緋色の魔王(α)と暴君王子(α)の寵愛は愛に飢えた僕(Ω)を離してくれない

子犬一 はぁて

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番外編|3人でピクニックデート(side ジス)

 よく晴れた澄み切った青空の下。

 天候に恵まれた中で、ジスとシュカ王子に挟まれるようにして阿月はレジャーシートの上に正座する。

「はやくそなたの作った弁当が食べたくてたまらぬ」

 きゅううん、と目力強めなジスに真っ直ぐ目を合わせられると胸がとくんとくんと高鳴る。いつもの寡黙な表情より和らいでいるのが伝わってきて心を開いてくれているんだと気づく。

 阿月はさっそくジスのために作ったお弁当を手渡した。まん丸なお月様の形をしているお弁当箱だ。

 ジスはそれを受け取ると愛おしそうに阿月の指先に自身の指を絡めた。不意の触れ合いに身体がぴくんと跳ねてしまう。

「ではさっそく開いてみよう」

 ぱか、と軽快な音を立てて蓋が開けられた。そこに入っていたものを見てジスは言葉を失う。

「これは……わたし、なのか?」

 丸いお弁当の真ん中には、ジスをミニキャラクターにしたゆかりおにぎりを入れた。

「キャラ弁とか初めてで見栄えが少し変かもしれないけど……」

 阿月は自分の膝の上で両手を開いたり閉じたりして目線を下げる。

「阿月……」

 ジスはためらうことなく阿月の身体を抱き寄せた。ふんわりと薫るバイオレットリリーの匂い。この匂いをかぐと落ち着くのだ。

「ありがとう。そなたの想いが伝わってきてわたしは嬉しい」

 ぽんぽんと優しく頭を撫でられてわたわたしていると、さっそくジスがスプーンを使ってキャラ弁を口に運ぶ。

 一口含めば、「ん……!」と小さく唸り、阿月を見て微笑むだけ。そんな小さな仕草でもジスがどれだけ喜んでくれているのかがわかって阿月は安堵する。

「おいしいな。また作ってもらえないか?」

「もちろん。いつでも言って」

 ぺろりとお弁当の中身を平らげたジスが風のそよぐ木陰で涼をとりはじめる。その横顔が美しくて、やはり自分はジスに惹かれて仕方がないと自身を振り返る阿月だった。
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