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第 五章 王都と陰謀と武闘大会
第 60話 武闘大会前夜の考察。
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いよいよ明日から建国祭が始まりますね。期間中王都は、お祭り騒ぎで凄い混雑になるらしいです。
国内にとどまらず隣国をはじめ遠方の国からも、見物や武闘大会に参加するために多くの人が来訪するらしいね。中には、この騒ぎに紛れるために各国の諜報員も来ているのは公然の秘密だそうだ。怖いねぇ。
普段は屋台露店商なんか出ていない通りにも店を開いて客を迎える。まぁ、中には客を騙して一儲け考えている悪いヤツもいるらしい。皆、気を付けようね。
まあ、俺は期間中は侯爵一家の護衛の依頼を受けているので、勝手に遊びになんて行けないけどね。残念だ。旨い屋台を探したかったよ。
王都に来てからの二週間も別に遊んでいたわけではないよ。本当だよ?
(まあ少しは市場とかを歩き回ったけどね。色々収穫もあったし。)
この間に様々な王国貴族家の噂を聞き込み、おおよその概要は掴めたと思う。
全くどこの世界、いつの時代でも派閥争いというものは有るようで、俺が今いるウェザリア王国にも派閥争いはあって、大きく分けて三つからになるそうだ。
王室を中心に王家主導の政治を目指している。そのため門閥貴族の改革を推進して、王室の権力強化をしたい国王派と貴族としての権力強化と国政への発言力強化を目指す高位の法衣貴族の一族と賛同する貴族家が集まる貴族派と他国と国境を接する領地を持つ領主貴族達を中心にしたグループの中立派だ。
大きく分けて三つの派閥があるが、中立派は派閥というよりは個の集まりとしてのグループであるため、政治的発言はしないようだね。
リヒト侯爵は勿論国王派であり、そのリーダーと目されている。派閥のメンバーは四家ある公爵家の内、現国王の姉妹が嫁ぐロンバルト家とボルトン家と宰相のサーム卿の家サイラス侯爵家と現在国政に携わる貴族家や法衣貴族家が中心になっている。日本風に言えば主流派と言った所である。国民の支持も多いのもこの派閥だ。
一方、貴族派は現在国政で役職に着けないでいる二家の公爵家イストール家とアトラス家を中心にその縁続きにあり現王の元で公職につけてもらえていない法衣伯爵家法衣子爵家が派閥を形成している。国民の支持は少ないが、そもそもここは貴族優先の考えなので、国民や領民の支持など気にしないのであるが。
もう一つは、中立派といい辺境伯爵達を中心に国境を持つ領地貴族達である。ここは、他の二派閥に対して全くの中立をとっている。というか、いつ他国から攻められるか分からない場所に領地があるのに派閥争いなんて事に構ってられないというのが本音であるらしい。
今の所の勢力比は国王派四割、貴族派三割、中立派三割である。国王派と貴族派は対立的だが、表立っての争いはまだ起きてないが、何かの機会でいつ実力行使が有ってもおかしく無い程の緊張感だとの事。
こりゃあ、侯爵一行襲撃事件や魔物襲来事件は敵対派閥の貴族派の工作と考えられるが、具体的な証拠や証人がないので手が出せないって状況だな。
