神様、幸運なのはこんなにも素晴らしい事だったのですねぇ!

ジョウ シマムラ

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第 四章 家庭教師な日々と初めての錬金術。

第 50話 家庭教師2日目。③

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    侯爵様に挨拶して訓練場を後にする。
時間はまだ午後三時すぎなので、一度図書館によってポーション作成の教本がないか探すのも良いかなと思った

    「〈マップ表示・オン〉」
「〈サーチ・ポーションのレシピ本〉。」

    図書館を訪れ、入り口受付で入館手続きを、済ませ、早速レシピ本を探すため魔法をつかった。
    館内の一角がマップ上で点滅した。館内を点滅している本棚に向かって移動するとポウっと黄色く瞬く本が棚に並んでいるのを見つける。

「サーチ・初級中級ポーションの作成レシピ本」

瞬いていた本の数が減り、全部で二十冊程がまだ光っている。仕方ないので全て取り出し片っ端から目次を確認して重複する物は省いていく。すると、七冊にまで減らせた。
    七冊以外は元の棚に戻し、この七冊を〈コピー〉していく。読むのは部屋に戻ってからだ。
さて、集める資料は集めたし、七冊の本も棚に戻して受付で挨拶をすませ宿屋へ帰ることにした。

    「お帰り。はやかったねぇ。今日の仕事はしまいかい?」
「ああ、思ったよりも早く仕事が片付いたのでね。後は部屋で読書でもして過ごそうかとおもって帰ってきたのさ。」
「へー読書ねぇ。アンタ冒険者ぽくないねぇ。」
「どうしてだい?俺にとっては普通の事なんだが。」
「だって他の冒険者達は、仕事が終われば酒場で酒盛りして馬鹿騒ぎするもんさね。なのにアンタは部屋で読書ときたもんだ。普通じゃないよ。」
「いや、俺の祖国では酒は二十歳にならないと飲めないのさ。この国では法律がどうなのかは知らないが、ま習慣みたいなものさ。」
「そうなのかい、変わったお国なんだねぇ。この大陸にある国は全部十五歳で成人だからね。アンタ位から皆飲み始めてるよ。」
「ここらは十五歳で成人なのか。知らなかったよ。まあ俺の個人的な拘りだと思ってくれ。」
「世界は広いんだねぇ。二十歳で成人の国があるなんてねぇ。」
「まあ、俺は俺だから。では女将さん失礼するよ。」
「ああ、しっかり勉強おし。」

女将さんの言いように笑って部屋向かう。

    部屋で自分ごと〈クリーン〉をかけ、綺麗にしてから装備を脱ぐ。インベントリィにしまい、椅子に座る。
テーブルの上に買った魔道コンロと小型のヤカンをだして置く。
ヤカンに生活魔法の〈ウォーター〉で水をいれ、コンロに乗せ点火する。

(魔道具って便利だわ。)

    続けてティーカップとティーポットを出してそこに買った茶葉をいれて湯が沸くのをまつ。俺は別段美味しい紅茶の入れ方なぞ知らないので、我流でいれていく。暫く待つとヤカンがシュウシュウ音をたてて沸き立った。コンロの火を消して、ポットに湯を注いだ。
部屋に紅茶の香りが広がり、気分が落ち着いてくる。茶葉が開くのを待ちながら、ステータス画面を開いた。

「ステータス・オープン」

    カップに紅茶を注ぎ、香りを楽しむ。安い?茶葉の割には良い香りをさせている。

(う~ん、マッタリしてきたな。)

    茶を一口飲み、ホウとため息をついた。

(あー、クッキーが欲しいところだな。)

    早速コピーしてきた本を読むため本棚に画面を切り替える。

    偶然だろうか、コピーした本は同じ著者のシリーズ物だった。初級編四冊に中級編三冊だつた。
まず初級編の第一巻をタップして読み始める。

    最初は製薬に必要な道具類とその解説からだった。
読むと足らない物が幾つかまだあると知った。明日買いに行く事が決定したね。

    続いて製薬の仕方だが、魔法を使う方法と使わない方法があり、使う方は安定した品質が作れるが、高品質な物は出来ない。魔法を使わない方法は製作者の力量によって品質が変わってくる。薬師を目指すなら、魔法を使わない方法で腕を磨くことを薦める。余裕が有れば魔法を使う方法も覚えておいた方が、いざ大量に必要な時に便利である。

    次に初級体力回復ポーション、通称初級回復ポーションの材料と製薬手順が載っていた。
    何々、材料のリフレ草の茎と葉を乳鉢で細かく良くすりつぶした物に、同じく乳鉢で細かくすりつぶした安定剤と言われる物を同量いれ、よく混ぜた所に魔法で作った水を注ぎかき混ぜる。その液体をビーカーに移し沸騰させない程度に温め液体の反応をうながす。
    但し沸騰させては失敗するので要注意か。安定剤という物も買わんといけないな。
    無事反応が起こると、一瞬溶液が光るのでそれと判る。反応が起きたら、溶液を自然に冷まして定型の容器にいれ密封すれば出来上がりか。容器と栓もいるな。まだまだ足りない物が多いなぁ。これも明日だ。

    読み老けっていたため、お茶が冷め始めていた。残りを一気にのみほした。まだポットに残るお茶を注ぎカップを受け皿ごとインベントリィにしまう。
空のポットを持って階下に下りて裏の水場に向かう。
水場でポットを洗い〈クリーン〉をかけてインベントリィにしまう。そろそろ日が暮れて来たので、女将さんに鍵を預けてメシを食べに飯屋に向かった。


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    祝!五十話達成。相変わらずの進展の遅さ、作文スキルが益々欲しい日々でございます。今後もマイペースでガンがります。
                     著者(拝)


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