iラバーポエマーズ

鏑木ダビデ

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夢青年

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あの日、僕は扉絵に絵が描かれた、一つの本に夢を投げた。
「人間失格」
恋を追いながら、大学に通って、真面目な日々に、退屈空よ。
大あくびの毎日。愛することを知る、その瞬間に、恋、恋、夢日柄。
ブルーのジーンズに、タイトなチェックシャツ。
首から伸びる下心。
器に盛られた、大きな酒が、大学の外灯で、光る合コン、恋日柄。
憧れた、君のシェイプなヒップ、舌の先。上に見れば鳥日頃。
いつも、空ばかり見上げていた、雲が裂け目から、追ってくる空想のデカダンス。
君のヴァギナを想像しては、手が伸びる。先っぽの白い聖なる本が、太宰の見た邂逅の改悛。
春を買ったから、もう、その行くえは、見えないサングラス。
ぼくは、はずした、席で、君のよこに座り、酒をついだそんな鮮やかな思いの恋、ひさし
浴びるように飲めば、茫漠の世界が、帰り道。夕日に染まる、その道で、巻上がるスカート、下着のエロデジャブ・ハイグラウンド・ホール・スキャンティー。
君のストライクラッキーはたどる指に灯す煙草の名前。
ああ、そんな毎日が、かけがえのない時だったならば、叫ぶことを忘れない詩人の重い頭が、もたげた股に、そっと指を差しこみ、チェリー破裂、激情発射、ラブジュース。
君の名前は波留。
僕のあこがれるヴァギナワードエンジェル。
さあ、君と手をつないだなら、ダンスが終わる前に、キスをして、一緒に溶けて、裂けてゆこう。また火の日股。燃え上がる恋は喪失の薄化粧。匂ってくる君のラブセンス。
求め合って、先に、先に、爆発したロケットセントラル子宮、タイ、誕生。
結婚しようよ。
ハルは僕の夢に語り掛けたなら、いつかの文学少年は、もういない。
独りの未知より二人の夢に、誓った空に、春の薔薇が舞い、手をつないでヴァージンロード。
一緒に歩もう。
教会が鐘を鳴らしたならブーケに踊る花嫁は、笑顔炸裂、それから、大空に鳥が飛び、こう言う。
「永遠ではない。歩むのなら、絶やさないで、その夢の火を。薪をくべて、燃やして燻るならば、キスをして、また積み上げて、二人、青い青いまどろみ結晶です」
指を絡めて、小指なら、それはたいそう素晴らしい。どんどん押して、壁際で、ダンスを踊る僕と君は猫のあくびにまた笑う。さあ、抱擁を解いて、また、恋に落ちてゆこう、ね。
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