140 / 159
98 言うとおりにする
◆言うとおりにする
奥多摩渓谷の、小さな滝のある場所で、巴は小皿に墨を出して、紙に指や筆を使って絵を描いていく。
「景色を隅々まで記憶して、あとでゆっくり描くのもいいのだが。その場で写生すると、そのときの気持ちが紙に乗ることがある。その瞬間しか描けないものが、描けたりするんだ」
そう言って、真剣な表情で景色をみつめる巴は、とても機嫌が良さそうだった。
作品に集中し出した巴を見て、幸直はそっと、その場を離れる。
巴が見える位置だけど、少し離れた場所に、馬をつないでいて。幸直はそこに戻った。
旅館で、お昼用におにぎりを包んでもらっていた。まだ昼には早いけど、ちょっと小腹が空いたから、ひとつおにぎりを食べようと思ったのだ。
そうしたら、どこからか、うぅとうなる声がして。
一瞬、野生動物かと思い、身構えて剣を抜いた。
しかし、それにしては、高めの声だったので。幸直は様子を見に行く。
すると、ほど近い場所で、女性がうずくまっていたのだ。川に出るまで、幸直たちも、それなりの林を抜けてきたので。
こんな山奥に、女性がひとりでなにをしているのかとは、思ったのだ。
でも、もしかしたら野生動物を捕獲する罠にでもはまったのかと考え。幸直は剣をおさめて、とりあえず女性の元に向かった。
「大丈夫ですか? どうしました? こんなところに、ひとりで…」
「えぇ、山菜を採りに来たのですが、足を怪我して」
女性は、町娘風ながら、地味な色めの、歩きやすい短めの着物に。ズボンと、裾を絞って入れ込んだ長靴の。旅装であった。
「足?」
こんな真冬の、雪深い山に、ひとりで山菜取り? と思いつつ。幸直は女性のかたわらに膝をついて、様子を見る。
そのとき、その女性が素早い動作で、幸直の左腿に短剣を突き刺した。
「ぐぁっ…」
すかさず、痛みにうめく幸直に縄をかけ、両手首を後ろ手に縛ってしまった。
幸直は、なにが起こったのか、理解できなかったが。顔を上げた女を見て、息をのむ。
「そう、山菜を採りに来たんだけど、もっと良い獲物をみつけちゃったのよ」
なにやら楽しげな笑みを浮かべるのは、自分の軍の大将…。
「金蓮様? なにを…? どうしてこんなところに」
「はぁ? 金蓮じゃないわよ。あんなやつと間違えないでっ」
濃茶の長い髪に、赤茶の大翼、顔も金蓮そっくりだというのに。目の前の人物は、確かに女性で。幸直の知る、厳しい顔つきの従兄弟とは、別人だった。
幸直は。金蓮が女性であることを、このときはまだ知らなかった。
短剣を腿に刺したまま、幸直は、この女の目的がなにかを考えた。
すると木の陰から、マントを羽織る抜刀した男がふたり、現れた。
刀…黒髪などから見て、手裏だ。
「姫様、この男はいったい…」
男たちはどうやら、この女の思惑を知らないようだ。
「これはエサよ。あんたたち、こいつ持って、ついてきて」
幸直はなんとか抵抗したかったが、後ろ手に縛られ、翼も開けないし。短剣の刺さったままの腿も、じくじくと痛んで。どうにもならなかった。
幸直は男に引っ張られて、金蓮にそっくりの女について行った。
女はなにやらブツブツ言っている。
「やったわ、私にも運が向いてきた。これで、あの男に一矢報いれる。私の目の前で、泣いて謝るがいいわ」
その女の様子は、なんとなく、堺を執拗に貶める金蓮と似通っていた。
顔がそっくりだから、どうしても彼を連想してしまうが。
堺を人間扱いしない狂気を、幸直は、この女にも感じたのだ。
雪を踏みしめ、林を抜け。女は、雪を払った大岩の上に座り込み、一心に絵を描く巴に声をかけた。
「みつけたわぁ、手裏基成。まさか、将堂軍に入っていたなんてね?」
振り返った巴は、女ひとりと男ふたりの集団に、幸直が捕まっているのを見て。驚愕に目を見開いた。
