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ミナミ

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八本の糸が、一つにに束ねた、髪、伺うように、小首をかしげる上目づかいのエンジェル、白き胸、秘めたる思い出は、それぞれの色をした、心の線に体のラインが見える透かすように、見つめた、あなたは私の恋エンジェル。
閉じ込められたこの小さな心牢で、いつも健気に支えてくれる、あなたの夢が、叶うなら、もう私は、何もいらない、翼を広げて、雄大な空を渡る自由を信じる、繊細な細工、腰に差した短剣が、そっと私の琴線を切る、貴女の指を切らないように。もし、あなたの髪を切るのなら、私は、そっと指ですくって、孤独を感じたい、苦しみが、襲う晩に、小さな風鈴が、眠っている、あなたの耳に、心まで満たすなら、涼んでください、体が、生ぬるい夜風に燻る永遠バラード、そばにいた、翼が折れて、私とあなた、抱きしめ合いたい、この自由のない世界で。
貴女が信じる希望は、私の歌に息を吹きかけ、ベルガモットの吐息になって、私の心を慰めた。
だから、私は、貴女と一つになりたい、明け方の空、雲に揺れるルビーの瞳、潤んで、泣いていた、見捨てられたこの場所で。
また、何度でも、死んでしまったら、君の指を切ったナイフを私は許さない。
血が流れて、地面に落ちて、暗い色が、その血を、黒く染めたら、私はあなたを白く染めたい、衣でも、お金でも、美貌でもなく、一つの誠実さ、ミナミ、光る指を切らないで。ミナミ、愛を信じた日々を疑わないで。ああ、ミナミ、私の恋人になってください。
ラブレターは、素朴な便せん。
封に貼られた無限ハートのシールは、私のささやかな望み、もし、これから先、生きることを望むなら、貴女の優しい瞳が、照らしてくれると、信じています。
いっぱいの痛みと、微かな夢を、胸いっぱいに吸い上げた、貴女の香水、ベルガモット、貴女の肌の香りが、私の心に沁みていく。
ここは、愛と慈しみの大地、ではなく、貴女を、貴女だけを愛するベッドの上。
刹那の恋が、果てる時、あなたの孤独が終わります。
一緒に見ようね、ミナミ、空を、東の空を。
太陽が、涙をぬぐわないなら、私が、貴女の瞳にキスをして、その涙をぬぐいます。
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