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第十八章 帝国大乱。
第373話 今回は素っぴんで出動です。
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「お待たせしました。」
「それでご返事は如何でしょうか?」
「ウチの陛下や宰相閣下と相談した結果、提示の条件でお手伝いする事となりました。先日の話し合いで提示された条件に相違は無いですね?」
「はい。間違い有りません。クロームガルド公爵の名前に掛けて相違は有りません。」
「リーラ平原及び東海岸地帯。マルタとハヤタの二都市で間違いないよね?」
「はい。その通りです。」
「クロームガルド公爵を皇帝にすることが、条件ですよね?」
「はい、その通りです。」
「分かりました。その依頼を受けます。」
「有難うございます。これで大任が果たせます。コレが依頼状です。依頼内容と報酬が書いてあります。おとこれは関所を通過する為の通行許可証です。確認の上受け取り下さい。」
「確かに。それで近々ウチの騎士を、百人ばかり送ります。私の護衛や諸々の作業の為にです。まあ、私の私兵として動くのですけどね。承知して貰えますね?」
「百人ですか?(うーん、百人程度なら構わないか。)分かりました。伝えておきましょう。それではいつ頃到着でしょうか?」
「私も、領地持ちなのでね。この時期は農繁期になる為に忙しくなるので、一月の内にそちらへ伺うとします。」
「分かりました。来月の半ば迄にですね。お越しをお待ちしております。」
こうして、作戦開始まで一月の猶予を貰い、会談を終了する。
執務室に戻ると、早速レナードに話しかける。
「聞いていたように、騎士団の精鋭百人を選んで、海路でトングーまで行き、そこから小国家連合を抜けて、ケルンへ向かってくれ。居残り組には、新人の鍛練と街道の巡回を命じる。キャプテンには私が話をつけておく。船旅で一週間ほどだ。私もその頃には〈テレポート〉でトングーで待っているよ。選抜に入ってくれ。」
「承知致しました。馬は今回連れて行きますか?」
「うーん、山道ばかりだからな。任せるよ。まぁ余裕があれば連れていくように。」
「分かりました。これから百人の選定に入ります。」
こうして、手筈をつけて計画を立てた。
翌日。
朝食後、朝早く店を訪ねるのだった。
「キャプテンはいるかい?」
「これは、ご領主様。お呼び頂けば此方から参りますのに。さっ、どうぞ中に。おい、お茶をお出ししろ。」
店先にキャプテンこと、ドレイク・パーシモンが珍しくいた。声をかけたら、奥に案内をしてくれて、応接室へ案内される。
暫く待つと女性店員が茶を持ってきた。差し出して一礼して出ていく。
(うん、旨い。どうやら、商いは上手くいっているようだね。)
「キャプテン、良い茶葉を使っているね。商いは上手く行っているようで何よりだね?」
「お陰さまで。ヒラドやセイトと交易出来ており、今なら此方から食料を持っていくと、向こうの産物を仕入れてきています。」
「それなら、更に隣のサンドロールと良い取引をすることが出来るよ。」
「ほう。と言いますと?」
「実はつい先日、サンドロールからの密使が来てね。ヒラドやツールと交易したいと言ってきたのさ。向こうは食料を輸入したいらしい。そして向こうは絹とか木綿とかの布地や絨毯や香辛料の類いを売り。特に食料は向こうでは逼迫しているらしく、大量にいるらしい。チャンスだな、キャプテン。」
「真ですか?そのお話は?」
「本当も本当。昨日話したばかりだから、まだ誰も知らないと思うよ。」
「おお、有難うございます。他にも仕入れたい物も有りますので、これから準備をしないと。私の所に来たのは、儲け話の為だけでは無いですよね?」
「流石キャプテン。話が早い。実は、ウチの騎士百人をトングーへ輸送をお願いしたい。」
「トングーですか?あそこは確か帝国領のはずですが?」
「そこは安心して欲しいな。帝国からは独立したから。今はセイトの支配下にあるから。 」
「本当ですか?なら、船を出しても大丈夫ですね。百人ですか?するとヒラドで一日休憩を入れてトングーまで八日になりますね。何時出発予定ですか?」
「出来れば、今週中には出たい。行けるかい?」
「えーと今、丁度船が帰って来ている所ですから、丁度よいですね。分かりました。百人運びましょう。準備も有りますので、出発は三日後の朝九時にしましょう。宜しいですか?」
「三日後ね。分かった。レナードに伝えておくよ。キャプテンも準備宜しく。」
「承知しました。三日後にお待ちしてます。」
こうして移動の準備を整えてから家に戻る。
本来なら領地の統治に汗を流さないと行けない時期であるのだが、責任者に任せっきりでいけないとは思うのだが、報告書は受けているので動きだけは承知している。領主としては正直落第とは思うが、何分忙しいから許して欲しいな。などと家に帰る道すがら考えた。
しかし、いよいよ帝国の中枢に対して、直接に攻勢をかけるわけだ。
今まで分からなかった敵の正体も凡その目星はついた。高い確率で宰相が本命だろう。最後の最後まで出てこないだろうが、いざとなったら帝都へ乗り込んで白黒つける積もりだ。
宰相さえ倒せば、影響下にある皇帝と大将軍の二人はなんとでもなる。脅して退位を迫っても良いし。その後にクロームガルド公爵を皇帝に着けても良い。まあ、その後は約束を履行してもらい国境線を確定してお仕舞いだ。