大岩から降りて、幸直に駆け寄ろうとする。
「それ以上、近づかないで」
だが小石の敷かれた川の縁を小走りする巴に、女は、幸直の首元に短剣を突きつけて見せた。
それで、巴は動けなくなる。
「姫様、この男が手裏基成、とは?」
女を手助けしている男も、巴が基成だということは知らないようで。女を怪訝そうに見やっている。
どうやら、計画的犯行ではなさそうだ。
「そうよ、今、基成を名乗って、でかい顔をしているのは、安曇眞仲なの。龍鬼の力で、成り代わっているのよ。そして、この男が本物の基成なのよ。あんた、マントを脱いで、翼を見せなさい」
女は幸直の顔の近くに刃先を向ける。それに、巴は強く反応した。
「幸直の顔に傷をつけたら、許さないっ。言うことも聞かないっ」
普段、のほほんとしているくせに。己の顔には、並々ならぬ執着を感じる。
巴、己の顔、好きだよな。
「わかったから、早く脱いでっ」
この女は、短気なようだ。
短剣を持つ手に、ためらいを感じないので。刃を持ち慣れてはいるのだろう。
縄で縛る手際も、鮮やかだった。
それなりに、場数を踏んでいそうだ。
でも、精神的に幼い。感情で動く感じ。
巴は仕方なく、女の要求通りにマントを脱いだ。そこには、折れて、羽が抜かれた、痛々しい黒い翼がある。
今では、幸直も。巴が基成とばれないように、大きな羽を抜かなければならないことを知っている。
男に襲われそうになった、精神的な心の傷のせいで、羽を抜いているのだと思っていたのだが。そうではなくて、良かった。
できれば、早く終戦して。巴が羽を抜かなくても良い世の中になってほしいと思っている。
「やだっ、なに、その羽。みすぼらしい。手裏の大翼も、そうなったら権威もなにもないわね?」
しかし、女は巴の翼を見て、嘲笑った。
高らかに、愉快げに。
巴の姿を、この女に笑われる筋合いはない。
幸直は憤りに胸を焼く。
巴が、どれほど苦汁を舐めて、それでも健気に生きてきたのか、この女は知らないのだ。
「僕は基成ではない。ただの、翼の折れたカラスだ。あんたたちは、何者だ? なにが目的だ?」
だが、巴は怒りも見せずに、淡々と女に問いただす。急な展開にも冷静に対処できるところ、素敵です。
幸直は、ただただ怒りに心を高ぶらせる己を、反省した。
「何者、ですってぇ? あんた、私の顔を忘れたの? 私は手裏銀杏。座敷牢で育てられた、あんたの義理の姉よっ」
巴は、への字に結んだ唇を、少し開けた。
あの顔は…全く覚えていないやつ。
幸直は、顔を手で覆う思いがした。縛られてできないけど。
巴は、興味のないことは、いつまでも覚えていないからな。
「私は、忘れていないわよ。あんたの顔。薄暗い部屋の小さな窓から、日の当たる庭で、あんたと弟が剣の鍛錬をしていたのを、見ていた。あんたは、日の元を堂々と歩けるっていうのに、いつもつまらなそうな顔をしていたわよね。いずれ家督を継ぐあんたと弟が、戦の駒である私を、座敷牢に見に来たときも。あんたはなんの感情も見せずにそこにいた。あそこにいた誰も、私を人として見ていなかったわ」
「すみません、僕は、当時、人間にいささかの興味も持っていなかったもので」
正直かよっ、と幸直は胸のうちでツッコんだ。
いや、巴はそういう男だ。欠落があるのだと、自分で言っていた。
でも、幸直にとってそれは、欠落ではなく、長所なのだ。
巴は、己以外の人間に目を向けなくてもいい。
「…あんたを町中でみつけたとき、好機到来と思ったわ。それで、あんたを手に入れるため、ここまでつけてきたのよ。運良く、このエサも手に入ったわっ」
グサッと、今度は右肩の辺りを短剣で刺された。刺したあと、少しひねるから。痛みを引き出す術を知っている。
御供の者は、姫様なんて言っているが、ただの女ではない。
手裏銀杏と言ったか。
手裏の姫?
