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第 七章 ツール移動準備とやはりあったお約束。
第103話 領地に向けて出発とまたお約束の影⑧。
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(ピロ~ン♪スキル〈交渉〉を覚えました。)
(おお、〈交渉〉を覚えたぞ。これで、ぼられる事は減るだろう。剣や魔法以外のスキルは初めて覚えたよ。)
商業ギルドで思いもかけずに、トラブルに遭遇したが、事なきを得て私の商会エチゴヤの登録がすんだ。
ギルドマスターから、エチゴヤとは初めて聞く言葉だが、どんな意味かと問われたので、『悪徳商会 』だと教えたら、『伯爵閣下、お戯れを。』と笑われたよ。本当の事なのにねぇ。
何はともあれ、私が会長の商会『エチゴヤ』が無事に登録設立した。人員は誰も居ないのだけどね。公爵様にこの後お話をして見よう。前にも商会立ち上げるときは、相談してくれと仰ってくれたからね。
「すまないが、リヒト公爵の屋敷に向かってくれ。それと、サウルは商会運営でよさそうな人材を知らないかい?」
「私が存じている商会は先日の事件で闇取引きをしていたため、取り潰しになりましたので、あまり宜しくはないかと。」
「ああ、成る程ね。いずれにしても、そんな所にいた人は避けたいね。どこかにいい人いないかなぁ。」
こうして愚痴をこぼしているとリヒト公爵の屋敷に着いた。サウルが先に降りて公爵への面会を門番つたえる。以前に私も一緒に降りようとしたら、段取りが着くまで馬車の中にいてくださいと叱られてしまっ為、大人しく馬車の中にいた。少しばかり待つと、サウルが馬車の扉を開けて、面会が叶ったと言うので、外に出た。すかさずサウルは近づき私の身だしなみを整えから案内していく。
(あー、貴族って面倒臭いわー。)
玄関先に公爵と奥様のシュザンナ様が出迎えてくれた。公爵に商会について相談したいと伝えると、屋敷の中に入れてくれた。応接室に案内されて入ると、ソファーをすすめられたので公爵の対面に座る。ご無沙汰していたことを詫びて本題に入った。
「実は先程、商業ギルドにて商会の登録を済ませましたが、私は商会を運営する人材にあてもなく困っておりまして、以前に公爵様に相談に乗って頂けると言うお言葉を思い出しまして、厚かましくも参ったしだいです。」
「オオガミ君、そんなに堅く考えなくたって相談に乗るよ。ギルドへの登録はすんだわけだね。年会費も支払い済みなのかな?」
「その事ですが、実は商業ギルドで登録の為に説明を聞いていたら、説明をしていたギルドのサブマスターのライリーという男が私に対して詐欺を働きまして、その場で捕まて、ギルドマスターに経緯と共に引き渡したというトラブルが有りまして、ギルドマスターからギルドの不始末として、三年間年会費無料との証書を頂きました。」
「・・・相変わらず、オオガミ君はトラブルに好かれているねぇ。」
やや呆れ気味にいい、言葉の終わりにはクスクス笑う公爵だった。確かに我ながら事が多いなぁとは思うが、俺のせいじゃないからね。ホント、マジで。
「そうすると、相談って人材についてかな?」
「はい、その通りです。私もサウルも商会を任せられる人材に伝が在りませんので、公爵様にご相談に来ました。」
「あ~、もう義父上でいいよ。」
「いえいえ、まだ結婚式を上げた訳では無いのですから、それはまだ気が早すぎますよ。」
「そうかい?もうほとんど結婚しているような物なんだから、義父上って一度呼んでくれたら、相談に乗るよ。」
「(クソ~。なんて嬉しそうに笑いながら言って来るんだ、この親父は。仕方ない。恥ずかしいが、ここは一回だけ呼んでやるか。)分かりました。一回だけですよ。ち、・・・・」
