとともに、ビュンっと跳躍して現れたレッドウルフを2体倒した。
速っ。
エディさんがなれた手つきで魔石と尻尾を回収する。
「すまない……。辛いことを思い出させてしまった」
いや、辛くはない。正直生きてるといいなぁと思ってはいるけど、会いたいというわけではないから。
「期限を設ける……か。確かに、そうなのかもな……」
尻尾を握り締めたまましゃがみ込むエディさん。
ちょっと出すぎたことを言ってしまっただろうか。
「ごめんなさい、私こそ。大切な人を失った悲しみは人それぞれなのに……」
エディさんが振り返った。
「危ないっ」
声に振り返ると、またレッドウルフが私に向かっていた。
箒で叩くのとエディさんが私を抱えて後ろに飛ぶのと同時。
「あれ……」
今度はさっきよりも余裕があったため、エディさんが転がることもなくそのままレッドウルフに視線を向けたまま私を後ろから抱えて呆然としていた。
いや、ちょっと、大丈夫だから、手を、手を放して……。
「もしかして、シャリアさん……が、さっきのレッドウルフも、今のレッドウルフも倒したの?」
エディさんの腕から力が抜けたところで、するりと抜け出す。
「はい。もちろんです。指導役ですよ?新人冒険者がいざという時に助けられるようについてきているんですから」
何を今さら?と首を傾げる。
「えーっと、シャリアさんは鈍色冒険者でしたよね?」
なぜかエディさんも首を傾げる。
ん?あれ?この首の傾げ方、誰かに似てる。
いや、首なんて誰でも同じようにかしげるはずなのに、何言ってるんだろう?
「はい。この依頼が終われば、銅色に昇級予定です!登録してから3年絶ってますし、エディさんよりだいぶ先輩ですよ?」
エディさんがあーっと天を仰いだ。
「依頼中に冒険者が亡くなることはゼロではないの。……だから、3か月ごとの連絡がない場合は、依頼中に何かあったと判断するんです。生きているのか死んでいるのか分からないままずっと依頼主を待たせることはギルドではできない」
エディさんは何を考えているのか分からないけれど、たぶん戦地でも似たようなことはあったんじゃないかな。
「もちろん、生きて帰ってくることを諦めるということではないけれど、期限を設けることで新しく物事を始めることができるようにと……」
ぎゅっと拳を握り締める。
「だから、エディさんも……期間を決めて、その期間の間に会えなかったら振られたってことにしたらどうでしょうか?」
「は?」
いや、私もだんだん何を言っているのかって話なんだけど。
だけど、私はそうした。
戦争が終わって次々と兵が引き挙げてきて。
もしかしたらアイシャさんの宿に一夜の花嫁を探してヒガナカさん……彼が来るかもしれないとアイシャさんに確認していた。
ジャンのことも伝えなければいけないかと。
ジャンだって、父親に会いたがる日が来るかもしれないし……と。
だけど、戦争が終わって、兵が引き挙げてきたと聞いて1か月たっても、2か月たっても、3か月たっても、一夜の花嫁を探す人は現れなかった。
もしかしたら、怪我の治療ですぐには来られないかのかもしれないと思ったりもした。
もしかしたら、今日こそ現れるかもしれない。もしかしたら、もしかしたら……と。
一生、死ぬまでもしかしたらを繰り返すの?とある時思った。ジャンに、父親がもしかしたら現れるかもしれないって期待して、期待が外れてを繰り返させるの?
そう考えたら、なんて残酷なんだろうって。
「……私は、息子の父親のことは……待つのを辞めました」
エディさんがひゅっと息をのむとともに、ビュンっと跳躍して現れたレッドウルフを2体倒した。
速っ。
エディさんがなれた手つきで魔石と尻尾を回収する。
「すまない……。辛いことを思い出させてしまった」
いや、辛くはない。正直生きてるといいなぁと思ってはいるけど、会いたいというわけではないから。
「期限を設ける……か。確かに、そうなのかもな……」
尻尾を握り締めたまましゃがみ込むエディさん。
ちょっと出すぎたことを言ってしまっただろうか。
「ごめんなさい、私こそ。大切な人を失った悲しみは人それぞれなのに……」
エディさんが振り返った。
「危ないっ」
声に振り返ると、またレッドウルフが私に向かっていた。
箒で叩くのとエディさんが私を抱えて後ろに飛ぶのと同時。
「あれ……」
今度はさっきよりも余裕があったため、エディさんが転がることもなくそのままレッドウルフに視線を向けたまま私を後ろから抱えて呆然としていた。
いや、ちょっと、大丈夫だから、手を、手を放して……。
「もしかして、シャリアさん……が、さっきのレッドウルフも、今のレッドウルフも倒したの?」
エディさんの腕から力が抜けたところで、するりと抜け出す。
「はい。もちろんです。指導役ですよ?新人冒険者がいざという時に助けられるようについてきているんですから」
何を今さら?と首を傾げる。
「えーっと、シャリアさんは鈍色冒険者でしたよね?」
なぜかエディさんも首を傾げる。
ん?あれ?この首の傾げ方、誰かに似てる。
いや、首なんて誰でも同じようにかしげるはずなのに、何言ってるんだろう?
「はい。この依頼が終われば、銅色に昇級予定です!登録してから3年絶ってますし、エディさんよりだいぶ先輩ですよ?」
エディさんがあーっと天を仰いだ。
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