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番外 初代国王、将堂紫輝 ①
◆初代国王、将堂紫輝
自分の話に、自分の名前がタイトルとか。ナルシストっぽくて嫌だけど。
日記みたいな感覚で、いろいろ記していこうかなって思っている。
あのあとも、いろいろ…それはもう、驚くことがあったものだから。これは残さずにいられないっていうか。
そんな感じ。
というわけで。最初は金蓮の話。
金蓮は、天誠と藤王にガツンとやられたあと、意気消沈してしまって。
あの、言うこと聞かない、思うとおりにならない龍鬼(紫輝)が、自分の子であることを知ったことも、だいぶショックだったみたい。
失礼だな、全くもう。
そんな折、将堂の家督もなにもかも失い。本当に空っぽになってしまったという。
壇上の脇に控えていた燎源は、金蓮を保護したが。
将堂の兵は、誰も金蓮をかえりみなかった。
新しい当主となった赤穂に、そして国王となる紫輝に、とっとと鞍替えしたわけなのだ。
それは仕方がないことだ。
彼らも、家族を養っていかなければならないから、必死だよ。
心にぽっかり穴の開いたような顔つきをして。金蓮は燎源に言った。
「燎源、私は、なにもかも失ったのだな?」
「いえ、金蓮様。私は変わらず、貴方のおそばにいます」
自分は、金蓮の手の内なのだと言っても。金蓮の心に、燎源の言葉は届いていなかった。
燎源はそのとき、紫輝の言葉を思い出していた。
なにもかもなくした金蓮を、見捨てるか。支えるか。
紫輝にはあのとき、もう、この光景が見えていたのに違いない。
憤りを覚える。
けれど。なにもかもを失った金蓮には、もう己しか残っていないのだと思うと…。
暗い喜びが湧いてくる。
きっと。いつか。彼女の目に、自分の姿が映る。その日を信じ。
燎源は、金蓮を支えることに決めた。
「貴方に初めて出会った日に。私は貴方に、誠心誠意尽くすのだと決めたのです。だから私は、貴方が女性でも、男性でも。当主でも、そうでなくても。貴方を支えます」
「私は、子に、何度も刃を振り上げたのだ。鬼畜の所業に、天は私を見放した。いや天は、裁きのナタを振るったのだろう。そのような私に、ついていても。将堂家の権威もなくした私に、ついていても。損をするだけ。みんな、尻尾を巻いて逃げ出している。燎源も早く逃げればいい」
「天が貴方を見放しても。貴方がたとえ悪魔でも。なにもなくても。私は貴方を見捨てたりしない。金蓮様を、お慕いしているのです」
真摯に告げる燎源を、気力のない金蓮は、もう振り払えなかった。
好きにすると良いとつぶやいて。ふたり、前線基地を去っていったのだ。
なんで、己がこの経緯を知っているのかというと。隠密情報です。
便利だよねぇ。素敵です。
ま、出刃亀は、ここまでにしておこう。うん。
それで、その後の金蓮と、その周りの話だけど。
金蓮のお嫁さんだった、幸直のお姉さんは。金蓮を女性と知りながらも、好いていたようで。金蓮を中心に、幸直のお姉さんと燎源が伴侶になる、という形をとることになった。
そして金蓮は、将堂や政治とは関りのない場所で、静かに余生を送ることになる。
金蓮が、燎源と幸直のお姉さんの愛情に気づいて、真っ当な恋愛や生活を送れたのか。それは、わからないけど。
そうだったらいいなと思う。
何度も殺されかけて、己も思うところはあるけれど。
でも、金蓮を処刑とか。ざまぁ展開をするとか。そんなふうには思えないよ。
多くの者の前で、女性であることを暴露されて、将堂の家督を奪われた。それで充分、断罪されているじゃないか?
