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第十三章 何でも準備中が一番楽しいのさ。
第228話 油断と後悔は事が起きてから解ること。
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レナードとサウルとの相談は十一時頃までかかった。その後は引き続き書類の決済を済ませた。結論からいうと、農園以外は黒字、これは五年の免税措置で無かったとしても、黒字となる内容だった。皆かなり頑張ってくれている。問題ないのでサインして既決の箱へ入れる。
一段落した所で、サウルが昼食だと知らせに来る。
さて、飯に行くか。お昼のご飯は何だろな。
「あ待たせしたね。早速始めてくれ。」
私のかけ声で、給仕が始まる。お昼のメインは海鮮トッピングのナポリタンだ。グリルしたエビやホタテ貝柱みたいな貝の焼いたものが乗っている。
「にゃー!ナポリタンにゃ! 」
ナポリタンが大好きなアルメイダが大喜びしている。彼女の尻尾が立ち上がりゆーらゆらと、左右に大きく揺れている。
「「いただきます(にゃ)。」」
アルメイダは早速フォークにパスタをクルクル巻き付け、あーんと大きな口を開けて食べ様としたが、相変わらず加減ができないのか、巻き付けたパスタの玉が大きすぎて、口には入らず、慌てて巻き直してから口に入れる。
アイリスは相変わらず要領よく食べているが、目尻が下がっているから、喜んでいるようだ。
そして、以外とサウルも静かだが、目元が綻んでいる。口に合って良かった。
ソニアとシーラはパスタに慣れたようで、クルクルとフォークに巻き付けてお上品に食べている。一方で、レナードとセイラは体育会系のノリで豪快にお代わりしている。
私が新しく考案した料理は今の所、全て受け入れられているようで、良かったよ。料理長の腕も上がったようだし、これで米料理を出しても大丈夫そうだ。
十二の月には、農園に植えた大豆が収穫出来るから、そこから醤油と味噌の作成にトライしよう。待っていろよ白飯と豆腐の味噌汁。
我が野望の成就まであと少しだ。
そんな事を考えていたら、いつの間にか食べ終わっていた。
「「いただきました(にゃ)。」」
合掌して『ご馳走さま』をする。
「サウル、ちょっと出掛けるから馬車の用意をしてくれるかい?」
「旦那様、どちらへお出かけでしょうか?」
「うん、『パーシモン商会』に用があってね。その後に教会にお祈りにいきたいしね。」
「分かりました。早速ご用意しますので、お部屋の方で外出の支度をしてお待ち下さい。」
私とサウルの会話を聞いて、目を光らせた者達がいた。
「あら、ショウ様お出掛けですの?」
ソニアが目を光らせ聞いてくる。
「えっ、あ、うん。イーストンに行く相談をしにね。」
「イーストンとは、どこですの?」
「ああ、この東大陸の南端の東沖合いにある島国さ。今は帝国の属領になっているよ。」
「まぁ、帝国の属領へですか?」
「コーチ、そのお話わたくしは聞いておりませんよ?」
「ショウ様、どういうことですか?」
許嫁三人娘が一斉に食いついてきた。
「・・・事情は説明するが、先に言う。イーストンへは連れては行く気はないからね。」
「何故ですのショウ様?」
ソニアが譲らず理由をきいてくる。
「ふぅ。三人共に良く聞きなさい。イーストンへは、外交いや、潜入工作の為にいくのだ。身分を隠し現地の有力者を探し、説得援助して反乱を起こさせる。私が帝国の駐留軍を始末し、おくられてくるだろう中央からの増援を始末する。そして、帝国から独立させるのだ。イーストンの次はサウスラーニで同じことをする。そうすることで、帝国内の戦力を減らし、ウェザリアへ再侵攻の軍を向かわせない様に工作をするのが狙いだ。さて、その工作員に綺麗どころの娘さんをいっしょに連れているとしたなら、さぞかし目立つだろうな?工作員が目立ってどうするの?それが元で裏工作に失敗したら元もこうも無いでしょう?だから、連れていかないのさ。分かったかい?」
「コーチ、わたくし達にお手伝いできることはありませんの?」
「悪いが今回はないな。帝国に私の身元がバレるのは、面倒なんだよ。本当なら一人で行きたい位なんだがね。今回は初めの内は私とイーストンから来ているあの三名と私の護衛として騎士団から人種族の男の騎士を三名つれていくだけだ。いざ反乱軍が立ち上がったときに、援軍として何人か呼ぶ予定だ。だが、うちの騎士団が直接戦う予定はない。今回は戦闘よりも、見つからないように裏工作で動くのが仕事だ。悪いがいずれも君達には向かない仕事だ。分かったかい?」
「それでは、仕方ありませんね。私達もショウ様の足を引っ張りたくないですから、我が儘は言いませんわ。」
「でも、そうしたら暫くはお会い出来ませんのよね?」
「そうだね、イーストンに着くまでは留守になるね。」
「でしたら、この後のお出掛けにわたくし達もお連れになって下さいまし。先日はアイリスとアルメイダをお連れになったのですから。今日はわたくし達を連れて行って下さいまし。」
「う、・・・分かりました。直ぐに出るので外出の用意をしてください。ついでだ、アイリスとアルメイダも出掛けるから、外出の用意をしなさい。」
「「「はい、承知しました。」」」
「わかったにゃ。」
「貴方も押しに弱いわね、ショウさん?」
「うぅー、ほっといて!」
