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地球編

寂れた骨董品屋

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 翌日から近くのリサイクルショップや骨董品屋を回り鑑定を使って商品を見てみる。

 ゴミやガラクタの中から宝が出てくるまさにファンタジー。俺に鑑定があるから簡単に掘り出し物がわかるのだが大した物はなかった。

 鑑定の素晴らしい点は適正価格なども詳細に教えてくれることだった。鑑定やらの資格のない俺でも分かるのだから素晴らしい能力だった。方針をどうしようか悩んでいると知り合いから相談された。

 「ダイスケ、やることないのなら近所の寂れた骨董品屋の店番をしてもらえないだろうか?ばあさんが入院したんで誰も店番がいないんだ。いいだろう?」

 特にやることがなかったので引き受けることにした。そして、その店にはいる。

 「埃だらけじゃないか。」

 その一言から俺の掃除魂に火を付けた。

 「おりゃーー。」


 かけ声と共に凄い勢いで綺麗になっていく店の中。よく床が滑るラーメン屋が多々あるがそういったラーメン屋に行くとテンションが下がるのは俺だけだろうか、油汚れが原因だ。厨房の床が汚れているからだと思う。関係ない話になったが、滑って商品を割らない用にするために念入りに掃除をする。

 3時間くらいで粗方片付いた。スキルを使っていてこの時間なのだから普通は2日位はかかる仕事に違いない。掃除が終わると商品に鑑定をかけてみる。1つ1つの商品は適正な価格がつけられていた。便利なスキルに感謝しながら店番をする。特に来店はないのだが店にいる。

 閉店の時刻になってきたので店を閉めることにした。本日の来店はゼロ、いなくてもいいレベルだ。しかし、建物は人がいなくなると痛みが早くなるので明日以降も店番をする事にした。ただし、店番をしている間に生産スキルで何かを作ろうと考える。


 店番は始めて一週間経ったがお客は誰一人もこないので制作を開始する事にした。何を作るかは異世界で出会った人達のフィギュアだ。木材を加工している大きさ的には10分の1サイズにしてみた。店番していても稼ぎがないからだ。また来店がないためネットオークションで販売してみる。価格は高めに設定してみた1体5万円で出品してみた。

 後日、オークションのマイページを見てみるとアクセス数が異常な数になっていた。


 「なんだアクセス数が2万件を越えている。値段はいくらになっているんだ?」


 カチカチ、マウスでクリックをすると


 「はい?」


 入札 1589件  金額 654589円

 

 信じられない金額と入札数だった。デザインはエルフにしているから人気だとおもうのだが、素人の作品にそれだけの値をつけるとはビックリだ。また問い合わせのメールが多々あったが面倒だったので軽い返事と問い合わせ先に骨董品屋の名前を入れておいた。今思えばそんなことしなければ良かったと後悔している。
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