緋色の魔王(α)と暴君王子(α)の寵愛は愛に飢えた僕(Ω)を離してくれない

子犬一 はぁて

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※アルファのままに、オメガのままに(阿月side)(1)

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 ぬる、と首筋に走る違和感に目を開けた。すると、そこには僕を組み敷くジスの姿が。

「んんっ」

 それと同時に自分の体に走る違和感。ああ、もう何回も知ってるよ。発情期ヒートに襲われたのだ。

 発情期というのは、月に1度の頻度でオメガの身体に起こる、性的な欲求が高まる期間のことだ。一般的なオメガの発情期は、月に1度、約1週間起きることが多いと言われているが、症状や期間には個人差がある。僕は月に1度、約3日は発情期に襲われる。

 発情期には性のことしか頭に浮かばず、自分で処理して、ひたすら眠るの2択しかない。僕はまだ自分の発情期を他人とすごしたことはなかった。だから今、とても困惑している。

 ジスは今にも僕のことを襲いたいに違いない。せっかく、仲良くなれたと思ったのに……。これから酷く抱かれるんだろうなと想像してから、頭の奥がこおんと響く。

「……すまない。魔王といえども、そなたの放つフェロモンには抗えないようだ。優しく抱く。それなら許してもらえるだろうか」

「え……」

 ジスは僕の頭を撫でながら、優しく声をかけてくれる。きっと今すぐにでもアルファの本能として襲いたいはずなのにそれを我慢してくれている。それと、ジスの言った「優しく抱く」という言葉に心が満たされていく心地がした。

 この人となら──。

 セックス自体、僕はしたことないけど……。ジスとなら……。

「はい……僕、こういうの初めてで、下手くそかもしれないですけど、よろしくお願いします」

「ふふ。そんなにかしこまらなくてもよいのに」

 こくん、と僕は頷く。

「わたしはそなたがかわいらしくてたまらぬ」

「っ!?」

 ジスの緋色の瞳の奥が燃え上がるように揺れている。興奮、してるんだ。僕の放つフェロモンに。そう思うとなんだが僕の身体もびくびくと細かく痙攣を始めてしまう。なに、こんな快感の強い状態は初めてだ。自分の身体の変化に戸惑っていると、ジスが僕の顎を軽く持ち上げてその唇に蓋をした。

「んむ……んあ……はぁ」

 初めてのキスは、魔王様と。
 僕は上手な息の吸い方も知らないから、喘ぐ時に息を吸うしかない。ジスは、普段の穏やかな雰囲気とは様子が異なり、噛み付くように濃厚なキスを僕に捧げた。

 やっぱり、あんなに優しくてもジスはアルファなんだ……。

「ん……っ……ぁ」

 ぬる、としたジスの紅い肉厚な舌が僕の口内を蹂躙する。予測のできない動きに脳みそが追いつかない。ジスはキスの間、僕の頭を優しく固定して離してくれない。

 僕が1番気になるのはーー

 無意識に太ももにあたる熱いもの。ジスの……そう考えたら頬がかぁぁあと赤く染まっていくような気がした。

 そして、当然僕のも……どくんどくんと早鐘を打つ心臓と同じく、脈を刻むものが足の間にある。ジスは僕に覆い被さるようにキスをしているから、きっと僕のもジスのお腹にあたっちゃってる……すごく恥ずかしいよ……。
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