以前引き渡した襲撃犯達は、闇ギルドのメンバーだったし。リーダー格の男は支部長で彼の情報に期待していたが、あの手紙は闇ギルド本部からの手紙で依頼主からではなかったらしい。
ただ魔物襲来事件は、やはり闇ギルドも手を貸していたらしく、領都リヒトもろともに、侯爵殺害を狙ったものらしい。
籠城戦に持ち込み、騎士達が防衛のため出払って護衛が薄くなった隙に侯爵を襲う予定だったらしいが、野戦で終わったため、護衛に隙がなく未発に終わったというのが真相らしい。
結局、黒幕に繋がる証言は得られなかった。何時でも切り捨てられる様になっているのは闇ギルドらしいやり方だと思うよ。
今俺はこの二週間、部屋を借してもらっている侯爵家の別邸の一室にいる。
夕飯も終わり部屋に戻ってきたが、王都に来てからは、何ら襲撃の予兆はない。やはり警戒し警備がしっかりしている現状は、襲いにくいのかもしれないな。
襲ってくるなら、衆人の中だが警備が薄くなる武闘大会、それも皆の視線が集中しやすい決勝戦か決勝トーナメントの辺りが怪しいだろう。
予選参加者は女性部門は八十名と意外と多かった。国外からの参加者もかなりおり、こんなに多いのは何故かと考えていたら、侯爵が理由を教えてくれた。
優勝者や極めて優れた力量を示した者は、本人が望めば女性騎士として登用されるらしい。
女性騎士自体が少ない存在だからか、騎士を夢みる女性は毎年多くいるとの事だ。役回りは王宮の女性王族の警護らしい。ま、セイラお嬢様がどこまでやれるかは、お楽しみにと言ったところだな。
うん?侯爵は王弟だったよな。そうすると、娘のセイラは王の姪になるよな。女性騎士にって?何のために大会に参加しているのかな?うーん、わからん。
話しを変えるが、最近侯爵様の俺への対応が親しすぎる気がする。
また、俺を騎士にと囲い込もうとでも思っているのかな。
それに、お嬢様も最近オカシイのだ。ここ二週間屋敷に泊めて貰ってる事もあり、剣術や質問の相手をしたのだが、まあ剣術練習はよいのだが、質問をしに来ても、顔を会わせて話していると、急に赤くなったり、(何か怒らせたのかな?)
言葉が吃る(どもる)とか、
「もう知りませんわ。」
とか言って話の途中でどこかに走り去ってしまう。
そして、なんか周りからは残念な子みたいに見られる時がある。
日本で生きていた時は、自分で言うのも悲しくなるが、年齢が彼女居ない歴だったから女性の扱いは自信を持って無いと言い切れる。
考える側から涙が出そうだ。あ、マジ出てきた。
悲しくなるから、今日はもう寝てしまおう。
国内にとどまらず隣国をはじめ遠方の国からも、見物や武闘大会に参加するために多くの人が来訪するらしいね。中には、この騒ぎに紛れるために各国の諜報員も来ているのは公然の秘密だそうだ。怖いねぇ。
普段は屋台露店商なんか出ていない通りにも店を開いて客を迎える。まぁ、中には客を騙して一儲け考えている悪いヤツもいるらしい。皆、気を付けようね。
まあ、俺は期間中は侯爵一家の護衛の依頼を受けているので、勝手に遊びになんて行けないけどね。残念だ。旨い屋台を探したかったよ。
王都に来てからの二週間も別に遊んでいたわけではないよ。本当だよ?