「あなた。オオガミさんをそんなに苛める物ではありませんよ。」
公爵夫人が、笑いながら部屋に入ってきた。
「何だいシュザンナ。今丁度良い所なんだけどね。」
「もう、許してあげては?オオガミさんの顔真っ赤じゃありませんか。からかわれて可哀想に。」
「むう、仕方ないか。君に免じて、ただで相談に乗って上げよう。」
「始めからそのつもりの癖に、御免なさいね。オオガミさん。この人の事、許して上げてね。」
そう言いながら、公爵の隣に座る。
「はい、奥様。」
「たしか、商会を運営する人材だったね。まだ若いが、丁度良いのがいるよ。私の商会の支配人をやっているビルの次男ポールが独立したいと言っていたのだが、個人で独立するだけの資金がなくて出来ず、機会を待っている所なんだよ。会う気が有るなら呼ぶけど?」
「はい、お願いします。」
「わかった。誰か?」
呼び鈴を鳴らした。
「お呼びでしょうか。旦那様。」
「セバスか、済まないが、商会のビルとポールを呼んでくれるか。」
「少しお時間を頂きますが?」
「うん、頼む。オオガミ君、昼は家で食べて行きなさい。ビル達もすぐには来れないだろうからね。」
「はい、有難うございます。お願いします。」
結局、午前中は公爵と夫人と色々話した。ポールの人となりとか、あと騎士団用の、装備の発注はどうしたら良いかとか。ツールの町について何か知らないかとか、以前話に出た赤実がそろそろ収穫時期だから、採れる様になったら欲しいので、連絡を下さいとか、王国内の塩はどこで産出しているかとか、話をしている内にお昼になった。
私もサウルも昼食に招かれて、同席させて頂いた。
家のシェフよりも、公爵家のシェフの方が腕は上だな。最もリヒトの〈猪鹿亭〉の親父よりは落ちるが。やはり親父さん最強説が、真実味をもってきたな。
ああ、あのオークのジンジャーソースステーキは絶品だったなぁ。次にリヒトに寄った時に顔を出しておくか。色々作ってもらい、インベントリィにしまっておくか。あと、冒険者ギルドにも久々に顔を出しておこう。
やっぱ旨いメシを食べている時が一番幸せだよなぁ。
(おお、〈交渉〉を覚えたぞ。これで、ぼられる事は減るだろう。剣や魔法以外のスキルは初めて覚えたよ。)
商業ギルドで思いもかけずに、トラブルに遭遇したが、事なきを得て私の商会エチゴヤの登録がすんだ。
ギルドマスターから、エチゴヤとは初めて聞く言葉だが、どんな意味かと問われたので、『悪徳商会 』だと教えたら、『伯爵閣下、お戯れを。』と笑われたよ。本当の事なのにねぇ。
何はともあれ、私が会長の商会『エチゴヤ』が無事に登録設立した。人員は誰も居ないのだけどね。公爵様にこの後お話をして見よう。前にも商会立ち上げるときは、相談してくれと仰ってくれたからね。
「すまないが、リヒト公爵の屋敷に向かってくれ。それと、サウルは商会運営でよさそうな人材を知らないかい?」
「私が存じている商会は先日の事件で闇取引きをしていたため、取り潰しになりましたので、あまり宜しくはないかと。」
「ああ、成る程ね。いずれにしても、そんな所にいた人は避けたいね。どこかにいい人いないかなぁ。」
こうして愚痴をこぼしているとリヒト公爵の屋敷に着いた。サウルが先に降りて公爵への面会を門番つたえる。以前に私も一緒に降りようとしたら、段取りが着くまで馬車の中にいてくださいと叱られてしまっ為、大人しく馬車の中にいた。少しばかり待つと、サウルが馬車の扉を開けて、面会が叶ったと言うので、外に出た。すかさずサウルは近づき私の身だしなみを整えから案内していく。
(あー、貴族って面倒臭いわー。)
玄関先に公爵と奥様のシュザンナ様が出迎えてくれた。公爵に商会について相談したいと伝えると、屋敷の中に入れてくれた。応接室に案内されて入ると、ソファーをすすめられたので公爵の対面に座る。ご無沙汰していたことを詫びて本題に入った。