それ以上の不幸は望まない。
かといって、母だから許すとか、一緒に暮らすとか、金銭援助をするとか、そういう気はない。
そこまで寛容には、なれないな。
母的なものを求める心は、すでに粉々にバラバラに砕かれたので。そういうことで。
あと、銀杏のことは…わかんねぇ。
あのあと、自分らの前に、二度と姿を現さなかったから。
害がないなら、それでよし。
そうそう、金蓮が後継として育てていた夏藤は。赤穂が引き取ることになったのだ。
月光は、紫輝の子供時代が戻ってきた、とばかりに張り切って、子育てをし。
さらに優秀な頭脳を持っていた夏藤に、将堂の宝玉として、最高の知識を授けている最中だ。
そして赤穂も、夏藤に剣術を教えている。
最高の知識と剣術を身につけたサラブレッドって…末恐ろしいんですけど。
★★★★★
月光と赤穂は、己が王となる宣言をした舞台に来る前に、田子の浦を通りかかった。
そこは、今は、美濃家の領地だが。元は瀬来家、月光が治めていた領地だった。
月光の父の謀反によって、一度は、手裏軍に土地を踏み荒らされたが。漁師の町は、漁師たちのバイタリティーでみるみる復興していったのだ。
すでに蹂躙のあとの見えない町を見て、月光はホッとした。
「瀬来様ではありませんか?」
桃色の翼は、遠目でもよく目立つので。それを目にした村人たちが、月光と赤穂に寄ってきた。
赤穂は少し身構えたが。村人たちに敵意はない。
「瀬来様、こうして我々が、ここで生活できているのは、貴方様のおかげです。月光様が、私財を投げうって、復興にお力添えをしてくださったから…。暴漢に襲われた貴方様を、お助けできず。我々はとても心配しておりました」
月光は、心がぽかぽかと温かくなった。
手裏の残党に襲われ、古傷のせいで、今も体は弱い。
あのときは、瀬来家の領地も領民も、失い。寝床から起き上がれず。赤穂も去り。自分にはなにもなくなったと思って。心がどんどん冷え込んでいった。
でも、月光は。なにも失っていなかった。
赤穂は、己をずっと想ってくれていたし。
領地を無くしても、将堂の宝玉として培ってきた知力は健在で、将堂の幹部に戻ることができたし。
なにより、大切な我が子も、この腕の中に戻ってきたのだから。
そして、領民も、自分のことを忘れていなかった。
「ありがとう、みなさん。僕は、こうして、今は元気です。これから時代は変わりますが、みなさんは変わらず、美味しい魚を取り、元気で明るく過ごしてください」
月光の、優しい言葉かけに、村人たちは笑顔になって、仕事に戻っていった。
「良かったな、月光」
領民に慕われるというのは、良い領主の証。
月光の人となりが、純粋で、美しいと証明されたようなものだ。
「うん、良かった。町は綺麗で活気がある。僕が知っていた町と、ほとんど変わらないくらいになっている。ううん、あの頃よりも発展しているかもしれないね。あのススキ野原も、元に戻ったかなぁ?」
ススキ野原は、月光の父に、赤穂との交際が反対されていたとき。密かに逢引きしたところだ。
人目も、月の光からも逃れて、ススキの穂に隠れ。
赤穂と手を握り合った場所。
「今は雪に隠れているだろうが。秋ごろに、またここに来よう。ススキ野原でデートだ」
「デート、良いねぇ。やるやる、デート」
紫輝から教わった言葉を、赤穂と月光は嬉しそうに連呼して。
それから、前線基地に向かったのだった。
秋になったら、ススキ野原でデートなんだぁ、って。月光から自慢されて、その話を知りました。
良かったね、パパ。
★★★★★
それから、終戦して、いったん本拠地に戻り。
幸直と巴に、今回のことを知らせたら。
巴は、とっとと軍をやめて、幸直の家に引きこもってしまった。
巴は、手裏基成という名を完全に捨てたが。里中の姓は捨てられないというので。
幸直が里中になった。
おお? そうきますか。
終戦して、まず紫輝たちが着手したのは。警察、病院、学校、役場という四つの施設を円滑に運営することだった。
これを国の事業として、確立させる。
この事業を賄うために、税の取り立てをします、と。税金の使い道を明確にすることで、徴収がスムーズに行われる。
まぁ、最初は。それを各地に広めることが、時間がかかるし難しいことだったのだが。
そこを、巴と幸直が手伝ってくれることになった。
幸直が『俺は頭を使う仕事、無理だから。こんな俺でも、なにかできるのか?』と言うので。
初代の警察署長に任命した。
いや、警察が頭を使わない、というわけではないよ?