(まあ少しは市場とかを歩き回ったけどね。色々収穫もあったし。)
この間に様々な王国貴族家の噂を聞き込み、おおよその概要は掴めたと思う。
全くどこの世界、いつの時代でも派閥争いというものは有るようで、俺が今いるウェザリア王国にも派閥争いはあって、大きく分けて三つからになるそうだ。
王室を中心に王家主導の政治を目指している。そのため門閥貴族の改革を推進して、王室の権力強化をしたい国王派と貴族としての権力強化と国政への発言力強化を目指す高位の法衣貴族の一族と賛同する貴族家が集まる貴族派と他国と国境を接する領地を持つ領主貴族達を中心にしたグループの中立派だ。
大きく分けて三つの派閥があるが、中立派は派閥というよりは個の集まりとしてのグループであるため、政治的発言はしないようだね。
リヒト侯爵は勿論国王派であり、そのリーダーと目されている。派閥のメンバーは四家ある公爵家の内、現国王の姉妹が嫁ぐロンバルト家とボルトン家と宰相のサーム卿の家サイラス侯爵家と現在国政に携わる貴族家や法衣貴族家が中心になっている。日本風に言えば主流派と言った所である。国民の支持も多いのもこの派閥だ。
一方、貴族派は現在国政で役職に着けないでいる二家の公爵家イストール家とアトラス家を中心にその縁続きにあり現王の元で公職につけてもらえていない法衣伯爵家法衣子爵家が派閥を形成している。国民の支持は少ないが、そもそもここは貴族優先の考えなので、国民や領民の支持など気にしないのであるが。
もう一つは、中立派といい辺境伯爵達を中心に国境を持つ領地貴族達である。ここは、他の二派閥に対して全くの中立をとっている。というか、いつ他国から攻められるか分からない場所に領地があるのに派閥争いなんて事に構ってられないというのが本音であるらしい。
今の所の勢力比は国王派四割、貴族派三割、中立派三割である。国王派と貴族派は対立的だが、表立っての争いはまだ起きてないが、何かの機会でいつ実力行使が有ってもおかしく無い程の緊張感だとの事。
こりゃあ、侯爵一行襲撃事件や魔物襲来事件は敵対派閥の貴族派の工作と考えられるが、具体的な証拠や証人がないので手が出せないって状況だな。
以前引き渡した襲撃犯達は、闇ギルドのメンバーだったし。リーダー格の男は支部長で彼の情報に期待していたが、あの手紙は闇ギルド本部からの手紙で依頼主からではなかったらしい。
ただ魔物襲来事件は、やはり闇ギルドも手を貸していたらしく、領都リヒトもろともに、侯爵殺害を狙ったものらしい。
籠城戦に持ち込み、騎士達が防衛のため出払って護衛が薄くなった隙に侯爵を襲う予定だったらしいが、野戦で終わったため、護衛に隙がなく未発に終わったというのが真相らしい。
結局、黒幕に繋がる証言は得られなかった。何時でも切り捨てられる様になっているのは闇ギルドらしいやり方だと思うよ。
今俺はこの二週間、部屋を借してもらっている侯爵家の別邸の一室にいる。
夕飯も終わり部屋に戻ってきたが、王都に来てからは、何ら襲撃の予兆はない。やはり警戒し警備がしっかりしている現状は、襲いにくいのかもしれないな。
襲ってくるなら、衆人の中だが警備が薄くなる武闘大会、それも皆の視線が集中しやすい決勝戦か決勝トーナメントの辺りが怪しいだろう。
予選参加者は女性部門は八十名と意外と多かった。国外からの参加者もかなりおり、こんなに多いのは何故かと考えていたら、侯爵が理由を教えてくれた。
優勝者や極めて優れた力量を示した者は、本人が望めば女性騎士として登用されるらしい。
女性騎士自体が少ない存在だからか、騎士を夢みる女性は毎年多くいるとの事だ。役回りは王宮の女性王族の警護らしい。ま、セイラお嬢様がどこまでやれるかは、お楽しみにと言ったところだな。
うん?侯爵は王弟だったよな。そうすると、娘のセイラは王の姪になるよな。女性騎士にって?何のために大会に参加しているのかな?うーん、わからん。
話しを変えるが、最近侯爵様の俺への対応が親しすぎる気がする。
また、俺を騎士にと囲い込もうとでも思っているのかな。
それに、お嬢様も最近オカシイのだ。ここ二週間屋敷に泊めて貰ってる事もあり、剣術や質問の相手をしたのだが、まあ剣術練習はよいのだが、質問をしに来ても、顔を会わせて話していると、急に赤くなったり、(何か怒らせたのかな?)
言葉が吃る(どもる)とか、
「もう知りませんわ。」
とか言って話の途中でどこかに走り去ってしまう。
そして、なんか周りからは残念な子みたいに見られる時がある。
日本で生きていた時は、自分で言うのも悲しくなるが、年齢が彼女居ない歴だったから女性の扱いは自信を持って無いと言い切れる。
考える側から涙が出そうだ。あ、マジ出てきた。
悲しくなるから、今日はもう寝てしまおう。
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