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第一章~ごはんを邪魔するものは万死に値します~
マギア理論
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魔法は魔力を持って生まれた者だけが扱うことのできる技術です。
体内に宿すセフィロトのスフィアへどのように魔力(マナ)を走らせるかで、具現化する魔法は変わってきます。
ケテル、コクマー、ビナー、ケセド、ゲブラー、ティファレト、ネツァク、ホド、イェソド。セフィロトを構成するこの九つのスフィアこそが魔法を無限に生み出す器でした。
私の発見した魔力結晶強殖外装マギア。
論文にして発表すれば剣持つ者の世界は覆されるでしょう。
ですが、私はそれをしませんでした。
理由はいくつかありますが、大きな点として説明不可能な部分が二つあるのです。
ひとつ、空想の産物とされていたセフィロトの第ゼロのスフィア「ダァト」が関わっているからです。
ダァトは隠された知とは言われておりましたが存在は否定されております。
しかし、私には確かにダァトが宿っております。
ふたつ、第十のスフィア「マルクト」へ至る道。
マルクトの存在は認められているものの、他のスフィアより至る経路「パス」が見つかっておりませんでした。マルクトへマナを送ることができないのです。
これも技術というより才の部類になると思い、恐らく向こう五十年は発表があったとしても嘲笑されるだけでしょう。
マギアはダァトとマルクト、この二つのスフィアを完全に支配することで叶う新時代の魔法です。ですが、私は大魔導士への道も、歴史に名を残すことも、なにひとつ興味はありませんでした。私の願いはふたつ、穏やかな日々と、幸せな結婚。
そのために、私は今日も魔法学院で教鞭を振るっているのです。
そう、素敵な殿方との出会いを信じて。
体内に宿すセフィロトのスフィアへどのように魔力(マナ)を走らせるかで、具現化する魔法は変わってきます。
ケテル、コクマー、ビナー、ケセド、ゲブラー、ティファレト、ネツァク、ホド、イェソド。セフィロトを構成するこの九つのスフィアこそが魔法を無限に生み出す器でした。
私の発見した魔力結晶強殖外装マギア。
論文にして発表すれば剣持つ者の世界は覆されるでしょう。
ですが、私はそれをしませんでした。
理由はいくつかありますが、大きな点として説明不可能な部分が二つあるのです。
ひとつ、空想の産物とされていたセフィロトの第ゼロのスフィア「ダァト」が関わっているからです。
ダァトは隠された知とは言われておりましたが存在は否定されております。
しかし、私には確かにダァトが宿っております。
ふたつ、第十のスフィア「マルクト」へ至る道。
マルクトの存在は認められているものの、他のスフィアより至る経路「パス」が見つかっておりませんでした。マルクトへマナを送ることができないのです。
これも技術というより才の部類になると思い、恐らく向こう五十年は発表があったとしても嘲笑されるだけでしょう。
マギアはダァトとマルクト、この二つのスフィアを完全に支配することで叶う新時代の魔法です。ですが、私は大魔導士への道も、歴史に名を残すことも、なにひとつ興味はありませんでした。私の願いはふたつ、穏やかな日々と、幸せな結婚。
そのために、私は今日も魔法学院で教鞭を振るっているのです。
そう、素敵な殿方との出会いを信じて。
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