でも、まずは。時代が変わることによって起きる、いざこざの鎮圧、というのがメインの仕事になるので。
腕に自信ありの幸直に任せたわけなのだ。
右軍には、そういう輩が多い。
つまり、腕に自信があるが、政治はわかんね。というタイプ。
そういう人たちの仕事は、警察に割り当てた。
幸直は荒くれの右軍を統率できる素地があるし、警察署長にはまさにうってつけだった。
そして、役場では。戸籍や税金の管理をすることになる。
誰がどこにいて、いつ生まれ、いつ亡くなったか、それを明確にするのは、税金の管理をすることにもつながるのだ。
転居しても、そこで仕事をしたら、税金が発生する。
徴収逃れを取り締まれるってわけ。
あ、増税はしていないから、案外、大衆の反発もほとんどなかったんだよ。
ま、それはともかく。
巴は役場で、里中巴として登録したことで。手裏基成という名を捨てることができた。
一番初めの登録だから、血脈の欄もあるのだが。
巴はカラスって書いていた。
詐称は駄目なんだけど。ここは目をつぶってあげたよ。
血脈は…将堂で差別を生むものではあったのだけど。祖先がどの血脈で、誰と結婚して、この血脈が生まれた、という記録も重要なのではないかということで。その項目もできたんだ。
でも、あくまで記録であり。
希少種をひけらかしたり、ある血脈を迫害したり、そういうのはいけません。って法律を作りました。
だから、差別はなくならないって、みんなは言うけど。少しでもそういうことが起きない世界になったらいいなぁ、と思うわけなのです。
あぁ、いけない。また脱線してしまった。
それで、巴の籍に幸直が入り。幸直も、ずっと重いと感じていた、美濃の姓を捨てて、すっきりしたんだって。
巴は二年ほど、幸直の子供である幸平の教育に、力を注ぎ。
彼が就学年齢になって、全寮制の学校に入ったと同時に、幸直とともに旅に出る。
巴は、絵を描くために日本各地を周り。幸直はそれについて行って、新しくなったこの国のこと、主に四つの根幹について。情報を広めたり。場所によっては、役所や学校づくりなどを手伝って。
この制度を、大衆に根付かせる役割を担ってくれたんだ。
ふたりは、いろいろな土地を巡ってくれたので。
国になる意義など、スピーディーに全国に広まって、とてもありがたかったです。
巴も各地の名所を巡って、美しい絵を世に残すことができて、ホクホクだったので。
ウィンウィンってことで。
あとね、大和と亜義も伴侶の名乗りをあげたんだ。で、どっちが受けか、聞いたら…。
「内緒です」
って、大和に言われちゃった。
天誠と目を合わせた紫輝は、思った。
リバだな、と。
大和や亜義といえば。戦争孤児たちが、路頭に迷わない方策は急務だった。
今ある孤児院では、十歳になると出されてしまう。
それくらい、孤児が多いということでもあるし。
貧しい中での子育て、しかも赤の他人を育てるとなると、自然、環境が荒れ、殺伐としてくる。
劣悪な生活を強いられる施設も多いということだった。
天誠は。金をバラまくのは簡単だが。どうしても、上の者が詐取する傾向が出てくるので。大金を無策で与えるのは愚かである。と言う。
しかし、なんのスキルもない子供が、外に出るのは、死ねと言っているのと等しいと、紫輝は思う。
「孤児院の収容年齢を、原則六歳までにし。その後は全寮制の学校で学ばせるというのは、どうだろう? 三食、食事が出て。勉強を学び。向上心があれば、警察や役所に入れるよう優遇する。ここの成人は十六か? 十年あれば、身の振り方を決め、その職業につけるよう精進できるんじゃね?」
