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アンリミテッドジャーニー

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続いていく。
舞い上がる黒い花びらが、散ることを許されない季節に、俺は、一つの答えを探していた。
一陣の風に向かって、獅子のように、叫んでいる。
一陣の風に向かって、獅子のように、叫んでいる。
壊れてしまう前に、出かけないと。
夢を追おう。
眼が、閉じていく、一凛の花から太陽が見えてくる。
光りが、ここにある。
闇が、ここにある。
一直線に走っていく。
絆が、俺と男たちをつないでいるから、戦った記憶は、花束の海に沈む。
一枚一枚、丹念に、紡ぐ、人生という長い時を、時を止めるように、ときめく、女と自由、そして、空に浮く雲の切り絵のような姿が、一つの紙芝居。
人生は紙芝居。
操る者は、お前自身
続いていく。
舞い散る一つの命が、踊りのように、散ったなら、ひらひらと、さ迷う、もうたどり着けないなら、あの山の向こう。遥かなる雪の山に、大声で呼ぶ。
憧れを。
自由を。
やりきれない。
そっと、心を脱いで、死にゆくことが、運命なら、選び取るのもまた運命。
明け方、故郷を仰ぎ見た双眸が、悔しさに濡れるなら、どうか、信じてきた君の拳を叩きつけて。
その大地に
その空に。
明け方の夢に出でくる君は、俺の影。
孤独を殺すことなく撃ち続けた人生にありがとうというなら、生きてきた証が、輝く。
胸に咲く造花が、勲章のように、無くしてしまった今を、飾る。
決して見せかけではない勇気を。
決して妥協しない必死さを。
汗が、流れるなら、答えられるはず。
自分自身だけに
たとえ倒れたとしても、生きてきたことに後悔を感じない。
俺と君たちが、旅をやめないなら。
俺と君たちが、雨を受けるなら。
傘を差してくれ友よ!
どうか、雨をよけながら、疾走すれば、地平線に見えてくる。
例え、すべてが終わったように感じても、世界が死んだように目を伏せても、鳥と大空そして、一粒の種。
続いていく、きっと、続いていくから。
旅を続ける限り。
旅を続ける限り。
死してもなお、残るものがあるとしたら、「愛と生きた証だけ」
友よ!
明け方まどろみの中で、俺が苦しんでいたら、そっと起こしてくれるか?
窓辺に寄って想い出す。
鳥と空と朝日と、友よ、お前たちのことだけを。
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