なんで手裏の女が、金蓮と瓜二つなんだ?
幸直は痛みにうめきながら、次から次へと脳裏に疑問が湧いて出た。
「よせっ、これ以上、彼を傷つけるな」
「いいじゃない? 将堂の兵なんて、いくら死んだって。どうせ、あんたと同じ、ただの一兵士なんでしょ? それに、あんたが手裏に戻れば、彼は敵になるの」
「あんた…姉さんの目的は、僕なんだろう? なら、言うとおりにする。だから、これ以上彼を傷つけないでくれ。もし、彼を傷つけたら、僕は舌を噛んで死ぬ。姉さんの好機もつぶれるぞ」
巴は、銀杏が口にした、少ない情報を逆手に取って、幸直をなんとか守った。
女は舌打ちし、吐き捨てる。
「わかったわよ、面倒くさ…。じゃ、おとなしく着いてきてよね。あ、こいつらの乗ってきた馬も拝借しましょう? 持ってきてちょうだい」
息をするように、銀杏は御供の兵士に指示を出す。
顎で人を使う感じが、堂に入っていた。
供の者は黙って、巴を縛り、ふたりの剣を奪い。
二頭の馬も引き連れて、銀杏の進む先へと向かった。
奥多摩渓谷の、小さな滝のある場所で、巴は小皿に墨を出して、紙に指や筆を使って絵を描いていく。
「景色を隅々まで記憶して、あとでゆっくり描くのもいいのだが。その場で写生すると、そのときの気持ちが紙に乗ることがある。その瞬間しか描けないものが、描けたりするんだ」
そう言って、真剣な表情で景色をみつめる巴は、とても機嫌が良さそうだった。
作品に集中し出した巴を見て、幸直はそっと、その場を離れる。
巴が見える位置だけど、少し離れた場所に、馬をつないでいて。幸直はそこに戻った。
旅館で、お昼用におにぎりを包んでもらっていた。まだ昼には早いけど、ちょっと小腹が空いたから、ひとつおにぎりを食べようと思ったのだ。
そうしたら、どこからか、うぅとうなる声がして。
一瞬、野生動物かと思い、身構えて剣を抜いた。
しかし、それにしては、高めの声だったので。幸直は様子を見に行く。
すると、ほど近い場所で、女性がうずくまっていたのだ。川に出るまで、幸直たちも、それなりの林を抜けてきたので。
こんな山奥に、女性がひとりでなにをしているのかとは、思ったのだ。
でも、もしかしたら野生動物を捕獲する罠にでもはまったのかと考え。幸直は剣をおさめて、とりあえず女性の元に向かった。
「大丈夫ですか? どうしました? こんなところに、ひとりで…」
「えぇ、山菜を採りに来たのですが、足を怪我して」
女性は、町娘風ながら、地味な色めの、歩きやすい短めの着物に。ズボンと、裾を絞って入れ込んだ長靴の。旅装であった。
「足?」
こんな真冬の、雪深い山に、ひとりで山菜取り? と思いつつ。幸直は女性のかたわらに膝をついて、様子を見る。
そのとき、その女性が素早い動作で、幸直の左腿に短剣を突き刺した。
「ぐぁっ…」
すかさず、痛みにうめく幸直に縄をかけ、両手首を後ろ手に縛ってしまった。
幸直は、なにが起こったのか、理解できなかったが。顔を上げた女を見て、息をのむ。
「そう、山菜を採りに来たんだけど、もっと良い獲物をみつけちゃったのよ」
なにやら楽しげな笑みを浮かべるのは、自分の軍の大将…。
「金蓮様? なにを…? どうしてこんなところに」
「はぁ? 金蓮じゃないわよ。あんなやつと間違えないでっ」
濃茶の長い髪に、赤茶の大翼、顔も金蓮そっくりだというのに。目の前の人物は、確かに女性で。幸直の知る、厳しい顔つきの従兄弟とは、別人だった。
幸直は。金蓮が女性であることを、このときはまだ知らなかった。
