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第 四章 家庭教師な日々と初めての錬金術。
第 44話 気の力と神刀流。
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バスタードソードを抜き、ダラリと全身の力を抜いたまま、心持ち腰を落として心臓の辺りにある『気』の塊を血管を通して全身に巡らせる。それが安定したら、右手の掌から剣にも通す。日本での修行では、これが出来るまで五年近くかかった。まあ、最初の『気』を掴むのに二年かかったが。
剣がうっすらと白く輝く。『気』が武器に充ちた証拠である。その状態で、八方向に斬りつける。
「〈硬気斬〉は自在に操れるな。」
続けて、剣に『気』を一気に込めて、切り払うのと同時に剣に溜まった『気』を塊で解き放つ。標的にした岩から二・三メートル左に逸れて着弾した。
「ドン!」
着弾した途端に爆発音がして直径五メートルの穴が開く。
(ピロ~ン♪『武技の極み』により、〈剣術・神刀流〉の技〈飛燕弾〉を覚えました。)
ふう。二十年近く使わなかった技だけど、発動はしたか。当たらなかったのは、まあ仕方ない。続けて行こう。
再び力を抜いた構えから剣に『気』を込めて、左から右側へ切り払うのと同時に扇形に五方向に気弾を打ち出す。爆発音が五つ起こり、目の前に五つの穴が扇形に空いている。
(ピロ~ン♪『武技の極み』により、〈剣術・神刀流〉の技〈孔雀弾〉を覚えました。)
よし、次だ。剣を一旦鞘に納めて、左手で鞘を軽く掴み、右手は柄に置く。
柄を通して剣に『気』を通す。『気』が充ちて鞘の中で光っている。腰を落として、呼吸を整え一気に抜刀する。前後左右一息に縦に切り裂く。
(ピロ~ン♪『武技の極み』により、〈操気術〉のレベルが上がりました。〈剣術・神刀流〉の技〈阿修羅斬〉を覚えました。)
(〈斬〉〈弾〉は使えるな。)
また、力を抜いた構えから剣を肩の高さまでもちあげ右足を引いて半身になり、まるで弓を引くように右腕を引き、左手は掌を前に向け伸ばす。腰を落として、呼吸を整え身体中が『気』に充ちると、その『気』が剣に充ちるのをまち、『気』と共に周りの大気も渦にして打ち出す。イメージで『気』を操る。前に突き出された剣先から気弾は出たが、それだけだった。
(うーん、〈螺旋波〉は失敗か。まだ〈操気術〉が足りないか。これではその上の〈撃〉はまだ無理なのか。)
続けて、再び力を抜いた構えから、『気』を練り剣に『気』が充ちると、その場でクルッと一回転しながら横に払った剣から『気』を薄くカミソリの刃の様に周囲に解き放つ。一回転して元に戻ると、自分を中心にして「ボッ」と突風が吹き散った。
(むう〈円月波〉、これも失敗か。)
うーん、今の剣術レベルだと神刀流の技は〈斬〉と〈弾〉の技までしか使えないみたいだな。〈剣術〉と〈操気術〉を上げないと無理ぽいな。今後の課題だ。
その後〈飛燕弾〉と〈孔雀弾〉の練習をして、きちんと的に当たるようになった。
ズンッ!いきなり体中が鉛の様に重くなった。膝に力が入らない。その場に座り込み座禅を組んで息を整える。念のため、周囲に魔物が居ないか確認する。
魔物がいないのを確認して、体内の『気』を体中に巡らせる。
そして、頭頂・眉間・喉・心臓・ヘソの下にある『気門』を開いて大地や大気から『気』を吸い込むイメージで『気』を操る。
日本にいた時には、眉間から下は自在に操れたがこの世界では心臓とヘソの下の門しか操れない。まだまだ力不足のようだ。僅かずつ『気』が体内に戻ると大分楽になった。いつもの事とは言え、久々になるとキツイなぁ。
大神神刀流がなぜ一家相伝で一般に広めなかった理由がこれである。
そもそも『気』とは何か?解りやすく言うなら、生体エネルギー。大地を循環する生命の力の流れ。
魔力や体力とも違う魂の力である。つまり使い過ぎると突然死ぬことになる。なので極力使い過ぎに気を付けないといけない。体中に力が入らない状態は危ない兆候の一つである。こうなったら大人しく寝てるか、今俺がやっている様に体外から『気』を取り入れるかしないと中々回復しない。この欠点の為、一般にひろめなかったのだ。
大分楽になったので今度は普通の剣術の稽古をする。最後に居合いの抜き打ちを繰り返し納得いったところで剣を納めて街に帰る。
時刻は昼を過ぎ二時になろうかと言った所だ。昼飯を取りにいつもの飯屋(飯屋も〈猪鹿亭〉と言うらしい)に向かう。
「いらっしゃいませ。」
カイラの元気な挨拶が迎えてくれた。
「ランチはまだ大丈夫かい?」
「はい、大丈夫ですよ。ランチでいいんですね?」