「いいな。それ、採用」
天誠は、紫輝の案を受け入れ。早急に、全寮制の大きな学校を作り上げた。
そこは、六歳から十六歳の子供が通える、王立の学校で。
読み書きはもちろん、武術、医術など、希望すれば学ぶことができる。
料理人や、その他、職人の技術などは、その道へ進む手伝いや、斡旋などができるよう検討中だ。
孤児や、片親で、子育てが難しい家庭は、無償で。
金銭に余裕のある者は、学費を支払い、入学することができる。
戦がなくなれば、自然、孤児の数は減っていくが。
不慮の事故や病気などもあるから、全くなくなることはないだろう。
でも、学校にくれば、飢えることも、夜盗に襲われることもなく。雨風をしのげる。
仕事を得るための、勉学もできる。
大和や亜義のように、世の中を恨んで。全部ぶっ壊してやろうなんて、天誠の甘言に乗るような子供は。少なくなるに違いない。
そうだったらいいなぁ、と思います。
先々、この学校は。王立であり、国営の役所や警察、王を警備する親衛隊などに優遇して入れることから。
一般の市民にも憧れの学校となり。
競争率の激しいエリート学校となっていく。びっくりだ。
★★★★★
ところで、なにもかもがスムーズに進んだわけではない。
軍を解体するのに辺り、特に将堂軍、左の者の反発は大きかった。
龍鬼が王となることに、不満を持つ輩も多い。
ずっと、卑下してきた者が。自分の上に立つことを。嫌悪したのだ。
多くの者は、赤穂や、月光の一喝で、黙り込んだが。
希少種で、なにもしなくても、生きているだけで給金をもらえていた人たちがいて。彼らが、声高に、己や龍鬼を中傷したのだ。
龍鬼が王などあり得ぬと。
つか、なに? その職業。
いや、働いていないから、もはや職業と言えるのか?
「我らは左軍にあり、高貴な身分である。小汚い龍鬼は、王の座から即刻立ち去るべし」
赤穂なんかは、今にも剣を抜きそうな勢いだったが。
紫輝はそれを制し。彼らにたずねる。
「俺を玉座から下ろし、貴方方が、王になるのか? 王になったら、この国をどうしたいと思っている?」
「そんなの、今までどおりだ。今のままで、なんの支障もなかった」
それは、まんま、銀杏の言い分と同じ。
自分は頂点で、甘い蜜を吸い。下の者が、勝手に動いて、金を貢いでくれると思っている。
頭悪い。嘘でしょ?
目の前の男たちはみんな、三十過ぎのおっさんなのだ。
おっさんは、そういうことを言っちゃダメだよ。政治はそういうものじゃないって、訳知り顔で若者をへこますくらいのことを言ってよ。
「支障はあるだろ。戦災孤児の問題をどうする気だ? 今まで、あんたがたが、なにもしてこなかったから、村人たちは、なんの恩恵も受けていないんだよ。戦争がなくなった今、領土を守るから金を出せ、という言い分は通用しなくなるんだぞ?」
だったら、戦争をすればいい、なんて顔をしているから。
ちょっと。腹が立っちゃったよね。
「言われたとおりに、民から金を徴収し、綺麗な羽を磨いているだけ。左軍は、もはやごくつぶしの機関だ。左だから優遇しろなんて、胸を張って言ってるが。それに見合った仕事を、貴方たちはしてきたのか?」
紫輝が言っていることすら、目の前のおじさんたちは理解していないようだった。
こんこんと、説明するべきだろうか?
