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第六話
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「それで?これからどうするんだ?その軟膏とやらを作るにはどんな材料を集めればいいんだ?」
カフェを追い出されたあと、私たちはとりあえず近くにあった公園のベンチに座って会話の続きをしていた。
今回はファンタジー物によくありがちなクエスト回、お使い回だ。
というか、今気づいたけど別に自分の手で作らずに、普通に然るべきお店とかで買えばいいんじゃねえか?
・・・・・・いや、そんなこと言い出したら話のネタがなくなるからよそう。今回の話が200文字ぐらいで終わりになっちゃう。
やっぱ弟の肛門に塗るもんは自分の手で作りたいんだよ、うん。そういうことにしておこう。
「そうですね・・・・・・この『弟の肛門に軟膏を塗りつけたい兄のための簡単薬学』によると・・・・・・」
「なんだその本」
「ミトコウモーンという薬草が必要らしいです」
「その人のコウモンはそっちのコウモンじゃねえだろ。怒られるぞ?・・・・・・まあそれなら私がちょうど持ってるよ」
「おっ、マジですか。それなら一つ目の材料クリアですね。あと6個です」
あと6個もあんのか。めんどくせえなあ。
「じゃあちゃっちゃとテンポよくいこう。次はなんだ?」
「ええーっと・・・・・・・この本によると・・・・・・・」
ミドリはパラパラとストライクゾーン狭すぎな薬学の本をめくっていく。大丈夫か?お前それそんなんで頭入ってるか?
「ええーっと・・・・・・30歳以下の童貞男性の精液・・・・・・だそうです」
「は?」
・・・・・・・・
・・・・・・いや何それ?何その材料?は?今回ちょっと下品すぎねえ?
「いや雑なエロ漫画か!それはエロ漫画ワールドの薬の材料なんだよ!え?は?いやそれほんとに書いてあんのか?お前がテキトーに言ってるだけじゃなくて?」
「ほんとですよ?ほら」
「ほんとだ書いてある・・・・・・・いやなんで書いてあんだよ!おかしいだろ!頭おかしいのかその本書いた奴!」
「でもちゃんと本に書いてありますからね~」
「いやそれ裏表紙に『この本はジョークブックです』とか書いてあったりしねえか?あの絶対ジョークじゃねえだろ、何雑な言い訳してんだってヤツ」
「いや書いてないですね~。これけっこう薬学の権威の方が書いてるみたいです。キヨカさんっていう人で」
「ああー・・・・・・なるほど」
そっか、あの人ならそういう本も書いてそうだな・・・・・・・。
あの人なら材料が精液のエロ漫画みたいな薬の作り方も書いてそうではある。
あの人はプロの薬師なので、これもガチで薬を作る上での材料ということになる。
うわー・・・・・・・あ、ちなみにこのあの人というのは伏線です。ラノベあるある、あの人とか意味ありげな感じで伏線を張っておくヤツ。上に傍点とかつけて強調することもあるヤツだ。
「いやでもええー・・・・・・何?エロ漫画でもないのにマジで私これから童貞の精液とってこなきゃいけないの?」
「そういうことになりますね~」
「・・・・・・なりますね~じゃねえよ。なりますね~じゃねえよ!じゃあもうお前の精液搾り取ってやるからち○こ出せよち○こをよお!!てめえち○こデカそうだな!!」
「うわあ蛮族。ギャグ寄りエロゲーワールドの痴女。・・・・・・・残念ながら、私にはもう妻がいます」