アイリスの茶々入れと許嫁三人の強烈な押しに負けた形で全員でのお出かけとなった。
(くそー、油断したぜ。しかし服屋には絶対寄らないからな!でも、どこまで反対できるかな?絶対後悔するな今日は。)
既に後悔している自分だった。
一段落した所で、サウルが昼食だと知らせに来る。
さて、飯に行くか。お昼のご飯は何だろな。
「あ待たせしたね。早速始めてくれ。」
私のかけ声で、給仕が始まる。お昼のメインは海鮮トッピングのナポリタンだ。グリルしたエビやホタテ貝柱みたいな貝の焼いたものが乗っている。
「にゃー!ナポリタンにゃ! 」
ナポリタンが大好きなアルメイダが大喜びしている。彼女の尻尾が立ち上がりゆーらゆらと、左右に大きく揺れている。
「「いただきます(にゃ)。」」
アルメイダは早速フォークにパスタをクルクル巻き付け、あーんと大きな口を開けて食べ様としたが、相変わらず加減ができないのか、巻き付けたパスタの玉が大きすぎて、口には入らず、慌てて巻き直してから口に入れる。
アイリスは相変わらず要領よく食べているが、目尻が下がっているから、喜んでいるようだ。
そして、以外とサウルも静かだが、目元が綻んでいる。口に合って良かった。
ソニアとシーラはパスタに慣れたようで、クルクルとフォークに巻き付けてお上品に食べている。一方で、レナードとセイラは体育会系のノリで豪快にお代わりしている。
私が新しく考案した料理は今の所、全て受け入れられているようで、良かったよ。料理長の腕も上がったようだし、これで米料理を出しても大丈夫そうだ。
十二の月には、農園に植えた大豆が収穫出来るから、そこから醤油と味噌の作成にトライしよう。待っていろよ白飯と豆腐の味噌汁。
我が野望の成就まであと少しだ。
そんな事を考えていたら、いつの間にか食べ終わっていた。
「「いただきました(にゃ)。」」
合掌して『ご馳走さま』をする。
「サウル、ちょっと出掛けるから馬車の用意をしてくれるかい?」
「旦那様、どちらへお出かけでしょうか?」
「うん、『パーシモン商会』に用があってね。その後に教会にお祈りにいきたいしね。」
「分かりました。早速ご用意しますので、お部屋の方で外出の支度をしてお待ち下さい。」
私とサウルの会話を聞いて、目を光らせた者達がいた。
「あら、ショウ様お出掛けですの?」
ソニアが目を光らせ聞いてくる。
「えっ、あ、うん。イーストンに行く相談をしにね。」
「イーストンとは、どこですの?」
「ああ、この東大陸の南端の東沖合いにある島国さ。今は帝国の属領になっているよ。」
「まぁ、帝国の属領へですか?」
「コーチ、そのお話わたくしは聞いておりませんよ?」
「ショウ様、どういうことですか?」
許嫁三人娘が一斉に食いついてきた。
「・・・事情は説明するが、先に言う。イーストンへは連れては行く気はないからね。」
「何故ですのショウ様?」
ソニアが譲らず理由をきいてくる。
「ふぅ。三人共に良く聞きなさい。イーストンへは、外交いや、潜入工作の為にいくのだ。身分を隠し現地の有力者を探し、説得援助して反乱を起こさせる。私が帝国の駐留軍を始末し、おくられてくるだろう中央からの増援を始末する。そして、帝国から独立させるのだ。イーストンの次はサウスラーニで同じことをする。そうすることで、帝国内の戦力を減らし、ウェザリアへ再侵攻の軍を向かわせない様に工作をするのが狙いだ。さて、その工作員に綺麗どころの娘さんをいっしょに連れているとしたなら、さぞかし目立つだろうな?工作員が目立ってどうするの?それが元で裏工作に失敗したら元もこうも無いでしょう?だから、連れていかないのさ。分かったかい?」
「コーチ、わたくし達にお手伝いできることはありませんの?」
「悪いが今回はないな。帝国に私の身元がバレるのは、面倒なんだよ。本当なら一人で行きたい位なんだがね。今回は初めの内は私とイーストンから来ているあの三名と私の護衛として騎士団から人種族の男の騎士を三名つれていくだけだ。いざ反乱軍が立ち上がったときに、援軍として何人か呼ぶ予定だ。だが、うちの騎士団が直接戦う予定はない。今回は戦闘よりも、見つからないように裏工作で動くのが仕事だ。悪いがいずれも君達には向かない仕事だ。分かったかい?」
「それでは、仕方ありませんね。私達もショウ様の足を引っ張りたくないですから、我が儘は言いませんわ。」
「でも、そうしたら暫くはお会い出来ませんのよね?」
「そうだね、イーストンに着くまでは留守になるね。」
「でしたら、この後のお出掛けにわたくし達もお連れになって下さいまし。先日はアイリスとアルメイダをお連れになったのですから。今日はわたくし達を連れて行って下さいまし。」
「う、・・・分かりました。直ぐに出るので外出の用意をしてください。ついでだ、アイリスとアルメイダも出掛けるから、外出の用意をしなさい。」
「「「はい、承知しました。」」」
「わかったにゃ。」
「貴方も押しに弱いわね、ショウさん?」
「うぅー、ほっといて!」
アイリスの茶々入れと許嫁三人の強烈な押しに負けた形で全員でのお出かけとなった。
(くそー、油断したぜ。しかし服屋には絶対寄らないからな!でも、どこまで反対できるかな?絶対後悔するな今日は。)
既に後悔している自分だった。
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