と悩んでいたら。隣に控えていた赤穂が言った。
「王が時間を割く輩ではない」
赤穂が手を払うと、大和が彼らを部屋から追い出し。廊下では、さらに衛兵が、彼らを指令本部から追い出していた。
そうです。玉座とか、それっぽいこと言っていたが。
己が今、座っているのは、将堂軍本拠地の指令本部、その右軍の執務机である。
つい最近まで、青桐が座っていたところ。
でも、左軍の中にも、本当に有能な人がいるんだよ。
燎源は、金蓮について行ってしまったけれど。
税の徴収など、その計算や管理をしていた経理の人は、とても仕事熱心で。藤王指揮の元、すでにガンガン働いている。
どちらかというと、戦に出るのが嫌で、政治や経理に携わっていたい、という人たちだった。
なので、仕事に集中できるようになった今の状況は、ウエルカムらしい。
役所仕事大好きだなんて、貴重な人材ですな。
自分の話に、自分の名前がタイトルとか。ナルシストっぽくて嫌だけど。
日記みたいな感覚で、いろいろ記していこうかなって思っている。
あのあとも、いろいろ…それはもう、驚くことがあったものだから。これは残さずにいられないっていうか。
そんな感じ。
というわけで。最初は金蓮の話。
金蓮は、天誠と藤王にガツンとやられたあと、意気消沈してしまって。
あの、言うこと聞かない、思うとおりにならない龍鬼(紫輝)が、自分の子であることを知ったことも、だいぶショックだったみたい。
失礼だな、全くもう。
そんな折、将堂の家督もなにもかも失い。本当に空っぽになってしまったという。
壇上の脇に控えていた燎源は、金蓮を保護したが。
将堂の兵は、誰も金蓮をかえりみなかった。
新しい当主となった赤穂に、そして国王となる紫輝に、とっとと鞍替えしたわけなのだ。
それは仕方がないことだ。
彼らも、家族を養っていかなければならないから、必死だよ。
心にぽっかり穴の開いたような顔つきをして。金蓮は燎源に言った。
「燎源、私は、なにもかも失ったのだな?」
「いえ、金蓮様。私は変わらず、貴方のおそばにいます」
自分は、金蓮の手の内なのだと言っても。金蓮の心に、燎源の言葉は届いていなかった。
燎源はそのとき、紫輝の言葉を思い出していた。
なにもかもなくした金蓮を、見捨てるか。支えるか。
紫輝にはあのとき、もう、この光景が見えていたのに違いない。
憤りを覚える。
けれど。なにもかもを失った金蓮には、もう己しか残っていないのだと思うと…。
暗い喜びが湧いてくる。
きっと。いつか。彼女の目に、自分の姿が映る。その日を信じ。
燎源は、金蓮を支えることに決めた。
「貴方に初めて出会った日に。私は貴方に、誠心誠意尽くすのだと決めたのです。だから私は、貴方が女性でも、男性でも。当主でも、そうでなくても。貴方を支えます」
「私は、子に、何度も刃を振り上げたのだ。鬼畜の所業に、天は私を見放した。いや天は、裁きのナタを振るったのだろう。そのような私に、ついていても。将堂家の権威もなくした私に、ついていても。損をするだけ。みんな、尻尾を巻いて逃げ出している。燎源も早く逃げればいい」
「天が貴方を見放しても。貴方がたとえ悪魔でも。なにもなくても。私は貴方を見捨てたりしない。金蓮様を、お慕いしているのです」
真摯に告げる燎源を、気力のない金蓮は、もう振り払えなかった。
好きにすると良いとつぶやいて。ふたり、前線基地を去っていったのだ。
なんで、己がこの経緯を知っているのかというと。隠密情報です。
便利だよねぇ。素敵です。
ま、出刃亀は、ここまでにしておこう。うん。
それで、その後の金蓮と、その周りの話だけど。
金蓮のお嫁さんだった、幸直のお姉さんは。金蓮を女性と知りながらも、好いていたようで。金蓮を中心に、幸直のお姉さんと燎源が伴侶になる、という形をとることになった。
そして金蓮は、将堂や政治とは関りのない場所で、静かに余生を送ることになる。
金蓮が、燎源と幸直のお姉さんの愛情に気づいて、真っ当な恋愛や生活を送れたのか。それは、わからないけど。
そうだったらいいなと思う。
何度も殺されかけて、己も思うところはあるけれど。
でも、金蓮を処刑とか。ざまぁ展開をするとか。そんなふうには思えないよ。
多くの者の前で、女性であることを暴露されて、将堂の家督を奪われた。それで充分、断罪されているじゃないか?