「ああ、頼む。それと果実水も頼むよ。」
「はい、全部で銅貨七十五枚です。」
懐からインベントリィ経由で銅貨で払う。
「毎度~。お父さん、ランチ一丁。」
「あいよ!」
これも相変わらず威勢の良い親父さんの返事が返ってくる。メシの後は錬金術用と湯沸かしの道具を探して見て回りますか。
剣がうっすらと白く輝く。『気』が武器に充ちた証拠である。その状態で、八方向に斬りつける。
「〈硬気斬〉は自在に操れるな。」
続けて、剣に『気』を一気に込めて、切り払うのと同時に剣に溜まった『気』を塊で解き放つ。標的にした岩から二・三メートル左に逸れて着弾した。
「ドン!」
着弾した途端に爆発音がして直径五メートルの穴が開く。
(ピロ~ン♪『武技の極み』により、〈剣術・神刀流〉の技〈飛燕弾〉を覚えました。)
ふう。二十年近く使わなかった技だけど、発動はしたか。当たらなかったのは、まあ仕方ない。続けて行こう。
再び力を抜いた構えから剣に『気』を込めて、左から右側へ切り払うのと同時に扇形に五方向に気弾を打ち出す。爆発音が五つ起こり、目の前に五つの穴が扇形に空いている。
(ピロ~ン♪『武技の極み』により、〈剣術・神刀流〉の技〈孔雀弾〉を覚えました。)
よし、次だ。剣を一旦鞘に納めて、左手で鞘を軽く掴み、右手は柄に置く。
柄を通して剣に『気』を通す。『気』が充ちて鞘の中で光っている。腰を落として、呼吸を整え一気に抜刀する。前後左右一息に縦に切り裂く。
(ピロ~ン♪『武技の極み』により、〈操気術〉のレベルが上がりました。〈剣術・神刀流〉の技〈阿修羅斬〉を覚えました。)
(〈斬〉〈弾〉は使えるな。)
また、力を抜いた構えから剣を肩の高さまでもちあげ右足を引いて半身になり、まるで弓を引くように右腕を引き、左手は掌を前に向け伸ばす。腰を落として、呼吸を整え身体中が『気』に充ちると、その『気』が剣に充ちるのをまち、『気』と共に周りの大気も渦にして打ち出す。イメージで『気』を操る。前に突き出された剣先から気弾は出たが、それだけだった。
(うーん、〈螺旋波〉は失敗か。まだ〈操気術〉が足りないか。これではその上の〈撃〉はまだ無理なのか。)
続けて、再び力を抜いた構えから、『気』を練り剣に『気』が充ちると、その場でクルッと一回転しながら横に払った剣から『気』を薄くカミソリの刃の様に周囲に解き放つ。一回転して元に戻ると、自分を中心にして「ボッ」と突風が吹き散った。
(むう〈円月波〉、これも失敗か。)
うーん、今の剣術レベルだと神刀流の技は〈斬〉と〈弾〉の技までしか使えないみたいだな。〈剣術〉と〈操気術〉を上げないと無理ぽいな。今後の課題だ。
その後〈飛燕弾〉と〈孔雀弾〉の練習をして、きちんと的に当たるようになった。
ズンッ!いきなり体中が鉛の様に重くなった。膝に力が入らない。その場に座り込み座禅を組んで息を整える。念のため、周囲に魔物が居ないか確認する。
魔物がいないのを確認して、体内の『気』を体中に巡らせる。
そして、頭頂・眉間・喉・心臓・ヘソの下にある『気門』を開いて大地や大気から『気』を吸い込むイメージで『気』を操る。
日本にいた時には、眉間から下は自在に操れたがこの世界では心臓とヘソの下の門しか操れない。まだまだ力不足のようだ。僅かずつ『気』が体内に戻ると大分楽になった。いつもの事とは言え、久々になるとキツイなぁ。
大神神刀流がなぜ一家相伝で一般に広めなかった理由がこれである。
そもそも『気』とは何か?解りやすく言うなら、生体エネルギー。大地を循環する生命の力の流れ。
魔力や体力とも違う魂の力である。つまり使い過ぎると突然死ぬことになる。なので極力使い過ぎに気を付けないといけない。体中に力が入らない状態は危ない兆候の一つである。こうなったら大人しく寝てるか、今俺がやっている様に体外から『気』を取り入れるかしないと中々回復しない。この欠点の為、一般にひろめなかったのだ。
大分楽になったので今度は普通の剣術の稽古をする。最後に居合いの抜き打ちを繰り返し納得いったところで剣を納めて街に帰る。
時刻は昼を過ぎ二時になろうかと言った所だ。昼飯を取りにいつもの飯屋(飯屋も〈猪鹿亭〉と言うらしい)に向かう。
「いらっしゃいませ。」
カイラの元気な挨拶が迎えてくれた。
「ランチはまだ大丈夫かい?」
「はい、大丈夫ですよ。ランチでいいんですね?」
「ああ、頼む。それと果実水も頼むよ。」
「はい、全部で銅貨七十五枚です。」
懐からインベントリィ経由で銅貨で払う。
「毎度~。お父さん、ランチ一丁。」
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