父を助けに18年

クルミ

文字の大きさ
40 / 45

第38話

しおりを挟む
あの後、すぐに総治さんと将也さんは帰っていった。
総治さんは、明日までに月下山で男の子が行方不明になった事件について詳しく調べてみるそうだ。

総治さんの両親は学校の先生だから、事件について何か知ってるかも知れないから、聞いてみるそうだ。

総治さんが言うには子供が行方不明になった事件だから学校の先生には情報が入っている可能性があるそうだ。

やっぱり、総治さんは高校生の時から頭が良かったんだな。

私はあの後、総治さんと将也さんが帰ってから、少しの時間はお店でテレビを観ていたけど、おばあちゃんが準備してくれたお風呂に入った。

お風呂に入る前に2階の電話を借りて大阪のお母さんには連絡した、ということをパパとおばあちゃんには言った。
もちろん、本当は電話なんてしていないけど…。

私が今日来たばかりで疲れているだろう、と気を使って一番に入らせてくれた。
どちらにしても、パパとおじいちゃんとおばあちゃんはまだ、お客さんが帰った後のお店の片付けをしている。

お風呂から上がると私が泊めてもらう客間には既に私が寝るための布団を敷いてくれていたので、私はすぐに布団の中へ入った。

現代ではこの部屋に何度か泊まったことはあるけど、時代が変われば違う場所にも感じるから不思議だな。

親戚ってことになっているとはいえ、今日がある意味初対面なのにとても親切にしてくれている。
家族だから時代を超えても、何か通じるものがあるのだろうか?

みんなで考えた作戦通り、風林家に入り込むことができた。
私が本当の名前で名乗っているのも、偽名だと呼ばれた時に私がとっさに反応できなくて、そっちの方が不自然になるかららしい。
確かに本当の名前の方が自然体で居られるな。

曾おばあちゃんに教えてもらって、実在するけどほぼ連絡を取っていない、無難な親戚の名前を使わせてもらった。

曾おじいちゃんはこの頃には記憶が曖昧なことが多くなってきたらしいので、曾おじいちゃんには申し訳ないけど、曾おじいちゃんが承諾したことにさせてもらった。

現代の総治さん、将也さん、曾おばあちゃんからすれば過去の自分達を上手く騙すための作戦を考えるようなものなので、それほど難しくはないらしい。
細かいことを思い出すのは少し苦労したらしいけど…。

しかし、問題はここからだ。
パパに病院で検査を受けさせる良い作戦は、現代では誰も思い浮かばなかったのだ。
パパの頭に軽い怪我をさせて検査を受けさせるっていう、荒っぽい作戦を将也さんが言ったけど却下になった…。
怪しまれずに上手く説得するしかないのだ。

それと、今のままでは私は現代に帰る方法が無い。
ただ、時代が過去であっても同じ佃町だし、知っている人ばかりで良い人に囲まれているせいか、不思議とそのことに対する不安は少ない。
現代の総治さんも何とかしてくれるだろうしね…。

考えてみたら、今日のお昼までは現代に居たはずなのに不思議だな。

今日、1日で色々な事があったな…。

そんな事を考えていると、疲れもあったせいか、うとうとしていつの間にか私は眠っていた。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

転生したら世界一の御曹司だった〜巨乳エルフメイド10人と美少女騎士に溺愛されています〜

まさき
青春
異世界転生した最強の金持ち嫡男、 専属エルフメイドと美少女騎士に囲まれて至福のハーレム生活   現代日本で「地味だが実は超大富豪」という特殊な人生を送っていた青年は、ある日事故で命を落とす。   しかし目を覚ますと、そこは魔法と様々な種族が存在する異世界だった。   彼は大陸一の富を誇る名門貴族―― ヴァン・バレンティン家の嫡男カイルとして転生していたのだ。   カイルに与えられたのは ・世界一とも言える圧倒的な財力 ・財力に比例して増大する規格外の魔力   そして何より彼を驚かせたのは――   彼に仕える十人の専属メイド全員が、巨乳美少女だったことである。   献身的なエルフのメイド長リリア。 護衛騎士でありながら隙あらば誘惑してくる女騎士シルヴィア。   さらに個性豊かな巨乳メイドたち。   カイルは持ち前の財力で彼女たちの願いを叶え、最高級の装備や生活を与えていく。   すると彼女たちの忠誠心と愛情はどんどん加速していき――   「カイル様……今日は私が、お世話をさせてください」   領地を狙う貴族を金と魔力で圧倒し、 時にはメイドたちの愛が暴走して甘すぎる時間に巻き込まれながらも、   最強の御曹司カイルは 世界一幸せなハーレムを築いていく。 最後までお読みいただきありがとうございました。よろしければ応援をお願いいたします。

二重のカーテン (スカートの下の黒い意志)

MisakiNonagase
青春
洗濯物の隙間に隠したのは、母としての祈りと、娘のプライド。 かつて、女子高生という生き物はもっと無防備で、自由だった。 44歳の主婦、愛子が朝のベランダで手にするのは、娘たちが毎日履き替える漆黒のオーバーパンツ、通称「黒パン」。それは、令和を生きる娘たちが自らの尊厳を守るために身に着ける、鉄壁の「鎧」だった。 小学校時代のママ友たちとのランチ会。そこで語られるのは、ブルセラショップに下着を売っていた奔放な50代、無防備なまま凛と歩くしかなかった40代、そして「見せないこと」に命を懸ける10代の、あまりに深い断絶。さらには、階段で石像のように固まる父、生徒の背後に立たないよう神経を削る教師……。 一枚の黒い布を通して浮き彫りになる、現代社会の歪さと、その根底にある不器用なまでの「優しさ」。 ベランダに干された黒いカーテンの向こう側に、あなたは何を見ますか?

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

妻への最後の手紙

中七七三
ライト文芸
生きることに疲れた夫が妻へ送った最後の手紙の話。

処理中です...