短剣を腿に刺したまま、幸直は、この女の目的がなにかを考えた。
すると木の陰から、マントを羽織る抜刀した男がふたり、現れた。
刀…黒髪などから見て、手裏だ。
「姫様、この男はいったい…」
男たちはどうやら、この女の思惑を知らないようだ。
「これはエサよ。あんたたち、こいつ持って、ついてきて」
幸直はなんとか抵抗したかったが、後ろ手に縛られ、翼も開けないし。短剣の刺さったままの腿も、じくじくと痛んで。どうにもならなかった。
幸直は男に引っ張られて、金蓮にそっくりの女について行った。
女はなにやらブツブツ言っている。
「やったわ、私にも運が向いてきた。これで、あの男に一矢報いれる。私の目の前で、泣いて謝るがいいわ」
その女の様子は、なんとなく、堺を執拗に貶める金蓮と似通っていた。
顔がそっくりだから、どうしても彼を連想してしまうが。
堺を人間扱いしない狂気を、幸直は、この女にも感じたのだ。
雪を踏みしめ、林を抜け。女は、雪を払った大岩の上に座り込み、一心に絵を描く巴に声をかけた。
「みつけたわぁ、手裏基成。まさか、将堂軍に入っていたなんてね?」
振り返った巴は、女ひとりと男ふたりの集団に、幸直が捕まっているのを見て。驚愕に目を見開いた。
大岩から降りて、幸直に駆け寄ろうとする。
「それ以上、近づかないで」
だが小石の敷かれた川の縁を小走りする巴に、女は、幸直の首元に短剣を突きつけて見せた。
それで、巴は動けなくなる。
「姫様、この男が手裏基成、とは?」
女を手助けしている男も、巴が基成だということは知らないようで。女を怪訝そうに見やっている。
どうやら、計画的犯行ではなさそうだ。
「そうよ、今、基成を名乗って、でかい顔をしているのは、安曇眞仲なの。龍鬼の力で、成り代わっているのよ。そして、この男が本物の基成なのよ。あんた、マントを脱いで、翼を見せなさい」
女は幸直の顔の近くに刃先を向ける。それに、巴は強く反応した。
「幸直の顔に傷をつけたら、許さないっ。言うことも聞かないっ」
普段、のほほんとしているくせに。己の顔には、並々ならぬ執着を感じる。
巴、己の顔、好きだよな。
「わかったから、早く脱いでっ」
この女は、短気なようだ。
短剣を持つ手に、ためらいを感じないので。刃を持ち慣れてはいるのだろう。
縄で縛る手際も、鮮やかだった。
それなりに、場数を踏んでいそうだ。
でも、精神的に幼い。感情で動く感じ。
巴は仕方なく、女の要求通りにマントを脱いだ。そこには、折れて、羽が抜かれた、痛々しい黒い翼がある。
今では、幸直も。巴が基成とばれないように、大きな羽を抜かなければならないことを知っている。
男に襲われそうになった、精神的な心の傷のせいで、羽を抜いているのだと思っていたのだが。そうではなくて、良かった。
できれば、早く終戦して。巴が羽を抜かなくても良い世の中になってほしいと思っている。
「やだっ、なに、その羽。みすぼらしい。手裏の大翼も、そうなったら権威もなにもないわね?」
しかし、女は巴の翼を見て、嘲笑った。
高らかに、愉快げに。
巴の姿を、この女に笑われる筋合いはない。
幸直は憤りに胸を焼く。
巴が、どれほど苦汁を舐めて、それでも健気に生きてきたのか、この女は知らないのだ。
「僕は基成ではない。ただの、翼の折れたカラスだ。あんたたちは、何者だ? なにが目的だ?」
だが、巴は怒りも見せずに、淡々と女に問いただす。急な展開にも冷静に対処できるところ、素敵です。
幸直は、ただただ怒りに心を高ぶらせる己を、反省した。