「なんでてめえみてぇなノンデリ野郎がもう結婚してんだよ!顔から転べ!!死ねぇ!!」
「あははははははは!」
「大笑いすんなよ!」
はあ・・・・・・・もう仕方ない。
私ははあ・・・・・・とため息をつくと、ざっと勢いよく立ち上がると早足でどこかしらへと向かって行き────10分後、瓶入りの謎の白い液体を持ってきた。
「ほらよ」
「おお、持ってきましたね。謎の白い液体」
「普通に精液だけどな。今さらぼやかしても意味ねえ。・・・・・・・まあとりあえずちょっとそこに良さそうな童貞がいたから搾り取ってきたわ」
「流石ですね~。じゃあ次の素材行きましょうか」
「あっさり行くなあ」
何フランクに精液受け取ってんだ。ていうか私も何フランクに精液投げ渡してんだ。
◇
「さて、次の素材は屋外で採取するのもアレなんで、私ことミドリ・スミヤーマの家にやってきました~」
「テレビリポーターのノリやめろ。・・・・・・いや童貞の精液も屋外で採取するもんじゃねえけどな?」
ミドリが説明してくれたように、私たちはあの公園からミドリの家へと移動していた。
ミドリの家はこじんまりとした二階建ての煉瓦造りの家で、今日も弟のアオは例によってあの喫茶でバイトをしているからいなくて、ついさっきいることが発覚したコイツの奥さんとやらも今友達とショッピングに出掛けてるらしいからいないらしい。
まさか奥さんも自分がいない間に主人が女連れ込んで、弟の肛門に塗る軟膏を作っているとは夢にも思うまい。・・・・・・いやほんとに思うまい。
とりあえず、私はミドリんちの応接間に通されていた。本来はここで紅茶とかお茶菓子とか出されるんだろうけど、さっきもう散々食べたり飲んだりしたので今回は辞退した。
「で?三つ目の素材とやらはなんなんだ?」
「はい三つ目の素材はですね・・・・・・・えーっと・・・・・・『ゼリー浣腸したあとそれを我慢したまま買い物してきて、それから排泄したゼリー』・・・・・・・ですね」
・・・・・・・おい。
「いやちょっとマニアックなAVかよ!!・・・・・・いや何それ!?なんだそれ今回ほんとに下品すぎるだろ!!」
「そうですね~。下ネタ言いたい時期なんですかね~」
「中学生男子か!!ていうか一回買い物挟む必要あんのかよ!!普通にゼリー浣腸したあと出したゼリーで良いだろ!・・・・・・というかもうゼリーでいいだろ!!」
「いやー、ここにそう書いてありますから、仕方ないんじゃないですかね~。なんか一旦体内に入れることで体内の魔力が染み込むみたいな、なんかそういう設定でいいんじゃないですか?」
「雑だなあおい!・・・・・・え?ていうことは・・・・・・」
「ここにゼリー浣腸を用意してありますので、僭越ながら入れさせていただきますよ~」
と、どこからか取り出してきたピンク色のゼリーのたっぷり入ったバカでかい浣腸器を持ちながら、にこやかに言い放った。
・・・・・・おい。
「おいおいおいおい!待て待て待てえええええええええ!!何やろうとしてんだおい!おおおおおおおおい!!」
「はいはい大丈夫ですからね~。大丈夫ですからこっちに向かってお尻を突き出すような格好になってくださいね~」
「全然大丈夫じゃないんだが!?全然大丈夫じゃないんだがー!?」
ぐ・・・・・・・ここはぜひとも拒否したいところなんだが、やらない限りは軟膏作れないし、話も進まなそうだな・・・・・・。
仕方ないほんとーに仕方ない。仕方ないここは・・・・・・・!
