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第一章人生の転機はいつ起こるかわからない
凶手 江戸啓人
しおりを挟む曰く環境は人の人生に貢献する鍵となる。
曰く環境は人の人生に影をもたらす。
第一章
凶手 江戸 啓人
其の昔百戦錬磨は至極当然、不敗の種族がいた。
家名「江戸一族」通称江戸家。
血の繋がり無くとも、共に飯を囲った者皆家族。
これが初代当主から現代まで引き継がれる唯一の掟だ。
一体なぜ江戸家は不敗なのか。それは凶手という中核の賜物だ。
凶手勢力約200人。
凶手の戦術は主に素手のよる惨殺。暗殺に特化されたその肉体はヒグマにも及ばないという。
1500年
世は室町時代後期。
別名戦国の時代。
空気が揺らぐ程の銃声が飛び交う中‥‥
そこはまさに地獄絵図。戦地の至る所に転がる生首..臓物...風によって鼻がもげる程の腐敗臭。
想像を絶するものだと言う。
額には多量の汗を流し硝煙で視界が霞む中
奇異の目で遠方の凶手を凝視する敵手。
「なん‥なんだよ‥あいつら」
「‥手刀で‥首を刎ねやがった」
当時凶手には、鬼子と言う異名が付けられていた。
江戸軍
初代当主 江戸徳正率いる総勢2000人
そのうち侍1800人凶手200人。
江戸家の戦略は攻めのみ。
対
沙河軍
当主 道英率いる総勢3000人の勢力
鉄砲足軽役500人弾薬持足軽200人
先陣2300人。
江戸家はどんな不利な戦でも必勝を期していた。
この戦により江戸家に挑むものは誰一人いなかったという。
時は進み1944年。
当時日本では第二次世界大戦の戦時下。
江戸家の勢力は約二分の一まで減ったものの
莫大な富、凶手の並外れた戦闘力を評価され政府直属の組織となる。
「この頃の凶手は時代の変化により殺傷能力高い主に拳銃を使った戦闘スタイルになった。」
1950年
第二次世界大戦終戦
結果江戸家率いる日本軍の勝利
江戸家は長きに渡って国家、国民から
万謝されていた。
2000年
日本の非武装中立により「国家による兵器規制」 「国民の銃規制」 「江戸家の全権力剥奪」 江戸家は政府の監視下となる。
この頃には江戸家の活躍を知る国民は減り
政府による印象操作により一族の血を引くものは同和問題(部落差別)が日常になった。
2022年
江戸家戦力総勢200人。
凶手4人。
やがて江戸家一族は国に居場所はなく
凶手 江戸啓人 累 湊 紬 二十代目当主 江戸典財 処刑対象になり全身柄拘束。
時は現代2030年
「またかよ‥‥‥」
「四方八方から聞こえる子供の悲鳴」
「頭が痛くなるような高音の耳鳴り」
「塵一つない不気味なくらい清潔な部屋」
「部屋全体が眩しく照らされる昼白灯の明かり」
刑務所地下2階にある八畳ほどの隔離人体実験室
「8年‥‥‥ 」
「あいつらは‥元気にしてるのか?」
「この時啓人は普段感じない周囲の騒がしさに違和感を覚えていた。」
しばらくすると、
白衣を着た見慣れない男二人が慌てた様子でベットに手足を拘束された啓人の元へやってきた。
10月5日
「1時間 江戸啓人お前の処刑執行が決定した。」
その一言を啓人に告げ男二人は手足につけた拘束用の手錠を外し始めた。
「‥1時間後?」
「親父に‥約束はどうした?」
声が掠れながら声を上げる啓人
「‥8年間 お前らのくだらい人体実験に付き合ったんだ約束通り家族に合わせろ!」
一人の男が微かに口元を震わしながら口が開いた。
江戸家当主お前の父親は昨夜病死した‥」
「は?」
「今‥何て‥?」
啓人の瞳には僅かな灯火が消え部屋の空気が一転した。
「死んだ?」
「親父が?」
啓人の思考は正常に機能してるはずが
状況を呑み込むのに時間を要した。
啓人の感情を読み取ったのか、無表情だった男二人は僅かに身震いし、慌てた様子で拘束器具を外し終えた。
だが一人の男は啓人の鋭い視線に耐えられなかったのか口を開く
「たった今知らされたばかりなんだ‥」
