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魔王国編

思惑

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 ダイスケが魔王都から去るころ城では、強硬派の緊急会議が開催されていた。

 
 「皆のもの一大事なのじゃあ。強硬派の精鋭の兵士が人族らしき者にやられたのじゃあ。そこでその人族を取り込んで強硬派の兵力として使おうと思うのじゃあ。皆のものの意見をききたいのじゃあ。」


 「「「いい考えです。お嬢様。」」」


 「妾はかわいいのじゃあ、かわいいは正義なのじゃあ。よし妾を含めて隊を編成するのじゃあ。」


 「「「「はい。」」」」


 兵士達は勢い良く返事をして隊を編成しだした。たかが人族ひとりを迎えに行くのに何でだと思いつつもお嬢様の為に頑張る強硬派の姿が見えた。


 その頃ダイスケは異世界ダンジョンの街でダンジョンマスターことハジメに会っていた。

 「ダイスケ調査ご苦労だったね。」


 「調査を頼んでおいてそれだけか?念話も途中で切りやがって。」


 「ごめんごめん。直接会ってから話を聞きたかったんだよ。」


 「仕方ない、では話すぞ。」

 
 「わかった。」


 それから、ダイスケはハジメに魔王国での体験をはなした。各国が調査隊を派遣していること、各国の争いで調査隊が壊滅したこと、強硬派と言われる代表の娘が行動しようといていることなどを話した。


 「ダイスケ、調査なのに兵士を捕まえ過ぎるよ。隠密に行動してよ。依頼した俺が悪い感じだよ。」


 「仕方ないだろ、脳筋ばっかりの国だったからな。強硬派は行動を起こすぞ。代表は娘に甘くて止められないからな。お転婆らしいからな。」


 「はあー、面倒くさいね。」


 「そもそも何でハジメは今回の調査を俺に頼んだんだよ?」


 「それはね、神託があったからだよ。彼に行かせれば上手くいくっていう。」


 「となると、神託をした神が今回の件にからんでるな。まったく面倒事を押しつけやがって。」


 「あ、忘れてた。調査依頼の報酬は神が払うらしいよ。だから後で教会を訪ねてね。」


 「わかった。いってから文句を言ってやる。」


 話が終わるとハジメと別れて教会を目指した。


 「いらっしゃいませ。今日はどんなご用件でしょうか?」


 「少し神にお祈りする為ですが、いいでしょうか?ダメなら帰ります。」


 「大丈夫ですよ。どうぞお入り下さい。」

 案内されると早速お祈りをして神界に向かった。要件次第ではただでは許さない事に心の中で決めている。出て来い担当神よ。


 「いらっしゃい。良く来たわ。あなたに会いたかったのよ。」

 出てきたのは美女の女神ではなく微女の男神だった。神界でもオネイ系があるのかよ。複雑な気持ちだが、話を聞いてみる事にした。
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