「おい!ほんとーに大丈夫なんだろうな!」
「大丈夫ですよ~、ちゃんと潤滑ポーションも塗っておきますから。・・・・・・おっ、意外とするする入っていきますね~、こういうの慣れてるんですか?」
「そんなこと聞くなよノンデリ野郎が!まあ慣れてるけど!慣れてるけども!女子にそういうこと言うんじゃねえよ!!」
「フルカさん女子って年じゃないじゃないですか~」
「ぶっ飛ばすぞ!?・・・・・・・ちょちょちょちょちょ、お前、もうちょっとゆっくり、もうちょいゆっくりとだな・・・・・・!」
「えい」
「アッ」
一方その頃。ルーリ・サンジョウはというと・・・・・・・
「ルリルリ☆ミラクルパーーーーーーンチ!!!」
「ぐああああああああああああ!!!!!」
また客を吹き飛ばしていた。
◇
「やー、ようやく全部の素材が集まりましたね~」
「はあはあ・・・・・・・!長かった・・・・・・!」
あのあと結局、ゼリーを我慢しながら買い物に行かされた。
いつも行くクレープの屋台に行って、漏らしそうになりながらもクレープを買ったあと排泄したゼリーをゲットした。
だけどそのあとも結局色々と羞恥プレイをやらされることになってな・・・・・・。苦労したぞ・・・・・・。
裸で街中を走り回らされたりもしたな・・・・・・あれは正直言って興奮・・・・・・ああいや、きつかったな・・・・・・。途中でぐるぐる目になっちゃってたもんな・・・・・・。
関係ないけど、女の子が羞恥でぐるぐる目になってるのってなんかいいよね。普通に股間に来るものがあるよ。
・・・・・・ていうか、さては今回これクエスト回じゃねえな?羞恥プレイ回だな?
まあでもこれでようやく集まった。ようやく、ようやく集まった・・・・・・!
「で、この軟膏の材料をもとに作った軟膏がこちらになります」
「出来んの早いな!え!?もう出来たのか!?」
「ええ、さっき通りがかりに知り合いの腕のいい薬師に頼んだらご都合主義的に一瞬で作ってくれましたよ」
「そうか。じゃあこれをお前の弟に渡せばミッションクリアということだな?」
「そういうことになりますね」
と、そんなことを話していると、
「ただいまー」
ちょうどタイミングよく弟のアオくんが帰ってきたみたいだ。ちょうどいいな。ご都合主義的タイミングだ。
私たちはなんやかんやあって今は応接間ではなくリビングにいた。
帰ってきてからアオくんはまずリビングの方へやって来たので、ちょうどよく鉢合わせることになった。
「おかえり、アオ」
「ただいま兄さん。・・・・・・ええーっと、そちらの方は?」
「こちら冒険者で例のルリくんのパーティ仲間のフルカ・スカイブルーさんだ」
「どうも~、いつもうちのルリがお世話になってます~」
「あっ、これはどうもご丁寧に、こちらこそいつもお世話になってます・・・・・!」
まあいつもって言ってもまだ二回目なんだけどね。
アオくんはミドリに似てるけど、もう少し幼さがあってかわいい寄りだ。
「実は今日な、こちらのフルカさんに手伝ってもらいながら手作りしたプレゼントがあるんだよ」
ものは言いようとはまさにこのことだな・・・・・・・いやていうかお前全然手作りしてねえだろ!弟へのプレゼントだから心を込めて手作りしたいんかと思ったら結局一から十まで人任せだったじゃねえか!
ミドリのこの偽りに満ちたセリフを聞いたアオはぱあっと顔を輝かせて言った。
「えっプレゼント!?ほんとに!?」
あ゛ー、かわいい。この笑顔を見ただけで今日頑張ってきたことの全てが報われる気がするよ。
癒されるね。癒されるし・・・・・・なんかムラムラしてきた。
「はあい、これがプレゼントだよー」
「わあいプレゼントだ!・・・・・・プレゼントは嬉しいけど、これなーに?」
「肛門によく聞く軟膏だよー。ほら、アオ最近頑張ってるだろう?だから肛門がヤバくて最近元気がないんじゃないかと思ってね」
「・・・・・・・?」
言ってる意味がよくわからなかったのか、アオくんは最初首を傾げて疑問符を浮かべていたけど、やがて意味がわかったのかハッとしてそれから顔を真っ赤にした。
