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39.戦の予感

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 副ギルドマスターが慌てて出てきた。

 「サトルどういうことだ?」

 「しらん。サンドーラ王国の使者と名乗る者がいきなり襲いかかってきたんで報告に来たんだよ。どうしたらいい?」

 「そうなのか?少し待ってくれ各ギルド支部に連絡を入れる。多分、サンドーラ王国と一戦することになるな。」
  
 「一国と戦争とか本当か?」

 「当たり前だ、前回の男爵の件でもギルドは頭にきているんだよ。きちんと罪を国民に伝えないでただ国家反逆罪で処刑だけして国の罪をもみ消したんだ。」
  
 「きたないな。」

 「今回はサトルに鎖をつないで飼い殺しにする気だと思う。アルクセルク連邦国上層部にも伝えるからギルド内でまっていてくれ。」

 「わかった。奴らが来たら取り押さえておく。」

 「頼む、損害は出したくないから。生け捕りにしてくれ。」

 副ギルドマスターは連絡を入れにいった。連絡の結果、商業ギルドはサンドーラ王国と全面的に敵対するとの事だった。アルクセルク連邦国はサンドーラ王国軍が国内に入ってきたら応戦するとの事だった。

 今回の使者を送り返してもまた別の使者を送ってくるのが目に見えている。結果、商業ギルドは今回の使者を犯罪者として拘束してサンドーラ王国に連れていき処罰を願う事にした。もちろん護衛をつけてサンドーラ王国首都のサンドーラまでいくらしい。

 「すまないが、サトルも護衛としてきてくれないか?報酬は弾むし、居てくれるとこちらの被害が少なくなるからな。」

 「そうだな、もとは俺がガラス製品を持ち込んだ事から始まったからな。わかった依頼を受けよう。しかし、護衛といっても何人で行くんだ?」

 「助かる。人数は20名程度だが商業ギルドの精鋭で冒険者ギルドだと全員Sクラスはある。戦力的には大丈夫だ。」

 商業ギルドは思い切った戦略を立てていた。兵士100人とSランク冒険者がだいたい同じであるのだつまり20人でも2000人の戦力があるのだった。

 通常首都の兵力は2000程度しかいないので対等には戦えるみたいだ。そこで安全マージン確保の為にサトルにも同行して貰うのだ。

 サトルは自分の能力を理解していないので知らないが兵士5000人でもサトルの方が強いのだ。マナミもSランクまではいかないが50人くらいまでは戦えるのだった。
 サトルはマナミに今回の経緯を話すと、

 「サトルさんやってやりましょう!黙っては要られません。」

 こうして、遠征にサトルとマナミが同行する事になった。数日遠征の準備に時間を使う二人だった。
 
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