それ以上の不幸は望まない。
かといって、母だから許すとか、一緒に暮らすとか、金銭援助をするとか、そういう気はない。
そこまで寛容には、なれないな。
母的なものを求める心は、すでに粉々にバラバラに砕かれたので。そういうことで。
あと、銀杏のことは…わかんねぇ。
あのあと、自分らの前に、二度と姿を現さなかったから。
害がないなら、それでよし。
そうそう、金蓮が後継として育てていた夏藤は。赤穂が引き取ることになったのだ。
月光は、紫輝の子供時代が戻ってきた、とばかりに張り切って、子育てをし。
さらに優秀な頭脳を持っていた夏藤に、将堂の宝玉として、最高の知識を授けている最中だ。
そして赤穂も、夏藤に剣術を教えている。
最高の知識と剣術を身につけたサラブレッドって…末恐ろしいんですけど。
★★★★★
月光と赤穂は、己が王となる宣言をした舞台に来る前に、田子の浦を通りかかった。
そこは、今は、美濃家の領地だが。元は瀬来家、月光が治めていた領地だった。
月光の父の謀反によって、一度は、手裏軍に土地を踏み荒らされたが。漁師の町は、漁師たちのバイタリティーでみるみる復興していったのだ。
すでに蹂躙のあとの見えない町を見て、月光はホッとした。
「瀬来様ではありませんか?」
桃色の翼は、遠目でもよく目立つので。それを目にした村人たちが、月光と赤穂に寄ってきた。
赤穂は少し身構えたが。村人たちに敵意はない。
「瀬来様、こうして我々が、ここで生活できているのは、貴方様のおかげです。月光様が、私財を投げうって、復興にお力添えをしてくださったから…。暴漢に襲われた貴方様を、お助けできず。我々はとても心配しておりました」
月光は、心がぽかぽかと温かくなった。
手裏の残党に襲われ、古傷のせいで、今も体は弱い。
あのときは、瀬来家の領地も領民も、失い。寝床から起き上がれず。赤穂も去り。自分にはなにもなくなったと思って。心がどんどん冷え込んでいった。
でも、月光は。なにも失っていなかった。
赤穂は、己をずっと想ってくれていたし。
領地を無くしても、将堂の宝玉として培ってきた知力は健在で、将堂の幹部に戻ることができたし。
なにより、大切な我が子も、この腕の中に戻ってきたのだから。
そして、領民も、自分のことを忘れていなかった。
「ありがとう、みなさん。僕は、こうして、今は元気です。これから時代は変わりますが、みなさんは変わらず、美味しい魚を取り、元気で明るく過ごしてください」
月光の、優しい言葉かけに、村人たちは笑顔になって、仕事に戻っていった。
「良かったな、月光」
領民に慕われるというのは、良い領主の証。
月光の人となりが、純粋で、美しいと証明されたようなものだ。
「うん、良かった。町は綺麗で活気がある。僕が知っていた町と、ほとんど変わらないくらいになっている。ううん、あの頃よりも発展しているかもしれないね。あのススキ野原も、元に戻ったかなぁ?」
ススキ野原は、月光の父に、赤穂との交際が反対されていたとき。密かに逢引きしたところだ。
人目も、月の光からも逃れて、ススキの穂に隠れ。
赤穂と手を握り合った場所。
「今は雪に隠れているだろうが。秋ごろに、またここに来よう。ススキ野原でデートだ」
「デート、良いねぇ。やるやる、デート」
紫輝から教わった言葉を、赤穂と月光は嬉しそうに連呼して。
それから、前線基地に向かったのだった。
秋になったら、ススキ野原でデートなんだぁ、って。月光から自慢されて、その話を知りました。
良かったね、パパ。
★★★★★
それから、終戦して、いったん本拠地に戻り。
幸直と巴に、今回のことを知らせたら。
巴は、とっとと軍をやめて、幸直の家に引きこもってしまった。
巴は、手裏基成という名を完全に捨てたが。里中の姓は捨てられないというので。
幸直が里中になった。
おお? そうきますか。
終戦して、まず紫輝たちが着手したのは。警察、病院、学校、役場という四つの施設を円滑に運営することだった。
これを国の事業として、確立させる。
この事業を賄うために、税の取り立てをします、と。税金の使い道を明確にすることで、徴収がスムーズに行われる。
まぁ、最初は。それを各地に広めることが、時間がかかるし難しいことだったのだが。
そこを、巴と幸直が手伝ってくれることになった。
幸直が『俺は頭を使う仕事、無理だから。こんな俺でも、なにかできるのか?』と言うので。
初代の警察署長に任命した。
いや、警察が頭を使わない、というわけではないよ?