「いっ、いや違うから!違うから兄さん!!そういうことじゃないから!!そんなことやってないから!!そういうお店じゃないからねあのお店は!!」
「そうなのー?じゃあなんで元気がなかったんだい?」
「そ、それは・・・・・・・」
アオくんは顔を赤らめながら、どうしようかと言い逃れようかと考えているみたいだったけど、やがて観念したように嘆息して、肩にかけていたバッグの中から何か包みのようなものを取り出してミドリへ渡した。
「はいこれ」
「これは・・・・・・」
「僕も兄さんへプレゼント。兄さん今日誕生日でしょ?だから僕も兄さんへのプレゼントを何にするかを悩んでたんだよ」
「そっか・・・・・・なるほど、それで元気がないように見えたのか」
「ほんとはもっとあと、義姉さんが帰ってきてパーティーの準備が終わってからサプライズ的に渡すつもりだったんだけど・・・・・・」
なるほど、そういうことだったのか。ミドリの奥さんとやらが友達と出掛けてるっていうのも嘘で、本当はコイツの誕生パーティーに必要なものとかプレゼントとかを買い揃えるために出かけてたんだな・・・・・・・。
・・・・・・いやというか、わかってたことだけど結局コイツの予想はかんっぜんに的外れだったんじゃねえか・・・・・・・。
まあいいや。最後にこのアオくんの笑顔が見れたってことで、今回のことは徒労ではなかったんだと思おう。うん、思い込もう・・・・・・。
こうしてこの一件は綺麗に(?)終わって、私はあとから呼ばれて来たルリとともに、誕生パーティーに列席することになった。
そして美味しいものもたらふく食べれて、色々と楽しく過ごせたんだから、まあ・・・・・・・結果オーライ、なのかな?
◇
月も姿を見せないような、暗闇に閉ざされて猫の子一匹見当たらない夜の街で、フードを目深に被っていかにもな怪しい風貌をした二人の人物が、人目を気にしながら話し合っていた。
「どうだ?」
「ああ、首尾は順調だ。あいつらも乗り気だし、それにどうやら『勇者』は我々の動きに何も気が付いていないみたいだぞ」
「そうか、そうか。ふふふ・・・・・・なるほど。それはいざ事が起きた時の反応が見ものだな」
「ああ、そうだな。果たして『勇者』の実力はどんなものなのか・・・・・・試させてもらうとしようか」
どうやら何かが起ころうとしているようだった。
※この二人のキャラと口調は開発中のものです。実際のものとは異なる場合があります。
カフェを追い出されたあと、私たちはとりあえず近くにあった公園のベンチに座って会話の続きをしていた。
今回はファンタジー物によくありがちなクエスト回、お使い回だ。
というか、今気づいたけど別に自分の手で作らずに、普通に然るべきお店とかで買えばいいんじゃねえか?
・・・・・・いや、そんなこと言い出したら話のネタがなくなるからよそう。今回の話が200文字ぐらいで終わりになっちゃう。
やっぱ弟の肛門に塗るもんは自分の手で作りたいんだよ、うん。そういうことにしておこう。
「そうですね・・・・・・この『弟の肛門に軟膏を塗りつけたい兄のための簡単薬学』によると・・・・・・」
「なんだその本」
「ミトコウモーンという薬草が必要らしいです」
「その人のコウモンはそっちのコウモンじゃねえだろ。怒られるぞ?・・・・・・まあそれなら私がちょうど持ってるよ」
「おっ、マジですか。それなら一つ目の材料クリアですね。あと6個です」
あと6個もあんのか。めんどくせえなあ。
「じゃあちゃっちゃとテンポよくいこう。次はなんだ?」
「ええーっと・・・・・・・この本によると・・・・・・・」
ミドリはパラパラとストライクゾーン狭すぎな薬学の本をめくっていく。大丈夫か?お前それそんなんで頭入ってるか?
「ええーっと・・・・・・30歳以下の童貞男性の精液・・・・・・だそうです」
「は?」
・・・・・・・・
・・・・・・いや何それ?何その材料?は?今回ちょっと下品すぎねえ?
