父を助けに18年

第33話

将也さんと総治さんは食後にパパが持って来てくれたアイスコーヒーを飲んでいる。

結構、この2人はお店に長い時間居るね…。

そして私は、同じくパパが何故か食後にオレンジジュースと一緒に出してくれたデザートのパンケーキを食べている。
中華料理屋さんでパンケーキっていうのも不思議だな…。
美味しいから良いけど。

「そのパンケーキ美味しそうだな！」

将也さんが私のパンケーキを見ながら言った。

「君はもう、充分食べただろ…。」

総治さんがあきれて言った。

私もそう思う…。

パパも同じテーブルでラーメンを食べている。
お店が落ち着いてきたので、休憩時間をもらったらしい。

「それは母さんが雪愛ちゃんのために特別に作ったものだからね。」

パパは笑いながら言った。

やっぱり、おばあちゃんが作ってくれたんだ。

「このパンケーキすごく美味しいよ！ありがとう！」

私は少し離れた所に居るおばあちゃんに言った。

「それは良かった。雪愛ちゃんがこっちに居る間にまた作ってあげるよ！」

おばあちゃんは嬉しそうに言ってくれた。

それは私も嬉しいな。

「あの、総治さんって科学のこととか詳しいのかな？」

私は総治さんに聞いた。

「うん。普通の人よりは詳しいと思うよ。」

総治さんは言った。

「凄く詳しいよ！」

パパは言った。

「こいつ、俺とは違って凄く頭が良くて勉強ができるんだよ。」

将也さんも言った。

「あの、タイムスリップってできるのかな？」

私は総治さんに聞いた。

タイム装置は現代に置いてきてしまった状態なので、このままだともとの時代に私は帰ることができない。

パパを助けないといけないけど、私がもとの時代へ帰る方法も見つけないといけない。
もとの時代の総治さんもなんとかしてくれるとは言っていたけど…。

総治さんは高校生の時には既にタイムスリップには興味があって、自分なりに調べていたらしいから、もしかしたらもとの時代に戻るための何かヒントになるようなことも知っているかも知れない。