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嵐の残照

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光る静けさ、戯れの音楽が、無残に散る、生命の黎明は、明け行く空の下、ささやかな幸福を詠う、鳥と花々、微かな雲間から、覗く、太陽の瞳に、揺れ動く、一層の船が、漕ぎだした、オールに、枯れていく、心の薔薇に、藤の花が、巻着く、マフラーのような、花模様、首から下に、動いていく、狂気の声が、うごめくように、叫び出す、実験の配合、薔薇と藤。
深紅の血と、紫の皮膚が、解け合うように、殺し合う、生命の声が、蚊の鳴く姿で、留める、落日の夢。
チェロの響きに酔いしれて、琴線の流れゆく血液、赤と白の毒、色彩のバランス、ばらばらな花姿。
花嫁衣装に、枯れるような柳を、下で、踊る喜悦の楽想が、イマージュの峠を越える、アンチテンプの暗さから、読書の享楽、静かなる雪山に、煙るように咲く白き蔓バラ。
花嫁は、向かう、山頂の景色に、雲海を下にして、そっと、バランス&バラード。
ショパンのスケルツオ、シューマンの夢情景。子供の頃に、見た、世界は、花世界。
微かな息が、雲海を越えて、森陰りゆく川に、染まる、赤い血のような感覚,アンバランス&アンダーバラード
雪から続く山道に降りていく影、虚空の2つ。
パープル&バイオレット
棘が、刺さる、痛みに刺さる、虚無の月影が、差し込んだ、世界は燃えている。
山の上で、ぼんやりと、茂ゆくあの子の頬に、隠れて、かくれんぼ憂愁の音楽。
バッハの旋律が不規則な呼吸を乱す、逆月の空の、昇る希望峠のチェロアニマルそして私は浮き沈んでいく動物固形石鹸、油脂性のカウブランド、または、毒々しい花の石鹸植物性の藤&薔薇アロマ、擦り付けるように擦る、股下から生なましい香り、イランイランの花の名は「降雪の連弾峠」「高速の連弾詩発」
爆発していく火山から、噴煙の差し込む黒煙それから、嵐がやってきて、沈黙の大地に活性していく生命、たどり着いた、この時に、別れを告げる、読書が終わる。
音楽から孤独、下山して、降雪の接吻に酔いしれる、藤にキスをして、紫の官能が、振袖を脱がした。
花嫁衣装は、白である、花々造花は、虹の色。
嵐から、日が差して、北国にオーロラが見えるころ、天使たちが、降ってくる、それは、肉体の踊りを奏でる、ピアノの楽譜、花の名曲「パレットオブ虹ワルツ」
今宵手を取り合って、ダンスに興じる仮面の下に、黒き花、色彩が、散って、昇りゆく鳥が、ついばんだ、この種が、喉を通れば、藤の花は、枯れる、そして生まれる、花嫁の精霊が、祭りに出るから、私は独り音楽に沈む。旋律楽譜に、薔薇の花びらを添える、そして、枯れるまで、静かに、時を待つ、結婚の夢芝居、花恋の可憐奏ゴルドベルク変奏曲。
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