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「レッドウルフを倒せるだけの力があっても、3年も鈍色なのか……冒険者を軽視しているつもりはなかったが自分なら簡単に上に行けると無自覚におごっていたんだろう……」
それからしゅんっと頭を垂れた。
それからプルプルと小刻みに頭を左右に揺らす。
「飛び級なんて言っていた自分がこれほど恥ずかしいことはない……」
柔らかそうな薄筋色の髪が揺れるのを見て、思わず頭を撫でていた。
「へ?」
エディさんが驚いて顔を上げる。
「あっ、ご、ごめんなさいっ!つい、その……」
まずい、まずい、まずい。
「エディさんがつい、かわいいと思ってしまって」
「か、かわいい?」
エディさんがさらに驚いた顔をしている。
「それは、面倒を見なければいけない後輩冒険者としてかわいがってくれるということですか?」
「え?いや、違うんです、揺れる髪の毛を見て、息子のことを思い出して」
眠いときに頭を振ったりするんだよね。あとは今だとイヤイヤって頭を振ることも多いかな。イヤイヤっていう時期だからねぇってアイシャさんは笑っているけれど。あれもこれもそれもイヤなんて我儘になっちゃったのかなってちょっと心配したっけ……。
エディさんが真顔になった。
「うわぁぁぁ、ごめんなさいぃ、後輩冒険者はかわいいと思えないって意味じゃなくて、あの、子供扱いとかするとかでなくて、本当に、あの、息子と同じ髪色しているんで、思い出しちゃったと言うか」
ぱたぱたと手を振って言い訳をする。
真顔だったエディさんがぷはっと笑った。
「頭を撫でられたのは、一体何年ぶりだろう。ははは、僕が子供扱い……あははは」
「す、スイマセン……」
「いや、全然不快じゃないから大丈夫。……というか」
エディさんが声を上げて笑うのをやめて、はにかんだように笑った。
「むしろ、いいね。癖になりそうだ」
「あ、分かります。私も……頭を撫でられるの好きです」
えへへと笑ってエディさんい同意する。
貴族って親に頭を撫でてもらうことも少ないし、周りにいる人が撫でてくれることなんてまるっきりないもんね。貴族のご令嬢に失礼があってはいけないって。
だから、師匠がときどき頭を撫でてくれるのがとても気持ちいい。それから最近ではエディもママいい子いい子って、撫でてくれるんだよね。ふふふっ。
「あの男か?」
「え?」
「ギルド長……が頭を撫でてくれるのか?」
うん?
「え?ギルド長は冒険者の頭を撫でたりしないですよ?撫でて欲しかったら頼んでおきましょうか?ランクが上がった時によくやったと撫でてやってくださいって」
エディさんが嫌な顔をした。
「いや、遠慮しておくよ」
「そうですか?」
会話しながらも、エディさんはレッドウルフをひょいひょいと倒して次の階層へと進む。
「アイシャさんは冒険者の頭を撫であげているの?」
「あ、いえ、さっきのは本当に、なんだかその、息子のことを思い出して……勝手に体が動いてしまっただけで……その、エディさんの髪の色が息子とそっくりで」
エディさんが後ろで縛っている髪を前に持ってきて眺めた。
「ふぅん、じゃあ、また息子さんのこと思い出して撫でてもらえるのかな?」
「え?」
「あ……いや、何を言っているんだろう、すいません、いえ、あの……あはは、は……」
何?今の……。
それからしゅんっと頭を垂れた。
それからプルプルと小刻みに頭を左右に揺らす。
「飛び級なんて言っていた自分がこれほど恥ずかしいことはない……」
柔らかそうな薄筋色の髪が揺れるのを見て、思わず頭を撫でていた。
「へ?」
エディさんが驚いて顔を上げる。
「あっ、ご、ごめんなさいっ!つい、その……」
まずい、まずい、まずい。
「エディさんがつい、かわいいと思ってしまって」
「か、かわいい?」
エディさんがさらに驚いた顔をしている。
「それは、面倒を見なければいけない後輩冒険者としてかわいがってくれるということですか?」
「え?いや、違うんです、揺れる髪の毛を見て、息子のことを思い出して」
眠いときに頭を振ったりするんだよね。あとは今だとイヤイヤって頭を振ることも多いかな。イヤイヤっていう時期だからねぇってアイシャさんは笑っているけれど。あれもこれもそれもイヤなんて我儘になっちゃったのかなってちょっと心配したっけ……。
エディさんが真顔になった。
「うわぁぁぁ、ごめんなさいぃ、後輩冒険者はかわいいと思えないって意味じゃなくて、あの、子供扱いとかするとかでなくて、本当に、あの、息子と同じ髪色しているんで、思い出しちゃったと言うか」
ぱたぱたと手を振って言い訳をする。
真顔だったエディさんがぷはっと笑った。
「頭を撫でられたのは、一体何年ぶりだろう。ははは、僕が子供扱い……あははは」
「す、スイマセン……」
「いや、全然不快じゃないから大丈夫。……というか」
エディさんが声を上げて笑うのをやめて、はにかんだように笑った。
「むしろ、いいね。癖になりそうだ」
「あ、分かります。私も……頭を撫でられるの好きです」
えへへと笑ってエディさんい同意する。
貴族って親に頭を撫でてもらうことも少ないし、周りにいる人が撫でてくれることなんてまるっきりないもんね。貴族のご令嬢に失礼があってはいけないって。
だから、師匠がときどき頭を撫でてくれるのがとても気持ちいい。それから最近ではエディもママいい子いい子って、撫でてくれるんだよね。ふふふっ。
「あの男か?」
「え?」
「ギルド長……が頭を撫でてくれるのか?」
うん?
「え?ギルド長は冒険者の頭を撫でたりしないですよ?撫でて欲しかったら頼んでおきましょうか?ランクが上がった時によくやったと撫でてやってくださいって」
エディさんが嫌な顔をした。
「いや、遠慮しておくよ」
「そうですか?」
会話しながらも、エディさんはレッドウルフをひょいひょいと倒して次の階層へと進む。
「アイシャさんは冒険者の頭を撫であげているの?」
「あ、いえ、さっきのは本当に、なんだかその、息子のことを思い出して……勝手に体が動いてしまっただけで……その、エディさんの髪の色が息子とそっくりで」
エディさんが後ろで縛っている髪を前に持ってきて眺めた。
「ふぅん、じゃあ、また息子さんのこと思い出して撫でてもらえるのかな?」
「え?」
「あ……いや、何を言っているんだろう、すいません、いえ、あの……あはは、は……」
何?今の……。
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