「実は先程、商業ギルドにて商会の登録を済ませましたが、私は商会を運営する人材にあてもなく困っておりまして、以前に公爵様に相談に乗って頂けると言うお言葉を思い出しまして、厚かましくも参ったしだいです。」
「オオガミ君、そんなに堅く考えなくたって相談に乗るよ。ギルドへの登録はすんだわけだね。年会費も支払い済みなのかな?」
「その事ですが、実は商業ギルドで登録の為に説明を聞いていたら、説明をしていたギルドのサブマスターのライリーという男が私に対して詐欺を働きまして、その場で捕まて、ギルドマスターに経緯と共に引き渡したというトラブルが有りまして、ギルドマスターからギルドの不始末として、三年間年会費無料との証書を頂きました。」
「・・・相変わらず、オオガミ君はトラブルに好かれているねぇ。」
やや呆れ気味にいい、言葉の終わりにはクスクス笑う公爵だった。確かに我ながら事が多いなぁとは思うが、俺のせいじゃないからね。ホント、マジで。
「そうすると、相談って人材についてかな?」
「はい、その通りです。私もサウルも商会を任せられる人材に伝が在りませんので、公爵様にご相談に来ました。」
「あ~、もう義父上でいいよ。」
「いえいえ、まだ結婚式を上げた訳では無いのですから、それはまだ気が早すぎますよ。」
「そうかい?もうほとんど結婚しているような物なんだから、義父上って一度呼んでくれたら、相談に乗るよ。」
「(クソ~。なんて嬉しそうに笑いながら言って来るんだ、この親父は。仕方ない。恥ずかしいが、ここは一回だけ呼んでやるか。)分かりました。一回だけですよ。ち、・・・・」
「あなた。オオガミさんをそんなに苛める物ではありませんよ。」
公爵夫人が、笑いながら部屋に入ってきた。
「何だいシュザンナ。今丁度良い所なんだけどね。」
「もう、許してあげては?オオガミさんの顔真っ赤じゃありませんか。からかわれて可哀想に。」
「むう、仕方ないか。君に免じて、ただで相談に乗って上げよう。」
「始めからそのつもりの癖に、御免なさいね。オオガミさん。この人の事、許して上げてね。」
そう言いながら、公爵の隣に座る。
「はい、奥様。」
「たしか、商会を運営する人材だったね。まだ若いが、丁度良いのがいるよ。私の商会の支配人をやっているビルの次男ポールが独立したいと言っていたのだが、個人で独立するだけの資金がなくて出来ず、機会を待っている所なんだよ。会う気が有るなら呼ぶけど?」
「はい、お願いします。」
「わかった。誰か?」
呼び鈴を鳴らした。
「お呼びでしょうか。旦那様。」
「セバスか、済まないが、商会のビルとポールを呼んでくれるか。」
「少しお時間を頂きますが?」
「うん、頼む。オオガミ君、昼は家で食べて行きなさい。ビル達もすぐには来れないだろうからね。」
「はい、有難うございます。お願いします。」
結局、午前中は公爵と夫人と色々話した。ポールの人となりとか、あと騎士団用の、装備の発注はどうしたら良いかとか。ツールの町について何か知らないかとか、以前話に出た赤実がそろそろ収穫時期だから、採れる様になったら欲しいので、連絡を下さいとか、王国内の塩はどこで産出しているかとか、話をしている内にお昼になった。
私もサウルも昼食に招かれて、同席させて頂いた。
家のシェフよりも、公爵家のシェフの方が腕は上だな。最もリヒトの〈猪鹿亭〉の親父よりは落ちるが。やはり親父さん最強説が、真実味をもってきたな。
ああ、あのオークのジンジャーソースステーキは絶品だったなぁ。次にリヒトに寄った時に顔を出しておくか。色々作ってもらい、インベントリィにしまっておくか。あと、冒険者ギルドにも久々に顔を出しておこう。
やっぱ旨いメシを食べている時が一番幸せだよなぁ。
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