でも、まずは。時代が変わることによって起きる、いざこざの鎮圧、というのがメインの仕事になるので。
腕に自信ありの幸直に任せたわけなのだ。
右軍には、そういう輩が多い。
つまり、腕に自信があるが、政治はわかんね。というタイプ。
そういう人たちの仕事は、警察に割り当てた。
幸直は荒くれの右軍を統率できる素地があるし、警察署長にはまさにうってつけだった。
そして、役場では。戸籍や税金の管理をすることになる。
誰がどこにいて、いつ生まれ、いつ亡くなったか、それを明確にするのは、税金の管理をすることにもつながるのだ。
転居しても、そこで仕事をしたら、税金が発生する。
徴収逃れを取り締まれるってわけ。
あ、増税はしていないから、案外、大衆の反発もほとんどなかったんだよ。
ま、それはともかく。
巴は役場で、里中巴として登録したことで。手裏基成という名を捨てることができた。
一番初めの登録だから、血脈の欄もあるのだが。
巴はカラスって書いていた。
詐称は駄目なんだけど。ここは目をつぶってあげたよ。
血脈は…将堂で差別を生むものではあったのだけど。祖先がどの血脈で、誰と結婚して、この血脈が生まれた、という記録も重要なのではないかということで。その項目もできたんだ。
でも、あくまで記録であり。
希少種をひけらかしたり、ある血脈を迫害したり、そういうのはいけません。って法律を作りました。
だから、差別はなくならないって、みんなは言うけど。少しでもそういうことが起きない世界になったらいいなぁ、と思うわけなのです。
あぁ、いけない。また脱線してしまった。
それで、巴の籍に幸直が入り。幸直も、ずっと重いと感じていた、美濃の姓を捨てて、すっきりしたんだって。
巴は二年ほど、幸直の子供である幸平の教育に、力を注ぎ。
彼が就学年齢になって、全寮制の学校に入ったと同時に、幸直とともに旅に出る。
巴は、絵を描くために日本各地を周り。幸直はそれについて行って、新しくなったこの国のこと、主に四つの根幹について。情報を広めたり。場所によっては、役所や学校づくりなどを手伝って。
この制度を、大衆に根付かせる役割を担ってくれたんだ。
ふたりは、いろいろな土地を巡ってくれたので。
国になる意義など、スピーディーに全国に広まって、とてもありがたかったです。
巴も各地の名所を巡って、美しい絵を世に残すことができて、ホクホクだったので。
ウィンウィンってことで。
あとね、大和と亜義も伴侶の名乗りをあげたんだ。で、どっちが受けか、聞いたら…。
「内緒です」
って、大和に言われちゃった。
天誠と目を合わせた紫輝は、思った。
リバだな、と。
大和や亜義といえば。戦争孤児たちが、路頭に迷わない方策は急務だった。
今ある孤児院では、十歳になると出されてしまう。
それくらい、孤児が多いということでもあるし。
貧しい中での子育て、しかも赤の他人を育てるとなると、自然、環境が荒れ、殺伐としてくる。
劣悪な生活を強いられる施設も多いということだった。
天誠は。金をバラまくのは簡単だが。どうしても、上の者が詐取する傾向が出てくるので。大金を無策で与えるのは愚かである。と言う。
しかし、なんのスキルもない子供が、外に出るのは、死ねと言っているのと等しいと、紫輝は思う。
「孤児院の収容年齢を、原則六歳までにし。その後は全寮制の学校で学ばせるというのは、どうだろう? 三食、食事が出て。勉強を学び。向上心があれば、警察や役所に入れるよう優遇する。ここの成人は十六か? 十年あれば、身の振り方を決め、その職業につけるよう精進できるんじゃね?」
「いいな。それ、採用」
天誠は、紫輝の案を受け入れ。早急に、全寮制の大きな学校を作り上げた。
そこは、六歳から十六歳の子供が通える、王立の学校で。
読み書きはもちろん、武術、医術など、希望すれば学ぶことができる。
料理人や、その他、職人の技術などは、その道へ進む手伝いや、斡旋などができるよう検討中だ。