「いや雑なエロ漫画か!それはエロ漫画ワールドの薬の材料なんだよ!え?は?いやそれほんとに書いてあんのか?お前がテキトーに言ってるだけじゃなくて?」
「ほんとですよ?ほら」
「ほんとだ書いてある・・・・・・・いやなんで書いてあんだよ!おかしいだろ!頭おかしいのかその本書いた奴!」
「でもちゃんと本に書いてありますからね~」
「いやそれ裏表紙に『この本はジョークブックです』とか書いてあったりしねえか?あの絶対ジョークじゃねえだろ、何雑な言い訳してんだってヤツ」
「いや書いてないですね~。これけっこう薬学の権威の方が書いてるみたいです。キヨカさんっていう人で」
「ああー・・・・・・なるほど」
そっか、あの人ならそういう本も書いてそうだな・・・・・・・。
あの人なら材料が精液のエロ漫画みたいな薬の作り方も書いてそうではある。
あの人はプロの薬師なので、これもガチで薬を作る上での材料ということになる。
うわー・・・・・・・あ、ちなみにこのあの人というのは伏線です。ラノベあるある、あの人とか意味ありげな感じで伏線を張っておくヤツ。上に傍点とかつけて強調することもあるヤツだ。
「いやでもええー・・・・・・何?エロ漫画でもないのにマジで私これから童貞の精液とってこなきゃいけないの?」
「そういうことになりますね~」
「・・・・・・なりますね~じゃねえよ。なりますね~じゃねえよ!じゃあもうお前の精液搾り取ってやるからち○こ出せよち○こをよお!!てめえち○こデカそうだな!!」
「うわあ蛮族。ギャグ寄りエロゲーワールドの痴女。・・・・・・・残念ながら、私にはもう妻がいます」
「なんでてめえみてぇなノンデリ野郎がもう結婚してんだよ!顔から転べ!!死ねぇ!!」
「あははははははは!」
「大笑いすんなよ!」
はあ・・・・・・・もう仕方ない。
私ははあ・・・・・・とため息をつくと、ざっと勢いよく立ち上がると早足でどこかしらへと向かって行き────10分後、瓶入りの謎の白い液体を持ってきた。
「ほらよ」
「おお、持ってきましたね。謎の白い液体」
「普通に精液だけどな。今さらぼやかしても意味ねえ。・・・・・・・まあとりあえずちょっとそこに良さそうな童貞がいたから搾り取ってきたわ」
「流石ですね~。じゃあ次の素材行きましょうか」
「あっさり行くなあ」
何フランクに精液受け取ってんだ。ていうか私も何フランクに精液投げ渡してんだ。
◇
「さて、次の素材は屋外で採取するのもアレなんで、私ことミドリ・スミヤーマの家にやってきました~」
「テレビリポーターのノリやめろ。・・・・・・いや童貞の精液も屋外で採取するもんじゃねえけどな?」
ミドリが説明してくれたように、私たちはあの公園からミドリの家へと移動していた。
ミドリの家はこじんまりとした二階建ての煉瓦造りの家で、今日も弟のアオは例によってあの喫茶でバイトをしているからいなくて、ついさっきいることが発覚したコイツの奥さんとやらも今友達とショッピングに出掛けてるらしいからいないらしい。
まさか奥さんも自分がいない間に主人が女連れ込んで、弟の肛門に塗る軟膏を作っているとは夢にも思うまい。・・・・・・いやほんとに思うまい。
とりあえず、私はミドリんちの応接間に通されていた。本来はここで紅茶とかお茶菓子とか出されるんだろうけど、さっきもう散々食べたり飲んだりしたので今回は辞退した。
「で?三つ目の素材とやらはなんなんだ?」
「はい三つ目の素材はですね・・・・・・・えーっと・・・・・・『ゼリー浣腸したあとそれを我慢したまま買い物してきて、それから排泄したゼリー』・・・・・・・ですね」
・・・・・・・おい。
「いやちょっとマニアックなAVかよ!!・・・・・・いや何それ!?なんだそれ今回ほんとに下品すぎるだろ!!」
「そうですね~。下ネタ言いたい時期なんですかね~」
「中学生男子か!!ていうか一回買い物挟む必要あんのかよ!!普通にゼリー浣腸したあと出したゼリーで良いだろ!・・・・・・というかもうゼリーでいいだろ!!」
「いやー、ここにそう書いてありますから、仕方ないんじゃないですかね~。なんか一旦体内に入れることで体内の魔力が染み込むみたいな、なんかそういう設定でいいんじゃないですか?」
「雑だなあおい!・・・・・・え?ていうことは・・・・・・」
「ここにゼリー浣腸を用意してありますので、僭越ながら入れさせていただきますよ~」
と、どこからか取り出してきたピンク色のゼリーのたっぷり入ったバカでかい浣腸器を持ちながら、にこやかに言い放った。
・・・・・・おい。
「おいおいおいおい!待て待て待てえええええええええ!!何やろうとしてんだおい!おおおおおおおおい!!」
「はいはい大丈夫ですからね~。大丈夫ですからこっちに向かってお尻を突き出すような格好になってくださいね~」
「全然大丈夫じゃないんだが!?全然大丈夫じゃないんだがー!?」
ぐ・・・・・・・ここはぜひとも拒否したいところなんだが、やらない限りは軟膏作れないし、話も進まなそうだな・・・・・・。
仕方ないほんとーに仕方ない。仕方ないここは・・・・・・・!