「何者、ですってぇ? あんた、私の顔を忘れたの? 私は手裏銀杏。座敷牢で育てられた、あんたの義理の姉よっ」
巴は、への字に結んだ唇を、少し開けた。
あの顔は…全く覚えていないやつ。
幸直は、顔を手で覆う思いがした。縛られてできないけど。
巴は、興味のないことは、いつまでも覚えていないからな。
「私は、忘れていないわよ。あんたの顔。薄暗い部屋の小さな窓から、日の当たる庭で、あんたと弟が剣の鍛錬をしていたのを、見ていた。あんたは、日の元を堂々と歩けるっていうのに、いつもつまらなそうな顔をしていたわよね。いずれ家督を継ぐあんたと弟が、戦の駒である私を、座敷牢に見に来たときも。あんたはなんの感情も見せずにそこにいた。あそこにいた誰も、私を人として見ていなかったわ」
「すみません、僕は、当時、人間にいささかの興味も持っていなかったもので」
正直かよっ、と幸直は胸のうちでツッコんだ。
いや、巴はそういう男だ。欠落があるのだと、自分で言っていた。
でも、幸直にとってそれは、欠落ではなく、長所なのだ。
巴は、己以外の人間に目を向けなくてもいい。
「…あんたを町中でみつけたとき、好機到来と思ったわ。それで、あんたを手に入れるため、ここまでつけてきたのよ。運良く、このエサも手に入ったわっ」
グサッと、今度は右肩の辺りを短剣で刺された。刺したあと、少しひねるから。痛みを引き出す術を知っている。
御供の者は、姫様なんて言っているが、ただの女ではない。
手裏銀杏と言ったか。
手裏の姫?
なんで手裏の女が、金蓮と瓜二つなんだ?
幸直は痛みにうめきながら、次から次へと脳裏に疑問が湧いて出た。
「よせっ、これ以上、彼を傷つけるな」
「いいじゃない? 将堂の兵なんて、いくら死んだって。どうせ、あんたと同じ、ただの一兵士なんでしょ? それに、あんたが手裏に戻れば、彼は敵になるの」
「あんた…姉さんの目的は、僕なんだろう? なら、言うとおりにする。だから、これ以上彼を傷つけないでくれ。もし、彼を傷つけたら、僕は舌を噛んで死ぬ。姉さんの好機もつぶれるぞ」
巴は、銀杏が口にした、少ない情報を逆手に取って、幸直をなんとか守った。
女は舌打ちし、吐き捨てる。
「わかったわよ、面倒くさ…。じゃ、おとなしく着いてきてよね。あ、こいつらの乗ってきた馬も拝借しましょう? 持ってきてちょうだい」
息をするように、銀杏は御供の兵士に指示を出す。
顎で人を使う感じが、堂に入っていた。
供の者は黙って、巴を縛り、ふたりの剣を奪い。
二頭の馬も引き連れて、銀杏の進む先へと向かった。
あなたにおすすめの小説
繋ぎの婚約を契約通り解消しようとしたら、王宮に溺愛軟禁されました
こたま
BL
エレンは子爵家のオメガ令息として産まれた。年上のアルファの王子殿下と年齢が釣り合うオメガ令息が少なく、他国との縁組も纏まらないため家格は低いが繋ぎとして一応婚約をしている。王子のことは兄のように慕っており、初恋の人ではあるけれど、契約終了時期か王子に想い人が現れた時には解消されるものと考えていた。ところが婚約解消時期の直前に王子宮に軟禁された。結婚を承諾するまでここから出さないと王子から溢れるほどの愛を与えられる。ハッピーエンドオメガバースBLです。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
【完結】逃げた弟のかわりに溺愛アルファに差し出されました。抱かれたら身代わりがばれてしまうので初夜は断固拒否します!