孤児や、片親で、子育てが難しい家庭は、無償で。
金銭に余裕のある者は、学費を支払い、入学することができる。
戦がなくなれば、自然、孤児の数は減っていくが。
不慮の事故や病気などもあるから、全くなくなることはないだろう。
でも、学校にくれば、飢えることも、夜盗に襲われることもなく。雨風をしのげる。
仕事を得るための、勉学もできる。
大和や亜義のように、世の中を恨んで。全部ぶっ壊してやろうなんて、天誠の甘言に乗るような子供は。少なくなるに違いない。
そうだったらいいなぁ、と思います。
先々、この学校は。王立であり、国営の役所や警察、王を警備する親衛隊などに優遇して入れることから。
一般の市民にも憧れの学校となり。
競争率の激しいエリート学校となっていく。びっくりだ。
★★★★★
ところで、なにもかもがスムーズに進んだわけではない。
軍を解体するのに辺り、特に将堂軍、左の者の反発は大きかった。
龍鬼が王となることに、不満を持つ輩も多い。
ずっと、卑下してきた者が。自分の上に立つことを。嫌悪したのだ。
多くの者は、赤穂や、月光の一喝で、黙り込んだが。
希少種で、なにもしなくても、生きているだけで給金をもらえていた人たちがいて。彼らが、声高に、己や龍鬼を中傷したのだ。
龍鬼が王などあり得ぬと。
つか、なに? その職業。
いや、働いていないから、もはや職業と言えるのか?
「我らは左軍にあり、高貴な身分である。小汚い龍鬼は、王の座から即刻立ち去るべし」
赤穂なんかは、今にも剣を抜きそうな勢いだったが。
紫輝はそれを制し。彼らにたずねる。
「俺を玉座から下ろし、貴方方が、王になるのか? 王になったら、この国をどうしたいと思っている?」
「そんなの、今までどおりだ。今のままで、なんの支障もなかった」
それは、まんま、銀杏の言い分と同じ。
自分は頂点で、甘い蜜を吸い。下の者が、勝手に動いて、金を貢いでくれると思っている。
頭悪い。嘘でしょ?
目の前の男たちはみんな、三十過ぎのおっさんなのだ。
おっさんは、そういうことを言っちゃダメだよ。政治はそういうものじゃないって、訳知り顔で若者をへこますくらいのことを言ってよ。
「支障はあるだろ。戦災孤児の問題をどうする気だ? 今まで、あんたがたが、なにもしてこなかったから、村人たちは、なんの恩恵も受けていないんだよ。戦争がなくなった今、領土を守るから金を出せ、という言い分は通用しなくなるんだぞ?」
だったら、戦争をすればいい、なんて顔をしているから。
ちょっと。腹が立っちゃったよね。
「言われたとおりに、民から金を徴収し、綺麗な羽を磨いているだけ。左軍は、もはやごくつぶしの機関だ。左だから優遇しろなんて、胸を張って言ってるが。それに見合った仕事を、貴方たちはしてきたのか?」
紫輝が言っていることすら、目の前のおじさんたちは理解していないようだった。
こんこんと、説明するべきだろうか?
と悩んでいたら。隣に控えていた赤穂が言った。
「王が時間を割く輩ではない」
赤穂が手を払うと、大和が彼らを部屋から追い出し。廊下では、さらに衛兵が、彼らを指令本部から追い出していた。
そうです。玉座とか、それっぽいこと言っていたが。
己が今、座っているのは、将堂軍本拠地の指令本部、その右軍の執務机である。
つい最近まで、青桐が座っていたところ。
でも、左軍の中にも、本当に有能な人がいるんだよ。
燎源は、金蓮について行ってしまったけれど。
税の徴収など、その計算や管理をしていた経理の人は、とても仕事熱心で。藤王指揮の元、すでにガンガン働いている。
どちらかというと、戦に出るのが嫌で、政治や経理に携わっていたい、という人たちだった。
なので、仕事に集中できるようになった今の状況は、ウエルカムらしい。
役所仕事大好きだなんて、貴重な人材ですな。
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