「おい!ほんとーに大丈夫なんだろうな!」
「大丈夫ですよ~、ちゃんと潤滑ポーションも塗っておきますから。・・・・・・おっ、意外とするする入っていきますね~、こういうの慣れてるんですか?」
「そんなこと聞くなよノンデリ野郎が!まあ慣れてるけど!慣れてるけども!女子にそういうこと言うんじゃねえよ!!」
「フルカさん女子って年じゃないじゃないですか~」
「ぶっ飛ばすぞ!?・・・・・・・ちょちょちょちょちょ、お前、もうちょっとゆっくり、もうちょいゆっくりとだな・・・・・・!」
「えい」
「アッ」
一方その頃。ルーリ・サンジョウはというと・・・・・・・
「ルリルリ☆ミラクルパーーーーーーンチ!!!」
「ぐああああああああああああ!!!!!」
また客を吹き飛ばしていた。
◇
「やー、ようやく全部の素材が集まりましたね~」
「はあはあ・・・・・・・!長かった・・・・・・!」
あのあと結局、ゼリーを我慢しながら買い物に行かされた。
いつも行くクレープの屋台に行って、漏らしそうになりながらもクレープを買ったあと排泄したゼリーをゲットした。
だけどそのあとも結局色々と羞恥プレイをやらされることになってな・・・・・・。苦労したぞ・・・・・・。
裸で街中を走り回らされたりもしたな・・・・・・あれは正直言って興奮・・・・・・ああいや、きつかったな・・・・・・。途中でぐるぐる目になっちゃってたもんな・・・・・・。
関係ないけど、女の子が羞恥でぐるぐる目になってるのってなんかいいよね。普通に股間に来るものがあるよ。
・・・・・・ていうか、さては今回これクエスト回じゃねえな?羞恥プレイ回だな?
まあでもこれでようやく集まった。ようやく、ようやく集まった・・・・・・!
「で、この軟膏の材料をもとに作った軟膏がこちらになります」
「出来んの早いな!え!?もう出来たのか!?」
「ええ、さっき通りがかりに知り合いの腕のいい薬師に頼んだらご都合主義的に一瞬で作ってくれましたよ」
「そうか。じゃあこれをお前の弟に渡せばミッションクリアということだな?」
「そういうことになりますね」
と、そんなことを話していると、
「ただいまー」
ちょうどタイミングよく弟のアオくんが帰ってきたみたいだ。ちょうどいいな。ご都合主義的タイミングだ。
私たちはなんやかんやあって今は応接間ではなくリビングにいた。
帰ってきてからアオくんはまずリビングの方へやって来たので、ちょうどよく鉢合わせることになった。
「おかえり、アオ」
「ただいま兄さん。・・・・・・ええーっと、そちらの方は?」
「こちら冒険者で例のルリくんのパーティ仲間のフルカ・スカイブルーさんだ」
「どうも~、いつもうちのルリがお世話になってます~」
「あっ、これはどうもご丁寧に、こちらこそいつもお世話になってます・・・・・!」
まあいつもって言ってもまだ二回目なんだけどね。
アオくんはミドリに似てるけど、もう少し幼さがあってかわいい寄りだ。
「実は今日な、こちらのフルカさんに手伝ってもらいながら手作りしたプレゼントがあるんだよ」
ものは言いようとはまさにこのことだな・・・・・・・いやていうかお前全然手作りしてねえだろ!弟へのプレゼントだから心を込めて手作りしたいんかと思ったら結局一から十まで人任せだったじゃねえか!