男の声は震え、内心で留めていた恐怖が隠しきれなかった。
「誰にだ?」
男は啓人に目を決して合わせなかった。
8年という長い年月
当時12歳と子供ながらに啓人たち「4人」はその言葉の意味をよく理解していた。
人間としては扱われず、マウスのように体をいじられる日々。24時間常に監視され
銃を持った護衛、陽の光すら浴びられない隔離された部屋。
最低限の食事、睡眠 人が耐えられる環境ではなかった。
累「るい」 湊「みなと」 紬「つむぎ」
「あいつらどこにいる‥‥」
「俺の身柄は自動小銃を持った2人の刑務官に預けられた...」
「手錠を掛ける後ろに腕を組め」
「他の兄弟は何処にいるんだ?」
「後に分かる」
啓人は手錠を掛けられそれ以降の問いには答えなかった。
己がこれから処刑されるというのに啓人の頭にあるのは家族の安否だけだった。
10分ほど歩かされ地下のさらに地下へと階段を降りまた歩き、計15分ほど歩かされた。
突き当たりに差し掛ると‥
「入れ」
刑務官はそう言った。
目先には巨大な鉄格子広い独房があった。
鉄格子の鍵を一人の刑務官が開け背中を自動小銃で突かれ強引に入らされる啓人。
独房の中を隅まで見回すと‥
その瞬間..生力の無かった啓人の顔に生気が蘇った。
累!! 湊!!
「よかった...」
「皆無事..」
中にいるのは手錠をされて下を向いた累と湊..
「啓人か‥‥」
累は啓人の顔を見て口元は微かに緩んだ。
「累..累なんだろ!」
「うん‥」
「累」「紬は..どうした?」
啓人の目先に紬の姿はなかった。
「‥ごめん..啓人...」
啓人に目を合せ、涙が止まらない累
「ごめん...」
「なんで謝るんだよ、紬は無事..なんだよな?」
その場で泣き崩れ膝を抱え震え上がる累。
啓人の脳内には最悪の可能性が思考を巡らせた
啓人は累の隣にいた湊の方に身を向ける。
「湊!」 「紬はどこにいるんだ?」
座り込み口を開かず俯いていた湊の瞳は微かな希望すらないことを物語っていた。
「紬は死んだよ‥舌を噛み切って」
「耐えられなかったんだとよ‥まぁ俺も累
もとっくに限界は迎えてるけどな」
憔悴した顔から微かにひきつった笑み浮かべる湊、
湊は生気を失い累は啓人の声は届かず
既に以前の二人ではなく変容していた。
しばらくすると一人の男が独房に入ってきた。
その男は、
糸目で小柄 暗黒のスーツを着ていた。「身長160cm前後」
「男は独房に入るなり俺たち3人の前にたった‥」
「君が啓人君かい?」
啓人は咄嗟の質問に困惑し声が出なかった。
男は決して笑顔を崩さなかった。
「不気味なほどに」
「君の噂はよく聞いているよ」
「決して弱音を吐かなかった
そうじゃないか」
「成績も優秀なんだってね!」
啓人は戸惑う顔を隠せなかった..
「そうか、君には言い忘れてた。」
「脳波だよ脳波」
「四六時中つけてただろ」
「脳波計」
啓人はしかめ面で男を睨みつけた。
「親父はどこにいる?‥‥」
笑みを崩さず男は言った。
「親父?....あ~君のお父さんだね昨夜病死
したよ..」
男の人を小馬鹿にした態度で
啓人の疑心感は確信に変わり、眉間に皺を寄せ啓人は出させる限りの声で怒鳴った。
「《な訳ねーだろ‼︎》
「ん?」
表情を変えないまま、啓人の声怒声に動揺する男。
だが今まで以上に不気味な笑みを浮かべるスーツの男。
「僕は嘘はつかないよ薬で亡くなったんだよ昨夜」
湊が顔を男に向け勃然と声を上げた。
「薬で亡くなった?」
「どうせお前らが殺したんだろ?
紬の様に!」
その瞬間男の顔には笑みは消えた。
男の目は開き黒い小さな瞳でゴミを見下す様に湊に近づく..
「君は確か湊君だよね?」
手錠された湊に顔を近づけた
男は甲高い声とは裏腹にドスの利いた声で湊に告げた。
湊の眉間に皺がより静かに男を睨みつけた。
「お前...今なんて言った⁈」
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