神様、幸運なのはこんなにも素晴らしい事だったのですねぇ!

ジョウ シマムラ

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第 二章 冒険者ギルドとやっぱりのお約束

第 16話 初依頼とお約束の?マップチート ②

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    丁度昼なので、どこかで昼飯にするかと考えながら歩く、初めての仕事を終えた私だった。
    村にくる途中あった、小川の川岸で丁度良さげな石に座り、一応周辺を確認してからインベントリィから昼飯を取り出す。
    インベントリィ内では時間経過がないので、朝に貰ったときのまま温かい状態のサンドイッチだった。

    「いただきます。」

掌を合わせて唱え、籠から美味そうなサンドイッチを一つとり出した。日本のコンビニで売っている薄さでなく、クラブサンドよりも分厚いサンドイッチのタイプだ。

    かぶり付き噛みしめると、焼きたてのパンの香ばしい香りと挟んである具の鶏肉の旨味と葉野菜のしゃきしゃき感が堪らなく旨い。インベントリィから屋台で買った果物ジュースを取り出し口の中のサンドイッチと共に飲み込んだ。

    「美味い。料理だけでなく、サンドイッチもまた旨いとは、本当に料理が上手なのだな。」

心の声が思わず呟きにでた。
その後は食欲に任せ一気にサンドイッチ食べ尽くしす。腹が膨れた所でこの後どうするかを考えた。

    本来の依頼は達成してあとはギルドに完了の報告するだけだが、帰りの時間を考えても二、三時間は余裕がある。ついでにポーション用に薬草でも採取しておくかと一端街に向かう。
    街近くになった所で、街の北に広がる森林地帯に向かった。

    一時間程で森に着いた。
その時になって自分が薬草の事を全く知らない事に気付いた。

    「まいったな。今さらながらに気付くとは、我ながら抜けた話しだ。さて、どうするかな。」

    こんな時ラノベや転生モノだとどうするかなと考えると、ふとあるアイディアが浮かんできたのでダメ元で覚悟で取敢えず試してみることにした。
つまり困ったときの、

    「〈オーケー・検索〉。」

    ピポ!効果音と共に立ち上がる検索画面。

「検索ワード『指定物を探査する魔法』を検索。ポチッとな。」

(検索に魔力二十必要ですが、実行しますか?(Y/N))

勿論Yをタップする。

(検索結果・無属性魔法の探査魔法〈サーチ〉がありますよ。これはマップ上に探査対象を表示します。生物は白、危険物及び敵対物は赤、鉱物や薬草など他の素材は黄色の点で表示されます。マップ表示にて、表示色は変更出来ます。魔法は〈サーチ〉を唱えた後に探査対象の名称を唱えると使用できるわよ。覚えてみる?( Y/N))

    なんか、心持ち検索の文面がフランクになってきているような気がする。気のせいかと戸惑いづつもここで気にしては何か負けた気がするので、あえてスルーでYをタップする。
早速使ってみるか。気にしない気にしないと。

(ピロ~ン♪『魔導の極み』により、〈無属性魔法・サーチ〉を覚えました。)

よし、早速使おう。
 
    「〈サーチ・薬草〉と。」

    おお、マップ上の森の部分に一杯黄色の点が表示される。あまりに多くて黄色だらけだ。
    こりゃ楽だわ。まさにチートだね。探し物はこれで一発だね。
自身の事なのにしみじみ感心する。また、対象を魔物や盗賊などにすれば、索敵にも使えるし、いや超便利だわ。

    早速近くに黄色く表示されている所に行き、その植物を念のため〈鑑定〉する。

(鑑定結果・名称 /リフレ草    効能/  傷等の外傷による生命力・体力を回復修復する効果がある。ただし、生のままでの服用では効果が薄くまた大変苦味が強い。茎葉はヒールポーションの原料だよ。 )

    ・・・なるほど、茎と葉が素材になるのかと知り茎の根元近くで切り取った。すぐにインベントリィにしまう。品質劣化には注意しないとね。
もう一度〈サーチ〉をとなえなおす。