ミドリのこの偽りに満ちたセリフを聞いたアオはぱあっと顔を輝かせて言った。
「えっプレゼント!?ほんとに!?」
あ゛ー、かわいい。この笑顔を見ただけで今日頑張ってきたことの全てが報われる気がするよ。
癒されるね。癒されるし・・・・・・なんかムラムラしてきた。
「はあい、これがプレゼントだよー」
「わあいプレゼントだ!・・・・・・プレゼントは嬉しいけど、これなーに?」
「肛門によく聞く軟膏だよー。ほら、アオ最近頑張ってるだろう?だから肛門がヤバくて最近元気がないんじゃないかと思ってね」
「・・・・・・・?」
言ってる意味がよくわからなかったのか、アオくんは最初首を傾げて疑問符を浮かべていたけど、やがて意味がわかったのかハッとしてそれから顔を真っ赤にした。
「いっ、いや違うから!違うから兄さん!!そういうことじゃないから!!そんなことやってないから!!そういうお店じゃないからねあのお店は!!」
「そうなのー?じゃあなんで元気がなかったんだい?」
「そ、それは・・・・・・・」
アオくんは顔を赤らめながら、どうしようかと言い逃れようかと考えているみたいだったけど、やがて観念したように嘆息して、肩にかけていたバッグの中から何か包みのようなものを取り出してミドリへ渡した。
「はいこれ」
「これは・・・・・・」
「僕も兄さんへプレゼント。兄さん今日誕生日でしょ?だから僕も兄さんへのプレゼントを何にするかを悩んでたんだよ」
「そっか・・・・・・なるほど、それで元気がないように見えたのか」
「ほんとはもっとあと、義姉さんが帰ってきてパーティーの準備が終わってからサプライズ的に渡すつもりだったんだけど・・・・・・」
なるほど、そういうことだったのか。ミドリの奥さんとやらが友達と出掛けてるっていうのも嘘で、本当はコイツの誕生パーティーに必要なものとかプレゼントとかを買い揃えるために出かけてたんだな・・・・・・・。
・・・・・・いやというか、わかってたことだけど結局コイツの予想はかんっぜんに的外れだったんじゃねえか・・・・・・・。
まあいいや。最後にこのアオくんの笑顔が見れたってことで、今回のことは徒労ではなかったんだと思おう。うん、思い込もう・・・・・・。
こうしてこの一件は綺麗に(?)終わって、私はあとから呼ばれて来たルリとともに、誕生パーティーに列席することになった。
そして美味しいものもたらふく食べれて、色々と楽しく過ごせたんだから、まあ・・・・・・・結果オーライ、なのかな?
◇
月も姿を見せないような、暗闇に閉ざされて猫の子一匹見当たらない夜の街で、フードを目深に被っていかにもな怪しい風貌をした二人の人物が、人目を気にしながら話し合っていた。
「どうだ?」
「ああ、首尾は順調だ。あいつらも乗り気だし、それにどうやら『勇者』は我々の動きに何も気が付いていないみたいだぞ」
「そうか、そうか。ふふふ・・・・・・なるほど。それはいざ事が起きた時の反応が見ものだな」
「ああ、そうだな。果たして『勇者』の実力はどんなものなのか・・・・・・試させてもらうとしようか」
どうやら何かが起ころうとしているようだった。
※この二人のキャラと口調は開発中のものです。実際のものとは異なる場合があります。
応援ありがとうございます!
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