帝国は数年は内政に力を注がなくてはならない。
その間に、こちらも体制を整えなくてはならない。大体戦争なんかしている間もないだろうに。
色々とすべきことを思い付きながら、我が家にもどつた。
「それでご返事は如何でしょうか?」
「ウチの陛下や宰相閣下と相談した結果、提示の条件でお手伝いする事となりました。先日の話し合いで提示された条件に相違は無いですね?」
「はい。間違い有りません。クロームガルド公爵の名前に掛けて相違は有りません。」
「リーラ平原及び東海岸地帯。マルタとハヤタの二都市で間違いないよね?」
「はい。その通りです。」
「クロームガルド公爵を皇帝にすることが、条件ですよね?」
「はい、その通りです。」
「分かりました。その依頼を受けます。」
「有難うございます。これで大任が果たせます。コレが依頼状です。依頼内容と報酬が書いてあります。おとこれは関所を通過する為の通行許可証です。確認の上受け取り下さい。」
「確かに。それで近々ウチの騎士を、百人ばかり送ります。私の護衛や諸々の作業の為にです。まあ、私の私兵として動くのですけどね。承知して貰えますね?」
「百人ですか?(うーん、百人程度なら構わないか。)分かりました。伝えておきましょう。それではいつ頃到着でしょうか?」
「私も、領地持ちなのでね。この時期は農繁期になる為に忙しくなるので、一月の内にそちらへ伺うとします。」
「分かりました。来月の半ば迄にですね。お越しをお待ちしております。」
こうして、作戦開始まで一月の猶予を貰い、会談を終了する。
執務室に戻ると、早速レナードに話しかける。
「聞いていたように、騎士団の精鋭百人を選んで、海路でトングーまで行き、そこから小国家連合を抜けて、ケルンへ向かってくれ。居残り組には、新人の鍛練と街道の巡回を命じる。キャプテンには私が話をつけておく。船旅で一週間ほどだ。私もその頃には〈テレポート〉でトングーで待っているよ。選抜に入ってくれ。」
「承知致しました。馬は今回連れて行きますか?」
「うーん、山道ばかりだからな。任せるよ。まぁ余裕があれば連れていくように。」
「分かりました。これから百人の選定に入ります。」
こうして、手筈をつけて計画を立てた。
翌日。
朝食後、朝早く店を訪ねるのだった。
「キャプテンはいるかい?」
「これは、ご領主様。お呼び頂けば此方から参りますのに。さっ、どうぞ中に。おい、お茶をお出ししろ。」
店先にキャプテンこと、ドレイク・パーシモンが珍しくいた。声をかけたら、奥に案内をしてくれて、応接室へ案内される。
暫く待つと女性店員が茶を持ってきた。差し出して一礼して出ていく。
(うん、旨い。どうやら、商いは上手くいっているようだね。)
「キャプテン、良い茶葉を使っているね。商いは上手く行っているようで何よりだね?」
「お陰さまで。ヒラドやセイトと交易出来ており、今なら此方から食料を持っていくと、向こうの産物を仕入れてきています。」
「それなら、更に隣のサンドロールと良い取引をすることが出来るよ。」
「ほう。と言いますと?」
「実はつい先日、サンドロールからの密使が来てね。ヒラドやツールと交易したいと言ってきたのさ。向こうは食料を輸入したいらしい。そして向こうは絹とか木綿とかの布地や絨毯や香辛料の類いを売り。特に食料は向こうでは逼迫しているらしく、大量にいるらしい。チャンスだな、キャプテン。」
「真ですか?そのお話は?」
「本当も本当。昨日話したばかりだから、まだ誰も知らないと思うよ。」
「おお、有難うございます。他にも仕入れたい物も有りますので、これから準備をしないと。私の所に来たのは、儲け話の為だけでは無いですよね?」
「流石キャプテン。話が早い。実は、ウチの騎士百人をトングーへ輸送をお願いしたい。」
「トングーですか?あそこは確か帝国領のはずですが?」
「そこは安心して欲しいな。帝国からは独立したから。今はセイトの支配下にあるから。 」
「本当ですか?なら、船を出しても大丈夫ですね。百人ですか?するとヒラドで一日休憩を入れてトングーまで八日になりますね。何時出発予定ですか?」
「出来れば、今週中には出たい。行けるかい?」
「えーと今、丁度船が帰って来ている所ですから、丁度よいですね。分かりました。百人運びましょう。準備も有りますので、出発は三日後の朝九時にしましょう。宜しいですか?」
「三日後ね。分かった。レナードに伝えておくよ。キャプテンも準備宜しく。」
「承知しました。三日後にお待ちしてます。」
こうして移動の準備を整えてから家に戻る。
本来なら領地の統治に汗を流さないと行けない時期であるのだが、責任者に任せっきりでいけないとは思うのだが、報告書は受けているので動きだけは承知している。領主としては正直落第とは思うが、何分忙しいから許して欲しいな。などと家に帰る道すがら考えた。
しかし、いよいよ帝国の中枢に対して、直接に攻勢をかけるわけだ。
今まで分からなかった敵の正体も凡その目星はついた。高い確率で宰相が本命だろう。最後の最後まで出てこないだろうが、いざとなったら帝都へ乗り込んで白黒つける積もりだ。
宰相さえ倒せば、影響下にある皇帝と大将軍の二人はなんとでもなる。脅して退位を迫っても良いし。その後にクロームガルド公爵を皇帝に着けても良い。まあ、その後は約束を履行してもらい国境線を確定してお仕舞いだ。
帝国は数年は内政に力を注がなくてはならない。
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