雪代鞠絵/15分で萌えるBL小説
BL
隣国の国王キリアン(アルファ)に嫁がされたオメガの王子リュカ。
しかし実は、結婚から逃げ出した双子の弟セラの身代わりなのです…
本当の花嫁じゃないとばれたら大変!
だから何としても初夜は回避しなければと思うのですが、
だんだんキリアンに惹かれてしまい、苦しくなる…という
お話です。よろしくお願いします<(_ _)>
【完結】転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して二年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
人族は一人で生きられないらしい――獣人公爵に拾われ、溺愛されて家族になりました
よっちゃん
BL
人族がほとんど存在しない世界に、
前世の記憶を持ったまま転生した少年・レオン。
獣人が支配する貴族社会。
魔力こそが価値とされ、
「弱い人族」は守られるべき存在として扱われる世界で、
レオンは常識の違いに戸惑いながらも必死に生きようとする。
そんな彼を拾ったのは、
辺境を治める獣人公爵アルト。
寡黙で冷静、しかし一度守ると決めたものは決して手放さない男だった。
溺愛され、守られ、育てられる日々。
だが、レオンはただ守られるだけの存在で終わることを選ばない。
学院での出会い。
貴族社会に潜む差別と陰謀。
そして「番」という、深く重い絆。
レオンは学び、考え、
自分にしかできない魔法理論を武器に、
少しずつ“並び立つ覚悟”を身につけていく。
獣人と人族。
価値観も、立場も、すべてが違う二人が、
それでも選び合い、家族になるまでの物語。
溺愛×成長×異世界BL。
読後に残るのは、
「ここに居場所があっていい」と思える、あたたかな幸福。
捨てられた生贄オメガ、魔王城で極上の『巣作り』始めます!~不眠症の魔王様、私のクッションで爆睡して溺愛モードに突入~
水凪しおん
BL
「役立たずのオメガ」として冷遇され、血も涙もない魔王への生贄として捨てられたリノ。
死を覚悟して連れてこられた魔王城は、寒くて硬くて、居住性最悪のブラック環境だった!?
「こんなところで寝られるか!」
極限状態で発動したオメガ特有の『巣作り本能』と、神業レベルの裁縫スキルが火を噴く!
ゴミ同然の布切れをフカフカのクッションに、冷たい石床を極上のラグマットにリフォーム。
すると、不眠症で常にイライラしていた魔王ザルドリスが、リノの作った「巣」のあまりの快適さに陥落してしまい……?
「……貴様、私を堕落させる気か」
(※いいえ、ただ快適に寝たいだけです)
殺されるどころか、魔王様に気に入られ、気付けば城中がリノの虜に。
捨てられた生贄オメガが、裁縫一つで魔王城を「世界一のマイホーム」に変える、ほのぼの逆転溺愛ファンタジー!
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
殿下に婚約終了と言われたので城を出ようとしたら、何かおかしいんですが!?
krm
BL
「俺達の婚約は今日で終わりにする」
突然の婚約終了宣言。心がぐしゃぐしゃになった僕は、荷物を抱えて城を出る決意をした。
なのに、何故か殿下が追いかけてきて――いやいやいや、どういうこと!?
全力すれ違いラブコメファンタジーBL!
支部の企画投稿用に書いたショートショートです。前後編二話完結です。