「〈サーチ・リフレ草〉。」

    視界のマップが更新される。先程に比べると黄色の点は数を減らし、マップは大分すっきりした表示となる。やはり、他にも薬草の種類があるんだな。

    結局二十本ほど集めた所で、夕方になったので終えて街に帰る。

    街に入りギルドに向かう。やはりこの時間帯は混雑するな。窓口に並ぶと最近盗賊が多いとか森から魔物が良く出てくる様になったとか、周りの冒険者達が話しているのが聞こえた。そうこうしている内に自分の番が来て、受付嬢が話しかけきた。

    「今晩は。どのようなご用件でしょうか?」
「依頼完了の手続きと討伐した猪の買い取りをお願いしたい。」
「さきに完了手続きをさせていただきます。依頼票とギルドカードをお願いします。」

言われた通り渡すと、カウンター下の道具にセットして何かのボタンを押した。
ピッ!と音がしてカードが出て受付嬢がカードと依頼料を渡してきて、

「手続き完了です。後、買い取りは一番右端のカウンター窓口になります。」

そう言って、自分の右側の端にある大き目の窓口を指す。

    礼を良い、その窓口に並ぶ。窓口では買い取りしてもらう角ウサギやワイルドドッグ、フォレストウルフ等の中~小型の受付をしていた。並んでいるのが低ランクが多いらしく、角ウサギや枝鹿、ウルフといった獲物を良く見かけた。三十分ほど経つと自分の番になった。

    「買い取りかい?

窓口の体格が良く厳ついおっさんが率直に聞いてくる。

「ああ、猪だがやや大き目なんだけど窓口で大丈夫かい?」
「ふーん大き目ねぇ。一応出してみな。」


の男性は、丸で私の報告を信用していない口振りで言うので、少しムッとしたいわれ方をしてので、カウンターに獲物の猪をだした。
    突然目の前に全長全長4メートル近くある太った猪が現れた。カウンターの台が少し軋む中、慌てておっさんは一端仕舞う様に言ってきた。また猪をインベントリィに仕舞うと、カウンターの上の猪がパッと消えた。

    「兄ちゃん、アイテムボックス持ちなのかい?疑ってしまって悪かったな。ここじゃなくて、裏の解体倉庫に直接持って行ってくれ。オイ、この人を倉庫へ案内してくれ。」

と、後ろに控えた職員に声をかける。頷く職員が、

「こちらです。」

と案内してきた。ついていき、倉庫と呼ばれる場所に案内された。

    建物の中は血の臭いが強く気持ち悪くなる。たまらずに〈クリーン〉を唱えると臭いが無くなった。
    しかし職員が慌ててギルド内では無闇に魔法を使用してはいけないと強く注意された。素直に謝罪して臭いで気持ち悪くなったことを言い、初めてここに来たので知らずに使ってしまったと謝った。今後は注意して下さいねと厳重注意された。

    「ここに獲物を出して下さい。」

と、指定された場所に猪の頭と胴体をそれぞれ取り出すと、査定が始まった。

    「うーん。傷も少なくてさっき死んだばかりの様な良い状態だねぇ。」

と誉められた。

「これなら高値で買い取りさせてもらうよ。」

職員は笑顔で話しかけてきた。結局牙二本で一本銀貨五枚、毛皮が銀貨五十枚、肉が三五〇キロあるから金貨三枚と銀貨五十五枚になる。合計で、金貨四枚と銀貨十枚と査定された。
    肉の買値が予想以上に高く調良かったのに驚きつつ、その金額で了承した。受け取りにサインしてから、
職員から書類をもらい、窓口に渡せと言われた。

    窓口に戻り受付嬢に貰った書類をわたす。

「はい、こちらが買い取り金額になります。ご確認下さい。」

と小さな皿に貨幣を乗せて差し出してきた。

「確かに。」

金額に間違いがないことを確認して、懐に入れる振りをしてインベントリィにしまった。初仕事にしては良い稼ぎだったなとニンマリする。

    手続きが全て終了したので夕飯を食べにいつもの飯屋に向かった。

    今日のメニューは何が食えるかな?








    

   
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